新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1135 新聞販売店員が覚せい剤を使っていた件で意見を聞かせてください
投稿者 Sさん 投稿日時 2012.6. 8 PM 8:12
今晩は。いつも楽しく拝見しています。
今日、このようなNewSを目にしましたが、ゲンさんの意見をお聞きしたいと思いメールしました。
A新聞販売店員が覚せい剤=尿検査で陽性、使用容疑で逮捕−警視庁
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2012060800462 より引用
覚せい剤を使用したとして、警視庁石神井署が、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で、A新聞販売店の従業員だったM容疑者(49)を逮捕していたことが8日、同署への取材で分かった。
同容疑者は容疑を認めており、入手ルートを調べる。逮捕容疑は5月下旬〜6月1日、都内で覚せい剤を使用した疑い。
同署によると、別の事件の参考人として署員が事情を聴きに行ったところ、様子がおかしかったため任意で尿検査を実施。覚せい剤の陽性反応が出たため逮捕したという。
A新聞によると、M容疑者は逮捕後に解雇された。東京本社販売局は「弊社の取引先である販売所の元従業員が逮捕されたことを重く受け止めます」とコメントした。
一緒に仕事をしていた他の新聞販売店の人たちは、この容疑者が覚せい剤を使っていたことがわからなかったのでしょうか?
それと、記事の中で「弊社の取引先である販売所の元従業員」と新聞社がコメントしている部分が気になりました。
わざわざなぜこんなコメントをする必要があるのでしょうか?
「弊社の取引先である販売所」は「弊社の販売所」でもいいわけですし、「元従業員」というのも逮捕時は「従業員」だったわけですから、元などつける必要がないと思うのですが。
私には「新聞社には責任はありませんよ」と言っているようにしか聞こえません。
その点についてゲンさんは、どう思われますか?
参考までに教えてください。
回答者 ゲン
『一緒に仕事をしていた他の新聞販売店の人たちは、この容疑者が覚せい剤を使っていたことがわからなかったのでしょうか?』というのは、その販売店の状況が良う分からんから何とも言えん。
それでも、覚せい剤を使うてたというのは稀なケースやと思う。
ワシが今まで出入りした販売店の従業員で覚せい剤を使うてた人間がいたという話を聞いたのは皆無やし、このサイトにも過去、そういう話は届いてないしな。
その人間が特別やっただけやとは思うが、覚せい剤の入手ルート次第では業界に波紋が広がる可能性はある。
もっとも、現在、この覚せい剤はあらゆる年齢、業界、階層に浸透しとるというから、何も新聞業界だけに限った話やなく根はもっと深いところにあるとは思うがな。
警察白書によれば、2009年度で検挙件数16,208件、11,655人の逮捕者を出しているという。10年前に比べれば減少しとるとはいうものの、直近の5年間は、ほぼ横ばい状態とのことや。
実際には、その数倍、数十倍の覚せい剤使用者が社会に溶け込んどるものと思われる。
ワシが今まで出入りした販売店で覚せい剤を使うてた人間がいたという話を聞いたのは皆無やとは言うたが、勧誘時に限って言えば、客の中には明らかに、それらしい人間を何人も見てきたさかいな。
その記事にもあるとおり『様子がおかしかった』という程度の人間はいくらでもいる。とても人の目つきをしているとは思えん者もナンボでもいてた。
もちろん、ワシは警察でも何でもないから、それを確かめるようなことはせんがな。そういうのとはなるべく関わり合いを持たんようにして、さっさとその場を離れるようにしとる。
よく新聞勧誘員は怖いという話を一般の人から聞くことがあるが、ワシら勧誘員にしても、そういう覚せい剤を使うとるような人間と出会うこともあるさかい、怖いのは一緒なんや。
いつ何時、そんな連中に襲われんとも限らんさかいな。
実際、ワシ自身、かなり昔の話になるが、あるアパートで勧誘していた時、チャイムを押した途端、いきなり男に木刀で襲われたことがある。
普通の人間が、そんなことをすることはまずないから、その手の人間やなかったのかと思う。目つきが異様やったことを覚えとる。その時は一目散に逃げた。相手にしてもロクなことがないさかいな。
ただ、例えそうであっても新聞販売店に覚せい剤を使うてた人間がいたことは動かせん事実や。実際にその事件があったわけやしな。
その事実があれば、その事実を受け止めるしかない。まがりなりにも、新聞社は新聞販売店を管理、教育、指導しとるという立場にあるわけやから、それなりの対応をする必要がある。
その意味で言えば、あんたが言われておられることは正論やと思う。
『「弊社の取引先である販売所」は「弊社の販売所」でもいいわけですし、「元従業員」というのも逮捕時は「従業員」だったわけですから、元などつける必要がないと思うのですが』という言い方は、責任逃れと指摘されても仕方がない。
実際、その新聞社のコメントを発表した『東京本社販売局』担当者の気持ちの中にはその思いがあったのやないかな。世間からの批判を少しでも躱そうとして。単なる自身の責任逃れなのかも知れんが。
確かに、組織的には新聞社からすれば新聞販売店との関係は『弊社の取引先』ということになるし、『逮捕後に解雇された』というのは、そのコメントを発表した時点では『元従業員』ということにはなる。
その意味での記述に誤りはないが、その言葉の裏には「販売店の従業員個々の管理までできんから責められたくない」という思いがあったのやないやろうか。『東京本社販売局』としては不可抗力やったと。
しかし、大半の人は、それに理解を示すことはない。「詭弁」にしか聞こえない。あんたが、そう感じられたように。
『元従業員が逮捕されたことを重く受け止めます』とは言うものの、その言葉がその額面どおり一般には伝わっていないと思う。
ましてや、そのニュースが、肝心のその新聞社の紙面で報じられていないということになると、よけい、そんな気になるわな。
この事実は新聞社にとっては触れられたくないことかも知れんが、せやからこそ、逆に大々的に報じて、一大「覚せい剤撲滅キャンペーン」を張って欲しかったと思う。
新聞社がその気になれば、新聞販売店や新聞拡張団から覚せい剤を追放することは可能なはずやし、社会に「覚せい剤撲滅」を訴える上でも説得力を増すと思うのやがな。
また具体的な防止策を発表して実行することで業界の自浄をアピールすることもできるはずや。そうすれば下降気味の新聞の人気を持ち直すことも可能になる。
ピンチをチャンスに変えられる絶好の機会でもある。今なら、まだ事件直後やから間に合う。
残念ながら、新聞社が持つ昔ながらの隠蔽体質では、そこまで考える余裕がないのやろうと思う。
新聞やテレビで報じなければ一般に知られることはない、知られても騒がなければ、すぐに沈静化する。時が経てば忘れるやろうと考えとるようでは救いはない。
現代のネット全盛時代にそう考えるのは甘すぎる。少なくともネット上に、この件の記録はかなりの長い年月残るはずやさかいな。
起きてしもうたことは仕方ない。問題は、それを教訓としてどう活かしていくかや。その扱い次第で結果に大きな違いが出るということを新聞社には知って欲しいと思うのやけどな。
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