新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1094 新聞屋とのトラブル。私おかしなこと言っていますか?
投稿者 Oさん 投稿日時 2012.1. 7 PM 4:42
はじめまして、こんにちは。主婦です。
私も新聞関係で行き場のない怒りをかかえてます。
でもいろいろ読ませていただいて、少し気が楽になりました。
私の悩みも少し語ってもよいでしょうか・・・。
一年ほど前の話なんですが。毎月集金にきてくれるんですが、急に担当が変わったと、おばさんがくるようになりました。
私は仕事をしていたので、主に夕方や夜に集金に来てもらっていたんですが、そのおばさんは集金に来るたびに「せっかく昼に来たのに留守やった。おかげでこんな寒い中こなってんで」や、「いつ来ても留守なんやね」などと言って帰るのです。
さらにいうと、インターホンを鳴らすと勝手に門扉を開けて玄関前まできているんです。
まだ更に言うと、門扉には鍵が付いているんですが、こじ開けて入ってきます。
まぁ、頑丈なものではありませんでしたが、誰でもロックされていると感じられるくらいの強度はありました。
ある日集金に来たので玄関の鍵を開けた瞬間、勝手に開けて入ってくることがありました。
私は怒り、門扉が緩んでしまったこと。勝手に入って来るのは常識がないなどおばさんにおこりました。
帰ってきた言葉は「あやまればいいですか。あーすいませんでした。これでいいですか。私やてわかってはるから、入ってもいいと思ってましてん。ここだけですわ、こんなんで怒らはるの」でした。
話にならないと思い販売店に電話しましたが、適当に謝られただけでした。
しかしその後、別の男性が集金に来たとき、「申し訳なかった、門扉は開けません」と謝ってくれたので、これからはその男性に担当してもらうということで納得しました。
その後問題なくきてたんですが、この3月で契約終了と言うことで更新のお願いにくるようになりました。
インターホンが鳴り、返事をしましたが応答がなく、玄関横の窓から覗いてみると、知らない男性がこっちを見て「あっ、どーも」と言ってきました。
玄関に出ると、目の前にその男性が入ってきていて、「更新のお願いにきました」と笑いかけるのでした。
どうして門扉を開けて入ってきたのかと聞きました。「奥さんがいいと言ったから」と言われました。
私はそんなこと一言もいってない、不法侵入で警察にとどけましょうかと言うと「窓ごしに目あいましたよね」と言われました。
門扉が何のためにあるのか、目が合う=了解サインなのか、前にもこんなことがあって勝手に入るの禁止とか聞いてませんかと聞くと「そんな話は聞いてないし、別にそんな怒ることでも・・・。不法侵入言われても奥さんが入っていいような雰囲気やったし、どっから不法侵入になるか知らんかったし・・・。えらいすいませんなぁ。・・・で契約更新お願いしますわぁ」と言われました。
言っても無駄だと思いましたが、「会社にもどって、自分のせいで契約はもう無いと言われたといいなさい」と言って帰しました。
販売店に言っても無駄なことはわかっていましたが、いちおう電話をし、その時のことを話し、門扉も弁償しろと言ってやりました。
「更新も考えていたがその男性のせいで他の新聞社に変えることにしたので、更新の話には二度とこないでください。三月までは契約しているので、きっちり仕事してくださいね」と言って電話を切りました。
ちなみに販売店の返事も「あーそーなんですかぁ。あーはいはい、わっかりました。はいはい、どーもぉ。」みたいな・・・。門扉の弁償についても「そーなんですか」と答えにならない答え。
完全に馬鹿にしてます。何万件ある内の一件が解約になったくらいで・・・って感じなんでしょうけどね。
これが普通なんですかね。
ながながと、ありがとうございました。
回答者 ゲン
結論から言うと、あんたの対応には問題はない。怒られるのも無理のないことや。ただ、いくら常識を説いても、それの分からん人間も世の中にはおるがな。
分からん者に何を言うても無駄やと言うてしまえば、それまでやけど、こういう問題をここに提起して頂いたことに感謝したいと思う。
このサイトは新聞販売店関係者も相当数見ておられるから、この事で「人の振り見て我が身を直せ」、「他山の石」といった教訓が得られるのやないかと考えるさかいな。
こうすれば客を失うことになる、というええ見本やと。
ただ『これが普通なんですかね』と思われても困るが、現実にそういうことがあると、「他はそんなことはないで」といくら否定しても信じて貰えんわな。
『完全に馬鹿にしてます』と言われる気持ちも良く分かる。
『何万件ある内の一件が解約になったくらい』と本当にその販売店が考えているとするのなら救いはない。
もっとも、新聞販売店の平均的な扱い部数は3千部程度やから、そこがよほどの大規模な販売店でもない限り何万件もの部数を有することはないとは思う。そんな新聞販売店は日本では数えるほどしかない。
新聞社とその新聞販売店を同じように考えて、そう言われておられるのなら、それは違うと言うとく。
はっきり言うて、新聞社は販売店がそんなことで顧客を逃がしたと知ると激怒すると思うしな。少なくとも、そんなアホな指導はしてないと言うはずや。
ちなみに3千部の新聞販売店では1年間に15部から20部程度の部数が増えていれば、新聞社から「定数クリア」というお墨付きを貰え、優良販売店と見なされるということがある。
そのため一般的な新聞販売店では「たった1件程度」とは考えんのが普通や。というか疎かに考えるような販売店は、現在のこの厳しい状況下では早晩、「改廃」と言うて廃業に追い込まれる可能性が高いと思う。
それからすれば、『ここだけですわ、こんなんで怒らはるの』と言うような人間に集金させるような販売店では、そうなるのは時間の問題やという気がする。
