新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1123 この拡張員に対して販売店なりに抗議を行うことは可能でしょうか


投稿者 Mさん  投稿日時 2012.4.17 PM 3:32


はじめまして、ご相談させて下さい。

私は、現在Y紙を購読しております。購読する様になった経緯は以下の通りです。

2011年11月にY紙の勧誘員が来て、「自分が担当している地区で購読の欠員が出たので、4月迄で良いので新聞をとってもらえないか。そして、4月迄の購読料については自分(勧誘員)が払うのでお客様には決して迷惑をかけない」と言うので、ちょうど新聞をとろうと思っていたので、4月以降は自分で払う事になっても良いと思い、Y紙の契約を行いました。

契約については、住所、氏名、電話番号等を自分で記入しました。新聞代の支払いにつ いては、販売店の方が毎月私の所まで徴収に来られて、私が支払らい、後日勧誘員から新聞代を受け取るという方式でした。

12月分及び1月分につ いては勧誘員から受け取りましたが、その後は、勧誘員から教えてもらった携帯番号にかけても全く出ません。呼び出し音は鳴っています。

新聞については今後も継続して購読するつもりですが、この拡張員に対して販売店なりに抗議を行うことは可能でしょうか。なお、勧誘員とは口約束のみです。


回答者 ゲン


『新聞については今後も継続して購読するつもりですが、この拡張員に対して販売店なりに抗議を行うことは可能でしょうか』というのは、抗議するというではなく、その拡張員個人に対しての苦情を相談するという形にした方がええやろうな。

こういったケースでは通常、その拡張員から『4月迄の購読料については自分(勧誘員)が払うのでお客様には決して迷惑をかけない』と、自腹で新聞代を支払うことを、その販売店には内緒にして欲しいと頼まれることが多い。

販売店からの確認の電話があった際、そのことについては何も言うてないというのが大半を占める。契約書に記載されたことだけを認めたという形になっていると。

あんたもそうやったのなら、その販売店に抗議しても「そんなことは知りません。それでしたら、なぜ確認の電話を差し上げた時に、そう仰ってくれなかったのです」と反論してくるかも知れん。

その時の販売店側の言い方が悪ければ、あんたの方でも気分を害して「それなら契約不履行で新聞を止めたい」という気になる可能性がある。

このケースで契約不履行が認められるかどうかは微妙やが、気持ちとしては、そうなりやすいのが普通や。

あんたはあんたで、この件に関しては何の落ち度もないと考えておられるやろうが、その販売店にしても、ちゃんと確認をしているという思いもあり、文句を言われる筋合いはないと考えるわけや。

その思いが強ければ強いほど「今更何を言うてんねん」という気持ちから、販売店側もつい言葉を荒げがちになる。

それには、客がそれを言い出す場合は、たいてい解約することを前提にしていると販売店は受け取るから、よけいそうなりやすいわけや。

あんたの場合は、今月で契約が終了するから、その契約自体は関係ないが、『新聞については今後も継続して購読するつもりです』というところからすると、5月以降の購読契約を新に結んでいるものと考えられる。

その契約がまだなら、その販売店は平謝りするだけで何も反論はせんかも知れんが、契約済みなら是か非でも解約を阻止しようという意識が働いて「その拡張員との約束は、うち(販売店)には関係ない」と言う可能性が高い。

それによる言葉のやり取りからトラブルのに発展したというのは、このQ&Aには、それこそ枚挙に暇がないほどある。トラブルの大半が、その言葉のやり取りから始まっていると言うてもええくらいや。

あんたは『今後も継続して購読するつもり』と考えておられるのなら、そのことについて言うのでも慎重にされた方がええと言うとく。何事も気分を害するのは損やさかいな。

例として、「今後の契約は継続するつもりですが」と、まず前置きしてその販売店を安心させてから「実は……」と、その拡張員とのやり取りを説明した上で、「約束を守って貰っていないのですが、こういう場合はどうすればいいのでしょうか」と、その販売店に相談するという形にするわけや。

そう言えば、その販売店の方でも理解を示すものと思う。その拡張員は、あんただけにそんな話を持ちかけとるわけやなく、他にも同じようなことを言うて契約しとる客もいとるはずや。

