新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.103 契約に際して、営業マン指定のお客さんの対処方法について
投稿者 アーちゃん 地方紙販売所勤務 投稿日時 2005.5.16. PM4:21
ゲンさん、はかせさんいつもお世話になっています。ご相談よろしくお願いいたします。
あるお客さんのところに勧誘にいきましたら、どうしても、この前に来た営業マンからでないと、約束してるので契約出来ないと言われました。
実は、その営業員はうちの拡張員でいつも来てる人です。現在はY紙の購読をされておられるお客さんと3ヶ月前にその拡張員が約束していたみたいで、先月もその拡張員が訪問したらしいのですが、奥さんが不在でしたので、ご主人としか会ってないということでした。
契約者は奥さんです。そこで、私としては販売所から来た者でネームをお見せしながらアフターサービス等責任を持ってやらせて頂きますとか。
お客様のご都合の良い時に、その営業員がこれるとは限らないので契約が遅れるとご迷惑がかかってしまうから私でよければご契約願います。とかいってはみましたが即契約とはいきませんでした。
いつも来てる当店専属の拡張員のお客なので、まさかここで、うそをついて契約はできませんでした。
でも、私が留守のときにその営業員が来てまた契約できなければ、来月初めにあなたと契約する、と言ってくれました。だから、月末から新聞を入れて下さいとの事です。
最後にYのサービスを聞きーB券6ヶ月で6枚その他洗剤多数ー、そこで法規制でB券3枚の旨を伝えたら、あなたのところは仕方ないので洗剤つけてくれと言われました。
私としては、この事はあの拡張員の方には内緒にして、もし先に契約されてしまったらあきらめるつもりでいます。でも、即契約とれなくて残念です。
どうすれば即契約となるのか教えてください。
よろしくお願いします。
回答者 ゲン
こういう場合の正しい対処法は一つしかない。それは、いつも来るというその拡張員に連絡をとることや。最近では、拡張員も大抵、携帯電話くらいは持っとるやろ。
持ってないか、その番号が分からんとしても、所属の拡張団は分かっとるはずやから、その事務所に連絡を入れて、あんたまで連絡くれと言えばええ。客のことやと言えばそうしてくれるはずや。
その拡張員と連絡が取れたら、その客のことを伝え、すぐその客宅に連絡を入れてくれと言うたら、あんたの役目は終わりや。
その拡張員が、その家の電話番号を知らんというのなら、その客に聞くか、電話帳ででも調べて教えるやることや。
間違うても、あんたの仕事としてあんたが契約したらあかん。相談してることと違うやないかと思うかも知れんが、結果的にこれが、あんたのためになることなんや。
勘違いせんといて欲しいが、ワシが拡張員やから、その同じ拡張員のカタを持っとるんやないからな。ワシにとっては、その拡張員とは何の面識もつながりもないから、そんなことを考える必要もないしな。
その拡張員よりも、ワシとしたらあんたの方が大事や。あんたとは去年の9月からの付き合いやからな。サイトにもアンケートなんかでいろいろ協力してくれとる人や。
ワシのこの回答で、あんたに嫌われ、サイトから遠ざかられることがあるとしたら、ワシとしても、サイトとしても痛い。
しかし、それよりも、人としての守るべき道、仁義を踏み外すような考え方をされる方がもっと哀しいんや。
その客が、先にあんたの店から来た拡張員と約束しとるから契約出来んというのは、当然のことや。あんたは何でそれを翻意させようとするんやろか。
表向きは、拡張員との契約よりも従業員との方が店の利益になるということかも知れんが、きつい言い方やが、あんたは自分の成績だけにこだわっとるとしかワシには思えん。
もし、あんたの思うようになったとしたら、どうなってたか考えたことはあるかな。
その拡張員は入店したら、必ずその客宅に行くやろ。契約を貰えると思うてな。
その時、あんたの言う通り「あなたのお店の人が来て『アフターサービス等責任を持って……私でよければご契約願います』と言われたから同じお店の人だからと思って契約しましたよ」と、聞かされたらその拡張員はどう思うやろ。
また、それで、その拡張員が、その客を責めるようなことを言うたとしたら、その客はどう思うか考えてみたかな。
下手をすればその契約自体がなくなる。その拡張員とあんたが揉めることは十分考えられるし、その揉め事がその客に知られるということも考えられる。客とすれば、そんなややこしいところの新聞はいらんと思うで。
このケースをまったく逆の立場で考えた方が、より分かりやすいやろと思う。
あんたが、これはと思う客とつながりが出来た。その客は、今すぐ契約は出来んという。律儀な客の場合、今、取ってる新聞があと数ヶ月残っとるから、それが済むか1ヶ月前なら契約すると言うことが多い。
あんたは、それで、必ずという確約をその客から貰い、その約束が近づいた頃を見計らいその客宅に行く。
すると、その客が「さきほど、あなたのお店から来たという営業員の方があなたのことは良く知っているから大丈夫ですと言うもんだから、その人と契約しましたよ」と言うたら、あんたはどう思う?
