新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.102 勝手に新聞が配達されてきました
投稿者 NONさん 23歳 男性 千葉県在住 投稿日時 2005.5.13 AM 10:26
はじめまして。
以前に体験した販売店の不可解な行為についての質問です。
今の住所に転居してきたばかりの時の話です。
「お届け物でーす」という訪問者に、ちょうど配達予定だった宅配便だと思ってドアを開けようとした直前、念のため、ドアののぞき窓から、外を確認すると、Y新聞の販売員でした。(うちにはインターホンはないんです)
紛らわしい名乗り方に腹が立ちましたが、追及しても、おそらく「景品がお届け物だ」として言い逃れされるだろうと思い、応対に出ず、無視しました。
「○○新聞です」って言えばいいのを、わざわざこういう言い方をするのは、故意とみていいですよね?
早くもこの販売店とのお付き合いはないと確信しました。
毎朝、毎昼、毎夜、販売員がやって来ましたが、徹底的に無視しました。
そしてある日、ぱったりと来なくなり、その翌日から、勝手に新聞が配達され始めました。
気味が悪いので、郵便受けにそのままにしておいたのですが、配達は止まらず、郵便受けがいっぱいになってしまいました。
自分なりにこの意味をいろいろ考えてみました。
まず「お試し品」かと思いましたが、それらしい表示はありませんでした。
前の住人の契約が生きてるのかとも思いましたが、しばらくここは空き部屋だったらしいし、現に販売員が何度も景品片手にやって来てるので、これも違うと思いました。
契約書の偽造もこの時点では、まだされてないと思いました。まだ住民票を移してないし、この地域に当方を知ってる者もいないし、宛名の書かれた郵便物もありませんので。もちろん表札も。
もう少し様子を探りたかったんですが、そろそろ郵便物が届き始めて、そこから個人情報が漏れて偽造されたら厄介なので、連絡して止めてもらうことにしました。
販売店の番号はわからないので、本社に連絡すると、あっさり止まりました。それがいい圧力になったのか、ここの販売員の訪問は、以来ありません。
販売店の意図は何だったんでしょうか?やはり個人情報を入手したら契約書を偽造するつもりだったんでしょうか?
あと、もう一方のA新聞販売店には、(本社を通して)セールスマン訪問拒否を申し入れてるので、こちらの訪問もありません。一方が訪問禁止になれば、もう一方にも通達が行くのですかね?それで来ないのでしょうか?
長くなってしまいましたが、よろしくお願いします。
回答者 ゲン
あんたは新聞の勧誘員の訪問には他でも慣れておられるようや。それも、あまりええ印象なさそうやな。今までろくでもない勧誘員としか接しとらんというのが伺えられる。
新聞を取る意志がなかったら徹底して無視するというあんたの姿勢は正解や。トラブルは最小で済む。この場合には特にそれが言える。
それにしても相変わらず「お届け物でーす」という最早、古典的とも言える手法を未だに使うとる者もおるんやな。こういうのは、故意というより、悪意に近い。
あんたの言う通り何で正直に「○○新聞です」と言えんのやろな。まあ、その理由はワシには分かるがな。あんたの話からすると、この勧誘員は店の従業員のようや。
この従業員は思い込みの行動しか取れん人間や。そこそこ経験も長いんやろと思う。それだけに、客は普通では簡単にドアは開けんもんやと思い込んどるようや。
確かに普通に「○○新聞です」と言うても客がドアを開けて出てくる確率は低いかも知れん。せやけど、最初からそう思い込んどったらどうしようもない。
「お届け物でーす」と言うてドアを開けて貰い、どういう営業をかけようというのやろ。客は間違いなくええ印象は持たんし、気の短い人間やったら怒り出す。
それでも、新聞を取らそうと思えば強引に売り込むしかない。トラブルのもとやな。残念やけどこういう従業員を抱えとる所は、その店の程度も分かる。
良うワシらベテランの拡張員は特別なことを言うて客を表に出しとると思うとるようやけど、仕事の出来る者でそんなことをする人間の方が少ない。
オーソドックスに「○○新聞です」と言うてる。但し、ワシらは、最初のその一言に思いを込める。その一言で好印象を与えるために全力投球する。そうすれば、同じ言い方でもどう言えばええのか分かる。
簡単なことや。思いというのを込めれば自然と挨拶の言葉も一緒に出る。
「おはようございます。○○新聞からお願いに来ました」
「こんにちは、お忙しい所、恐れ入ります。○○新聞の営業の者です」
「こんばんは、夜分、遅くにすみません。○○新聞の○○と申します」
