新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1109 カメラ付きドアホンの攻略について
投稿者 ブライキングボスさん 北海道在住 投稿日時 2012. 2.21 AM 0:07
いつも参考にさせていただき、又へこんでいる時の励みとして読ませていただいてありがたく思っております。
私は北海道のシェアNO.1のブロック紙販売所の所員として働いております。
日頃常々どうしたら良いか自問自答している事が有ります。
それは近年増加しているカメラ付きドアホンの対応です。
明らかに、いるのに押しても全く反応がない人が多いです。
どうにかしてインターホン越しでも会話ができればと思うのですが、その会話がなかなか出来ない状態です。
具体的に聞きたいのは、押した時の目線はどのあたりにどのような意識であるべきか?
又、インターホンに出た時の目線はカメラ目線の方がよいのかどうか?
服装で気をつけるべき点は? です。
普段はスーツで営業活動しているので、カメラ越しに見知らぬ男性がスーツ姿で立っていると、いかにも訪販の営業マンと思われて、逆に警戒されているのではと思います。
その辺の工夫等ございましたら是非教えていただけませんでしょうか?
回答者 ゲン
『明らかに、いるのに押しても全く反応がない人が多いです』というのは、ある意味、この仕事の宿命みたいなものや。居留守を使われることの多い仕事やと割り切るしかない。
『カメラ越しに見知らぬ男性がスーツ姿で立っていると、いかにも訪販の営業マンと思われて、逆に警戒されているのではと思います』というのも、実際にワシらは訪販の営業マンやねんから、そう思われても仕方がないやろうと思う。
あんたのように何か理由があるから客は出て来ないと考える人もいるが、単に顔見知り以外の人間には警戒して出ないという人の方が圧倒的に多い。知らない人間と話すこと自体が面倒臭いというのもあるやろうと思う。
この仕事をしていると、「せっかく来たのやから話くらい聞けよ」と考えたくなるかも知れんが、見知らぬ人間と接触することすら嫌な人にとっては、どんなに良さそうな人間に見えても「迷惑な人間」でしかないわけや。
特にワシら新聞勧誘員もそうやが、訪問販売全体の評判が悪い地域や頻繁に勧誘にやって来る地域やと、よけいそう思われやすいと考えておく必要がある。
ワシは、新規開拓する場合、10軒に1軒くらいの人と話ができたらええ方やと考えて叩い(訪問)とる。その時には後の9軒は捨てる。
ただ、捨てると言うてるその9軒でも、話すのが嫌という人ばかりではなく、その時はたまたま何かの用事があって手が離せない。あるいはテレビや音楽鑑賞、パソコン、ゲーム、携帯メールなどに夢中になって出られないだけということがある。
食事中や風呂、トイレに入っていることもある。その他、人に言えんようなことをしとる可能性もあるわけや。当たり前やが、あんたが仕事をしとる時は、その客も何かしら用事をしているのが普通やさかいな。
そんなタイミングの悪い時に行ったというケースも考えられるということや。
せやから捨てるとしても『その時には』と言うてるわけや。別の時に行くとインターホンに反応する人は反応するさかいな。
そう考えて『インターホンに反応する人』だけをターゲットにすると捉えて叩く(訪問)方が賢いと思う。
その10軒に1軒くらいの人と会える、または話のできる確率を上げることを考えることやと。
カメラ付きドアホンやと、どうしても見た目で左右されやすい。客が見た目で判断する時とは、どういう場合かを考える。
第一には、その客にとっての第一印象というやつが大きい。
やはり無難なのは、きちっとした身なりで笑顔を湛え、はっきりとした元気な声で昼なら、「こんにちは、お忙しいところ失礼します、○○さん」、夜なら「夜分おそれいります、○○さん」と呼びかけることやな。
その声が届けば、『インターホンに反応する人』なら無視するケースは少ないやろうと思う。
『具体的に聞きたいのは、押した時の目線はどのあたりにどのような意識であるべきか?』というのも、あんたの持っている最高の笑顔で、カメラに正対して直視することやな。
そうすれば、例え断るにしても応対くらいはするはずやと思う。その先は、あんたの手腕がものを言う。
ワシには、あんたの外見が分からんから何とも言えんが、第一印象には自信があるのかな。
自信がないのなら、第一印象を少しでも良くする方法を考える必要がある。
具体的には鏡の前に立って笑顔や話し方の練習をすることや。好きな俳優とか芸能人、有名人の真似をするのでもええ。
