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NO.1139 新聞が何故自動車利権ムラの実態を取り上げないのか不思議でなりません


投稿者 H.Sさん 新聞販売店専業員 東京在住 投稿日時 2012.6.16 PM 7:23


NO.1137でのゲンさんのご意見は、大変参考になりました。ありがとうございます。

私はまず、広告主としてどれだけ広告費を出しているかが、マスコミのその企業及び業界の問題点を追及する度合いを決める、一つの指標になっている気がしてなりません。

原発利権ムラ批判は、電力業界の広告費削減に比例して、マスコミバッシングが強化されました。

自動車業界は、今だに多大な広告費をマスコミに投入しております。

その違いが、自動車業界誌が指摘しているように、京都の祇園の事故でも、高速ツアーバスの事故でも、カメラやレーザー、ミリ波を使用した自動ブレーキ安全装置があれば、そしてJRバス関東が、車線逸脱警報装置を高速バス全車標準装備しているように、市販車がそのような安全装置を全て装備していれば、交通事故を減らす一助になることは明確でありますが、マスコミは絶対それを指摘しないというところに表れています。

レクサス暴走事故も、ドイツでは義務化されている、ブレーキオーバーライドシステムがあれば防げた可能性がある安全装置も未装着であり、横滑り防止機能も最近やっと、ドイツに倣い近い将来日本でも設置義務化される予定であります。

ヒューマンエラーのリカバリーシステムは、航空機、鉄道では様々な事故が糧となり、安全性が飛躍的に向上したのに、今の技術なら、旧態依然の自動車安全性は、自動車業界の怠慢であり、たとえコストが上がっても、事故を起こしにくい自動車は、現在の技術で製作可能であります。

だけど、自動ブレーキ装置は、設置義務化を認可要件にしさえすればいいのにそれをしないのは、自動車事故を低減させる気がないのではないかと思います。

原発事故で40年以上の原発が大変危険なものであったことは明らかになりましたが、自動車は車内乗員の死亡者が減ったことだけ注目されて、物損事故は横這いであることは、あまり注目されてません。

ちなみに、7/10号のベストカーP140には、安全装置番付が特集されてますので、是非御覧になって、新聞が取り上げない情報を参照して下されば幸いであります。

またMAGX(ニューモデルマガジンX)7月号のP52の特集も参考になりますので、よろしければ見てみて下さい。

新聞が何故取り上げないか、私には不思議でならないほどの情報が掲載されております。

自動車利権ムラの実態を知るのに、また一つ有力な情報ソースがありましたので、ご報告申し上げます。

実話ブブカ8月号に掲載されている、P36〜P39に世界的ブラック企業T社の実態という特集があります。

完璧な違法行為が平然と続けられての、世界的有名企業の実態、そしてマスコミは広告主に遠慮して、その実態を書かない。

自動車業界のどこに透明性があるのか、私には理解しかねるものがあります。

いやはや、マスコミだけではなく、日本社会が年々拝金主義に染まっていくようで、嘆かわしい限りでありますが、ゲンさんは前回の私の書き込みと合わせまして、どのような感想をお持ちになられたか、お教え頂ければ大変有り難いので、宜しくお願い申し上げます。


回答者 ゲン


『私はまず、広告主としてどれだけ広告費を出しているかが、マスコミのその企業及び業界の問題点を追及する度合いを決める、一つの指標になっている気がしてなりません』というのは一般的な見方でもあるから、それについては敢えて反論はせん。

そう思われても仕方のない一面があるのも事実やしな。

『原発利権ムラ批判は、電力業界の広告費削減に比例して、マスコミバッシングが強化されました』というのは、今年に入って九州電力がテレビ7番組のスポンサーを撤退したという事実があり、実際に九州電力では「やらせ問題」などが発覚した後、マスコミ各社から相当激しく叩かれていたから、そういう見方もできるやろうと思う。

もっとも、それに関してはマスコミ各社から相当激しく叩かれたからスポンサーを降りたといった方が合っているかも知れんがな。スポンサータブーに触れた仕返し、見せしめとして。

そもそも独占企業でありながら競争相手もおらんのに電力会社全体で毎年1000億円近い広告費を使うてたこと自体が異常やったわけや。この広告費のことは電力会社では「普及開発関係費」と言うて、直接的な表現はしとらんがな。

