新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1003 契約終了期間の書き込みがない場合はどうでしょうか?


投稿者 YSさん  投稿日時 2011.4. 4 AM 0:15


はじめまして、YSといいます。

母親が平成17年に契約し、平成21/1〜という契約内容で契約していました。

息子である自分と他の家族が新聞は必要ないと自己の理由により平成23/5より解約したいとおもっております。

いざ控え書を探してみるとなぜか期間には平成21/1〜としか書かれておらず終了期間がないのです。

ほかにもサービス1年分無料かつサービス品の記号のようなものが記載されていました。

サービス1年と書いてる以上、確かに最低でも1年以上の契約だというのはわかります。

実際販売店に電話して解約と伝えてみると5年契約になっている、解約するなら損害金を払ってもらうとのこと。

確かに控え書の裏には契約解除の場合は損害金の請求される旨の記載があります。

過去の記事をよんでみると契約終了期間の書き込みがない場合は即刻解約できるとありましたが今回の場合はどうでしょうか?

最悪サービス分の返還には応じる覚悟ですが、それ以上請求された場合は応じるつもりはないです。


回答者 ゲン


『過去の記事をよんでみると契約終了期間の書き込みがない場合は即刻解約できるとありましたが今回の場合はどうでしょうか?』というのは、どのQ&Aのことを言うておられるのか具体的なナンバーを教えて貰わんことには確かなことは分からんが、「契約期間の未記入」ということなら、その契約書の不備を突くことはできる。

契約書というのは、契約期間が確定しとる間だけ法律で保護されることになっとる。契約期間の定めがない契約は、どちらか一方の意志だけで、いつでも終了させることが法律上は可能や。

ただ、今回の場合、『息子である自分と他の家族が新聞は必要ないと自己の理由により』とあるが、肝心の契約者であるお母さんの認識と気持ち、意志はどうなのやろうか。

それが一番重要になる。

はっきり言うて、今回の契約は、その販売店とお母さんとの間のやり取りが分からんと何とも言えんことや。もし、お母さんがその販売店が主張する『5年契約』というのを認めていた場合は違う結果になるさかいな。

確かに契約書の記載事項は重要な要件やが、それは契約者本人が異を唱えた場合のみ問題になることで、契約者がそのことを承知していた、納得していたというのであれば、その契約書は有効ということになる。

しかも、以前にも同様の契約をしていたことがあれば『5年契約』という文言を外していたとしても、それはお互いの暗黙の了解事項やったと判断されやすい。

その場合、今回のことだけを問題にするというのは、おかしな話ということになる。

しかも、その契約の不備を指摘、主張するのなら、その契約書を受け取った直後の平成17年にするべきやったということにもなる。

契約書というものは基本的には、その場で確認しとかなあかんものやさかいな。

それを平成21年1月から2年以上も何も言わず購読を続けていて、突然、今頃になって、契約者でもない他の家族が、「契約書の内容がおかしいから解約したい」と言うのは、どうかと思うがな。

それは、どう考えても、その契約を解約したいという前提ありきで、何か不備はないかと探した結果、それを見つけたと、ワシを含め第三者は見ると思う。

加えて、お母さんの意志がこの相談に示されていないというのにも違和感を感じる。

通常、この業界では、その販売店の言うとおり『5年契約で1年間の無料サービス』というのが一般的や。1年で3ヶ月の無料サービスということやな。取り立てて不当と言える契約内容やない。

ただ、どうしても解約したいということであれば、その販売店の言う『解約するなら損害金を払ってもらう』という請求額とやらを聞いてみられたらどうかと思う。

『最悪サービス分の返還には応じる覚悟ですが』というのは、民法545条の「原状回復義務」に照らしても、契約を途中解除するのなら、サービス分のすべてを返還する義務が生じるさかい、それは当然のことということになる。ことさら「覚悟」するまでもない。

その新聞銘柄にもよるが、最も多いとされる価格帯の朝夕セット版で月3925円。その12ヶ月分として、47100円は返還せなあかんことになる。それは分かっておられると思う。

販売店によれば、その1年サービス分も含めて、解約違約金の請求額が47100円以内というケースもある。

その場合なら、それほど揉めずとも済むのやないかと考えるさかい、まずはその販売店の請求額を聞き出したらどうかと思う。

ただ、一般的なケースで言えば、その1年サービス分47100円プラス解約違約金の請求というのが多い。その解約違約金の請求額は、販売店により、それぞれやとしか言えん。

そちらとしては、『それ以上請求された場合は応じるつもりはないです』と、1年サービス分以外の解約違約金の支払いを拒否されるということやが、それやと揉めてまとまる可能性は低いと考える。

『自己の理由』による解約希望の場合、その話し合いで決着がつかんと延々と長引くことになる。しかも、その長引いた期間の新聞代金も支払いが発生するという点も考えに入れといた方がええ。

結論として、まずお母さんの気持ちと認識がどうなのかを教えてほしい。それで大きく違う。

最近、特にこのQ&Aに多い傾向やが、高齢の親御さんの意向を無視して、単に新聞代が無駄やからと判断する子供さんからの解約希望が寄せられることがあるが、それは少し違う角度で考え直してほしいものやと思う。

息子さんである、あんたの年齢は分からんから一概に決めつけるわけにはいかんが、高齢者にとって新聞というのは特別なものやという認識の薄い人がおられる。

たいていの高齢者は人生の大半をその新聞と共にしてきたと言うてもええくらい、生活と一体になっとるものや。

例え、その新聞を見ない、読まないとしても、そこにあるだけで落ち着くというほど他に類を見ないものやと。

合理的に考えれば、そんな見ない、読まないような新聞は確かに無駄や。

しかし、現実に、ある日、突然、いつもあるはずの新聞がなくなったときのご高齢の方の寂しさには、筆舌に尽くし難いものがある。そう嘆く、ご高齢者の方々を何人も見てきた。

例えて言えば、今の若者に、その代金が勿体ないからと携帯電話を強制的に解約させるようなもんやさかいな。そんなことをすれば、ヘタをすると家庭崩壊にもつながりかねんわな。

ご高齢者にとって新聞とは、そのくらいの存在なのやと理解してほしいと思う。

人にとって何が必要で何が大事かは、その人が決めるしかない。例え、それが親子の間であろうと介入したらあかんことやとワシは思う。

あんたも将来、そのお母さんと同じ立場になるときが必ずくる。そのときになって、自分の子供から、あれはあかん、これは必要ないと制限されたら、どういう気持ちになるやろうか。

ワシとすれば、お母さんが「解約したい」という強い気持ちを持たれているなら、その販売店と揉めてでも『契約期間の定めがない契約は、どちらか一方の意志だけで、いつでも終了させることが法律上は可能』という方法の後押ししたいと思う。そのためになら、いくらでも助言する。

しかし、そうでないのなら、お母さんの気持ちを大切にしてほしいと思う。

他人の勝手な言い分と承知の上で言わせて貰えれば、家族間でギクシャクするくらいなら、新聞代程度の出費は安いものやと考える。

ただ、どうされるかは、あくまでも、そちらの家族間で話し合って決めて貰うしかないがな。


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