新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1025 不配が続いたことを理由に解約できるのでしょうか
投稿者 らいはる元気さん 投稿日時 2011.6. 2 AM 8:53
はじめまして。
今、S新聞の朝刊を購読中なのですが、これまで何回も入れ忘れがあります。
前回忘れたときに、『もう解約します』と言ったのですが『もう二度と入れ忘れはしません』と言ったので『次回、入れ忘れがあったらその時は解約します』と言うと、『はい。わかりました』と言ったので契約を続けていました。
しかし、またも入れ忘れがあり「今月から約束通り解約します」と言ったのですが、昨日と今日新聞が入っています。
こういったケースは解約できるのでしょうか。(約束は口約束です。)
教えて下さい。
回答者 ゲン
『こういったケースは解約できるのでしょうか』というのは、正当な解約理由になるから、あんたがそう望めば契約解除はできる。口約束云々は関係ない。
新聞購読契約とは、新聞販売店は遅滞なく新聞を宅配する責務を負い、契約者はその代金を支払う義務があるとされとるものや。
どちらか一方が、それを怠れば、「契約不履行」と見なされる可能性が高い。「契約不履行」となれば、当然やが正当な解約理由になる。
あんたの場合、『これまで何回も入れ忘れがあります』ということで、次回同じことがあったら解約すると通告して、販売店もそれを了承しとったと言うのなら、問題なく契約解除できるものと考えられる。
一般的な販売店では、こういうケースで客が「解約する」と言われれば、それに抗することが難しくなるということで、配達員からその保険として「不配」した場合、罰金を徴収するケースが多い。
また、それが度重なった配達員をクビ(解雇)にするということもある。
これらの事実は、販売店がその不配行為に対して厳しい姿勢にならざるを得んからしとることや。その背景には、購読客から契約解除されても仕方がないという思いがあるということやな。
『昨日と今日新聞が入っています』というのは、あんたから、その申し出がなければ、そのままにしたいと考え、何も連絡せず、その新聞を入れ続けとるのやと思う。
せやから、あんたがどうしても契約解除を望むのなら、「そちらの契約不履行により、約束どおり、解約しますので、もう新聞は入れないでください」と言えばええ。
但し、ここで問題が一つある。
不配による契約不履行を理由に契約解除することは可能やが、そうなると、その契約時に貰った景品、およびサービス分の現物またはその代金分を返還せなあかんということになる。
これは、民法545条の規定に「原状回復義務」というものがあるためや。
いかなる契約も、その当事者が契約解除を通告する場合、その契約を全うすることを条件に貰ったものは返すべきという法律の考え方がある。
よく、「販売店が悪いのに、何で貰った物を返す必要があるんや 」と言われる人がおられるが、契約不履行などの相手方の落ち度による契約解除権とは、文字どおりその契約を解除できる権利が得られただけにしかならんということや。
せやから、契約を解除する分には何の問題もない。しかし、それと貰った景品、サービス分は別にして考えなあかんということや。
それに納得できん人も多いがな。
契約を解除するということは、その契約をなかったものとすることや。つまり契約以前の状態に戻すという意味やから、必然的にそうなるというのが法律の考え方なわけや。
法律では、例え相手方のミスにより受けた損害であっても法的手続きなく、勝手にペナルティとして代理弁済させる、または強制徴収することはできんことになっとるさかいな。
その販売店にとっては、契約解除されるというだけで、今後の利益が得られんようになった分、制裁を受けることになるわけや。法律にはそれで十分という考え方がある。
あんたのその契約がどうなっているのか、またその景品なり、サービス分がどうなのかは分からんが、残りの契約分と、その景品、サービス分との比較で、どちらにするか考えた方が損得という面では、ええのやないかと思う。
もちろん、そんなものを返してでも、不配の多い販売店とは解約すると言われるのなら、それはそれでええがな。
ただ、これも一般論やが、たいていの販売店は、不配が原因ということで落ち度がある、引け目があると認めとるということもあり、その景品、サービス分の返還を請求するケースは少ないようやけどな。
その請求がなければ、当然やが返還する必要はないが、請求があれば、その返還には応じるしかないということや。
そのあたりのことを良う考えて、どうするか決められたらええと思う。
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