これはマスコミに原発反対の機運を盛り上げさせんための対策費という見方もできる。実際、過去に原発事故がある度に、マスコミ各社への広告費が高騰していったという事実もあることやしな。

それが功を奏したのか、人々の間で原発を容認、または原発がなくなったら日本の電力はまかなえないといった間違った意識を植え付けることに成功した。その広告アナウンスがなかったら、国民の多くがそこまでのマインドコントロールをされることもなかったやろうと思う。

独占企業でありながら競争相手もないのにもかかわらず、それだけ巨額な広告費が必要な理由は、国民をマインドコントロール、誘導する狙いがあっての事としか思えんさかいな。

今後、原発が次々と再稼働されるようになった場合、また同じような「原発の安全神話CM」が流されるようになるかも知れんが、その狙いは同じように国民へのマインドコントロールにあると見てええやろうと思う。

さすがに東電も今回の値上げ申請の際、広告費でもある「普及開発関係費」を昨年のままではまずいということで、210億円から28億円に減額しとるがな。

その減少分の大半は新聞やテレビの大手マスコミ各社に本来入るはずのものやったから、それが入らんから叩いているという見方になるのやろうがな。

ただ、それは逆の見方もできる。マスコミが先に叩いたからこそ、東電も広告費の減額をせなあかんようになったと。あるいは九州電力と同じようにタブーに触れたことへの見せしめとして。

あれだけの事故を起こして国民に迷惑をかけておきながら、事故の損害の穴埋めをするために電気料金を上げると言い切る厚顔無恥な連中やさかい、そのくらいのことは平気で考えるやろうと思う。

その根拠は、昨年来から新聞各紙で盛んに東電の広告費の高さを追求していたということがある。国会でも、その新聞記事を元に当時の東電の社長が追及されとるさかいな。

そして、今年の5月24日のA紙でも「教えて!」「競争ないのに巨額の広告費?」という記事が掲載されていた。その後、6月12日の値上げ申請時の書類には大幅な「普及開発関係費」の減額になっとる。

つまり、どちらが早いかと言えば、新聞社、マスコミの方が先に動いて叩いたからやと言える。もっとも、その「普及開発関係費」の大幅な減額が予想されていたからこそ、先に手を打って叩いたという見方もできんではないがな。

その点においては、新聞社の利益など普段からあまり考えていないと言われている編集部の判断の方が優先したのやないかとワシは好意的に見とるがな。それに新聞社の上層部が押し切られた。今更、電力会社の肩を持っても広告費の減額は避けられんやろうということで。

そうやとすれば、新聞の良心はまだ健在やと言える。また、そう信じたい。

『自動車業界は、今だに多大な広告費をマスコミに投入しております』というのは事実と少し違うのやないかと思う。

2008年8月30日、大手自動車メーカーT社が2009年3月期において、新聞やテレビなどのマスメディア向け広告・宣伝費を、前期比で3割弱削減するというニュースが流れたことがあった。

当初は一時的なものと思われたが、大手自動車メーカーT社は、その後も新聞やテレビなどのマスメディア向け広告、宣伝費を下げ続け、現在はその頃より、ほぼ半減近くにまで減少している。

他社自動車大手もそれに追随している。特に業界第2位のH社がT社と共同歩調を示し、同じく半減しているというのが大きい。

結果として、3割どころか、自動車業界全体として4割強の広告費が削減されている。

その後、自動車業界による現在に至るまで新聞やテレビなどのマスメディア向け広告、宣伝費の下降傾向が止まらない状況にあるさかい、現在ではそれ以下になっているものと思われる。

それについては、

▼国内主要自動車メーカー8社の広告宣伝費動向
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2010/1204677_1612.html

というページにその詳細があるので見て頂ければ分かると思う。

もっとも、大手自動車メーカーT社のそれまでの広告費が1600億円もあり、削減されたのが600億円程度やから、それでも1000億円の広告費が使われとるわけで、それを以て『自動車業界は、今だに多大な広告費をマスコミに投入しております』と言うのであれば、そう言えるかも知れんがな。

