新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1030 自分の事案はいったいどうなるでしょうか


投稿者 Mさん  投稿日時 2011.6. 7 AM 1:18


ゲンさん、はじめまして。

新聞購読契約についてのQ&Aを読んでいて、自分の事案はいったいどうなるのかと不安になり質問にきました。

平成20年2月より2年契約でY新聞を購読していました。

平成22年1月に家族の者が入院したのをきっかけで平成22年2月をもって一旦契約を打ち切りました。

それから2ヵ月後の平成22年4月にY新聞の販売員より、また新聞を取って下さいとの勧誘がありました。

時間的余裕もないので断ったのですが、1ヶ月だけでもいいので新聞を取って下さいと何度も何度も頭を下げられ、2年間お世話になったお礼も兼ねて1ヶ月の契約をしました。

契約後、担当者より1ヶ月だけの契約だったら販売店に帰る事が出来ないので平成23年1月より2年の定期購読の契約をして欲しいとさらに懇願されました。

忙しい時間帯だったし子供も部屋で泣きっぱなしの状態だったのに関わらずこの契約するまでは帰してくれないようだったので仕方なく契約書にサインしました。

そのとき担当者より「ご家族の事もあるようなので、いちおう契約という事ですが、契約延期してもいいしいつでも解除してかまいません」といわれました。それと「これはこれまでのお礼です」と言って手土産(確か洗剤2ケース)を置いていきました。

私も身辺が落ち着けば購読しようと思っていて、こちらから購読時期を連絡しますと何度か申し上げていたのですが、平成23年6月2日に再度別の販売員の男性が来て「いついけますか?もぉ8月から入れていいですか?」と半ば強引で強要的な言い方をされとても怖い思いをしました。

そしてよく考えた結果、先の見えない約束をこれ以上延期するのも良くないので契約を解除したいのですがどうすればいいですか?

この件に関しては、消費者センターと新聞インフォメーションにも相談しました。

センターからは今後一切購読はしないと書面にて通知しなさいと指示されました。新聞インフォメーションからは無料月+商品が公正取引協議会の規約に反するので契約の解除は出来るでしょうといわれました。

私としては争う事が苦手なので、できれば穏便な形にもっていきたいという気持ちはあります。

契約解除はできなくても、契約の短縮はできないものでしょうか?

それとも、センターや新聞インフォメーションの指示通り強気な態度で販売店と交渉したほうがいいですか?

よきアドバイスをお願いします。


回答者 ゲン


『センターや新聞インフォメーションの指示通り強気な態度で販売店と交渉したほうがいいですか?』というのは、止めといた方がええと言うとく。

あんたからの文面どおりのことを伝えて『センターからは今後一切購読はしないと書面にて通知しなさいと指示されました』とか『新聞インフォメーションからは無料月+商品が公正取引協議会の規約に反するので契約の解除は出来るでしょうといわれました』とアドバイスされたというのは、とても信じ難いとしか言いようがない。

消費者センターとは、地方公共団体が設置している行政機関で、事業者に対する消費者の苦情相談を受け付ける所やが、基本的には、法律、もしくは判例に基づいてアドバイスをする、せなあかんことになっとる。

それからすると『今後一切購読はしないと書面にて通知しなさいと指示されました』と言うてるのは、そうすることでその契約が簡単に解除できるという風に受け取れるが、そんなバカな法律はどこにもない。

法律の規定にないアドバイス、指示をする消費者センターの人間が本当にいとるというのは、何度も言うが信じ難いと言うしかない。

そもそも、そんな便利な法律があるのなら、ワシらは7年間も延々と、ここでこのQ&Aをすることもなかったやろうし、これだけ多くの相談者からの依頼メールもなかったはずや。

また、クーリング・オフの規定すら無用の長物になっていたやろうと思う。

特定商取引に関する法の第9条に、訪問販売における契約の申込みの撤回等というのがある。

それが俗称でクーリング・オフと呼ばれとるもので、あんたもそれがあることくらいは知っておられると思う。

一定の期間内やったら、理由の有無を問わず、またその理由を知らせることもなく消費者側から一方的に契約の解除ができるという法律や。

新聞契約の場合、契約書を受け取った日から8日間以内に文書での通知(内容証明郵便や配達証明付きハガキ、簡易書留ハガキなど)をすること、と法律で決められている。

何で、こんな消費者側にとって一方的に有利な法律があるのかと言えば、普通では簡単に契約解除ができんからや。それ以外に理由はない。

『忙しい時間帯だったし子供も部屋で泣きっぱなしの状態だったのに関わらずこの契約するまでは帰してくれないようだったので仕方なく契約書にサインしました』という、あんたの事情は分かるが、例えそうやとしても、その後で、どうしてもそれが嫌だと思うのなら、8日間以内にそのクーリング・オフをすることができたはずや。

