新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1054 私が行ったことはどんなことが考えられるでしょうか


投稿者 Tさん 関西在住  投稿日時 2011.8.29 PM 4:21 


はじめまして。新聞勧誘で不安に思うことがあり、検索していたところ、ここにたどり着きました。

Q&A読ませていただきました。

昨日15時頃に玄関のチャイムがなり、いつもは居留守を使うのですが、昨日に限って出てしまいました。

オートロックのマンションですが、外からのインターホンではなかったので、他の住人があけて、うちの階にも回ってきたと思います。

最近まで違う新聞社と契約していましたが、今はやめたので、その拡張員の方に今は新聞いらないと断り続けました。

最終的に「今すぐは難しいそうやな」と言い、「また年末くらいに訪問させて」と言われ、そして台帳みたいなものに、自筆で主人の名前を書きました。電話番号も聞かれましたが、それは断りました。

あとになって、安易に名前を書いてしまったことを後悔し、主人にも散々怒られました。

今自分でこの文章を書きながら、自分の行動が情けないです。恥ずかしいです。

名刺や冊子など何ももらってないのですが、私が行ったことはどんなことが考えられるでしょうか。今は何もないことを祈るしかないのでしょうか。

お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願い致します。


回答者 ゲン


『名刺や冊子など何ももらってないのですが、私が行ったことはどんなことが考えられるでしょうか』というのは、ちょっと危険な匂いがするな。

『また年末くらいに訪問させて』と言うなら、そのまま何もせずに帰るのが普通や。

本当に年末にやってくるかどうかは別にして、あんたは単にその勧誘員の「見込み客」や。その見込み客に、ご主人の名前を書かせるということはまず考えられん。

当たり前やが、見込み客は自分だけが知っていればええわけやし、それを記録に残すのなら自分の手帳に自分で書き留めておけばええだけの話や。ワシはそうしとる。

それを客である、あんたにわざわざ名前を書かせる必要性も理由もないはずや。次回の来訪の約束なら口頭で十分やしな。また、そのための台帳があるというのも始めて知った。

『台帳みたいなもの』というのは、ハガキ大くらいの大きさのものやなかったのかな。もし、それやったら、それは『契約書』やった可能性がある。

あんたも『最近まで違う新聞社と契約していました』というくらいやから、その契約書の大きさは分かっておられると思う。それと比較して同じやったかということや。

同じような大きさなら、あんたは言葉巧みに誘導され、それと知らされず、その契約書にサインさせられた可能性も考えられる。

契約書には、奥さんであるあんたがご主人の名前を直筆でサインするのは何の問題もなく、法的にもそれが正規の契約と認められる。

普通、契約書なら、その控えをあんたに渡さなあかんが、そうすると、あんたを騙すような形で、その契約書にサインさせたということがすぐバレてしまう。

そうなれば揉めるのは間違いないし、挙げ句にクーリング・オフをされてしまい、その勧誘員の成績にはならん。その台帳を契約書と言わず、控えも渡さんかったら、客は何も知らんうちにクーリング・オフの有効期間が過ぎる。

クーリング・オフの有効期間が過ぎた後、「契約どおり、○月○日から新聞を配達します」と言えばええとなる。

いくらあんたが、「そんな契約はした覚えがない。契約書の控えも貰っていない」と主張しても、「ここに、あんたが直筆で書いた契約書がある。控えも渡している。控えはあんたがなくしたんやろう」と言える。

それを狙った可能性が高いと考えられる。

そういうのを業界で「ヒッカケ」と言う。残念やが、そういう騙しに近いようなことをする拡張員がおるのは事実や。

もちろん、それは違法行為や。そう言うて争うことはできる。

しかし、そういうことを平気でする連中は、その事実をとぼければ何とかなると考える。揉めてでもゴリ押しすれば、たいていの客は折れると。

ただ、それはワシの推測、可能性にすぎんことやさかい、それを確かめてみんことには、はっきりしたことは分からんがな。

それを確かめるのは簡単や。その新聞の販売店に直接、電話をすればええ。

その新聞の販売店は、その地域に一つしかないから、電話帳で調べるなり、ネットで検索するなりすれば、すぐ分かるはずや。

その販売店に電話する際、その販売店自体も信用できん可能性があるから、念のため、その会話の内容を録音しておくことを勧める。

その準備をしてから、「○○販売店さんですか。私は○○町○丁目の○○マンションのTという者ですが、○月○日の日曜日、そちらの勧誘員さんが来られ契約を勧められたのですが、それについてはお断りをさせて頂きました。ただ、その際、そちらの勧誘員さんから台帳のようなものにサインするように言われ、そうしてしまったのですが、あれはどういう意味があったのですか? まさか契約書ではありませんよね」と聞く。

その販売店が、「そちらから契約をして頂いています」と言えば、ワシの予想どおりやし、「いえ、契約にはなっていません」ということなら、一安心できるやろうと思う。

ただ、「いえ、契約にはなっていません」と言う場合でも、「ではなぜ、こちらが断っているのに台帳のようなものにサインを要求するのですか。私は、そうしなければ帰って貰えないと思ってしましたが、後で主人に怒られて困っています。ぜひ、その理由を教えてください」と言うて、その確認はしといた方がええと言うとく。

そのいずれでもなく言葉を濁したり、「担当の者がいませんので、良く分かりません」と言えば、怪しいということになる。

昼過ぎくらいの時間帯に電話口に出る者は、たいてい事務員か、そこの責任者の可能性が高いから、『昨日15時頃』に上がった契約かどうかは、パソコンデータを見ればすぐ分かることやさかい、その時分に、あんたの件が契約になっているかどうかが分からんということは、まずない。

その場合、相手の氏名、役職を確認してから、「それでは、○○さんに念を押しておきますが、私は契約書にサインした覚えはありませんので、そのことを確かにお伝えしましたよ」と言って電話を切ることや。

そうしておけば、後から、それは「実は契約書」やったと言うても通用せんさかいな。どこへ出ても確実に勝てる。

「そちらから契約をして頂いています」と言えば、「それは契約とは違いますから、撤回してください」と強く申し入れればええ。それを素直に受け入れず、「担当の者を伺わせますので」と言うても、きっぱりそれを断ることや。「必要ありません」と。

また、その勧誘員がやって来て、何とか翻意させようとするか、新たな手口で騙そうとするだけの話で嫌な思いをする可能性が高いさかいな。また、クーリング・オフをさせんための日延べを画策する恐れもある。

その場合は、「それでしたら、その契約についてはクーリング・オフしますので」と通告すればええ。そして、実際にも、そのクーリング・オフの手続きをすることや。

それをせずとも、あんたは騙されただけやから争うことはできるが、いらん揉め事をせずに済み、また後腐れの心配も少ないクーリング・オフをする方が話が早く、簡単に解決する。多少、その費用はかかるがな。

そのクーリング・オフの詳しい手続き方法は、サイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』にあるから、それを良く見て頂ければ分かって貰えると思う。

結構、ややこしい部分もあるので、なるべく隅々まで見ておいてほしい。

クーリング・オフの有効期間は8日間で、あんたの場合、8月28日に、その勧誘員が来たことになり、その8日後までが期限ということになる。

しかし、日本郵便(JP)の窓口でその手続きをするためには、営業している日でないと難しいから、実質的には、9月の2日の金曜日までと考えといた方がええさかい、残りの日数はあまりない。

その販売店の対応次第で、ご主人と相談されて、どうされるか早急に決められたらええ。

また、その対応について分からんことがあれば、いつでも相談して頂ければ答えるさかいな。


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