それはそれで仕方ないとあんたが言うんやったら、ワシにはもう何も言うことはない。それまでや。
せやないやろ。腹立つはずや。その腹立つことを、今、あんたがしようとしとるんやということを考えて欲しい。
確かに、この業界というか営業全体に言えることやけど、こういうことは多い。営業する者にとって、はっきり言うて、店の利益とか会社の利益とか言われても、実際、自分の利益や成績にならな何にもならんという気持ちは良う分かる。
拡張員同士の客の取り合いというのも良うある。専業同士というのもな。きれい事ばかりを言うてられん世界やと思う者がおってもある意味、仕方ないし無理ない面があるというのも否定はせん。
実際にそういうことをする人間もいとる。しかし、せやから、同じようにしてもええということにはならん。
そのわけを教える。
今回のことで、あんたの望むようにその客と契約出来たとする。その拡張員に内緒でな。実際には、いずれそんなことは分かってしまうが、それでも、分からんかって上手く行ったとしよう。
中には、それが、分かってもあんたに文句も言わん拡張員もおる。ワシがそうやからな。ワシも過去にそういうことは腐るほど経験して来た。
腹は立つが、それを言うても自分自身の値打ちを下げるだけで、どうにもならんことを知っとる。ただ、何も言わんが、当然やけど、その人間をええようには思わんわな。
仕返しのような、しょうもないことを考えるようなことはせんが、少なくともその人間のためになるようなことはせんし、したぁない。
その人間が何かで困っとって、ワシがそれを助けられる立場にあったとしても放っとくと思う。
まあ、そうは言うても、命にかかわるようなことやとそうもいかんが、それ以外やと手を貸す気にはなれん。
しかし、あんたはそういうことが分からんから、表面的に何事もなくそれで済めば、儲けた得をしたと思うて終いやろと思う。実は、ここに大きな落とし穴がある。
あんたは、僅か数千円の利益とたった1本の契約カードを得る代わりに、人間として大事なものを失うてしもうとる。そのことに気づいとらん。
それは仁の心、仁義や。仁義というと大抵はヤクザか何かの世界の言葉のように思うかも知れんが、そんなことはない。
余談やが、ワシの知っとるあるヤクザが「やくざの道は銭の道や」と嘆いとったが、今の若いヤクザに昔の任侠道の話をしても分からんと言う。
仁義も何もあったもんやないと話す。まあ、それでも中には例外もおるが少ないということや。
仁というのは、大昔からある言葉で、分かりやすく言えば、自分以外の人間に対して、いたわりや思いやりで尽くすという意味がある。
仁者は射の如し。という教えがある。
仁を志す者は弓を射る者に似とるという。弓というのは、自分の姿勢を正してから矢を射る。そうせんと当たらん。
例え、狙った的に外れても、その的に当たった者をねたむようなこともせん。失敗した自分を反省して次に生かす。それが仁者の弓やと言う。
もちろん、ワシも含めて人はそんな境地にはなかなかなれんが、その逆だけはしたないもんやと思う。
何か長々と説教のようになってしもうたが、分かって貰えたやろか。分かって貰えたのなら、悪いことは言わんから、その拡張員に連絡を取ることを勧める。その客のことを教えてやることや。
そういう姿勢でおれば、いずれワシが何でこんなことを言うてるのかが、分かる時が必ず来ると思う。
その時には、あんたは間違いなく大きなモノを手に入れとるはずや。少なくとも、ワシはそう信じとる。