新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1137 ゲンさんの感想をお伺いしたいのですが
投稿者 H.Sさん 新聞販売店専業員 東京在住 投稿日時2012.6.11 PM 9:38
『第209回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その6 新聞第3のタブー、記者クラブ問題について』での新聞批判のメルマガを拝読して、大変勉強になりました。
私は現在の新聞業界はマスコミの中心で、社会に多大な影響を与える程の存在だと認識しておりますが、新聞がメルマガで指摘されているようなていたらくでは、最早新聞業界の自浄作用を期待することは出来ないのではないでしょうか。
もし新聞業界が劇的に変革するならば、一度壊滅的打撃を受けて、それこそ0からの出発をせざるを得ない状況に追い込まれなければ、目が覚めないと思います。
原発利権ムラにしても、そこから広告費が入っている間は、大本営発表しかしなかったし、悲惨な交通事故の対策にしても、自動車の自動ブレーキ義務化を指摘して、広告が減らされるのを懸念して、事故加害者批判しかしなくて、自動車利権ムラの味方をして、それこそ日本社会の利権構造に根差し、温存し、拡大させ自己増殖をし続ける様は、エセ同和やエセ右翼、暴力団や官僚等の足元にも及ばない程、日本社会に絶大な悪影響を与えている、癌細胞と言っても過言ではないと思います。
新聞業界の変革には、多大な犠牲をいとわず、規制撤廃及び、事後チェックを公正に行う制度変更しか、適切な対策は出来ないのではないかと思います。
もし差し支えなければ、私の感想を読まれた、ゲンさんの感想をお伺いしたいのですが、ご意見を賜れませんでしょうか。
回答者 ゲン
『最早新聞業界の自浄作用を期待することは出来ないのではないでしょうか』というのは、現時点ではそうやと言うしかない。新聞社に自浄作用があることを期待したいがな。
『一度壊滅的打撃を受けて、それこそ0からの出発をせざるを得ない状況に追い込まれなければ、目が覚めないと思います』というのも同感や。
このまま新聞離れが加速すれば、そうなる可能性が高いとワシも思う。
『原発利権ムラにしても、そこから広告費が入っている間は、大本営発表しかしなかった』というのは、ワシらもそう言うてきたから同じ意見やが、ここにきて変化が見られるようにはなった。
最近になって電力会社や原発を推進する政府の姿勢について、新聞各紙が相当厳しい目を向けるようになってきたというのが、それや。
原発について否定的な内容、論調が目立つようになってきたさかいな。
去年までの政府や電力会社からの情報をそのまま流していたのとは明らかに違う。
その意味では「スポンサータブー」より、社会正義を重視するようになったと言えなくもない。国民の思いを代弁しようという意識の表れやとも。
ただ、それでも「新聞の勧誘問題」、「押し紙問題」、「記者クラブ問題」については未だタブーのままで、それについて自ら報道しようとしない姿勢には変わりはないがな。
現在の新聞社のトップの考え方が変わるか、あるいは革新的なトップへの交代がない限り、それらについて新聞紙面で報じられることはないやろうと思う。
『自動車利権ムラの味方をして』というのは、どういう意味なのやろうか。自動車業界に『利権ムラ』のようなものがあるという話は初めて聞いた。
『自動車の自動ブレーキ義務化を指摘して、広告が減らされるのを懸念して』という部分もワシには理解できんがな。
『自動車の自動ブレーキ義務化』に関しては、現在、国土交通省が5月2日までに、前方の車に追突する危険性を感知して作動する自動ブレーキ装置を、20トン超の大型トラックに取り付けるよう自動車メーカーに義務付ける方針を決めている。
そのことは新聞各紙でかなり大きく報じられていたことでもある。
それ以前に、自動車メーカーの大半で自動ブレーキ装置搭載車の販売を発表しとるから、むしろ自動車業界としては新聞紙面上で大型トラック以外についても『自動ブレーキの義務化の必要性あり』と大々的に報じて貰った方が有り難いのやないかなと思うがな。
それを言うたところで『広告が減らされるのを懸念』するようなこともなければ、新聞社がそれを危惧することなどあり得んと思うが、何かそう言われる具体的な理由、および根拠でもあるのやろうか。
ワシは日本の自動車業界は真摯にいろいろなことを積極的に公表しとると考えとる。あまり隠し事をするような業界ではないと。
その最たるものが「リコール」で、たいてい自動車業界はいち早く、それを発表して回収、および無料修理をしとる。
例え、それがどれほど多くても、どれだけ利益が損なわれようとも率先してしとるはずや。なぜなら自動車メーカーが何より優先するのは信用やからや。
それがあるからこそ、日本の自動車は世界から信用され支持されとるのやないかと思う。
その信用を損なうような隠し事をしてもマイナスになりこそすれ、プラスになるとは考えんはずや。
もともと自動車業界は欠陥について隠せるようなシステムにはなっていないということもある。
自動車関連のあらゆる製造工場では、製造に携わるすべての従業員に「品質異常報告」というのを義務づけ、製造段階でそれを見つけた者には、その程度、度合いにより報奨金が支払われる仕組みになっとる。
それは他社工場から納入される部品すべてに適用される。それを見つけることで報奨金を貰えると同時に、仕事ぶりも評価されるわけやから、それこそ鵜の目鷹の目で、必死になって見つけようとする者も多い。
一つの部品には数千、数万人の厳しい視線が集中しとると言うても過言やないわけや。もっとも、それでも欠陥部品が出回ることもあるがな。
ワシがメルマガやサイトで「人は必ずミスを冒すもんや」と言うてるのは、そういうことがあるからや。どれだけ注意をしようと人のすることには見落としもあればミスもするもんやと。
しかし、自動車業界は、その先に「リコール」がある。とことん欠陥やミスには対応しようという何よりの証しやと思うがな。
もっとも、過去にはリコール隠しが行われていたことがあるのは事実やが、それが発覚すれば、たいていの場合、自動車メーカーのトップはその地位を追われとる。
自動車業界には、その厳しさがある。
『事故加害者批判しかしなくて』というのも、よほどの欠陥車に乗っていたのでもなければ、事故を起こした責任は当事者にあるわけで、事故の内容により加害者が責められるのは仕方がないのと違うかな。
そもそも自動車の運転というのは自身の乗る車の性能を把握して、ブレーキなどの車両の整備も運転手が責任を持ってすることと義務づけられとる。
当たり前やが整備不良による事故は運転手の責任や。自動車メーカーの責任やない。
『原発利権ムラ』と自動車業界を同列に見ていることについては違和感がありすぎると思う。ワシには正反対の組織構造にしか見えんさかいな。
『新聞業界の変革には、多大な犠牲をいとわず、規制撤廃及び、事後チェックを公正に行う制度変更しか、適切な対策は出来ないのではないかと思います』というのは意見としてはよく分かる。
大筋では、そのとおりやろうと思う。
ただ、その具体的な事例次第では賛成できることもあるやろうし、違った意見、見解になることも考えられるがな。
ワシの感想、意見ということなら、そういうことになる。
もっとも、ワシらの見方が、すべて正しいと言うつもりはないから、間違っていると思われることについては、いつでも指摘して頂いて結構や。
それはそれで有り難いと考えとるさかいな。
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