新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1014 今月より購読開始分の中途解約相談
投稿者 K.Yさん 投稿日時 2011.5. 1 AM 0:40
はじめまして。突然で申し訳ありませんが、自己理由による解約について相談させてください。
二年前、私は主人の留守中にA新聞を二年間購読するという契約を書面で結び、忘れていました。(当時はM新聞を購読中でしたが、経済的理由で先月末に解約しました。)
A新聞の契約内容は2011年の4月から2年間、朝刊のみの配達(夕刊がない地域)。はじめの3ヶ月が無料サービスです。景品は一切受け取っていません。
今月になって配達され、誤配と勘違いして連絡したところ、契約書のコピーが投函されて発覚したのです。
実際に自分が交わした契約ですが、当時とはこちらの事情が変わった為、先ほど電話で販売店に解約を申し出ました。
理由は以下の二点によるものです。
・農協との付き合いで農業新聞を購読することになった。
・出産と産休で経済状況が厳しい為、上記の農業新聞だけを購読したい。
偶然にも、農業新聞とA新聞の販売店が同じなので、上の事情を正直に説明しました。
ところが、店側は「契約は販売員と交わしたもの、店としては関与しない。守ってもらうしかない」と承諾してくれません。
今月の購読料を支払うから解約してほしい、と頼んでも応じてくれませんでした。
とりあえず明日5月からは、里帰り出産で私が自宅を留守にしているので「配達休止」扱いにしてもらいました。
契約上、販売店の側に落ち度はないのですが、自己理由で購読を止めたいという相談は不可能でしょうか?
農業新聞は長く購読する予定であり、口座引き落としの手続きを済ませてあります。
別の新聞での取引を今後も続ける予定があるのに、この販売店にとってA新聞の解約は許しがたいことなのでしょうか?
今後もお世話になる販売店なので、なるべく穏便にすませたいのですが、口頭での相談に取り合わない態度には疑問です。
こちらの申し出はそんなに非常識でしょうか?
A新聞に関しては、1か月分の料金と違約金を支払ってでも断りたいので、なるべく早く、趣旨をfaxで送るつもりです。(fax番号が掲載されていないので、封書もしくは内容証明にするかもしれません)。
ですが、今後お世話になる販売店ですし、書面での通達は揉めるから、やめるべきかと迷います。
突然の相談、長文で申し訳ありません。
ご意見を伺いたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします。
回答者 ゲン
あんたの相談内容を聞く限り、あんたの望むような結果になるのは難しいやろうなと思う。
『別の新聞での取引を今後も続ける予定があるのに、この販売店にとってA新聞の解約は許しがたいことなのでしょうか?』というのは、はっきり言うて、A新聞の販売店としては許し難いというより容認し難いことになる。
それを容認すると、販売店の存在、存続すら危ぶまれかねんと考えるくらい深刻なことなわけや。
『別の新聞での取引を今後も続ける』から、その販売店としても、そんなに損はしないだろうと、あんたが考えるのは、一般の商店との商取引であれば、そのとおりや。他の品物に変更するからというて揉めるようなことは、普通はまずないさかいな。
しかし、新聞販売店では事情が違うてくる。
A新聞に限らず、多くの新聞社専属の販売店は、その専属の新聞を売ることのみを条件に出店を許可されとるという背景がある。
その条件で販売許可を得るためだけに、大金をつぎ込み出店しとるのが、この業界の実態でもあるわけや。
ちなみに、A新聞のように、核となる新聞をその専属販売店では「本紙」と呼ぶ。
その専属の新聞を売ることのみを条件に出店を許可されとるという事情は、そのまま、その本紙の売れ行きが悪いと「成績不良」と新聞社から見なされ、ヘタをすると、その専属販売店の資格を失う危険すら生じかねん。
せやからこそ、どこの専属販売店でも、その本紙を売り込むだけの営業に必死になっとるわけやさかいな。
その他の専門紙、業界紙と呼ばれる新聞を新聞販売店で扱うことも多い。農業新聞も、その一つや。それらは委託新聞ということになり、その新聞を販売店が個別に売り込むことはまずない。
つまり、専属販売店では本紙以外の新聞の勧誘は、ほとんどせんということやな。
客からの依頼があれば配達と集金はするのが、それは、その専門紙や業界紙と新聞社との間に委託関係があるためで、新聞販売店にとっては単にサービスという考えでしとるにすぎんものや。
言い方は悪いが、あってもなくてもどうでもええと考える販売店の方が多いやろうと思う。
もちろん、そこまでのことは客には言わんやろうがな。
A新聞の場合なら、A新聞を購読してくれることが大切で、それがあるからこそ、農業新聞の配達をするというのが、正直な気持ちということになる。
