新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1075 休止後、改めて引っ越しによる解約は可能でしょうか?


投稿者 ta さん  投稿日時 2011.11.29 PM 4:51


はじめまして。taと申します。

大学4年で下宿しております。

解約について相談にのって頂きたいと思いメールしました。

私は23年10月に、23年11月〜24年1月の3ヶ月間新聞の購読契約をしました。契約の際に商品券5000円分を受け取りましたが、使ってはいません。

ですが、12月と1月はほとんど下宿先におらず、実家にいるので(家の契約はそのまま)解約をしようと販売店へ連絡したところ、拡張員の方が来られてクーリングオフの期間が過ぎてるので無理だと言われました。

そのときに12月と1月それぞれ半月ずつ休止してもらうと各月半額になるのでと言われ、わかりましたと答えました。

しかし12月も1月もそれぞれ半月以上家をあけてる方が多いので、2ヶ月間休止をしようと思うのですが、可能でしょうか?

その場合、その2ヶ月間の購読料は請求されるのでしょうか?

また、契約期間は1月までですが、他の方々の質問等を読ませて頂いてると、休止をした場合契約期間が延長されるようですね。

けれど2月には下宿先の契約も解約して実家に戻る予定です。

このような場合は、2月になったときに改めて引っ越しによる解約の連絡をし、商品券を返還すれば問題なく解約できるのでしょうか?

ちなみに契約書にはクーリングオフ制度についてや、休止をした場合の契約期間延長または日割り計算での支払いについては一切かかれておりません。

ご回答よろしくお願いいたします。


回答者 ゲン


『しかし12月も1月もそれぞれ半月以上家をあけてる方が多いので、2ヶ月間休止をしようと思うのですが、可能でしょうか?』というのは普通は可能や。一般的には、その申し出を拒む販売店はない。

『その場合、その2ヶ月間の購読料は請求されるのでしょうか?』というのも請求されることは、まずない。例えあったとしても『2ヶ月間休止』を、その販売店が了承していて、実際に新聞が配達されていなければ払う必要はない。

というより、その間、商品である新聞を受け取っていないのやから、支払い請求の権利も発生せんし、支払い義務を負うこともない。

ただ、『休止をした場合契約期間が延長されるようですね』というのは当然で、休止というのは延長することが前提になっとる約束事でもある。そうでなければ休止とは言わんわな。

『2月になったときに改めて引っ越しによる解約の連絡をし、商品券を返還すれば問題なく解約できるのでしょうか?』というのは引っ越し先が、その販売店の配達エリア外やった場合なら、法律的に言えば、おそらく可能と判断されるやろうと思う。

しかし、『2月には下宿先の契約も解約して実家に戻る予定です』ということが分かっていて、そうするというのは感心せんな。

現時点で『2ヶ月間休止』やなくて、解約と同じことになるさかいな。その場合、延長をすることを前提とした休止の申し入れ自体が嘘やったということになる。そうなれば、その販売店も騙されたという気になり揉めることも十分考えられる。

そもそも、あんたは『私は23年10月に、23年11月〜24年1月の3ヶ月間新聞の購読契約をしました』というのは、その期間なら新聞の購読ができるということで契約したのやないかな。

その時には『12月も1月もそれぞれ半月以上家をあけてる方が多い』ということも、『2月には実家に戻る予定』というのも分かっていたはずやと思う。それを承知で契約した以上、それなりの責任を果たす義務があるものと考える。

あんたは大学4年生で学生さんとのことやが年齢的には立派な大人や。また大人としての自覚を持ってほしい。

どんなものであれ契約をしたという行為には、それなりの責任が伴うというのは社会の常識なわけや。その程度のことは承知されとると思う。

卒業されて、何をされようと日本社会において契約事というのは常について回るさかい、その責任から逃れるようなことを考えるのは止めといた方がええと言うとく。

某かの利益が得られるということで、そうする癖がついてしまうと、その方が、あんたにとっては大きな損失になると考えるさかいな。

社会は契約事を簡単に破る人間を受け入れるほど甘くはできていない。あんたのしようとしとることは、それくらい大きなことやと認識しといて貰いたいと老婆心ながら忠告させて頂く。