ただ、一般論として今まで入ってきていた広告費が4割減になっているというのは、新聞やテレビなどのマスメディアにとっては大きな痛手やと思う。

しかも、それが下げ止まりではなく、今後も下降線を辿ると見られているわけやから、その広告費を得るために新聞などのマスコミが自動車業界のマイナス面を報道しないという理屈は成立しにくいのやないかと考える。

『市販車がそのような安全装置を全て装備していれば』と言いたい気持ちは分からんではないが、少なくとも新聞紙面において京都の祇園暴走事故や高速ツアーバスの事故の記事で、そこまでのことに言及する必要はないと思う。

というか、言及していなくて当然やと思う。

あんたはその方面に対して造詣が深く、それが常識という概念を持っておられるのやろうが、新聞記者の大半は、ワシら一般人と同じで自動車の構造、安全装置といった専門知識など持ち合わせていないのが普通や。

新聞やテレビなどでは速報性としてのニュース報道が要求される。その場合は事件の概要を伝えることが責務で、その事実を淡々と伝えるだけしかできない。また、それでええとワシは思う。

その事故の背後に『自動車の構造、安全装置』の欠点、不備があったとして、それを実証して報道するには、かなり突っ込んだ調査と取材が必要になる。

『交通事故を減らす一助になることは明確であります』と言われるとおりかも知れんが、確実にそれで京都の祇園暴走事故や高速ツアーバスの事故が防げるとまでは言えんのやないかな。

単にその可能性があるというだけの話やしな。

速報性が要求される新聞記事において、確実性の薄い情報を手間暇かけて調べることなどできんと考える。また、その必要もないと。

どこまでいっても自動車は人が運転するものやさかい、事故を起こせば起こした人間が責任を問われるのは仕方ないのと違うかな。

実際、それにそれらの事故では、明らかに運転手の過失が原因やと考えられとるさかいな。

京都の祇園暴走事故では「てんかん症状説」と「パニック説」があるようやが、いずれにしても医師に運転を止められていたにもかかわらず運転した、あるいはパニックってブレーキとアクセルを踏み間違え身体が硬直してしまったとしても、それは誰のせいでもない。

高速ツアーバスの事故では無理な日程が原因の過労による居眠り運転のためとされとるが、それも運転手に責任があるわな。

いずれの場合も、そういう状態では運転をしてはならない、十分な休憩を取る事と道路交通法でも定められとるわけやさかいな。

それを避けようという意識があれば避けられたわけで、それをせずに結果的に事故を引き起こしたのは本人の不心得、失態以外の何ものでもないと思う。それを他の何かのせいにするというのはワシは違うと考えるがな。

何度も言うが、自動車のせいにするのなら、それが明らかな欠陥やと証明されなあかんと思う。あったら良かったのに、ついていたらマシやったのにという程度では弱いということや。

『マスコミは絶対それを指摘しない』というのも少し違うと思う。

少なくとも新聞に関しては、あんたの言われておられるような『自動ブレーキ安全装置』についての報道は過去に幾つかあったがな。

その一つの例として2010年4月5日のN経新聞に、


http://www.nikkei.com/ より引用 (現在リンク切れ)

緊急時のブレーキ補助装置に性能基準 国交省


 国土交通省はこのほど、緊急時に車のブレーキを勢いよく踏んだ際、瞬時に利きを強くする 補助装置「ブレーキアシストシステム」の性能基準を定めた。

 以前は基準は無かったが、トヨタ自動車が関連のリコール(回収・無償修理)を実施するなど ブレーキへの関心が高まる中、安全の水準を保証する。

 2011年以降の新型の車に適用、取り付けは現在任意だが義務化も検討している。

 システムはボンネット内などにあり、ブレーキペダルにかかる力などを監視。ドライバーが危険を感じて勢いよく踏むと、瞬時に踏む力を増幅させてブレーキに伝え、短い距離で止める機能を備えている。特に高齢者や女性など脚力が弱い人の安全対策として期待されている。

 国交省によると、設置は任意だが、近年安全性への意識の高まりから普及が進んでおり、07年販売の新車では、8割以上にシステムが付いているという。だが性能について規制が無く、メーカーごとの性能は一部ばらついていた。