これが、同じ新聞販売店からの配達であったとしても農業新聞を止めてA新聞に変更するというのなら、大歓迎されて、今回のような揉め事には絶対にならんかったはずや。
あんたにとっては同列に思える新聞が、その新聞販売店にとっては、天と地ほどの開きになるということや。まったく値打ちの違う存在になると。
それが、あんたの『口頭での相談に取り合わない態度には疑問です』ということの答えになると思う。
それがために『解約してほしい、と頼んでも応じてくれませんでした』という対応になる販売店が多いのやと。
あんたが『農協との付き合いで農業新聞を購読することになった』および『出産と産休で経済状況が厳しい為、上記の農業新聞だけを購読したい』ということを重要視するのか、『なるべく穏便にすませたい』ということを優先的に考えるのかの、いずれに比重に置くかで、その対応が大きく違うてくる。
今回のケースでの対応は3つほど考えられる。
その販売店から農業新聞を購読したい、しなければならないということであれば、『A新聞の契約内容は2011年の4月から2年間』の間は、契約どおり購読するというのが、一つ。
『朝刊のみの配達(夕刊がない地域)』というのは統合版のことで、月3007円の出費になる。その額を支払っても、尚、その農業新聞を購読することの方が重要ならば、その期間だけ両方の新聞を取ることやな。
そうすれば穏便に事は運ぶ。
その契約が切れた後なら、その販売店も今ほど強硬な姿勢は見せんやろうと思うから、それ以降は農業新聞だけの購読にするのは可能やと思う。
そこまでして農業新聞を購読する必要もない、あるいはそのA新聞の販売店が、それほどまでに強行に解約拒否の姿勢を示しているということを理由に、その農業新聞の購読を農協に断るというのが、その二つめ。
その農業新聞を購読を止めるということなら、そのA新聞の販売店はすんなり、それを認めるはずや。
『農協との付き合い』があって義理立てなあかんという人にも、そのA新聞の販売店が聞き入れてくれないために、仕方なく2年間は農業新聞の購読をできないと伝えれば、理解して貰えるのやないかな。
どうしても、それがダメなら、そちらの農協でそのA新聞の販売店と交渉してほしいと言えばええ。
すべてがそうやとは言い切れんが、A新聞にとっても農協は大事な得意先の一つやと思うから、そこからの申し入れということなら、「仕方ない」となるかも知れんしな。
農業新聞を配達してくれるA新聞の販売店以外の新聞販売店を探すというのが、その三つめ。
農業新聞は委託紙やから、新聞販売店次第では、それだけを頼めば配達してくれるかも知れん。その販売店を探すことや。これは、該当すると思われる近所の他紙販売店に直接聞けば分かると思う。
その販売店が確保できれば、『A新聞に関しては、1か月分の料金と違約金を支払ってでも断りたい』と言うて解約を頼めばええ。
そう頼んでも、依然として解約の話に応じてくれないようなら、『封書もしくは内容証明』での意思表示するしかない。そうすれば、その販売店は少なくとも、その話し合いの場くらいは持たなあかんようになる。法律的にはそうや。
もっとも、それで解約が約束されたわけやないがな。後は、あんたと販売店の交渉次第ということになる。
あんたの『農協との付き合いで農業新聞を購読することになった』、『出産と産休で経済状況が厳しい為、上記の農業新聞だけを購読したい』というのは、あんたの側の一方的な自己事由ということになる。
『契約上、販売店の側に落ち度はない』ということも、契約したあんたに責任があるということも、よく承知されておられるようやから、ある程度のペナルティは覚悟されとるものと思う。
しかし、そうなると必ず揉める。そもそも、書面で解約を通達するというのは、「揉めてでも解約するぞ」という意志表示やさかい、揉め事を避けて通ることはできんやろうと考える。
ワシが冒頭で『あんたの相談内容を聞く限り、あんたの望むような結果になるのは難しいやろうな』と言うた理由が、そこにある。
幸い現在は、『里帰り出産で私が自宅を留守にしているので「配達休止」扱いにしてもらいました』ということのようやから、どうされるか、ゆっくり考えられたらええと思う。
特に今は、あんたにとって大切なときや。あまり、こんなことで煩わされんようにした方がええ。普通、物事を先延ばしにするのは感心せんことの方が多いが、あんたのケースは、そうした方がええやろうな。
あんたにとって何が大切か。今はそのことだけを考えられることや。心配せんでも、あんたがどうしたいかを決められて、再度、ここに相談されたら、それに即したアドバイスはいつでもするさかいな。
ほな、頑張って、元気な赤ちゃんを産んでや。
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