新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1114 1ヶ月間、貼り付け拡張することになりました


投稿者 SSさん  投稿日時 2012. 3. 4 PM 6:19


こんにちは。いつも楽しく拝見させて頂いております。

今、関東地方でA新聞の新勧起こし営業をしているものです。今までは、東京や埼玉を中心に毎日あちこち違う店に1〜2日間入店して営業していたのですが、今月だけ、同一店舗に1ヶ月間入店し続けることになりました。

販売店の従業員やセンカクが使う戦略を織り交ぜることができるという利点もあると思いますが、どんな戦術が有効でしょうか。

販売店は埼玉で、田舎の地域もあれば、築10年未満の新興住宅地、市営団地など様々な区域があります。

YやMは新勧起こしで酒1ケースや米5キロを使えますが、Aは3、6、で1000、2000円分の日用品(洗剤や紙製品)がサービス品です。

よって、1ヶ月間で徹底的に自分を売り込み、顔を覚えてもらおうと思っています。

ポスティングや手紙を使うなど、色々考えられると思いますし、答えはこのサイトに既に散りばめられているとも思いますが、考えられる手法を幾つかアドバイス頂ければ幸いです。


回答者 ゲン


『今月だけ、同一店舗に1ヶ月間入店し続けることになりました』ということやが、長いと言えば長いし、短いと言えば短い。微妙なところやな。

一般的に春先のこの時期に『同一店舗に1ヶ月間入店し続ける』というのは引っ越し客や大学の新入生など転居者目当ての補強という意味合いが強いのやないかと思う。そういう例が全国的に多い。

おそらく、販売店も転居者から契約獲得を期待しとるのと違うかな。毎年、この時期に入居キャンペーンをやる販売店が多いさかいな。地域次第では、半端やないほどの入居者が集まる可能性が高い。

特に『埼玉県』は地方とは言うても今や東京の一大ベッドタウンになっとる市町村が多いから、都心に住むよりかは家賃などの入居費も安く済んで手頃ということもあり、通勤圏としての需要もかなりあるさかいな。

ただ、そうは言うても普通では拡張員にとって転入客を確保するのは厳しい。

転入客からの契約というのは新聞販売店にとって最も取りやすい営業と考えられている。

そのために多くの販売店では普段から『空き家チェック』というのをこまめにしとるケースが多い。これについては各新聞販売店が、そうせな勝ち抜けんと考えるからそうしとるわけや。

新聞販売店にとって、引っ越し客は早い者勝ちという考えが強い。

反対に拡張員にとっては、よほどの幸運に恵まれて引っ越しの現場にでも遭遇せん限り「引っ越し客」から契約を貰うのは難しいと言える。

たいていの場合、地の利を活かした販売店の方が、先にその「引っ越し客」を見つける確率が高いさかいな。「引っ越し客」の多くは販売店に取られる確率が高いということや。

その点、拡張員は引っ越しの現場に遭遇するチャンスが低い上に、残っているのは販売店が契約できんかった無読者が大半やから、どうしてもイメージとして、転入客は難しいという気持ちになりやすい。

あんたが、この時期での『今月だけ、同一店舗に1ヶ月間入店し続ける』ことになったのにも関わらず、引っ越し客に触れてないのは、引っ越し客は難しいという意識からやないかと思う。

ワシは、そのことに早くから気がついていたさかい、新聞販売店関係者からの相談には必ず「引っ越し客」を獲得するように勧め、拡張員関係者の相談には一切触れんようにしてきた。

しかし、あんたの場合は違う。その1ヶ月の間は積極的に転入居者狙いをされたらどうかと思う。

ただ、普通にやってたんでは、やはり新聞販売店の従業員さんたちの方に一日の長があるから、厳しいが、あんたにも有利な点がある。

それは、新聞販売店の従業員さんたちには朝刊の配達があるという点や。彼らは朝刊を配り終えると仮眠をとる習慣がある。

それから起き出して販売店に出勤するのが、早くて午前10時頃や。遅いと12時頃動き出すことも珍しくない。

つまり、どの地域でも午前10時から12時頃までは勧誘には動いていないケースが多いということになるわけや。

一般的な引っ越し業者では午前8〜9時前後に作業が開始されることが多く、単身者の引っ越しなら1時間以内に終わるケースもあり、販売店の従業員さんたちが動き出した頃には、その彼らの引っ越しが終わっている場合もある。

ワシが何を言わんとしとるは、もう分かったと思うが、『今月だけ、同一店舗に1ヶ月間入店し続ける』ことになったのが、あんただけなら、早一番に現場に入って、その引っ越し客を待ち受ける、探すという手もある。

あんた以外にも、同じ条件の人がいるのなら、相談されて同一行動をとるか、入店時間だけを打ち合わせしといて、それまでは単独で廻るかのいずれかをされることを勧める。

その際、『よって、1ヶ月間で徹底的に自分を売り込み、顔を覚えてもらおうと思っています』ということなら、その時点から営業を始めて出会う人たちに声をかけてアプローチするのでもええ。

その時には「おはようございます」と必ず声を先にかけることや。挨拶をして嫌がられるケースは少ないさかいな。

『ポスティングや手紙を使うなど、色々考えられると思います』というのも、誰もいない時に入れるだけでは、あまり効果は期待できんが、それを渡すという口実で雑談をしながら勧誘するという意識を持てば、また違ってくる。

ただ、その場合、他よりもサービスが良いということが条件になるが、『Aは3、6、で1000、2000円分の日用品(洗剤や紙製品)がサービス品です』ということで、販売店から指定された品物だけしか使えないというのでは他紙他店と比べると見劣りして不利になるかも知れんな。

その場合は『1000、2000円分の日用品』の品物をあんたが選択できるのなら、当メルマガ『第84回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2010年からの新聞営業講座……その2 拡材について』 や『第94回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2010年からの新聞営業講座……その4 工夫は拡材に勝る』 などに記していることが役に立つのやないかと思う。

いずれも基本的な考えは、客との間で人間関係を築くということや。それと拡材の工夫があれば、大して金をかけずとも契約は上がるはずや。

『田舎の地域もあれば、築10年未満の新興住宅地、市営団地など様々な区域があります』というのは、それぞれで違うから、同じやり方では難しい。

『田舎の地域』というのは、地域の住民性によってもかなり違う。それを1ヶ月程度の短い期間で知って作戦を立てるのは難しいと思う。

『市営団地』は、住民性に加えて在宅の有無が分かりにくい。一応すべての家を叩く必要があり、留守宅に当たる確率が高く効率が悪い。たいていは二戸一形式の造りが多いから、よけいや。

その点『築10年未満の新興住宅地』の方が、車庫に車が停まっているかどうか、洗濯物の有無などで、大凡の在宅状況が分かるから、無駄足を踏みにくいということで1ヶ月という限定ならお薦めやな。

それについては、先週のメルマガ『第195回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの勧誘実践営業講座 その1 一般的な新興住宅地の攻略ポイント』で詳しく話しとるので参考になるのやないかと思う。

今回のアドバイスを総合すると、午前中は引っ越し客に重点をおく。そのバンク次第やが、賃貸物件の集合住宅を中心に廻れば、引っ越し客と出会える確率は高いはずや。

出会えれば、取り敢えずゴミ袋などの捨て材と、その日のチラシ入りの新聞を渡して勧誘する。新聞の銘柄に拘りがなければ成約になる可能性は高いと思う。

午後は、『築10年未満の新興住宅地』を廻る。その時『ポスティングや手紙を使う』のなら、なるべく手渡しですることやな。それをきっかけにして雑談に持ち込むという感じかな。

一応、未確認情報と断った上で言うが、『築10年未満の新興住宅地』では全国的にA紙の人気は高い。それには長い歴史があることやから、一概には言えんが、昔から業界では一戸建ての新築を建てるとA紙を取り始めると言われとる。

新聞部数ではY紙が上やが、なぜか今以てA紙の方が格調高いとされとる。まあ、それは昔からのイメージやから、比較的年配者で他紙を購読しとるような場合は狙い目かも知れん。

あんたの質問に対するワシからのアドバイスとしては、そんなところやな。


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