初対面で好印象を与えるのは、雰囲気という要素が強いから、それに磨きをかけるわけや。それで自信をつける。「俺は見た目がいい」と。そう思い込むだけでも、かなり違う。
見た目で判断する人間なら、気持ちが動かされる可能性は高い。
ただ、何度も言うが、大半は『どんなに良さそうな人間に見えても「迷惑な人間」でしかない』というのが勧誘員やという事実は、しっかりと受け止めとかなあかん。
訪問したすべての客と話せる人間など、ほとんどおらんさかいな。よほど人気のある有名人以外は。
つまり、少々無視されても断られても、そんなものやと考えることや。それに無視されたり、断られたりした場合は、それほど時間も取られずに済むから次に行けると、前向きに考えればええ。
ワシは、それを続けて契約が取れた時に、今まで断り続けられたから、この客に辿り着いたんやと考えるようにしとる。
何でもそうやが、成功は失敗の積み重ね、連続があって初めて達成できるものやさかいな。失敗を恐れたり嫌がっていたりしたら、成功などあり得ない。そう思うがな。
もう一つ別の考え方もある。
客が出て来ない理由として最も考えられることに、『単に顔見知り以外の人間には警戒して出ないという人の方が圧倒的に多い』と言うたが、そうであるなら、顔見知りになればええという逆の発想をすることもできる。
これもワシが日頃から実践しとることやけど、販売店を一歩出た瞬間から、ワシは営業モードに入る。道行く人には、片っ端から笑顔で挨拶するわけや。
「こんにちは○○ですね」と。この○○の部分は、たいてい季節的なことを言う。今やったら「寒いですね」、「よく雪が降りますね」と、当たり前のことを当たり前に言うわけや。
人は不思議なもので、他人から挨拶されたり、会釈されたりすると無意識のうちに返すものなんや。
つまり、当たり前の事を言うてても、それが挨拶の一つであれば誰でも素直に受け入れられる。しかも、それをしている時は、ワシを勧誘員とは思うてないから、たいていは悪い印象を持たれることはない。
それを長く続けていると、それほど広いバンクでもなければ、同じ道を歩いていたら同じ人に会う確率も高くなる。
一般の人が、よくやっている朝の散歩に「おはよう」と見知らぬ人に声をかけとるのと同じやな。
それを続けていれば、本当に顔見知りになれる可能性があるわけや。
その状態で、その客の家に訪問したらどうやろ。その客が、それと気付けば、ドアを開けてくれる確率が高くなる。ワシには、そういうケースがたまにある。
「何やあんた、新聞の勧誘員さんやったのか」と、その客。
「ご主人、ここに住まわれていたのですか」と、いかにも偶然に出会ったと装うワシ。
本当は、同じ地域で長い間そうしとるわけやから、出会う確率もそれなりにあると分かっとるがな。偶然よりも必然に近いと。
それで話が進むことがある。少なくとも日頃の印象があるから胡散臭いとは、その時点で思われることはほとんどないと言える。
それに、道行く人に気軽に声をかけるというのは、他の効果をもたらす。
人に挨拶して、それが返ってくると誰でも気分が良くなる。自然に笑みもこぼれるようになる。そういう気分で叩けば、結果も良くなる確率が高い。
また、インターホンを押しての営業だけに拘ることもなくなる。その家の前で掃除をしている人や車を洗っている人にも気安く声をかけられるようになる。
もちろん、最初の挨拶の時に、相手にも話好きの人がいるから、その場で世間話や雑談をすることもある。その状況次第やが、それで勧誘話をしてもええわけや。
要するに、その地域で知られた存在になることやな。
そのおかげやと思うが、ワシはどこで勧誘をしていても、その地域の人にはすぐ知って貰える存在になる。
まあ、ハカセに言わせると、「ゲンさんは独特の雰囲気を持っているから、たいていの人は一度会えば忘れませんよ」ということらしいけどな。
ワシは、営業の仕事をかれこれ40年ほど続けとるから、そういうのが蓄積されて、それが雰囲気として表れとるのかも知れんな。
このサイトで口酸っぱく言うてるが、ワシの考える究極の営業は「人間関係を作る」ということや。それさえできれば、どんなに厳しい状況になろうと困ることはないと信じとる。
挨拶するというのは、その第一歩、基本でもあるわけや。
ただ、それらを参考にされるか取り入れられるかについては、あんた自身が、よく考えられるしかないと思う。
ワシからできるアドバイスは、こんなところや。
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