新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1119 新聞印刷のインキの呼び方について
投稿者 守破離太鼓さん 投稿日時 2012. 3.26 PM 11:57
お尋ねしますが・・・インキはブラック・シアン・マゼンタ・イエローですが、ブラックとイエローは解りますがシアン・マゼンタは何故ブルー・レッドと言わないのですか?
教えて下さい。
回答者 ゲン
ワシは新聞拡張員になる前、大手建設会社の営業と工事の仕事、そして自営で住宅リフォームの会社を経営していたことがある。
もう30年近く前になるが、大手建設会社時代、インテリアコーディネーターと言われ始めた初期の頃、ワシはその資格を取得した。まあ、会社の業務命令ということもあったんやがな。
今ではインテリアコーディネーターというのは珍しくも何ともないから、取り立てて自慢できることでもないが、一応その方面の専門家やったと言うておく。
その際、色彩についても勉強したことがあるさかい、質問の答えは分かる。もっとも、ホンの入り口程度の知識で分かることやけどな。
『シアン・マゼンタ』と『ブルー・レッド』とは似ているというだけで根本的には違う色や。
色の3原色とはシアン(藍緑色)、マゼンタ(紅紫色)、イエロー(黄色)のことを指す。
小中学時代にシアン(藍緑色)を青、マゼンタ(紅紫色)を赤と教えられたことで、大半の人が誤解しているが、学術的には青、赤、黄は色の3原色ではない。
昔から文部省(現、文部科学省)では義務教育で教える分には問題がないやろうということで、教えやすさもあって、青、赤、黄を色の3原色として教科書に載せていた。
厳密に言えば、そのこと自体間違って教えられていたということになる。大ウソとまでは言わんが。
今はパソコンのプリンターなどのインキには普通にシアン、マゼンタという名称が使われとるが、当時はまさか世の中にそんな名称が広まるとは考えんかったのやろうな。
それなら今間違いを訂正すれば良さそうなもんやが、行政というのは一度決めたらなかなか変更できん、しないという融通性のほとんどない組織やから、今以て間違いが訂正されとらんということや。これからも訂正されんのやないかな。
せやから、『シアン・マゼンタは何故ブルー・レッドと言わないのですか?』というのは、双方がまったく違う色のため、そうは言わないというのが正しい答えになる。
一般的にシアン、マゼンタというのはインキの製造メーカーが使う色名やから、学術的に間違った表示はできんということで、正しく表記されとるわけや。
それに、インキメーカーには青色、赤色というのが別にあるのが普通やから、一応きちんと区別はされとるよ。
もちろん、その青色、赤色のインキも色の3原色『シアン(藍緑色)、マゼンタ(紅紫色)、イエロー(黄色)』の配合で作られとる。
あんたは件名に『新聞印刷のインキの呼び方について』と言われているので、新聞で使用するインキについてのウンチクを一つ言うとく。
色の3原色をすべて混ぜると理論上は黒になると言われとるが、実際には純粋な黒にはならん。それではくっきりとした文字が印字されんので、新聞紙面を作成する場合はスミを加えた4色の配合で黒を作って文字の印刷をしとるわけや。
カラー印刷の場合もスミを加えた4色の配合で行う。ちなみに、これは『プロセスカラー印刷』と呼ばれている。
作業の工程としては、まず原稿の色情報を3種類にカラー分解し、色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローのフィルムに起こす。これを刷版の子版と呼んでいる。
これにスミのP版を加えた版が順番に輪転機という新聞を印刷する機械にかけられることで、それぞれ適量のカラーインキが乗って重なり会い写真やロゴマークなどの色が再現される仕組みになっとるわけや。
あんたの質問の答えとしては、シアン、マゼンタは、正しくはブルー(青)、レッド(赤)とは違う似た色やということや。分かって貰えたかな。
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