結果として、あんたはその契約を解除することのできるクーリング・オフの権利を放棄したことになる。

加えて、『私も身辺が落ち着けば購読しようと思っていて、こちらから購読時期を連絡しますと何度か申し上げていたのですが』というのは、その契約を拒否してなかったと受け取れる。

『平成23年6月2日に再度別の販売員の男性が来て「いついけますか?もぉ8月から入れていいですか?」』というのは、その販売店としては、あんたの事情を汲んで良心的に購読開始を猶予しとるわけやから、それ自体はまともな要求、言い分やったと思う。

問題があるとすれば、『半ば強引で強要的な言い方をされとても怖い思いをしました』という内容やが、客観的に見れば、煮え切らない態度で、その契約を保留にしたままのあんたにも責任のあることやと考える。

もちろん、『半ば強引で強要的な言い方』の内容次第ではあるがな。

おそらく、その消費者センターの担当者は、あんたの『怖い思いをしました』という部分だけを取り上げて、そうアドバイスしたのやろうが、それはあまりにも片手落ちで軽率な行為やったと言うしかない。

消費者センターという所は、消費者からの一方的な苦情だけを取り上げるのやなく、相手方の事業者にもその真意を問い質す場合が多い。その結果次第で場合によれば、消費者の行動を諭すのも仕事の内とされとる機関でもある。

通常の担当者なら、その相手側の販売店に連絡して、あんたの言うてることの真偽を確認するもんや。その話を聞いて、その担当者が消費者の言うことが正しいと判断すれば、それを販売店に伝えるはずや。

しかし、あんたの話からは、その後、あんたには、その件について販売店からは何も言うてきてないようやから、その担当者は結局何も伝えてないのやろうと思う。

消費者センターから何らかの連絡があれば、たいていは契約者である、あんたにその販売店から何か言うてきとるはずやしな。

それだけでも、その消費者センターとやらの担当者がええ加減な人間やというのがよく分かる。言い放しただけの話やさかいな。

『新聞インフォメーションからは無料月+商品が公正取引協議会の規約に反するので契約の解除は出来るでしょうといわれました』と言うに至っては、意味不明やし、理解に苦しむ。

『公正取引協議会の規約』に『無料月+商品サービス』が規約に反するから契約解除できるというのは初めて知った。そんな話は聞いたこともないで。いつの間に、そんなものができたんや?

もし、それが事実なら、その『新聞インフォメーションセンター』の担当者自らが、その販売店にそう通告しとるはずや。もしくは、『新聞公正取引協議会』にそう連絡しとる。

『新聞インフォメーションセンター』や『新聞公正取引協議会』は、直接の管理組織やから、そんなことを、あんたにわざわざ言わんでも、その販売店に電話1本するだけで片付く話や。

本当にそれが正しいという自信があり、普通の常識ある担当者なら、間違いなくそうしとるはずや。

それも、先の消費者センターのケースと同じく、その販売店から何も言うて来てないようやから、それもないのやろうと思う。

おそらく『公正取引協議会』というのは、『公正取引委員会』のことやないかと思う。ネーミングがよく似ているということで混同する人がいとるようやが、両者はまったく違う組織や。

『新聞公正取引協議会』というのは、新聞社、販売店、関連組織が共同で作った組織で、『公正取引委員会』というのは、内閣府の外局という位置づけになる国の行政機関や。

その公正取引委員会が管轄する法律に「景品表示法」というのがある。

新聞勧誘の景品がこの法律の対象になる。新聞勧誘の場合、景品の上限は業界の自主規制によるものとされとる。新聞業界の自主規制が、公正取引委員会の認定を受けることで法律になっとるというものや。

ちなみに、現在の新聞業界の自主規制は、景品の最高額を取引価格の8%又は6ヶ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲ということになっとる。

業界では、これを俗に「6・8ルール」と呼んどる。

それに『無料月+商品』が違反すると言いたいのやないかと思う。

しかし、例えその『無料月+商品』が「6・8ルール」に違反していたとしても、それが契約解除の理由になることは絶対にない。

「契約」というのは、民法、商法、消費者契約法、特定商取引に関する法律などに規定されとるもので、それらは警察、裁判所で扱われる事案になり得るが、「景品表示法」は、それらでは扱われることはない。一般の法律とは一線を画するものなわけや。

その行為が違法と認定されるには公正取引委員会の調べが必要になるし、例えそれが認定されたとしても、「景品表示法」違反は業者だけを取り締まる法律で、それをもって業者と契約者の間の契約に介入できるものやない。また、公正取引委員会もそんなことは絶対にせん。契約事とは無関係な法律やさかいな。

その「景品表示法」違反を理由に「契約が解除できる」というバカなことを言い出す者が、まれにおるが、それはないと断言する。もし、そういう事実があったとすれば、それはお互いの話し合いで決まった「合意解除」でしかない。

当たり前やが、裁判所で扱えん法律で「契約の無効性」を争うことなど絶対にできんさかいな。

そんな程度のことくらい、『新聞インフォメーションセンター』の人間なら知っとるはずやがな。

まあ、どこにでも、ええ加減な者もおるし、物事や話を勘違いする者も珍しくないから、そういうことがあっても不思議やないのかも知れんが、それにしても『消費者センター』、『新聞インフォメーションセンター』の2ヶ所で同時にそういう人間に当たるというのは何でやろうなと思う。

ただ、彼らが、そう言うた背景、経緯は、あんたのこの文面だけでしか分からんさかい、何らかのそれなりの理由があって、ワシの言うことに反論があるのなら、いつでも受け付けるので、もし、再度、その彼らと接する機会があれば、そう伝えといてほしい。

ワシの個人的な印象で言えば、その二人が特別なだけやと考えるがな。たいていの『消費者センター』、『新聞インフォメーションセンター』の担当者は、そんなアホな対応、言動はまずせんはずや。

その彼らを信用するか、ワシの言うことを信じるかの判断は、あんたに任せるが、せっかくやから、ここからは、ワシのアドバイスを聞いてほしいと思う。

『そのとき担当者より「ご家族の事もあるようなので、いちおう契約という事ですが、契約延期してもいいしいつでも解除してかまいません」といわれました』ということで、どうしてもその契約を解除したいのなら、そのとおりのことを、その販売店に言うたらどうや。

『いつでも解除してかまいません』と言っていたので、解約しますと。

それなら仕方ないので解約しますと言えば、それで事は収まるし、そんなことは言ってないと開き直るのなら、事はややこしいことになる。

その内容が、文面として残っているのなら別やが、口頭だけのものは、言うた言わんの水掛け論に持ち込まれやすくなるさかいな。

そして、その場合、契約したという事実のみが法律で保護されることになるのが普通や。契約者は契約者としての責任を全うする義務があるさかいな。

その販売店が、よほどの違法行為をしとるというのなら別やが、それはなさそうやし、あんた自身、唯一とも言えるクーリング・オフの権利を放棄しとるということがあるから、争っても立場的には厳しいと思う。

ただ、その販売店は購読開始を猶予しとるくらいから、さらなる契約延長を申し込めば、それに応じる可能性はある。もちろん、次は、必ずその契約を守るという前提で、そうせなあかんとは思うがな。

何でもそうやが、ええ加減なことを言うのは良うない。あんた自身もそれに負担を覚えるやろうし、相手にとっても大きな迷惑になる。

『契約解除はできなくても、契約の短縮はできないものでしょうか?』というのは、その販売店なら、それに応じる可能性は十分にあると思う。

解約すると言えば難色を示すかも知れんが、契約の短縮ということなら、一般の販売店でも比較的応じるケースが多いさかいな。

結論として、『いつでも解除してかまいません』と言っていたので、解約しますと言い、それに応じて貰えんようなら、「契約の短縮をお願いします」と言うので、ええのやないかと思う。

その販売店なら、そのいずれかで事は収まりそうや。

『センターや新聞インフォメーションの指示通り強気な態度で販売店と交渉したほうがいいですか?』というのは、何度も言うが、ワシとすれば止めといた方がええとしか言えん。

ただ、どうされるかは、あくまであんた次第やから、良う考えて、どうされるか決められたらええ。


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