何の教育、指導もしていないという証になるさかいな。業界ではかなり程度の低い部類に属するのは間違いない。
どんな業界でも程度の低い業者から順番に淘汰されていくのが世の常で摂理やと思う。
その集金人は、他で文句が出ていないから容認しとると考えとるのかも知れんが、もしそうなら大間違いやと言うしかない。
サイレント・マジョリティというのがある。世の中には嫌なことがあっても何も言わず黙っていて気持ちの中で批判や反発する人が圧倒的に多いもんなんや。苦情が出ないから容認されていると考えとる時点で、どうしようもない。終わっとる。
人間謙虚な気持ちをなくしたらあかん。同じ謝るのなら、真摯な姿勢で素直に謝っておくことや。嫌味を言うて、その人間が得することなど何もない。
『門扉には鍵が付いているんですが、こじ開けて入ってきます』というのは、どんな状況であれ許されることやない。そんな事は善し悪しを論じる以前の問題や。
それを咎められて『あやまればいいですか。あーすいませんでした。これでいいですか』と、ふて腐れた態度で謝るなどというのは以ての外で、顧客に対して、これほど失礼な行為はない。
その集金人はもちろん、その新聞販売店も顧客があってこそ生計が成り立っているわけや。その思いが僅かでもあれば、そういう態度にならんはずやがな。
その後の『更新のお願いにきました』という人間もどうしようもないアホや。ワシは、こっちの方が個人的には許せん。
ワシは営業に命を賭けとる、生涯をかけてきたという自負がある。こんな人間に勧誘だの営業だのと軽々しく言うて欲しくない。
結局、この勧誘員もあんたの許可なく入り込んだわけやが、その言い訳も『窓ごしに目あいましたよね』ということで『奥さんがいいと言ったから』という勝手な解釈をして、それで通ると考えとる。
信じられん奴や。こんなのがいとるというのは同業者として本当に恥ずかしいし、申し訳ないと思う。
ただ、『不法侵入で警察にとどけましょうか』と言われたとのことやが、このケースでは不法侵入で処罰されにくいのは確かや。警察にそう言うても、おそらく相手にされなかった可能性の方が高いと思う。
少し余談になるが、あんたの言う不法侵入とは『住居侵入罪』のことで、これは刑法第130条で規定されているが、『住居不法侵入罪』というものはない。一般にそう思われているだけの俗名にすぎん。
住居侵入罪は、正当な理由がないのに、人の住居もしくは人が看守する邸宅、建造物、廃墟やもしくは艦船に侵入した場合に成立するものとされる。
3年以下の懲役刑または10万円以下の罰金に署せられるとある。未遂も処罰される。
この場合、この犯罪が確定するには侵入したとされる行為に『正当な理由』があるかないかということが問題になる。
窃盗や危害を加える目的で侵入したのであれば文句なく、この犯罪が適用される。しかし、その男は『更新のお願いにきました』ということやから、営業目的なのは明らかや。それは、あんたも認めておられる。
そして、勧誘営業を行うこと自体は『営業の自由』という基本的人権の一つとして認められとる行為ということになる。それに違法性はない。
ただ、今回の場合はやり方が感心せんということがあるさかい微妙な線ではあるがな。
警察という所は法律を基に判断するさかい、犯罪要件を満たしてなければ、いくら訴えても取り合わない、取り合えないということになるわけや。
また、この程度というと語弊があるかも知れんが、ワシの知る限り、こういったケースで住居侵入罪に問われた事例はない。知らん。
それなら、こういう真似は許すしかないのかと言うと、そうでもない。こういった状態で入って欲しくないのに勝手に侵入された場合は、「帰ってくれ」と言うとけば、それで済む。
これを言うて、相手が無視したり、聞かずに居座ったりしたら『不退去罪』に問える。これも刑法第130条で規定されている。罰則もまったく同じや。
何かあるとすぐ「警察に通報する」と言われる人がおられるが、通報する場合は確定的な犯罪がある場合のみにすることやと老婆心ながら忠告しとく。
せやないと、タチの悪い人間にかかったら、警察を呼んでも警察が動かん、動けんかった場合、後で「この落とし前をどうしてくれるんや」と迫ってくることもあるさかいな。
新聞拡張員や新聞販売店の従業員の中に、そういう悪質な輩がおるというのは、残念ながら事実や。このQ&Aにも幾つか、その事例もある。
『門扉も弁償』については、業者にその見積もりを出させ正式に文書で請求するという手もある。
しかし、これに関しても、門扉を壊したという因果関係の証明をあんたの側がせなあかんことになる上に、そんな販売店との決着をつけるには損害賠償訴訟を起こすしかないと思われるから事は面倒なことになる。
それでも、どうにも腹の虫が収まらんというのなら、そうされたらええが、訴訟費用などの費用対効果の面から言うても益にはならんと考える。
それよりも、もっと厳重に鍵のかかる門扉と取り替えられた方が安くつくし、実用的やと思う。
もっとも、あんたには、今更そのつもりはないやろうがな。ワシらに、その思いの長けをぶつけられたことで、少しは気が済んだはずやしな。
最後に、なぜこういう販売店が存在するのかという点にも触れとく。
これは明らかに宅配制度の弊害やと思う。宅配制度では、同一の新聞では一つの地域には一つの新聞販売店しか存在しない。
そいう状況やと競争意識が弱まる。その新聞が必要なら、そこでしか宅配をして貰うことが消費者にはできんわけやさかいな。競争意識の少ない所には、顧客を大事にするという考えも育ちにくい。
特に昔ながらの新聞販売店で、そういう横柄な態度になりやすいようや。
もちろん、すべてやない。いち早く顧客サービスを徹底しとる新聞販売店も多いさかいな。
これから生き残っていく新聞販売店はそういう所だけやと言うても過言やないと思う。
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