当然、その客とも揉めていたと考えられる。つまり販売店としても心当たりがあるわけやな。またかと。

そういう場合、あんたのように継続を考えているという客は珍しいし、貴重やと販売店も考えるはずやから、普通なら何かサービスを余分に持ってくるものと思う。または、あんたが損したと思う分を無料にすると言うかも知れん。

もっとも、それについては、その販売店の考え方次第やから、必ずそうするという保証はできんがな。単に、そういうケースが過去にあったというだけのことやさかい。

一般的に、そういうことをする拡張員は解雇されるケースが多いから、あんたがそれをその販売店に言えば、そうなる可能性が高い。もしくは、それ相当のペナルティを受けるものと考えられる。

せやからこそ、あんたには「販売店には内緒にしてくれ」と言うてるわけや。

あんたが、その拡張員が解雇、またはペナルティを受けることで満足するなら、それでもええが、それやと実質的な見返りは販売店任せで期待できんということになる。

また、万に一つもないとは思うが、それで解雇された拡張員が逆恨みして何らかの仕返しをされる可能性も考えられなくはない。世の中には拡張員に限らず頭の線の切れた、わけの分からんことをする人間はナンボでもいとるさかいな。

もっとも、過去のQ&Aには、そんな事案はないがな。あくまでも可能性としてあるかも知れんというだけにすぎん。

その万が一のケースを排除するためにも、販売店に苦情を言う前に、その拡張員にチャンスをやってはどうかなと思う。

『その後は、勧誘員から教えてもらった携帯番号にかけても全く出ません。呼び出し音は鳴っています』ということなら、留守電にはなるはずやないかな。

その留守電に「○○町の○○です。連絡してください。連絡して頂けない場合は販売店にすべてをお話します」と入れておけばええ。期限を切ってな。その期限については、あんたが適当に考えればええ。今日中というのでもええし、一週間以内というのでもええ。

また、現在は携帯番号でもメールを送れる機能もあるから、同じような文面を送るという手もある。

そうしておけば、その拡張員との間が『口約束のみ』であっても客観的な証拠にはなる。あんたの正当性を証明できるわけや。

当たり前やが、何もないのにそんな伝言やメールをする客などおらんさかいな。返信があれば、それが決定的な証拠になる。電話なら録音機能で録音を残し、メールはそのまま証拠として使える。

それで何の応答もなければ仕方ない。それで応答がないというのは「好きにしてくれ」という意思表示やさかい、今更逆恨みすることもないやろうと思う。

まあ自業自得やというのは本人も自覚しとるやろうし、それなりに覚悟を決めとるはずや。

それ以前に、他の客からの苦情がすでにその販売店に入っていて、その拡張員がどうにもならん状態に追い込まれとるとも考えられるがな。

連絡しても出ないというのは、もともとええ加減な人間やったというのもあるが、そういう事情やということも考えられる。

最後に苦言を一つ。

あんたもこれに懲りて良く分かったと思うので今更やけど、『4月迄の購読料については自分(勧誘員)が払うのでお客様には決して迷惑をかけない』といった類のことは真に受けん方がええと言うとく。

後で持ってくる、後で支払うというのは、業界で「後爆」と呼ばれとるもので、後で爆発してトラブルになると相場が決まっとる。そやからこそ、そんな馬鹿げた業界用語が生まれとるわけやさかいな。

銭金の損得よりも、こうして嫌な思いや、いらん心配をせなあかんことの方が、よっぽどマイナスやと思う。精神衛生上も良うない。

こういうケースでは先にその新聞代に相当する金額を貰う以外、その約束が守られることは少ないと考えといた方がええ。

もっとも、例えその金額を貰っていても、あんたにとっては得にはならんと思う。

なぜかと言えば、タダで新聞が読めるということに慣れてしまったら、いざ金を払って新聞を購読するという段になると、人はどうしても損やなと考えてしまいがちになるからや。

それが嵩じれば、タダで貰える物なら何でも受け入れやすい状態になる。それにつけ込む悪徳業者や詐欺師は世の中にはゴマンといとる。

それで、どうなるかは説明するまでもないわな。

タダより高いものはない。上手い話には裏がある。昔から言われ続けていることには、それなりの理由があるわけや。

あんたは、その前に、ここに相談されてきたさかい、その愚を冒すことはないやろうと思うがな。

結論として、その拡張員に伝言なりメールなりの連絡をしてから、その販売店に相談するということでええのやないかな。


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