新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1039 セールスチーム崩壊の原因にもなりかねない問題では?


投稿者 Mさん 現役拡張員 投稿日時 2011.7. 3 PM 10:17


げんさん、博士さんお久しぶりです。

現物拡材の件で相談してから大分経ちましたが元気そうで何よりです。

今回は、げんさんの意見を聞きたくて、メールしました。

自分らセールスチームはカードを揚げることにより店の役に立ち、日々の収入を得ていますが、自分の団を含め、ほかの団のセールスマンの中にも一部だと信じたいのですが、次のようなことをして、営業成績を上げ、収入を得ている者がいます。

店員と癒着して、店員からカードを買い、成績を上げ収入を得る行為です。

店員は自分で上げた新歓カードや交代読者カードを、拡張員に、高額で買い取ってもらって、より収入を得ようとし、拡張員も多大な拡材を使い大変な思いをして、カードを揚げるより、自分のカード料の中から店員からカードを買ったほうが、成績を上げるのも楽、そしてより稼げる。

そして、団長も、そのセールスにお金を出せば、いくらでも引き継ぎを書いてくるということで、見て見ぬふりをしているということです。

逆に、店の店長のほうも、そういう店員がいてもボーナスが下がったり、カード料が下がったりして店員の生活がきついのを知っているので、そういうアルバイト的に、セールスと癒着して、私腹を肥やすのを見て見ぬふりをしているということが現実に多々あり、時々、拡張という仕事に関して疑問に思います。

げんさんは「人は人や!関係ないやろ。」と言うと思いますが、それがそうでもないんです。

真面目に叩くセールスに、しわ寄せが行く感じになっています。

なぜかというと、店員はセールスの者に対して個人的に売買して、日銭を稼ぐために、保有カードをためなくてはならないものだから、交代読者、転入したばかりの客、脈のある客などを片っ端から、データおよび地図から黒塗りして隠し、まじめに普通に叩く者としてはかなり厳しい条件になることです。

嘘みたいですが、これは現実の話です。

単純な話、店員は、店からのカード料では、生活できなくなってきていて、セールスのほうも、材料使い込む客ばかりで(新聞の無読層が増え、サービス過剰になって)真面目に叩くより、店員から5000円でカードを買い、カード料8000円を得たほうが、材料費分プラスカードの売買の利ザヤのほうが、実入りがいいということでしょう。

げんさんと同じ仕事をしている者としては、げんさんを不愉快にするメールだったかもしれませんが、ただげんさんの意見を聞きたく、メールしました。

仕事にプライドを持ってらっしゃるげんさんの気分を害する話かとも思いましたが、自分はセールスチーム崩壊の原因にもなりかねない問題かと心配もしています。

ただ幸いに、まじめに取り組んでいる店も自分の知る範囲で半分はあるので、それについては助かっています。

げんさん、博士さん暑いので体に無理をしないようにしてください。いつも、このサイトを見ています。よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『店員と癒着して、店員からカードを買い、成績を上げ収入を得る行為です』というのは、結構昔からあることや。今に始まったことやない。

6年以上前に公開した、『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その3 案内拡張についての考え方』 の中で、


他には、契約を売るということがある。専業の取った契約を店には報告せず、結託した拡張員が来た時にそれを売るんや。

何でこんな事をするのかというと、従業員が契約を取っても、店から貰えるカード料が極端に安いということがある。

例えば、1年契約で拡張員は8千円のカード料が貰えるが、従業員は良うて2千円程度や。そやから、拡張員と折半でも4千円になるということや。てんぷらの場合はさらに丸儲けになる。


と言うてることでも分かると思う。

しかし、ワシの知る限り、そういうことをしとる連中の末路は悲惨やで。ロクなことにはならん。

まず拡張員やが、一度でも『店員から5000円でカードを買い、カード料8000円を得たほうが、材料費分プラスカードの売買の利ザヤのほうが、実入りがいい』と感じて、そうしてしまうと、当然のことながら、普通に叩いて仕事をすることがバカらしくなる。

