新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1005 サイトを覗けば覗くほど質問が出てきます


投稿者 king さん 新聞セールス員  投稿日時 2011.4. 6 PM 11:53


お世話になります。

サイトを覗けば覗くほど、ゲンさんへの質問がいくつか出てきたので、よろしくお願いします!

@よく、ベテランの拡張員ほど、『止め(起こし)狙い』をする方が多いと思いますが、ゲンさんも、もちろん、新規も叩くと思いますが、比重でいうと、止め(起こし)狙いですか?

Aゲンさんは、拡張をする時に、地図が必要ないような事がどこかに書いてありましたが、専拡だと、ひとつのお店だからわかるのですが、毎日、行く店が違う場合、Aという店でもバンクは10以上はあるでしょうし、Bでも15区域とかあったり、一ヶ月の間に10店舗以上は回ると思います。

その全ての店、全てのバンクを完全に記憶するだけでも大変なのに、Bという店に三週間ぶりに入店したとして、そのBの中でも20区域あるとします。

団員6人位でその店に入ったとして、誰がどの区域を回るかなんて、入った時決めると思うのですが、データや地図をもらわない限り、地区の入り止めがわかるわけがないのでは?
…と疑問に思いました。

Bゲンさんは、夕方位から仕事始める事多いみたいですが、何時まで叩くのかわかりませんが、それだと『面談件数』って少ないですよね?

何度も入って知りつくしているバンクなら別としても、初めて入るバンク(またはあまり入ったことないバンク)でも同じペースで叩かれているのですか?

時間効率良い集合住宅でさえ、実際に時間計ってみると、一軒ピンポンして、ドアオープンまでの時間、開いてからの会話…意外と時間かかります。

これが一軒家になると、家から家への移動時間もありますので、夕方5時から8時まで休まず叩いても、子供や留守番のお年寄りしかいない家もけっこうあるので、本当に勝負できる人に会える件数って少ないと思うのですが…

ゲンさんの場合は、力があるので、例え10件しか面談できなくても、それで数件契約できる実力があるって事なのでしょう!

実際に叩いてわかったのですが、昼からサボらずに集合住宅叩いても、主権者(主人か奥さん)と面談できる件数ってそれほどいかないものです(ピンポンして待つ時間もバカにならない)

ドアが開いて、主人か奥さんが出てきたら、ほぼ決める位の力がないと、ゲンさんのような回り方は難しいですね?

以上です。

よろしくお願いしますm(_ _)m


回答者 ゲン


『@よく、ベテランの拡張員ほど、『止め(起こし)狙い』をする方が多いと思いますが、ゲンさんも、もちろん、新規も叩くと思いますが、比重でいうと、止め(起こし)狙いですか?』というのは少し違うと思う。

『止め(起こし)狙い』というのは、販売店から出される『過去読者』狙いのことやと思うが、確かに、その『過去読者』を叩くのが最も手っ取り早いと感じて、それをアテにする拡張員は多い。

まあ、それには過去に一度でも契約したことのある客なら、比較的簡単に話ができるという理由からやと思う。少なくとも、門前払いは少ないはずやと。

購読を止めた理由にもよるが、単にサービスのええ方に流れたのなら、それに対抗するサービスを示せばええし、何らかのトラブルがあったのなら、「私は大丈夫ですから、信用してください」ということを中心に説得すればええと考えるわけや。

もっとも、どうであれ、それで結果を出せればそれでええわけで、それに固執、欲する拡張員は、それにより、ある程度の実績、旨みを得ているから、そうするのやと思う。

それを否定するつもりはない。それはそれで一つの方法やさかいな。

しかし、ワシは、そういうのにはあまり拘らん。というより、基本的にワシは人の作ったデータや過去の情報というのに縛られるのは嫌いや。

データは自分で作るし、何より自分にとって、ええ関係の保てると思える人間だけをアタックすることの方が多い。

それが新規であったり、過去読者であったりすることはあるが、それは単なる結果でしかなく、最初から新規、過去読者と区別して叩くことはない。

ただ、ワシが比重を置く営業ということなら、今までの客、契約をして貰った客との付き合いを大事にするという点かな。

ワシにとって一番多いのが、今までの客からの紹介や教えて貰った情報を元にした営業や。

たいていの拡張員は契約を貰ったら、その客とはそれで終わりと考える人間が多い。そこから先の付き合いをしようとはあまり考えんようや。

その点ワシは違う。

客の中には、世話好きな人とか、誰かに頼りにされると喜ぶ人、地域の顔役的存在の人というのが必ずいとる。そういう人たちと懇意になれば、そこから先の営業、顧客に結びつくことが結構多い。