それに今回の場合は、そうしても、あんたにとって、それほど得になることでもなさそうやしな。

あんたの望みどおり、残りの2ヶ月間の購読料を支払わず『商品券5000円分』の返還をしたと仮定しよう。

『23年11月〜24年1月の3ヶ月間』やから、今月の11月分の支払いはすることになるから除外するとして、残り2ヶ月分の一般的な新聞購読料は朝夕セット版で3,925円×2ヶ月=7,850円、朝刊のみの統合版地域やったら3007円×2ヶ月=6,014円ということになる。

その契約を全うすれば『商品券5000円分』は返還せんでもええわけやから、解約できたとすれば朝夕セット版で2,850円、統合版で1,014円浮くという計算式が成り立つ。

その金額があんたにとって大きいか小さいかという問題はあるが、敢えて言わせて貰えば、その程度の金額を浮かせるために契約を無効に持ち込み揉め事も辞さずというのは、どうかとは思う。

もちろん、それであんたが良ければワシがとやかく言うことやないかも知れんがな。

しかし、それでは、あまりにも人間として小さすぎるのやないやろうか。そんなことはないとは思うが、それを誰かに自慢げに言えば、確実にあんたは信用をなくすことになる。

そんな程度の人間やったのかと。

その販売店に問題でもあるのならまだしも、『12月と1月それぞれ半月ずつ休止してもらうと各月半額になるのでと言われ』ということは、その販売店は、あんたの事情を考慮して、そう譲歩しとるわけや。良心的な販売店やと思うがな。

あんたもそれに対して、『わかりましたと答えました』と言うたのなら、尚のこと、その責任を果たすべきやと考える。

この場合、どうした方が最良の方法なのかということになるが、ワシとすれば、現在の約束どおり『12月と1月それぞれ半月ずつ休止』して『各月半額になる』というのなら、そうすることを勧める。

その上で、残りの1ヶ月分である2月に関しては「引っ越しをするので」と、その販売店に申し入れれば、おそらく、その引っ越しする日までの日割り計算で請求してくるものと思う。

それで、あんたには『商品券5000円分』の返還義務はなくなるわけやさかい、それほど損な話ではないと考えるがな。

『ちなみに契約書にはクーリングオフ制度についてや、休止をした場合の契約期間延長または日割り計算での支払いについては一切かかれておりません』ということやが、『クーリングオフ制度について』は、たいていの新聞購読契約書の裏面には赤字で『クーリング・オフのお知らせ』というのがあるはずや。

それがあれば、『クーリングオフの告知をした』ものとして法的にも認められる。制度については法的解釈が必要になるから膨大な記述を要することになるさかい、業者にはそこまでの責任を課してはいない。

法律については個々で勉強して貰うしかないというのが、日本という国のスタンスになっている。その証拠に「その法律を知らんかった」で罪を免れることなどないさかいな。知らずに法を犯せば、犯した者が悪いとされて、その罪で裁かれることになる。理不尽かも知れんが、それが法律なわけや。

当サイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』で分かりやすく説明しとるので目を通して頂ければ、おおよそのことは分かるのやないかと思う。

『休止をした場合の契約期間延長』については、各個人のケースで事情がまちまちやから、今回あんたとその販売店がそうしたようにお互いが話し合って決めるしかないということもあり、特にその記述をする義務までは課せられていない。

『日割り計算での支払いについて』も同様で、たいていは新聞販売店各自の判断に委ねられている。そのために、それが記載されている契約書と記載されていない契約書が存在する。

