新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1108 営業に払った拡張料金は請求できないのですか?


投稿者 Hさん  投稿日時 2012. 2.16 PM 3:21 


いつもありがとうございます。

先日の質問で民法545条の原状回復義務の規定がありますが、商品を返却はわかりますが、営業に払った拡張料金は請求できないのですか?

よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『先日の質問』というのは、『NO.1106 死んだら仕方ない、で終わらされた契約に憤りを感じています』 のことかな。

あの質問は、『引っ越し』および『契約者の死亡』についてやったけど、その場合は契約が自然解除になる可能性が高いから、販売店は契約者に対して契約時にその契約を全うすることを条件に渡した『商品の返却』しか要求できないと説明したわけや。

それとは違って契約者の自己都合による解約希望の場合は、違約金の請求はできる。

それでも『営業に払った拡張料金』分としての請求はできない。これが、あんたの答えになると思う。

正当な権利としての違約金の請求は、残りの契約期間に対して本来得られたはずの利益分以内の金額ということになる。

ごく稀に、残りの期間の新聞代を全額払えというバカげた請求をする販売店があるが、そんなのは論外で認められることは絶対にないと言うとく。

新聞は配達しないが新聞代を払えと言うてるのと一緒やからな。それは解約に応じないと言うよりまだタチが悪い。

販売店が営業に払った拡張料金を払っていることについては、契約者には何の関係もない。
新聞販売店が営業に対して、いくら報酬を支払おうが、それは業界内だけの事情にしかすぎんさかいな。

当たり前やが、営業員に支払った拡張料金の恩恵を契約者は何も受けとらんのやから、それを返せ、負担しろと言う方がおかしいわな。もちろん法的にも認められることやない。

新聞販売店が、拡張料金の返還を請求できる相手は、途中解約をした契約者から契約を取った拡張員もしくは新聞販売店の従業員しかいない。それが筋や。

契約が解除になれば、その契約で発生した損金は、それで利益を得た人間、つまり勧誘員から返して貰うしかないということや。払った相手から返して貰えと。

昔、ワシのいた拡張団では、そういうのは不良カードとして回され、貰った拡張料は返金するシステムになっていた。契約が成立してないんやから当然やわな。

これは何も新聞業界だけやなく、あらゆる営業会社に共通するシステムやと思うで。契約は全うされて初めて成立する。普遍的なことや。

そういうシステムになっていない場合は販売店が被るしかない。そのリスクが嫌なら、そのシステムを確立する必要がある。

但し、その場合でも販売店の不始末や、販売店の人間と揉めた挙げ句に契約者が怒って「解約する」となった場合は別や。その場合は販売店の責任大ということで自らが負担を被ることになる。

何で『営業に払った拡張料金』を契約者に払えと言うのか、言えるのかが、ワシには理解できん。何の正当性もない請求やと思うがな。

その手の相談がある毎に、ワシはそう言い続けてきた。

参考までに一言。

契約者の自己事由での解約希望の場合、解約違約金の請求ができるとは言うたけど、それは法律的には可能というだけのことで、実際にそれをすると、その客とは縁が切れるということは覚悟せなあかんで。

その客が不満に思えば、そのことを周囲に言いふらす可能性も高い。それがどの程度のものかはケース次第やろうが、その分、確実に評判が落ちるのは間違いない。

Q&Aへの相談でも、それを強いられた販売店とは二度と契約せんと言われる人が大半を占めるさかいな。正当な権利を行使したとしても恨みに思われるわけや。ほとんどの人が仕方ないとは思わん。

しかも、その恨み念は深く半永久的に忘れることはないやろうと思われる。

さらに、その事実を聞きつけた他紙の勧誘員が吹聴して、利用することも考えられる。その販売店の現読を切り崩す目的でな。

そのリスクを考え、客の希望どおりにして、また次回の契約につなげようという販売店では、解約違約金やサービス品の返還すら請求しないケースも多い。もちろん、解約違約金やサービス品の両方を返還請求する販売店もある。

いずれを選択されるかは、それぞれの販売店経営者の考え方次第やと思う。


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