例えば、契約をして貰った世話好きな人と懇意になれたとしたら、ワシは、事ある毎にその近くに寄った際、顔出しするようにしとる。

たいていは、簡単な手みやげ(捨て材でも可)を持って、ご機嫌伺いをして少しの間だけでも世間話をするわけや。

「○○さん、お久しぶりです。その後、お変わりありませんか」と。「うちの人間、間違いなくちゃんと配達してますか」と。

尚、これのできる人を、その地域毎に作っておけば、叩いても叩いても不調なときの気分転換にもなる。

当然やが、誰しも立て続けに断れ続けると気分も滅入る。そんなとき、そういう人と会えば、また「よし」という気になりやすく、仕事に戻れるということや。

すると、そういう人たちはワシの経験上、こちらから何も言わずとも、「ゲンさん、あそこの奥さん、今取っている○○新聞を止めたいと言ってたから、いい人を紹介すると言っておいたわよ」などと教えてくれることがある。

当然、そういうケースは、ほとんどが成約になる。

誰かに頼りにされると喜ぶ人とか、地域の顔役的存在の人というのも似たようなところがある。

つまり、そういった俗に「顔の利く」人と懇意になることで、その人たちがワシの代わりに勝手に営業してくれるわけや。そういう人を見極めて付き合うのも重要な営業やとワシは考えとる。

もちろん、そうしてくれた人には、それなりの礼をする。すると、さらに気に入られ、頑張ってくれる。

営業は成約したら終わりやない。その先がある。つまり、果てしない人間関係、人との付き合いの輪を拡げるということが、最も有効な方法やと考えとるわけや。

営業で人間関係を作っていくというのは、そういうことやと思うとる。

せやから、そのワシにすれば、特定の狙いなどなくてもええわけや。ワシにとって、ええ付き合いのできる、心やすい客でありさえすればな。

『Aゲンさんは、拡張をする時に、地図が必要ないような事がどこかに書いてありましたが』というのは、具体的にはどこのことかな。

同じ、そういう表現をしてていたとしても、そのときの状況次第では、その答えはまったく違うさかいな。

バンク(新聞販売店の営業エリア内)によっては、白叩き(現読、約入り以外への営業) 専門というのがあり、そういうケースでは販売店から、現読、約入りの色分けをした拡域地図を貰わんことには叩くことはできんし、鉄砲(無差別営業) でやれという販売店で、よく行く地域やと、特に地図は必要ないという具合になる。

『専拡だと、ひとつのお店だからわかるのですが』というのは、あんたは少し勘違いされとるようやが、ワシが今の店で専拡を始めたのは、今からまだ3年半ほど前のことで、そのときの話は『第153回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの決断 前編』 、『第154回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの決断 後編』 にある。

それまでの13年ほどは拡張団に所属していたから、どちらかというと、専拡よりもその経験の方が長い。しかも、その間に、3社ほど渡り歩いていて、地域も、京都、大阪、奈良、東海と結構多岐に渡っとるさかい、それなりにいろいろ知っとるつもりや。

サイトにも、その頃の話が豊富にある。

そもそも、ハカセがこのサイトを開設するキッカケになったのは、ワシがその典型的な拡張員やったからやさかいな。

それと、ワシが今所属しとる販売店はバンクが広く、一般の販売店の営業エリアの数倍分くらいは悠にある。実際に数店舗あるさかいな。まあ、良くある広域の販売グループ店やと思えばええ。