これを、出来る限り明るくはっきりと大きめな声で言う。目的はあくまでも、客に好印象を与えることや。最後の「こんばんは……」と言うてるのは、本当に遅い時間やから言うてるのやない。夜7時過ぎで暗くなれば、必ずそれを言う。
もちろん、こう言うたからと言うて、簡単に客がそれに応じてくれるというほど、この仕事は甘いもんやない。これでも、あかん場合の方が多いやろと思う。
しかし、相手に与える印象は確実に違う。
この従業員のその後、何度か実際に訪れとるということやから、その都度、悪い印象がなかったら、一度くらい話を聞いてみるかという気持ちになる者もおる。それが、人間や。
こういう気持ちでこれを続けとって10人に当たってそのうち1人が好意を持ってくれて契約して貰えれることが出来れば、その勧誘員はスーパースターなわけや。この業界はそういう所や。
あんたは、しっかりされてて意志も固そうやし、生半可なことでは気持ちもぐらつかんとは思うが、それでも、誠実な態度というのには悪い印象は持たんのと違うかな。新聞を取る取らんは別にしてな。
営業は、まず相手にそう思わせられんかったら難しい。それが、基本や。どんな手練手管を駆使するよりも誠実に勝る武器はない。ワシはそう思うとる。
逆に、その誠実さのかけらも見えん人間はあかん。何度も言うが、そういう相手に対してのあんたの対応はそれでええ。
『そしてある日、ぱったりと来なくなり、その翌日から、勝手に新聞が配達され始めました』ということやけど、これは良うあることや。
あんたの所にその勧誘員がしつこく来たのは、あんたが引っ越し客やったからや。この引っ越し客というのが勧誘員にとっては一番の狙い目になる。
新聞店によれば、空き家チェックというのを従業員がしとることがある。文字通り、バンク内(新聞店の配達エリア)の空き家を探して把握しておくことや。
目的は引っ越し客の確保にある。引っ越しを偶然、見つけられればそれに越したことはないが、そうも行かん場合が結構多い。
例えば、早朝から午前10時頃までに終わる引っ越しなんかの場合や。これやと、配達の終わった従業員は一眠りするのが普通やから気が付くことが少ない。大抵はその10時頃までは寝とるからな。
ワシら拡張員にもそれは言える。特にワシらは、入店時間はほとんどが12時以降やから、午前中の引っ越しには気が付かん。
また、その活動時間内であっても、独身者で荷物が少なく短時間で終わるような引っ越しも気が付きにくいということがある。
そういう場合でも、空き家チェックをこまめにしとれば簡単に分かる。空き家のはずの所に人が住んどるのやからな。
こういうケースは、引っ越し直後だけやなく、2,3日後の勧誘ということもそう珍しいことやない。
一般的に引っ越し客は、前の住所で新聞を購読していた確率が高いから、新しい所でも取る人間が多い。それも、よほどの好みでもない限り、一番はじめに勧誘に来た所の新聞を取る。大抵はどこでもええということや。
この引っ越し勧誘というのは業界でも、それほど営業力を必要とせん希な勧誘や。誰にでも簡単に出来る。少なくとも販売店の従業員はそう思うとる。
せやから、その引っ越しをして来たことが分かるとしつこく勧誘するわけや。会えさえすれば、新聞購読の契約が貰えると思うとるからな。
『そしてある日、ぱったりと来なくなり、その翌日から、勝手に新聞が配達され始めました』
ちょっと、前振りが長くなったが、これでやっと、あんたの一番、聞きたかった質問の内容について説明出来る。
どの新聞社の販売店でも、一週間程度の無料お試し期間の『見本紙』というのがある。あんたのいう「お試し品」のようなもんや。新聞を入れることで考えて貰おうということやが、これもあんたの指摘通り、客に無断でしたらあかん。承諾が必要や。
それなら、何で無断でそういうことをするのかということやけど、二つほどその理由がある。
一つは、単に業務として店から、そうしろと指示されとる場合や。「会えないんなら、新聞を入れておけ。そのうち、そこの住人から連絡があるから、その時、勧誘したらええ」という安易な考えや。
せやけど、まさかあんたが、本社に文句を言うとは思うとらんかったから、本社経由でそれを知らされて慌てたんやないかな。
ある程度、本社から注意というか叱責もされたと思うで。せやから、勧誘自体も止めた。そう考えられる。
もう一つは、その従業員が店に対する体裁のためとういうのがある。店の従業員も、勧誘のノルマというのが厳しく義務づけられとる。
仕事、この場合、勧誘やけど、それをしとると店にアピールせなあかんかったと考えたんや思う。先にも言うたが、こういう姿勢の人間は、その勧誘の成績も悪いはずや。