人はやすきに流れると、際限なく流される。楽できるものなら楽したい。これは程度の差こそあれ、誰もが考えることや。ワシにもその思いはある。

しかし、まともに仕事することができんようにまでなった人間はどうなると思う? 事ある毎に、そうしたいと考えるようになってしまう。他力本願になるわけや。

そうなると、仕事の技術を磨くこともせんようになるし、努力も怠る。エサを与えて貰うだけのペットや家畜と同じや。

どんな仕事もそうなったら終いや。それでも、それが続くうちはどうにかなるかも知れんが、そういうものは絶対と言うてもええくらい長続きせん。するわけがない。

それを手助けしている販売店の従業員にしても、『店員は、店からのカード料では、生活できなくなって』 という状態では先はないわな。

そういう連中が『交代読者、転入したばかりの客、脈のある客などを片っ端から、データおよび地図から黒塗りして隠し』という程度に止まるのなら、まだええが、そうする者は必ず、それがエスカレートする。

どういうことかと言うと、そういう連中は、それだけでは足らんようになって、必ず「てんぷらなどの架空契約」に走るようになる。

実態のない契約で金を得ようとするわけや。そして、それは『見て見ぬふりをしている』という販売店全体が、そうなってしまう。

結果、そのために、その販売店は実態のない、契約者の存在しない新聞を大量に買う羽目になる。もともと、そういう販売店では「押し紙」、「積み紙」で厳しい経営を強いられているところが多いから、それが多少増加しても分からんようになっとる場合が多い。

そんな販売店が長続きするはずもなく、近い将来、ほぼ間違いなくつぶれる。

裏を返せば、そういう状況になりつつある販売店の末期的症状が、それやとも言えるわけや。

その販売店、およびそこの従業員がそうしているという事実を、あんたが知っとるくらいやから、おそらくそれはその地域では半ば公然と行われとるのやと思う。

そうなら、その事実を新聞社の担当者も知っているということになる。

それが何を意味することか分かるやろうか。その販売店は「てんぷらなどの架空契約」による「虚偽報告」を新聞社にしとるから、新聞社がその気になれば、その不正行為を理由にいつでも「改廃」に持って行けるわけや。

その拡張団にしても同じで、その販売店と結託していれば同罪と見なされ、こちらも廃団させることが可能になる。

いつ、その販売店がつぶれてもおかしくはないということや。

つぶれずに、その愚を悟った販売店の場合は、そういう従業員を排除にかかるやろうし、そんな拡張団や拡張員の入店を拒否する。せざるを得なくなる。

つまり、あんたの言うようなことをしとる連中は、破滅を前提に「薄氷の上にあぐらをかく」、「切れかかったロープで綱渡りしている」という状態になっとるわけや。本人は、それとは知らんだけでな。

そういうケースは過去に嫌というほど見てきたさかい、手に取るように分かる。ワシが「ロクなことにはならん」と言う所以が、そこにある。

あんたは、『ただ幸いに、まじめに取り組んでいる店も自分の知る範囲で半分はあるので、それについては助かっています』ということで、そういうやり方には否定的なようやから、それに関わっておられないと思うさかい、それでええが、もし、その誘惑があれば断固として拒否されることや。

せやないと、いつその粛正の嵐が吹き荒れんとも限らんさかいな。ヘタにそれに関わって巻き込まれたら、あんたも無事では済まんやろうと思う。

『自分はセールスチーム崩壊の原因にもなりかねない問題かと心配もしています』と、あんたが言われておられるとおり、そういうことをする団では、そうなる可能性が高いということや。

『仕事にプライドを持ってらっしゃるげんさんの気分を害する話かとも思いましたが』というのは、昔から知ってたから、「ああ、またか」くらいにしか思うてないからその心配はいらんがな。

そういう連中はいずれ行き詰まるのは確実やから、そういった販売店で仕事をするのなら、なるべく、そういう連中とはヘタに関わり合いにならん方がええ。

ワシのアドバイスということなら、そういうことや。


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