『毎日、行く店が違う場合、Aという店でもバンクは10以上はあるでしょうし、Bでも15区域とかあったり、一ヶ月の間に10店舗以上は回ると思います』というのは、あんたの所属する拡張団、地域ではという話で、日本全国すべてで同じというわけやない。

『Aという店でもバンクは10以上はあるでしょうし』というのは、業界では超大型店の部類になるから、どこにでもあるというもんやない。

『Bでも15区域とかあったり』というのは、おそらくは配達区域別に拡張するシステムがそちらにはあるのやろうが、ワシが過去所属した3社の拡張団では、いずれもそういうのはなかったで。

たいていは、その販売店のバンク内なら、個人の自由でどこでも回れた。もっとも、「案内拡張」や「連勧拡張」、「指定地域拡張」というのもあるにはあったが、そういうのは特別な場合に限られている。

『一ヶ月の間に10店舗以上は回ると思います』というのは、たいていはそのとおりで、ワシの場合は月平均20数店舗回っていたな。ほぼ1つのバンクに月1回というペースや。

2、3ヶ月に1回というのもあったし、特拡などの特殊な場合やと半年に1回というのもあったな。

『その全ての店、全てのバンクを完全に記憶するだけでも大変なのに』というのは、ある程度経験で皆、補っているし、ワシのようにそのバンクに入る都度、細かくデータを作っとる者も多い。

何より、拡張は地域と客を覚えるということも重要な仕事の内ということもあり、記憶力も自然につくから、それほど大変というほどでもないと思う。そう感じるのは、あんたがまだこの仕事に慣れてないからや。

『団員6人位でその店に入ったとして、誰がどの区域を回るかなんて、入った時決めると思うのですが』というのも、先に言うたようにワシらの方ではそんなことはない。

あっても暗黙のうちに、「あいつはあの地域、こいつはここにおるな」といった程度や。

そもそも、ワシらの方では他の者にどこで拡張しとるかというのを隠すケースの方が多い。自分だけの客を探すには、他にバレたらまずいと考えるわけや。

それがバレると、最悪の場合、「○○の代わりに来ました」とか「○○に頼まれまして」と言うて、ほぼ決まりそうな客を横取りされるということがあるさかいな。

例え、それをされたとしても、ワシらの方では、それをやった人間よりも、やられた人間の方が悪いという見方をされる。契約は「唾を付けた者」の物やなく、「上げた者」の物やと。上げた者勝ちやと。

それに、区域割なんかすると、当然やが古株の人間は経験上、有利な地域ばかりを選ぶようになり、新人はカスと考えられている地域ばかりを回されることになりやすい。

そうなると、ただでさえ契約の上げにくい新人にとっては、よけい契約を上げられんということになるさかいな。

ただ、区域割をせんかったら、極端な話、隣同士で叩くということも起きるし、一人の客から「ええ加減にしてくれよ。お前で今日、5人目やで」と言われることもある。

当たり前やが、上がる地域というのは誰でも入りたがるさかい、ほっとけば自然とそうなるわけや。

もっとも、区域割をするのが、あんたの所のシステム、流儀なら、それはそれで仕方ない。拡張員は入店する販売店や所属する拡張団の方針、やり方に従うしかないさかいな。

ただ、その経験のないワシにはそういうことは分からんし、理解できんと言うとく。

『データや地図をもらわない限り、地区の入り止めがわかるわけがないのでは?』というケースなら、そのとおりやろうと思う。

それが、『そのときの状況次第では、その答えはまったく違う』ということなわけや。地図が必要なこともあれば、なくてもええ場合もあると。

『ゲンさんは、夕方位から仕事始める事多いみたいですが』というのは、新規で叩く場合、在宅率の高い夕方が有利というだけのことで、必ずしもそうするわけやない。その辺も臨機応変に考えてする。

それに、夕方からだけ仕事をしとるという風に見ているというのも正しい見方やない。確かに廻るのは、その時間帯からが多いが、その前段で、そのための準備を入念にしてから始めとるわけや。

ワシの場合は、それにかける時間の方がはるかに長い。そうしとるときの状態を周りから見れば「サボっている」としか思われんがな。ワシも、それを一々説明するのは面倒やから「サボっている」ということにしとる。