成績の悪い人間は悪いなりに、その言い訳を考えるもんや。その言い訳のために、あんたの所に新聞を入れたと考えられる。
「何とか、そこの住人を説得して見本紙を読んで貰ってますので……」という話にでもなっとるんやろ。
もっと、たちの悪い人間になると、あんたの部屋の住所で架空の人間の契約を作っとる場合もある。取り敢えず、先に自分の成績にしとるわけや。
そのうち、あんたに会えることも、あんたから店に連絡があることもあるから、その時、どうにかすればええやろという、これも安易な考えや。
しかし、これも、あんたが本社に連絡をしたことで、店内で発覚したから未遂になったと考えられる。
大抵はこんなところやと思う。いずれにしても、ここでのあんたの判断、対処にも誤りはなかったということになる。本社に直接、連絡したのは正解や。
もっとも、ここの従業員が、メモか何かで店の連絡先を伝えとらんかったというお粗末さはあるがな。それがあれば、あんたは店に直接、連絡をしてたかも知れんからな。
『やはり個人情報を入手したら契約書を偽造するつもりだったんでしょうか?』
これは店の従業員ではその可能性は少ないと思う。拡張員なら分からんがな。店の従業員がそうしてもメリットがないからや。
その偽造をしてどうするんやろ。新聞を配達して、あんたから集金するのかな。もちろん、あんたはそんな無法な要求に納得するわけはないわな。あんたに限らず、そんなことを納得するような人間は皆無と言うてもええやろと思う。
結果、どういうことになるかというのは、分かり切っとる。揉めるだけや。それも、こじれれば話が大きくなる。それこそ、新聞社の知る所となる。
それに、こういうのは調べればすぐ分かることや。問題が大きくなって、その従業員の不正が明らかな場合、結果として一番困るのはその従業員や。下手したら、そこでは仕事は出来んようになる。
よほどの思慮の足らん人間でもない限り、その程度の想像は誰にでも出来る。せやから、そんな馬鹿なことは普通はせんと思う。
これが、拡張員ならそういうことは考えられる。「てんぷらカード 」という架空の契約カードがそれやからな。
あんたは「個人情報が漏れて偽造されたら厄介なので」と気にしとられるようやけど、偽造の契約書なんかは何の拘束力もないから、それほど気にすることもないと思うけどな。
契約書というのは、双方が納得した上で交わすもんや。最低限度、本人の直筆での記入と印鑑がいる。それがなければ、それは契約書とは呼べん。ただの紙切れや。
販売所の人間の中には「契約書の名前は勧誘員が記入することもあるので」と堂々と主張しとる者もいとるようやけどな。
心配せんでも、法律はそんなことは絶対に認めん。ただ、面倒やなと思うことになるというのはあるやろけど、それで、不利になることはないと断言する。
『あと、もう一方のA新聞販売店には、(本社を通して)セールスマン訪問拒否を申し入れてるので、こちらの訪問もありません。一方が訪問禁止になれば、もう一方にも通達が行くのですかね?それで来ないのでしょうか?』
ということやけど、一方が訪問禁止になったからと言うて、もう一方にも通達が行くということはまずない。
新聞業界はそんな親切なことはせん。そんなことをわざわざしても何のメリットもないからや。その内容によれば、その販売店の恥をさらすことにもなりかねんからな。
ただ、他店の拡禁というのは外部に漏れるということはある。特に、金払いの悪い客とか良うトラブル客なんかのように販売店が金にならんと判断したような所やな。こういう所は他店でも拡禁扱いにするということは考えられる。
あんたの所がそういうのやなかったら、他が勧誘に来んというのは、たまたまやとも考えられる。そうやとしたらその内、来るようになるかも知れん。
新聞の拡張員というても、そこら中に溢れかえっとるわけでもないからな。同じ町内にしても、良う来る場所と何年も拡張員の訪問を受けん場所といろいろあるからな。
それに、タイミングというのもある。拡張員にも癖のようなもんがあり、いつもの場所は似たような時間帯になることが多い。そういう場合、会えん人間とは滅多に会えんからな。
ワシでも、いつも行っとる地域やのに、そこで何年も暮らしとるという人間にはじめて出会うということがあるが、そういうのは、それほど珍しいことでもないからな。
例えば、その狭い地域に、少なくとも1ヶ月に300人は拡張員が投入されとっても「拡張員とはじめて会った」という客も実際におるからな。
まあ、せやから、勧誘員は同じ地域に何度でも足を運ぶんやけどな。
いずれにしても、あんたが勧誘員が来んということで困ることがないんやったら、気にすることもないと思うよ。
そのうち、来ることになるかも知れんからな。その方が困るかな。