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NO.1124 メルマガ『第202回 ゲンさんの新聞業界裏話』についての質問


投稿者 投稿者 H.Sさん 新聞販売店専業員 東京在住 投稿日時 2012.4.20 PM 8:43 


こんばんは。お久しぶりです。

本日のメルマガ『第202回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その5 脱原発しか日本の生き残る道はない』で、原発再稼働の件について取り上げられておられましたが、潜在発電量や恣意的な最大電力需要の矛盾等を指摘されて、大変勉強になりました。

さて、私も電力の安定供給そのものについて、昨今興味が湧いて色々調べたのですが、電力の安定供給というものは、単にピーク電力に対処すれば良い、というものではないと分かりました。

勿論ピーク時の電力需要に対応しなければならないことは、大変重要なファクターでありますが、実は電力の需給バランスを常に取ることも、電力の安定供給にとっては、欠かすことの出来ない要素であります。

東日本大震災前は、日本の総発電量の約3割を原発が担っておりましたが、今はそれが殆ど発電せず、火力発電で補っております。

もしそれを他の発電システムで補おうとすれば、ゲンさん指摘の様々な潜在発電システムを顕在化させるしかありませんが、それをすることにより、需要を上回る発電をして、それが送電網に上積みされると、これは大変な問題が生じます。

考えられるのは、周波数が上がり過ぎて、電気製品や送電設備の故障であります。

電力の安定供給の面で、送電網や受電設備の使用に対する信頼性確保に関して、ゲンさんはどのように対処されるべきだと思われるでしょうか?

ご意見をお聞かせ願いたいと思いますので、宜しくお願いします。


回答者 ゲン


『電力の安定供給の面で、送電網や受電設備の使用に対する信頼性確保に関して、ゲンさんはどのように対処されるべきだと思われるでしょうか?』というのは、政府と電力会社が脱原発に舵を切れば簡単に解決する問題やと思う。

『日本の総発電量の約3割を原発が担っておりました』という部分だけを他の代替電力で補うようにすればええだけの話やさかいな。

当メルマガ『第202回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その5 脱原発しか日本の生き残る道はない』で代替電力について、いろいろ挙げたのは、関西電力があまりにもおかしな試算で電力不足やと言うてるから、原発に頼らんでも他に電力を得る方法がいくらでもあると言うためやった。

それらすべてを採用すれば、あんたの指摘されるとおり、とんでもない電力過多に陥る。それくらい原発の代替電力は多い。

電力会社が試算外にしとる自家発電容量やコージェネレーション熱電併給予測だけでも計算上は余裕で日本の原発54基分超の電力を確保できるさかいな。

加えて長期的には地熱発電や太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーによる発電も可能になるから、脱原発に移行した方が、コストや効率面で日本の現状に合った発電ができるようになると確信しとる。

しかし、その時々で『需要を上回る発電をして、それが送電網に上積みされる』ほどの電力を他の発電システムでも得る必要はないと思う。

当たり前やが、電力は必要な分だけ生み出せばええ。今までそうしてきたはずや。火力発電を少なくして原発を増やしたように、自然エネルギーによる発電に切り替えればええだけの話やと思う。

電力各社は今まで原発依存でやってきたために、地熱発電や太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーによる発電には、それほど力を入れてこなかったという経緯がある。

その必要がないと判断してな。これなんかは、まさに『需要を上回る発電をすることで送電網に大変な問題』が起きることを懸念したからに外ならんと思う。

それからすれば、原発で得られていた同等分の発電量のみを他の発電システムで獲得、または調達すれば済む話やということになる。

しかし、現政府や電力会社には脱原発への意識がまったくないから、それを言うてみてもどうしようもない。是が非でも原発を維持し、これからも稼働を続けようとしとるわけやさかいな。

それを変えさせようというのは至難の技と言うより不可能に近い。安全面やコスト面、供給量などに関係なく、原発で得られる利権を守ることに必死やさかいな。

ウンコを美味しい餌と思って群がる蛆虫に、「そんな汚い物は食うな」といくら言うても無駄や。蛆虫にとってウンコは極上の食事なんやさかいな。蛆虫は蛆虫以外の生き物のことなんか考えん。自分たちさえ良ければええ。

それと同じで、国民の生命や財産より、政府の対面や電力会社の利益を擁護することの方が重要な人間に何を言うても無駄や。

政府の意識が脱原発へと変わる可能性があるとすれば、脱原発へ舵を切る政権に変わり、それにより電力会社組織が変わった場合しかないと思う。もちろん、現在の官僚組織を変える必要もある。