 同省は3月22日に告示を改正。性能基準と性能試験の方法について、規制した。
ブレーキ力が目いっぱい利くまでの時間や、製品の試験回数などを定めている。

 これまでシステム不具合が原因とみられる事故は報告されていないが、今後一層の普及が見込まれるため、欠陥製品が出ることのないよう安全レベルを規制することにした。欧州などでも同様の流れという。

 規制は新型車については11年11月以降、継続して生産される現行モデルについては経過措置を設け、13年11月以降適用される。これまで普及しているシステムでは、安全性に問題は無いが 一部の軽自動車などで基準に適合しておらず、変更の必要があるという。
 諸外国ではシステムの設置を義務化する動きもあるといい、国交省では義務化に向けた論議も本格化させる方針。


とある。

『たとえコストが上がっても、事故を起こしにくい自動車は、現在の技術で製作可能であります』というのも、プリクラッシュセーフティシステムと呼ばれている衝突被害軽減ブレーキに関して言えば、2003年2月に発売されたT社のハリアーが国内の市販車で初めて搭載しとる。

それ以降、各自動車メーカーでも搭載車を増えている。それに関しては、あんたが教えてくれた『7/10号のベストカーP140』にもプリクラッシュセーフティシステムが搭載されとる自動車メーカーと車種が掲載されとるがな。

『自動ブレーキ装置は、設置義務化を認可要件にしさえすればいいのにそれをしないのは、自動車事故を低減させる気がないのではないかと思います』というのは自動車メーカーの責任というより、単にお役所仕事が遅いだけのことやと思うがな。

実際、自動ブレーキ装置が設置義務化されてなくても搭載車がすでにあるわけやからな。

『新聞が何故取り上げないか、私には不思議でならないほどの情報が掲載されております』というのは、業界の専門的な情報が一般紙に掲載されることは、どの分野においても稀で、意図して隠しているということやないと思う。

新聞には専門紙というものがあり、専門的な部分については、たいていはそれに掲載されとる。自動車の場合は、あんたが見られている自動車業界誌で報道されるという具合やな。

それでええと考えるがな。それを一般紙にまで求めるのは、どうかと思う。

もし、一般紙がそれについて報道することがあるとすれば、その性能に虚偽があり、それが元で事故になった、事件になったというケースくらいなものやないかな。

『実話ブブカ8月号に掲載されている、P36〜P39に世界的ブラック企業T社の実態という特集があります』というのは、近所の書店になかったので聞いたら、6月29日の発売ということやったので、その時にでも目を通させて貰う。

ただ、今までのあんたの主張から、例え『世界的ブラック企業T社の実態』という内容がそのタイトルどおり悪質なものやったとして、それがどうして『自動車利権ムラの実態』に結びつくのかということが良う分からん。

あんたの『自動車利権ムラ』というのは一体何やろうか。ワシが理解できんと言うのは、その点や。単に自動車業界に不正や闇の部分があるというのなら分かるがな。そういうことなら考えられる。

言うて悪いが、日本のすべての業界には大なり小なり、そういう闇の部分は存在すると思う。完全無欠な業界などあり得んと。あれば教えて欲しい。調べれば、たいていの業界には公表できん隠し事、闇の部分があるということが分かるはずや。

それだけを言うのなら構わんが、『原子力ムラの利権』と同列に扱うというのは、ワシは違うのやないかと思う。

利権というのは、業者が政治家や役人と結託して得られる権益のことを指す。

自動車に関する利権と呼べるものがあるとすれば、認可に関するものと税金ということになる。

自動車業界はたいていの場合、先に言うたように認可される前にその技術を開発して搭載できるものなら他社に先駆けて搭載しとる。そうすることがええ宣伝にもなるわけやしな。

税金に関して言えば、自動車税やガソリン税は自動車業界にとって売れ行きを悪くするだけやから、そんなものはなくなって欲しい、軽減して欲しいというのが本音やと思う。税金が安くなれば、その分、確実に売れるさかいな。

そもそも自動車ほど税金がかけられている商品は他には存在しない。

自動車取得時の税金には、自動車取得税、自動車税、自動車重量税、消費税、地方消費税があり、所有時には、自動車税、軽自動車税、車検時には自動車重量税がかかる。さらにガソリンを入れればガソリン税と消費税がかかる。

