新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1016 折り込み広告についての疑問です


投稿者 Gさん Y新聞販売店勤務  投稿日時 2011.5. 2 PM 4:27


ゲンさん、ハカセさんいつも勉強させていただいてます。

折込業者についてなんですが質問です。

あまり大きな声では言えませんが私の勤務する店では公表部数の8割ぐらいが実配数です。

公表部数どおり送られてくる折込は全体の2割ほどだと思います。これに関していえば心苦しいです。

後は実配数に近い数できます。時には実配数を下回る時もあります。

ある折込業者はほぼ毎日、請け負う企業やお店は違えども統一して実配数に近い数を配送します。

これはどこで調べたんでしょうか?

また折込を依頼する企業やお店にはどう言っているのでしょうか?

公表部数の2割は押し紙だからそこの地域は公表部数の8割ぐらいでいいよとでも言っているのでしょうか?

まさか折込業者が公表部数うけて2割をはねて販売店に配送してるのでしょうか?

私達も水増しして泥棒のような事をしているのも事実です。またゲンさんが専拡だった店では公表部数がこない (しかし実配数はきている)折込は全区域に入れてましたか?


回答者 ゲン


『ある折込業者はほぼ毎日、請け負う企業やお店は違えども統一して実配数に近い数を配送します』というのは、そのチラシ納入業者独自の判断でそうしとるのやないかな。

これは押し紙が2割あると見込んでと言うより、現在のように景気が悪い状況で、少しでも受注を増やすためには価格を安くする必要があるという意図が働いた結果やないかと思う。

それが、たまたま『私の勤務する店では公表部数の8割ぐらいが実配数です』というのと重なったと。

安く受注した分は、なるべく販売店に納入する際にも安くしたいと考えて交渉するのが普通や。その交渉をする過程で、チラシの納入業者とチラシ単価の引き下げに応じられん販売店が、すり寄った結果、公表部数の2割減の部数分のチラシを納入するということで手を打った。

そういうことやないかと考える。

このQ&A『NO.394 折り込みチラシに関する質問です』 の中で、元新聞販売店に勤務されていた相談者の方が、


近場に○○電機の支店が開店するということで、日曜日に、「次の木曜日、折り込みチラシを入れます」のでご覧くださいというチラシがありました。

その後、木曜日になっても、チラシが入ってないではありませんか。入れ忘れと思って宅配所に抗議(とチラシの要求)の電話を入れると、その店舗では公称4400部で、今回チラシが3900部しか届かなかったため、全てに入れることができなかったとのことです。

詳しく聞いてみると他の大手も公称部数より1割程度減らしたチラシしかいつも届かないとのことです。

思い切って聞いてみたのですが、発注もとで押紙が一割以上あると見込んで意図的に発注を減らしているのかと聞いてみると、景気の悪い時はもっと少なかったので、その可能性もあるが単なるコストカットではないかとのことです。


と言うておられたとおり、ワシもコストカットの側面が強いと思う。

そう考えれば、あんたの『後は実配数に近い数できます。時には実配数を下回る時もあります』と言われとる事と符号する。その時々の値段交渉の結果やと。

『これはどこで調べたんでしょうか?』と、あんたが思いたくなる気持ちは分からんではないが、あんたの所の販売店が正直に『公表部数の8割ぐらいが実配数です』と、その折り込みチラシの納入業者に言わん限りは調べようがないと思う。

もっとも、地域限定ということなら推測はできるがな。

まず、その地域の人口、世帯数と、その地域の他紙販売店すべての公表部数を調べる。これは、新聞の折り込みチラシ納入業者なら比較的簡単に調べられると思う。

新聞販売店に勤めておられるあんたにも、それくらいはできるはずや。

次に、その地域の人口とその地域の他紙販売店すべての公表部数の総計を出して比較してみる。

単純計算やが、例えば、1万世帯の地域に、各新聞販売店の公表部数の合計が1万2千あったとする。

新聞の公表部数での普及率の平均は約90%とされとるから、その1万世帯の地域は9千世帯に新聞が配達されとることになる。それに対して1万2千の公表部数ということになれば、3千部が余剰部数、つまり未配達部数ということになる。

したがって、100%−9000部÷12000部×100=25%が、その地域での水増し部数になるという計算が成り立つわけや。

もっとも、新聞販売店にも正直な所やごまし放題の所といろいろあるさかい、その数字がそのまま各新聞販売店に当て嵌まるかどうかは何とも言えんがな。

ただ、近い数字が出るということは言えると思う。

ワシらが知り得た情報では、新聞の折り込みチラシ納入業者は、その数字を根拠に各新聞販売店と交渉するのやという。

その結果、あんたの所の販売店には2割減での折り込みチラシを納入することで、話がついた。

よって『ある折込業者はほぼ毎日、請け負う企業やお店は違えども統一して実配数に近い数を配送します』と言うことになっとるのやと思う。

『公表部数の2割は押し紙だからそこの地域は公表部数の8割ぐらいでいいよとでも言っているのでしょうか?』ということは、あり得んと思う。

そもそも、各個別の新聞販売店の押し紙の実態など調べようがない。それが外部に知れるのは、たいていその販売店に勤めていた人間からの暴露、チクリによるものやさかいな。

押し紙の比率というは一律やないし、ある店は多く、ある店は極端に少ないというのが、本当の実態やと思う。

できても、先ほど言うたように、その地域毎の予測で、その地域の販売店では、大体この程度の余剰新聞があるという程度や。

ただ、その地域の新聞の普及率、シェア率というのは分かるさかい、それから推測すると、実態に近い数字になるというだけのことにすぎん。

新聞の折り込みチラシ納入業者は、販売店と交渉できる数字さえ掴んでいれば、その詳しい実態を知らんでも別に構わんということになるわけや。

『まさか折込業者が公表部数うけて2割をはねて販売店に配送してるのでしょうか?』ということについては、何とも言えん。

ただ、折込業者の担当者次第では、そういうことはありそうや。せやないと、その営業をする際、その値段設定は決まってしまい交渉の余地がないということになるさかいな。

どうしても、その注文がほしい場合、無理して安く受注すれば、先にも言うたように、販売店には部数を少なく納入することでしか採算を合わせることができんと考える業者の担当者もいとると思うしな。

『またゲンさんが専拡だった店では公表部数がこない (しかし実配数はきている)折込は全区域に入れてましたか?』ということやが、公表部数以下のチラシしか届けられない場合は、折り込み業者や個別の納入業者には「全戸に入れるのは無理ですよ」とは、一応断る。

実際、予備紙に入れるチラシの分を除いては、ある分だけ入れるようにしとるから、実売数通りでは不足するケースもある。

まあ、これは言うて、ええものかどうかは分からんが、万が一、客が「近所の家には、○○のチラシが入っているのに、うちには入ってない」というクレームがきた場合、そのチラシが入っている予備紙を持って行って、「どうも済みませんでした。ミスでうっかりしてました」と言うて謝るようにはしとるがな。

白々しいとは思うが、ないものを入れるわけにはいかんから、ある意味、仕方がないわけや。

もっとも、過去にそういうケースがあっても極端に少ないということもあり、今のところ大した問題にはなってないがな。


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