つまり、現在の政治機構そのものを変えな脱原発は難しいということや。原発が美味しいと考えとる蛆虫を排除せん限りはどうしようもない。

それ故に、現政権与党である民主党、及び原発依存に走る懸念の高い自民党を打倒するべきやとメルマガで言うたわけや。

それが可能なのは、現時点では官僚や電力会社の影響力の少ない橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」しかないと。

国が脱原発に傾き、電力会社が原発に見切りをつければ、自然と代替エネルギーの開発をせざる得なくなる。

ただ、現時点では即効性があるのは火力発電ということになるが、それやとCO2の排出増による環境の悪化や燃料費の高騰によるコスト高という問題が生じる。

地熱発電ならエネルギーはこの日本では、ほぼ無尽蔵に近いから良さそうに思えるが、実用化までには早くても10年以上はかかるとのことや。

太陽光発電、風力発電は天候に左右され安定的な電力は得られにくいから、あくまでも補助的な電力として考えとく必要があり、中心的な電力にするには心許ない。

日本は河川が多く水量が豊富にありコスト面でも手頃なため、水車を使った地域限定の小規模水力発電が脚光を浴びつつあるが、それにしても法律の改正やら、設備機材の増設やらにある程度の整備期間が必要になるから、今すぐにとはいかない。

自家発電やコージェネレーション熱発電にしても、現時点では夏場の急場を凌げるという程度で、安定的な電力にするためには時間がかかる。

将来的には、日本の電力は、各家庭、各地域、各企業といった狭い範囲で供給できるものにすることがベストやと思う。

それには蓄電池の開発が不可欠になる。蓄電池の開発なら、家電や自動車業界でも実際に手がけているし、進化が期待できる。

例えば、携帯電話の電池などがええ例やが、20年ほど前、ワシらが使うてた時分の携帯電話の電池はカバンに入れて持ち運ばなあかんほど大きくて使える時間も短かったが、今では小さくコンパクトなカードサイズになって、しかも一週間程度は余裕で使えるようにまで進化しとる。

現在の家庭用蓄電池は大型で使える時間も限られているが、それが商売になると思えば、各家電メーカーは争って開発に乗り出すと思う。実際に開発を始めている。

そうなれば携帯電話の電池と同じように、コンパクトになり性能も格段の進歩を遂げ、コストも安くなるはずや。

それに連れて他の家電専用の電池が開発される。テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などといった家電専用の電池が開発され進化すれば、電力そのものを大量に発電する必要すらなくなる。

そうなれば、各家庭、各地域、各企業といった狭い範囲で供給できる自家発電システムで十分やと思う。地産地消やな。

未来の電気は「送電線」から送られてくるものやなく、自家発電システムを持った電気店や電気スタンドに電池を買いに行く、充電しに行くというものになる。またそうなった方がええ。

家電だけやなく、電気自動車も開発が急ピッチに進むやろうから化石燃料自体が不要のものになる日も近い。資源の乏しい日本が生き残るには、そうするしかない。

そういう社会になれば地震や津波、台風や洪水などの自然災害による停電も送電線の故障も関係なくなる。

しかも、そのためのコストは現在支払っている電気代より大幅に安くなるものと予想されるから経済効果もかなり期待できる。

蓄電池の販売競争なら、電力会社の独占性など関係なくなる。現在の電力会社の総括原価方式といった訳の分からん暴利の上に成り立つ電気代を支払う必要がなくなるわけや。

安くて良い物を開発することにかけては世界トップクラスの日本なら、各メーカーが競争すれば必ずそうなるはずやと確信しとる。

そうなれば、今ほどの大規模な電力も必要なくなり、送電線そのものもいらんから、『電力の安定供給の面で、送電網や受電設備の使用に対する信頼性確保』といったようなことも考えなくて済む。

『周波数が上がり過ぎて、電気製品や送電設備の故障』も同じや。

ただ、そこに至るまでには、それ相当の年月が必要になる。それが10年後か、20年後なのかは何とも言えない。

その期間を埋めるための電力は、原発を含めて現在ある電力システムを利用するというのはある意味、やむを得ない選択やと思う。

まず、はっきりと「脱原発」を決めた上で、先ほど挙げた地熱発電や太陽光発電、風力発電、小規模水力発電、自家発電、コージェネレーション熱発電などといった電力システムを何時までに実現するか、またどの程度の割り振りにするかの計画と工程を作る。