「サボっていた」のに契約を上げてくるというのは、傍目には格好もええしな。

しかし、当たり前やがサボっていて契約なんか、どんなベテランでもよほどのラッキーでもない限り上げられるもんやない。拡張はそんな甘いもんやない。

『それだと『面談件数』って少ないですよね?』というは当たり前の話で、その少ないチャンスを最大限に活かすためにも事前に下調べや作戦などを入念に錬ることで補っとるわけや。地域によれば、数日前から、その準備をすることもある。

例えて言えば、陸上競技の100メートルランナーと同じやな。

彼らが実際に走るのは、その100メートルだけで、走り出したら、ものの10数秒で終わるわけやが、そのためのトレーニングや準備、気持ちの持って行き方などに途方もない時間をかけているはずやと考えれば、ワシの言わんとすることが分かって貰えるのやないかと思う。

人には口に出しては絶対に言わんが、ワシは頭の中では営業のことしか考えとらん人間や。人生のすべてが営業にあると言うてもええ。常に、ありとあらゆる方法、創意工夫することしか考えとらん。

まあ、それだけ営業することが好きやから、そうできるわけやがな。

『初めて入るバンク(またはあまり入ったことないバンク)でも同じペースで叩かれているのですか?』というのは、基本的には同じやが、初めてのバンクの場合は、どちらかと言うと、その地域のデータ(情報)を集めることを主眼に置いとる。

その日は、大した成果はなくても今後に活かせられれば、それでええと。

『これが一軒家になると、家から家への移動時間もありますので、夕方5時から8時まで休まず叩いても、子供や留守番のお年寄りしかいない家もけっこうあるので、本当に勝負できる人に会える件数って少ないと思うのですが…』ということがあるからこそ、少しでも有利になるように事前に調べ、それなりの作戦を練るわけや。

何も下調べせず闇雲に叩くだけでは上手くいくことの方が少ないさかいな。

『ドアが開いて、主人か奥さんが出てきたら、ほぼ決める位の力がないと、ゲンさんのような回り方は難しいですね?』ということやが、必ずしもそうとばかりは言えんと思う。

確かに即決を求める拡張員は多いが、それは相手によりけりで、中には何度も通い、時間をかけて心やすくならんと契約をせんという人もいとる。

そういう相手の場合は、そういう対処を心掛ける。例え、1ヶ月に1度、あるいは数ヶ月に1度しか会えずとも、そういう客は自分を覚えていて通ってくれるというだけで喜ぶケースが多い。少なくとも悪い印象を持つことはない。

即決できる相手には即決を。それでは難しい相手には、それなりの時をかけて、ということやな。心配せんでも、この仕事を長く続けていれば、時をかければ契約が上がるという客の数も増えてくるもんや。

それが見込みということになり、それがあるだけで他も安心して叩け、それが好循環をもたらすケースも多い。拡張のやり方は、その時々の状況でいろいろあるということや。一つだけの考えに囚われん方がええ。

最後に言うとくことがある。

あんたがこのサイトをいろいろ見ているというのはよく分かるが、あまりあれこれと多くを見て会得しようと焦らん方がええ。

焦って一度にいろいろと覚えよう、やってみようとすると、結局は何も身につかんということになる。

「あしたのジョー」と同じで、あしたのために「その1」、「その2」を順番にマスターしてから先に進むことや。それが遠回りなように見えて一番早い物事の会得法やと思う。

拡張の仕事は一朝一夕に会得できるほど簡単なもんやない。促成を求めれば結局は何も得ることはできんということや。

ワシ自身も、その考えに到達するまでには数十年という時を要しとる。しかも、その終点は、はるか先にあると考えとるわけや。ワシ自身、まだまだ発展途上にある人間やと。

それは、どんな仕事にも共通して言えることやと思う。

何事も一つずつ段階を踏んで一歩ずつ進むしかないと。その積み重ねが、いずれ大きな結果として表れるはずやと信じてな。

できることならば、それを肝に銘じて頑張ってほしいと思う。


ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム