新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1145 解約するから法的書類を持ってこいとお客に言われたのですが


投稿者 Sさん  某Y新聞販売店店長  投稿日時 2012.7. 5 AM 2:08


自分はとあるY新聞の店長やってます。

先日、月ズレを応じなかったお客様から「不快な気分になったので2年の契約を解約する。違約金があるなら払ってやる。法的書類を持って来て、相応な額を請求してこい」と言われました。

げんさんならどうしますか?


回答者 ゲン


『月ズレを応じなかったお客様から「不快な気分になった」』ということやが、その内容、事情次第で対応は大きく違うてくるが、まずは低姿勢で謝罪することやと思う。

こういう場合、たいていは説明不足とか、言葉の行き違い、売り言葉に買い言葉というケースで揉めることが多いさかい、店長であるあんたがきちんとその事情を説明して謝れば、それで済むことの方が多い。

ただ、誠意を尽くして謝っても一度ヘソを曲げたら梃子でも意志を変えんという人も中にはおられるから、その場合は仕方がないがな。

途中解約を希望する人に対しての対応は、それぞれの新聞販売店でも違うさかい、それはあんたの所でどうするか決めるしかない。

何もなく解約に応じるのか、景品だけの返還で済ますのか、それに加えて2年の契約に対する解約違約金を請求するかのいずれかになる。

そして、2年の契約に対する解約違約金を請求する場合、業界として明確な解約金額が決められとるわけやないから、その額もそちらで決められるしかない。

それについては、当サイトのQ&Aに『NO.818 この解約違約金は妥当なのでしょうか?』 というのがあるので参考になるのやないかと思う。

ただ、基本的には、そちらの方針でええと言うとく。もっとも、解約違約金を請求する場合は誰が見ても妥当と思える額内に収めることを勧めるがな。

法的書類ということやが、特に決まった書式というものはない。これはあんたの店として請求するものやさかい、その内容が分かるものであれば、それでええ。

適当と言えば語弊はあるが、


新聞購読解約違約金請求書

 ○○様

 ○○様から、平成○○年○○月から平成○○年の○○月までの2年契約の契約解除のご要望につきましては、○○様のご都合により解約ということになりますので、当社では解約違約金を請求させていただく決まりになっています。

 よって、今回の契約を解除に伴う損害金として、

 解約違約金 ○○円 を請求させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 
上記のお支払い、および景品前渡し分(景品の内容を明記すること、現物、金銭にての支払いの選択は契約者に任せること)の返還をよろしくお願い致します。

  年月日
住所
販売店名 販売店のゴム印でも可
     販売店経営者名  社印


という程度のもので、十分法的書類として通用するはずや。

ここで注意せなあかんのは、解約違約金の内訳に、拡張員に支払った営業経費を組み込んだらあかんということや。

また、景品前渡し分も金銭に換算し、合算して請求される販売店があるようやが、それについてもそれぞれまったく別物やさかい一緒にするべきやない。

最も無難なのは、「当社では2年契約の場合、解約金は○○円いただくことになっています」とだけ言うことやと思う。無駄な言い訳や説明は蛇足にしかならんし、突っ込まれる恐れがあるから気をつけることやな。

拡張員に支払った営業経費は契約者には関係のない話で、契約者にその負担を強いるのはおかど違いや。それはあくまでも業界内だけで通用する話やさかいな。

解約違約金というのは、契約者の一方的な契約解除により、本来得られたはずの利益分の損害を補償して貰うという意味合いがある。その範囲内の請求なら法的にも十分認められる。

また、解約違約金は、お互いの話し合い次第という側面もあるから、その部分は白紙にしておいて、その場での交渉で決めるという方法もある。

それに引き替え、景品前渡し分の返還については、いかなる契約解除の場合でも貰った方の契約者が返還せなあかんと決められとる。民法545条の原状回復義務というのに、それがある。

誠意を尽くして謝っても、どうにもならん場合は、そうされるのも仕方ないが、その場合でもなるべくなら納得して貰うように、よく説明されることを勧める。

ワシなら、『月ズレを応じなかったお客様』については、なるべく、その意に沿う方法で話を持っていくがな。

極端なことを言えば、その月ズレとやらが、どの程度のものかは分からんが、その客の要望を呑んだ方が解約されて契約がなくなるより販売店にとってはマシなはずやさかい、泣いた方がええということや。

物事は、少しでも被害の少なくなる方法を選択することがよりベターやと思う。泣いて被害が最小限に抑えられるのなら、ワシは迷わずそうするがな。

もちろん、それについては何度も言うが、あんたの店の方針でええ。ワシならどうするかということで答えただけやさかいな。


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