自動車には過去、物品税というものがあり普通乗用車で23%もかけられていたが、消費税の登場で、それがなくなった。その消費税の導入に積極的やったのが自動車業界やと言われとる。

物品税を撤廃させてヨーロッパ型の付加価値税を導入するのが自動車業界の悲願やった。というか、それでないと外国との競争に勝てんと考えたわけや。せめて外国並みにして欲しいということで。

当時の政府は自動車業界の陳情を受け入れて付加価値税と同種の消費税導入に前向きになり、紆余曲折の末、導入したという経緯がある。

業界が消費税に拘った裏にはさまざまな思惑があると言われとる。

単に税金分を安くして、購買欲を高めようという狙いの他に、輸出の際の還付金狙いの側面もあったという。

自動車を輸出した場合、外国が相手やとその外国から消費税が取れんということで、自動車メーカーには仕入れや下請けに払った消費税分が還付されることになっている。物品税には還付金がないさかい、業界は消費税導入を積極的に働きかけたと。

T社で年間約2000億円の還付金があると言われとる。

現在、野田総理によって消費税が10%に跳ね上がろうとしとるが、そうなれば還付金も倍の約4000億円になるという計算になる。

もっとも、これは輸出企業のすべてが等しく同じ恩恵を受けるわけやから、自動車業界が特別というわけでもないがな。

それに関して利権があると言えば、輸出企業全般という広範囲なものになる。そのため経団連を中心に大企業が消費税に賛成して与党民主党が、それに向かって突き進もうとしとるわけや。もちろん、大企業寄りの自民党が手を貸して。

消費税を上げれば国内の消費が落ち込み、結果的に税収も落ちるが、政府与党もそれは折り込み済みで、それよりも経団連の言うことを聞いていた方が、次回の選挙で有利になると踏んだからやと言われとる。

このまま選挙に突入すれば惨敗は免れんということで、組織票が欲しいのやろうと思う。

もし、それが事実やとしたら甘いを通り越してアホやとしか言いようがない。経団連は先の選挙で、それまで自民党とタッグを組んでいたのに簡単に民主党に乗り換えるような無節操な連中やで。今回も政権の座から滑り落ちたら、あっさりと見捨てられるに決まっとる。

また、それらの企業で働く社員が経団連の指示どおりに、それらの候補者に投票するという保証はどこにもない。

今は昔と違って会社のためというより個人としての考えが優先する時代やさかい、会社の言いなりになる人間の方が少ないはずや。

さらに言えば、高齢者社会になって職を離れた、また職にありつけん年配者も多いわけやから、そういう人たちの多くは今の政治を恨んでいるものと思う。

もうそろそろ組織票という概念を捨てたらどうかと思うが、それができんのやろうな。

まあ、大企業寄りの御用政治に走る連中がはっきりしてきとるから、多くの国民にとっては分かりやすい選挙になるとは思うがな。分からんのは永田町の政治家たちだけやという気がする。

財務官僚たちもどれだけ上手く野田総理を説得して「政治生命をかけてでもやり遂げる」と言わせたのか知らんが、奴さんたちにとって現在の旨い汁を吸うためには是が非とも増税が必要なだけで、そのために時の政府がつぶれようと政権を失おうと何とも考えとらん。屁でもないわけや。

どこかの党が次の政権を取れば、その政権を上手く操れば終いやと考えとるだけやさかいな。

ただ、絶対に操れそうもない小沢氏では困る。橋下氏も難しそうや。となれば、件の連中にとって目の上のコブとなる両氏を蹴落とすためには手段を選ばんやろうと思う。

実際、それで小沢氏は窮地に立たされとるし、橋下氏も危険な状況にあると言われとるさかいな。

現民主党政権など、官僚にとっては単なる道具としか見られていない。それに気がつかず、消費税増税、原発依存にひた走っとるわけや。

その意味で自動車業界に利権があると言うのなら分からんでもないが、それは何度も言うが自動車業界単独の構造ではないわけや。言うのなら、消費税増税の恩恵にあずかるすべての輸出業界に利権があると言うべきやろうと思う。

