新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1102 昔あったボーナスがありません


投稿者 y.o さん Y新聞販売店従業員  投稿日時 2012.1.31 PM 0:20 


こんにちは、宜しくお願いします。

Y新聞で働いています。アドバイスを受けたく、メールしました。

昔あったボーナスがありません。全くありません。

社長いわく、店が儲かってないから出せないのイッテンバリ。それはわかりますが、A専業で本社に登録されてます。

半分は本社から出てるはずなんですが、ありません。

三年勤続、5年勤続 の賞与もありません。何処に消えてるんですか。

今1ヶ月に一度店に担当者が来てますが、辞める時には聞こうと思うんですが、ちなみに従業員全員貰ってません。


回答者 ゲン


『昔あったボーナスがありません』ということやが、ボーナスの支給に関しては就業規則や労使協定などに、賞与の支給に関する金額等の具体的な定めがないと、使用者には支給の義務はないとされとる。

良く面接時に、「年2回ボーナスを支払っていると聞いた」と言われる方がおられるが、それだけでは弱い。

やはり文書になった正式な労働契約を交わし、就業規則や労使協定などに賞与の支給に関する金額等の具体的な定めがない場合は、法的にも請求するのは難しいと思う。

労働基準法 第106条で、

常時10人以上の労働者を使用する事業所では就業規則を作成し、それを労働者に配布、もしくは各職場に掲示するなどの適切な処置をとって労働者に周知させなければならない。

ということになっとる。あんたの所の販売店が、それに該当するのなら、それがあるはずや。

あんたの所の販売店に、それがあって『ボーナスがありません』ということなら、請求する権利は認められると思う。『三年勤続、5年勤続 の賞与もありません』というのも同じや。

しかし、それらの就業規則や労使協定がないという新聞販売店も、残念ながらこの業界には存在する。

面接時に口頭で給与はこれだけ、ボーナスの平均実績は何ヶ月分、あるいは勤続賞与の金額についてはアバウトなことしか言われなかったと。

労働契約や就業規則を知らされることなく働いたというのは、その使用者はもちろんやが、働く者にも落ち度があると言える。

ただ、使用者がそれに違反していれば、労働基準監督署に苦情は言える。言えるが、それで昔あったボーナスや勤続賞与が支払われるかとなると、それも難しい。

就業規則がないことで周知義務違反に問われ、指導の対象にはなるかも知れんが、あってもその程度や。

『社長いわく、店が儲かってないから出せないのイッテンバリ』で、ない袖は振れんと言われれば、ボーナスについては仕方がない。それは、あんたも『それはわかります』と言うておられるから、問題はないやろうと思う。

勤続賞与についても、その取り決めがないと同じことになる。

あんたの聞きたいのは『A専業で本社に登録されてます。半分は本社から出てるはずなんですが、ありません』ということやと思う。

あんたは、その話をどこで聞かれたのやろうか。また、その証拠となる書類などがあるのやろうか。

あれば、その販売店の経営者に文句が言えるし、場合によれば新聞本社に掛け合うこともできるかも知れん。

逆に、その確かな証拠がないと難しい。『はずなんですが』という程度では弱い。

あんたは、新聞社の担当者に『辞める時には聞こうと思うんですが』と言われとるが、そんなことは聞かれても、まず言わんと思うがな。

新聞社は、新聞の販売に関してや違法な行為には口を出せるが、販売店の従業員の待遇に関しては何も言えない、言わんのが普通や。

別組織の企業ということで、それくらいの分別は弁(わきま)えとるはずや。というか、担当にとっては関係のない話やわな。首を突っ込んで得することでもない。

新聞社から、新聞販売店には、いろいろな名目の補助金というのが出とるケースが多い。

ワシが知る限りでも、拡張補助、経営補助、拡材補助、完納奨励金、販売店親睦会補助、保険・年金補助、果ては店主、従業員の家賃補助まで新聞社からの補助金として出とるという話や。

これらは、たいてい押し紙を引き受ける代償として新聞社から支払われとるものが多い。要するに、押し紙の負担分の穴埋めやな。

そして、それらの名目は、その名目どおり使われているか、どうかまで新聞社はチェックしていない。渡しっぱなしというのが実状やと思う。

押し紙を引き受ける代償として渡すものやから、その名目などどうでもええわけや。どんな使われ方をしようが関知せんということやな。

例えとして適切かどうかは分からんが、国会議員に毎月100万円配られとる『文書通信交通滞在費』と似たようなもので、その使い道を調べることもなければ領収書の添付を義務付けとるわけでもないさかいな。

要するに新聞社としては支払う名目さえあれば、それでええわけや。

せやから、『従業員のボーナス補助』というのが、仮にあったとしても、それが本当に支払われていようが支払われていなかろうが、新聞社としてはあまり関係のない話になるということやな。

あんたは、どう思われとるのかは分からんが、新聞社は販売店従業員の待遇など、それほど気にしとらんし、そんなことに心を砕くようなことはせんで。新聞社とは関係ない他企業やということで済ます。また法的にもそれで済む。

せやなかったら、とっくの昔に、新聞販売店業界の待遇は新聞社のそれに準じたようなものになっとるはずや。新聞社の社員と新聞販売店の従業員とでは、その待遇に雲泥の差があるというのは、あんたも知っておられると思う。

要するに、そういうことなわけや。

未だに過酷な労働環境に苦しんでおられる販売店の従業員さんたちがおられるのが、その何よりの証拠やさかいな。

そんな環境の職場が嫌なら、辞めて待遇のええ販売店を見つけることや。それが一番賢い。

新聞社があてにならず、その販売店経営者もそんな状態では、それに立ち向かうというのも大変やで。時間もかかるし、金もかかる。

その覚悟とその気があるのなら、そのためのアドバイスはするがな。

『今1ヶ月に一度店に担当者が来てますが、辞める時には聞こうと思うんですが、ちなみに従業員全員貰ってません』というのも危険な兆候やから、その販売店には、あまり先はないのと違うかな。

廃業する前の販売店は、大体そんな感じで、まずボーナスの支給から止まるもんや。

やる気のある販売店なら、現在がどんなに苦しかろうと従業員のモチベーションを下げるようなことは絶対にせん。どんなに無理をしてもボーナスを支払うとする。

世の中の多くの企業を見ていたら分かると思うが、賃金カットやボーナスのカット、リストラをやっとる所から順番に倒産しとるのが、実態であり現状なわけや。

苦しい時に踏ん張れんような経営者のもとで働いとっても仕方ないし、そんな人間に何を請求しても無駄やと思う。ヘタをしたら、争うとるうちに倒産するてなことも十分考えられるさかいな。

何でもそうやが、請求して取れそうなら、そうするのもええが、徒労に終わりそうなものなら、そんな無駄なことはせず、さっさと次の働き場所を見つけることや。

ワシのアドバイスということなら、そうや。後は、あんたがどうするか決められたらええ。


ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム