新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1116 面接においての出来事について
投稿者 匿名希望さん 投稿日時 2012.3.10 AM 5:15
はじめまして。
つい先日、A総合開発株式会社という会社に一次面接を受けに行ってきました。
面接地はA新聞本社内でした。採用担当の方に案内していただいて、面接の部屋まで案内していただきました。
すると、その部屋の扉には団交室という見たことも、聞いたことない三文字が目に入りました。そして、いざ部屋に入ると、一次面接にも関わらずいきなり三人の役員の方が、面接官として座っていました。
その時点で、だいぶ違和感を覚えました。そして、面接が始まり、当社の魅力は? など、いくつか質問され、それに答えると、いざ本題に。
募集の要項には、A新聞のセールスプロモーションというふうにかかれていたのですが、それは、A新聞の訪問販売だというのです。
虚偽記載とは言いませんが、転職サイトの募集要項からは、あまり想像できない内容でした。給与面に関しても、22万プラス業績給などと書かれていたのですが、実際はそうではないみたいです。
要はあなたの頑張り次第だというのです。本当かどうかわかりませんが、年収1000万も夢ではないらしいです。
そうして、面接が終わってから、この事に相当違和感を覚えたので、帰ってから新聞セールスについて色々調べました。
すると、新聞拡張団、新聞拡張員、新聞勧誘など色々でてきました。そして、このサイトに辿り着きました。
私が聞きたい事は、A総合開発株式会社というのは、新聞拡張団の一種なんでしょうか?
A総合開発株式会社について何か詳しい情報はありませんか?
また、この仕事をする事に迷っている者に対して何かアドバイスなどありましたら、よろしくお願いします。
回答者 ゲン
『A総合開発株式会社というのは、新聞拡張団の一種なんでしょうか?』というのは、一種やなく新聞拡張団そのものと言うてもええ。
というても、新聞社では『新聞拡張団』の呼称は禁止しとるから、その呼び名は否定するかも知れんが、新聞を訪問販売によって直接購読者に売り込む営業会社という点では、呼び方はどうあれ、やっとることは世間で言うところの『新聞拡張団』に違いはない。
『面接地はA新聞本社内でした』ということからも分かるように、A新聞社の傘下企業と解してええやろうと思う。
正確には、完全子会社であるA販売サービスセンターの完全子会社、つまり孫会社ということになる。ちなみにA販売サービスセンターもA新聞本社屋ビル内にある。
『募集の要項には、A新聞のセールスプロモーションというふうにかかれていた』ということやが、『セールスプロモーション』とは、日本語に訳せば『販売促進』という意味で、『新聞拡張団』も初期の頃は『新聞販促団』と呼ばれていたということからも同じやというのは分かるやろうと思う。
初期の頃は本物のヤクザが経営しとったケースが多かったから評判も今とは比べものにならんほど悪かった。そのためか『新聞販促団』はいつしか『新聞拡張団』という名前に変わり、今では『セールス・チーム』という呼称になっとる。
『セールス・チーム』の方は、そう呼び慣わされるように新聞社から強制されて10年近くになるが、未だに世間一般には浸透していない。業界内だけで通じる呼び方にしかすぎん。ちなみに、『拡張員』は『セールス・スタッフ』、単に『セールス』と言うが、これも同様に世間で知られているとは言えんわな。
その『セールス・チーム』も評判がなかなか上がらんということもあるのか、新聞社の完全子会社、孫会社であっても、『セールス・チーム』という呼び名は使うてないようや。
ワシらは、このサイトを始める8年ほど前から呼び名を変えるくらいでは何の解決にもならんと言い続けてきたが、結局、良かれと考えて変えた呼び名も新聞社自身でさえ使えんようになっとるのやと思う。
ただ、組織図式的にはA総合開発株式会社は、A新聞社の孫会社であっても公にはその業務に関与しない、関与できない独立した会社ということになる。
それには、新聞社は訪問販売による新聞の購読契約については一切タッチしない、できないということを公に謳っとるからや。
せやから、A新聞社との関係性も専属の他の新聞拡張団と大した変わりはないと言える。
『虚偽記載とは言いませんが、転職サイトの募集要項からは、あまり想像できない内容でした』というのは、その主な『転職サイトの募集要項』を見たが、取り立てて虚偽記載とか嘘を言うとるとも『転職サイトの募集要項からは、あまり想像できない内容』とも思えんがな。
あんたの中では、そう感じたのやろうが、その募集要項の中に嘘偽りはない。広告やから体裁よくは書かれているが、概ね事実が掲載されとる。
まず見出しの『A総合開発株式会社(A新聞グループ)』というのは本当や。もっとも、すべての直属の拡張団はA新聞グループという呼称を使うても構わんということになっとるがな。
『総合職【営業・営業事務・営業企画】』というのも新聞拡張団での仕事は、たいていはどこともそうやから、そう記述することには何の問題もない。
ただ、その後に続く『※未経験・第二新卒歓迎』というのをわざわざ記載している意味というのは、普通では分かりにくいやろうと思うので、少し説明を加えとく。
こういうのがあると『※未経験・第二新卒』以外でもええのかと思いがちやが、絶対とは断言できんが、むしろ『※未経験・第二新卒』を中心に採用する方針やと考えられる。
実は、このサイトにメールを送って来られた方で、以前、拡張員の経験をしていてA総合開発株式会社に応募した人が複数おられたが、そのすべてで面接通知すら来なかったということや。
ちなみに「第二新卒」の定義は明確に決められとるわけやないが、大学卒業後3年以内で離職した者で25歳以下を指すのが一般的やとされとる。新卒者ではないが、就職した経験がない者を含む場合もある。
「第二新卒」という言い方は最近になって生まれたもので、不況の影響で就職先が見つからないまま卒業する学生や、就職してもすぐに離職する若者が増え、従来の中途転職者とは異なる層が生まれたためやと言われている。
つまり、そのA総合開発株式会社という会社は、すべてにおいて初心者で若い人材を望んでいるということや。拡張の経験者は除外される。
もっとも、その傾向は、他の新聞拡張団の多くに見られる傾向ではあるがな。拡張の経験者は何をするか分からない、信用されていないということや。前職の経験が評価されない業界になりつつある。また、そうしていく方針なのやろうと思う。
まあ、それにはA総合開発株式会社自体が2000年8月創業と比較的新しく、社長という人物には拡張経験が皆無らしいということもあるのやろうがな。従来の拡張とは違う営業方針でやろうとしとるという。
社員教育も一般の会社並に、入社後は3ヵ月間教育研修をすると謳っている。営業の専門知識やノウハウなど営業として基礎の部分を学ぶとのことやが、経験者を排除して、しかもトップに拡張経験を有しない人たちにどこまでできるのかは今のところ未定や。
このサイトへもA総合開発株式会社に勤めておられる方から営業についての相談や質問が寄せられてくるところを見ると、その営業指導内容はどうなのかなという気はする。とても実践に即したものとは思えん。
そういう連中を送りこまれてくる新聞販売店の経営者の中にも営業力が弱くなったという人も多い。そのため、止め押しという本来は販売店の従業員がしていた継続契約依頼を、やらせなあかんと嘆く。他の拡張員にはさせんかったことやのにと。
ただ、その営業姿勢は買える。悪い試みやない。実際、A総合開発株式会社の悪評はあまり漏れ聞こえて来んしな。少なくとも世間一般が考えているような悪質な拡張員は、ほとんどおらんやろうと思う。
もともと、そういう連中を排除するために敢えて何も知らない若い人材を募集し続けてきたわけやから当たり前と言えば当たり前やが。
それにしても、どんな業種のどんな企業でも、そうやが経験者を徹底排除して新に営業を始めようとするのは至難のワザやと思う。負の経験は不要やが、長年培ってきた経験に基づく営業法には捨て難いものがあるのは事実や。
賢い経営者なら、その両者のええ所だけを取り入れる工夫するもんやが、どうやらこのA総合開発株式会社は、社長が食品関係で大手商事会社に勤務していたというから、その方面の営業を持ち込もうとしとるのやないかと思う。
しかし、新聞を売り込むということには、どこまでいっても違いはなく、どんなやり方でやろうと、世間は他の拡張員と違うと認識してはくれんわな。同じやと見なされる。
「新聞の購読をお願いします」と言うた途端、相手は必ず勧誘に来たと考える。
その相手がまともかどうかの考慮などすることもなく、拒否反応を示すのが普通や。毛嫌いされ、胡散臭く思われるということを覚悟せなやっていけん仕事やと思う。
はっきり言うが、一般の営業がそのまま通用するほど甘い世界やない。ワシ自身、その昔、大手建設会社で営業課長までやっていた人間やったから、それは身に染みてよく分かっている。
自慢やないが、その会社では常にトップクラスの営業成績を誇っていた。そのワシが、この業界に飛び込んだ時には、まったく契約が取れずに悩んだもんや。飯が食えず行き倒れになることすら覚悟した。
その時の話に興味があるなら、『新聞勧誘・拡張ショート・ショート・短編集 第3話 命の笑い』を見られたら分かって頂けると思う。
『本当かどうかわかりませんが、年収1000万も夢ではないらしいです』というのは営業会社やから、机上の計算では可能や。それだけの契約数を上げられればな。
まあ、夢と言うてる仮の話に対して突っ込む気にはなれんから、言及するのは控えるが、ワシらに届いている情報では純手取りで20万円前後あれはええ方とのことや。
もちろん、それ以上の者もいとるやろうし、それには遙かに及ばん者もいとるはずや。営業という仕事は稼げる者と、そうでない者の差が激しいものと相場が決まっとる。
この拡張の営業は、おそらくすべての営業中、最も難しい部類に属するから、生半可な考えでは難しいと言うとく。
人に嫌われたくないという考えの人間では、おそらく1日と持たんやろうと思う。その嫌われ方は半端やない。
『A総合開発株式会社について何か詳しい情報はありませんか?』というのは、今言うた以上のことは分からん。まあ、創業して間がないためか、届く情報量が少ないということもあるがな。
ただ、会社自体の業界内での評判は悪くはない。世間一般で言う新聞拡張団とは、まったく違う。ここでは、おそらく不法行為など認められんやろうしな。社員も悪質な人間は少ないはずや。
ただ、きついようやが、ワシには素人集団が素人に新聞営業を教え込もうとしとるようにしか見えんのがな。
一般的な対面営業を知るにはええかも知れんが、深い意味での勧誘営業を学ぶことは難しいのやないかという気がする。
もちろん、それはワシ個人の感想で、そのやり方がええか悪いかは、もう少し先にならな分からんと思う。
創業間もない企業というのは伸びしろもチャンスもある代わりに、経験を活かせん弱さもある。自分に自信とやる気があれば勤められたらええし、話が違うと考えられるのなら止めておかれたらええ。
あんたの参考になったかどうかは分からんが、ワシにはこの程度のことしか言えん。悪いが。
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