例えば、その期間を20年とする。その間は、専門家が安全と評価した原発のみを稼働させ、火力発電、大規模水力発電も継続させる。

メルマガでは、脱原発が成ったとしても、その危険について、


もちろん、そうなってすべてが万々歳になるとは考えとらんがな。

脱原発にしても、それはホンの入り口にしかすぎず、完全にそうなるまでには気の遠くなるような時間を要するやろうしな。

現状で原発がすべて止まっても怖いと言うしかない。

今のままなら、例え国民の反対で大飯原発の再稼働ができんようになったとしても、政府や電力会社はあきらめるようなことはせんはずや。

いつでも再稼働できる状態で待機し続けるやろうから、危険面で言えば稼働しとる時と何ら変わることがないわけや。

その待機の状態は、単に原発の稼働が止まっているというだけのことで地震や津波による被害に見舞われたら結局は同じような事故を誘発させるさかいな。

福島第一原発でも、未だに地震が起きる度にビクビクせなあかん状態が続いとる。

廃炉と決まっていながら、放射能は漏れ続けとるし、いつ収束するかも分かっていない。

好むと好まざるとに関わらず、原発を保有してしまったという事実を覆すことはできん。

原発を持った瞬間に、ロシアンルーレットで銃口を引き続けている状態に陥ってしもうとるわけや。

絶対にその弾には当たらん、発射されんというその時々の政府の戯れ言を信じて。

しかし、今はその弾の一発が発射されて怪我をしてしまったことで、その危険に多くの人が気づいた。

次の一発がどこで暴発するかも分からんということも認識し始めた。

しかもその弾は54発もある。その内の2、3発でも暴発すれば、この日本はほぼ壊滅的な状態になることが予想される。

しかも、そんな危険な原発を抱えてまで得られるメリットが何もないと証明されたわけやから、堪ったもんやない。

それでも今のまま「原発依存」に突き進むより数段マシやとは思うがな。

少なくとも、脱原発方向に時代が流れていけば、ドイツのように10年後にはすべての原発を廃止することも可能やさかいな。

もっとも、それから数十年の年月をかけて廃炉にもっていかなあかんから、その間は、今と同じような危険が続くがな。

その間に致命的な大地震や大津波があれば、それでほぼアウトになる。

ただ、今は例えそうであっても、「原発依存」に突き進むより「脱原発」の方が希望が持てると考える。

脱原発に舵を切って、廃炉に持っていくための数十年間さえ凌げれば救われる望みがあるわけやさかいな。


と言うた。

はっきり言うて、原発を持ってしもうた以上、完全な廃炉に持っていくまでは、使うても使わんでも地震や津波などの自然災害、および人為的な事故などの危険から逃れることができんわけや。

ワシは脱原発への考えは揺るぎないが、現時点で日本が所有している核燃料を減らすためには、現在ある核燃料を使い切るまで発電するしかないのも事実やと思う。核燃料が減った分だけ危険も少なくなる。

火力発電に頼りきるのも、現在の国際情勢では燃料の安定的な確保という点では心許ないさかいな。

老朽化した原発や構造上に問題のある原発、地震、および津波による事故の危険の高い原発は論外やが、代替エネルギーによる電力が安定的に確保されるまでの期間、または現在日本国内にある核燃料が消費されるまでは、科学的に安全が確認される原発については期間限定で稼働するのは仕方のない選択やという気がする。

また、そうしても脱原発、廃炉にするということが明確に決まっていれば国民の納得も得られやすいのやないかと思う。

いくら「安全神話」に騙されたとはいえ、原発の導入に反対せんかった国民にも責任の一端はあるさかいな。過去、原発を推進してきた自民党政府を国民が支持したというのは、そういうことや。

危険な物を持ってしまった以上、ある程度の危険を共有する覚悟を持たな仕方ないやろうと思う。ある程度の期間は辛抱と妥協が必要になる。好むと好まざるとに関わらずな。

いずれにせよ、現時点では、脱原発に舵を切る指導者に未来を託すしかないというのが、ワシの結論や。そのための選択を国民がするべきやと。

次の総選挙で、原発推進派の民主党や自民党を選んでしまったら、脱原発はさらに遠のくということやな。

核汚染の危険から逃れる希望が見えなくなる。もっとも、それが国民の選択なら諦めるしかないが、そこまで日本人は愚かではないと信じたい。


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