『原子力ムラの利権』と自動車業界が同列ではないとワシが言う理由は他にもある。

それは『原子力ムラの利権』の恩恵を受けている電力会社は、ほぼ独占企業であるという点や。

電気代の支払いに関して利用者には選択の余地がない。値上げが権利という電力会社に一方的に値上げされようとしても国民には、それを止める手立てがない。

現民主党の執行部、官僚たちによって決められるのを国民は指をくわえて見ているだけしかない。できる事と言えば、せいぜい、ワシらのようにネットでボヤくくらいのことや。

大飯原発の再稼働にしても、これだけ安全性に疑問があると新聞やテレビなどのマスコミや有識者、市民団体、地方自治体の長、もちろん多くの国民が反対しているのにもかかわらず、野田首相の判断、一部の民主党の執行部だけの判断で強引に決められとるわけや。

その背後に『原子力ムラ』の力が働いとるのは明らかや。彼らには一国の政治すら簡単に動かせる力がある。

その点、自動車は違う。国民がその自動車を買うかどうかの判断は個々に任されているし、実際買う時には誰からも指図はされない。選択の幅も広い。これは大きな違いや。

『自動車業界のどこに透明性があるのか、私には理解しかねるものがあります』というのは、前回の回答でも言うたが、リコールや各自動車工場で製造に携わるすべての従業員に「品質異常報告」というのを義務づけ、製造段階でそれを見つけた者には、その程度、度合いにより報奨金が支払われる仕組みになっとると言うたが、それにすべて集約されとると思う。

あんたが自動車工場に行ったことがあるかどうかは分からんが、工場の内部は結構オープンになっていて事故やミスなどの隠し事をする、できるような雰囲気の職場やない。隠し事ばかりが目立つ電力会社とは大違いや。

自動車業界にタブーがあるというのをワシは知らん。あったら教えて欲しいと思う。

『いやはや、マスコミだけではなく、日本社会が年々拝金主義に染まっていくようで、嘆かわしい限りでありますが』と言われておられるが、昔の方がもっと酷かったよ。

現在は電力会社や新聞社の隠蔽体質が取り沙汰されとるが、昔はそんな企業が大半を占めていた。多くはマスコミに叩かれて変わっていったが、その力が及ばず変われんかった電力会社や新聞社にタブーが残っているだけのことやしな。

現在は、ネットの普及により隠し事がしにくい時代になっとるから、まだマシな方やと思う。新聞をはじめ、様々な業界でいろいろな改善がされとるし、それに即した法律も整備されてきとるさかいな。

最後に、これはよけいなことかも知れんが、あんたの教えてくれた雑誌に書かれていたことは事実かも知れんが、批判的なコメントには、かなり誇張された部分があるのやないかと感じた。

まったく信用できんとまでは言わんが割り引いて見ておいた方がええと。

冒頭付近で自動車業界がマスコミに対して大幅な広告費の削減をしたと言うたが、そのシワ寄せが最も顕著なのは雑誌業界やというデータがある。

企業が広告費を削減する場合は弱小メディアからと相場が決まっとるから、それは仕方ない。新聞社も自動車業界の大幅な広告費の削減には頭を悩ましているが、小規模な雑誌業界ではその度合いが極端に違うということや。

実際、すべてが自動車業界の大幅な広告費の削減のせいやとは言わんが、ここ数年、異常とも思える数の雑誌の廃刊が相次いどるのも、それが一因としてあるのは、ほぼ間違いないさかいな。単に雑誌が売れんようになったからだけやない。

そのために雑誌を売るにはセンセーショナルに読者を煽るしかないと考えても不思議ではないということや。それが大手自動車業界の醜聞なら読者が食いつく可能性が高いから雑誌が売れると。

ウソを書いとると言えるほどワシは自動車のことを知らんさかい、それは言えんが、針小棒大気味の記事になっとる可能性が高いのやないかというのは、それらの記事を読んでいて分かる。

もっとも、それはワシの感想やから、的外れかも知れんがな。

結論として、自動車業界に闇の部分があるというのは分かる。それは否定せん。ただ、それは『原子力ムラの利権』と同等に扱うのは違うとワシは思うということや。まったく別物、次元の違うことやと。


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