それなら一定の決まりがないのかと言うと、新聞社が示している規定はある。

一般的な新聞の定価を『朝夕セット版で3,925円』、『統合版で3,007円』と考えておられる方が大半やと思うが、実は違うというのが新聞社の判断としてある。

駅売りやコンビニ売りの新聞は朝刊1部130円、夕刊1部50円というのが一般的な新聞の販売価格になっている。新聞社はそれが定価やと言う。

本来なら朝夕セット版だと朝刊1部130円+夕刊1部50円=180円というのが1日分の新聞代ということになる。それが1ヶ月分、30日とした場合、5,400円という計算になる。

新聞社は、これを宅配契約者に限り、配達サービス代込みで『朝夕セット版で3,925円』の月極め価格設定にしているという。実に1,475円の値引きをしている計算になると。

これはあくまでも特別にそうしていることだと新聞各社は、はっきりそう答える。

ただ、駅売りやコンビニ売りの新聞は全体の部数の6%程度しかないさかい、それを定価とするには無理がありすぎるとは思うがな。しかし、国の行政機関である公正取引委員会が、そう認めとる限りは、それが定価として法的にも通用するということになる。

そのため、『日割り計算での支払いについて』というのが記載されている契約書には、「新聞定価1部売り×配達日数=ご請求金額」と明記されとるわけや。

それには「但し、月極め購読料を超えない範囲」という注釈がある。これは『新聞定価1部売り×配達日数』で計算した場合、実際の配達日が17日を超えると、月極め購読料以上の請求になってしまうからや。さすがに、それではまずいとなるわな。

配達日が17日しかない場合の日割り計算なら、かなり安くなると考えるのが普通やが、法的には、1ヶ月の購読料と同等ということになる。それで問題ないとなるわけや。

それはどう考えてもおかしなことやと思うが、『日割り計算での支払いについて』明記しようすれば、法律に沿ってそう記述するしかないということになる。

しかし、そうすることで購読者に変に思われる、あるいはそれによるトラブルが起きることを懸念する販売店では、その記述を削除して任意の解釈で対応しとるというわけや。

『半月ずつ休止してもらうと各月半額になる』というのは、この業界では最大限譲歩した販売店やということになる。もっとも、それが世間一般では当然やと捉えられがちやがな。

ちなみに、これは契約者にとって関係ないと言えば、それまでの話やが、販売店が新聞社に納入する代金に日割りというものは一切なく、すべて1ヶ月単位での納入を義務付けられとる。

例え契約者から半月休止して半額分の集金しかできなくても、その販売店は1ヶ月分の納入代金を納めなあかんわけや。もちろん、販売店の仕入れ代金は販売価格よりも安いが、それでは足の出る販売店も多いという。

それでも『半月ずつ休止してもらうと各月半額になる』と言うてるのは、好意以外の何ものでもないということを理解してやってほしいと思う。

つまり、『日割り計算での支払いについて』の記述がないのは、ええかげんなわけではなく、むしろ良心的すぎるために、それがないということになるのやと。

それなら『日割り計算での支払いについて』の記述があるのは良心的ではないのかというと、それも違う。それは単に法律に則って、そう明記しとるだけのことやさかいな。

法律どおりにすれば、すべてが正しく、上手くいくとは限らんという、ええ例やと思う。

時として、法律どおり杓子定規に考えん方が、ええという場合も世の中にはあるということやと理解してほしい。

そして、これがワシの一番言いたいことやが、あんたがされようとしとるのは、あくまでも自己都合でしかないことやと思う。少なくとも、その販売店には何の落ち度もないのは明らかなことやと。

契約事というのは当事者同士が対等の立場で、お互い納得して結んだ約束なわけや。それを自身の都合だけで放棄することにより、何の落ち度もない相手に損害を与えるべきやないと考えるがな。

それなりの責任を負った上で、そうすることが契約者の採るべき道やと思う。

もっとも、業界の事情に詳しくない人にとっては酷な言い方になったかも知れんが、せっかく、ここに質問して来られたのやから、そういう考え方もあると分かって頂きたい。

最後に、どうされるかは、あんたの判断次第やと言うとく。アドバイスというのは参考にするもので、そのとおりに従うものやさかいな。


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