新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1085 新聞社をイニシャルで表記するのは何故ですか?


投稿者 投稿者 Tさん  投稿日時 2011.12.13 AM 2:57


貴サイトについて質問です。

「Y新聞」「A新聞」のように新聞社をイニシャルで表記するのは何故ですか?

あまり匿名になっていない気がしますし、実名でも問題は無いと思うのですが・・・。


回答者 ハカセ


サイトの運営方針に関することですので、管理人の私(ハカセ)がお答えします。

『「Y新聞」「A新聞」のように新聞社をイニシャルで表記するのは何故ですか?』ということですが、これは8年前、このサイトを立ち上げようと計画した段階で、できる限り個人名、企業名は匿名にしようと決めました。

それには、いろいろな理由があります。

1.名指しで批判することが嫌いなため、極力避けたいというのが最も大きな理由でした。

当時、今もそうかも知れませんが、ネット上で「新聞」と言えば、当然のように名指しで批判するようなところが数多く見受けられました。

私は名指しで「誹謗中傷」するということには嫌悪感を抱く人間でした。といってもサイトの性質上、悪質な行為をする業界人がいるのも確かですので、まったく批判しないという訳にもいきません。

そこで、その行為を批判しても、個人や特定の新聞社関係者、企業を批判しない形としてイニシャル表示をすることにしました。

2.新聞社に限らず、企業名、個人名のイニシャル表記を多用することで、匿名性が高いということを印象づける狙いもありました。

重要なのは、その内容が真実であるかどうかということであって、誰が言ったか、それが特定の誰であるかをアピールすることではないと私は考えています。

もちろん、それが真実だと足る情報源かどうかは私たちが判断した上でサイトに掲載しているわけですが。

それが功を奏したのか、このサイトにはどんな情報を寄せても、その情報提供者の秘密が堅く守られると多くの方に認知、信用して頂いています。そのため数多くの情報が日々寄せられてくるようになりました。

3.サイト潰し対策という意味もあります。

サイトを開設した当時の2004年頃には、新聞の販売業界に携わる人は40数万人もいながら、その方たちが運営しているサイトは数百程度しかありませんでした。

千人に一人程度という計算になります。こんな業界は他に存在しません。どの業界でもHPを作るというのが、ほぼ当たり前になっていましたから。

なぜ新聞の販売業界にそれが少ないのか。その大半は新聞社からの検閲が入るためと言われています。

当然ですが、新聞社は批判されることを好みません。それも身内とも言うべき業界関係者からとなると尚更です。

サイトの管理人が販売店関係者、拡張団関係者と判明すると、その責任者はそれとなく注視されるということです。

それで新聞社の批判や内部情報の暴露などをしていると、そのサイトの管理人が所属している新聞販売店や新聞拡張団に指導が入るとのことです。

早い話が、それを止めさせてほしいということですね。その責任者は、その意を汲んで当事者にそうするよう伝えます。結果、閉鎖ということになるわけです。

中には、日に数人程度のアクセスしかない目立たないサイトでも、それと判明することがあります。

どうしてか。それはネットの検索機能のためです。

これは公にされていませんし、確証を得ているわけではありませんが、その事情を知る方からの情報では、そういったものの多くは外部の委託調査機関が調べているということのようです。

例えば、「○○新聞の○○行為」といったキーワードで検索すれば、どんなに無名のサイトであってもヒットしていました。その頃は、ブロダイバーに問い合わせればサイトの運営者はいとも簡単に調べることが可能だったと聞きます。

現在のように、個人情報保護法もなかったですし。

個人が特定して、それが新聞販売店関係者、新聞拡張団関係者ということが分かり、新聞社にとって好ましくないというサイトであれば、半強制的に閉じるよう指導されたとのことです。

当時、私自身もその当事者の方とメール交換していて、その事情を知りました。他にも幾多のサイトがそういう憂き目にあったと聞きます。

反対に、新聞社にとって好意的なサイトと評価されれば公認されます。そうなると某かの援助金、奨励金が出ることもあるとのことです。新聞販売店の公式HPにそういうのが多いようです。

その点、私は新聞販売業界とは、まったく関係のない一般市民ですから、例え私の素姓を新聞社が掴んでいたとしても何も言っては来ませんでしたが。

それでも、サイトを立ち上げる前は一応用心するという気持ちが働き、イニシャル表示にしたということです。

4.法律上の対策というのもあります。

新聞社名や企業名を出して批判的な記述をした場合、その内容次第では「名誉毀損」、「信用毀損罪」、「威力業務妨害罪」に問われる可能性があります。それを危惧したということがありました。

『あまり匿名になっていない気がします』と言われるように、私自身もそう思います。

しかし、法律的には、例え、それと推察可能だとしてもイニシャル表記すること自体が匿名性を示す意思表示をしていることになりますので、それらの罪に問われる可能性が低くなるわけです。

それに詭弁を弄するようですが、「Y新聞」「A新聞」というだけでは、特定の新聞社1社を指し示していることにはなりません。

日本の新聞社リンク集 というページを見られると、地方紙を含めた一般紙では「A新聞」に該当するイニシャルの新聞社は5社、「Y新聞」と表記できるものも7社におよぶということが分かって頂けるかと思います。

もちろん、私が「Y新聞」「A新聞」としているのは、Tさんがそう思われている新聞に間違いはないわけですが。ただ、法律上の罪となる可能性のある特定の記述には該当しないということです。

もっとも、ネット上では、新聞社名を実名表記した批判記事が氾濫していますので、そこまでの心配までしなくても良さそうに思えます。

しかし、私たちのサイトはゲンさんを初め、業界内部の事情に詳しい人たちの情報を元にして公開するつもりでしたので、核心を突いているものが多いだろうと考えました。

言わば内部情報的な暴露物になるだろうと。他の批判記事とは一線を画すると。

その分、その危険も高いと思われたので、サイトを永続的に続けるためには、やはり名指しでの記述は避けた方がいいだろうと判断した次第です。

5.慣性というのもあります。

一旦、その方針で始めたものを途中で変更するということは、なかなかできません。

私自身、一貫性のないのを嫌うという性格もありまして、現在に至って続けているということがあります。

それには、その「Y新聞」「A新聞」という表記で分かって頂ける人が多いということもありますが。それと分かって頂ければ、それでよろしいのではないかと思いますので。

最後に、新聞社名、企業名、個人名をイニシャル表記する方針だとは言っても、何事にも例外があるように、やむにやまれぬ事情で実名表記することも稀にあります。

当メルマガの『第180回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その4 不祥事に泣くのはいつも営業の現場』 などが、そのいい例で、ここでは実名を表示して、広くネット上でアピールしたいということがありましたので、ゲンさんと相談した結果、そうしたわけです。

その実名を挙げた人に対しての批判的なコメントは、それで困られ、被害を受けておられる方がいるにも関わらず、そのご本人がそれと気付いておられないため、敢えてそうしてまで知らしめたいという願いもありました。

残念ながら、その思いは届きませんでしたが。

正直言って現在では、Tさんの言われるように、果たして、イニシャル表記する意味があるのかと疑問に思うこともしばしばあります。

ただ、一旦、それで始めたことでもありますし、このまま続けていきたいと考えています。

姑息なようですが、例外がある場合は、それと断ってすればいいのではないかということで。


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