新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.116 新聞販売店リストラ殺人未遂事件について
投稿者 でっちさん 投稿日時 2005.6.17 PM 3:21
ネットで「2005.03.20殺人未遂事件背後に、新聞拡販競争の闇」と「2005.04.29販売員に人権はないのか!? “リストラ殺人未遂事件”の背後に新聞拡販競争の闇」と題したあるコラムを発見しました。
事件の概要は以下、原文のままです。
2005.03.20殺人未遂事件背後に、新聞拡販競争の闇
●関西方面で起きていた、新聞販売所所長への殺人未遂事件
昨年、関西方面で新聞販売所経営者Aが、A経営の販売所に最近まで務めていたB所員に包丁で10箇所近く切り付けられるという殺人未遂事件があった。
各紙報道によれば、リストラされたことを逆恨みしての犯行となっている。ところが、つい最近、その関係者から情報提供があった。
その内容は、関係者でないと知り得ない“秘密の暴露”が含まれており、信憑性が高いと思われるので、以下、調査中の現時点では、できるだけ特定されることを避け、概略のみ公表しておく。
●殺人未遂事件の約9カ月前に起きていた新聞販売所チラシ窃盗事件
その情報提供によれば、その前に同地区一帯で、S新聞の販売所を狙った窃盗事件が頻発し、別の販売所のC所長等が逮捕されているという。そして、殺人未遂事件を起こしたBは、その販売所に勤めていたというのだ。
つまり、「身内がライバル関係にあるS新聞販売店に押し入り、チラシを盗んで信用失墜を図っていたことを知ったBは、いくら何でもそれはひどいと思い、警察に通報した。その結果、C等実行犯は逮捕された。
しかし、実はこの犯行はA経営者の了解のもとに実行されていたことから、Bはリストラを名目にクビを切られた。そして、窃盗をしたC等は表向きは懲戒解雇となっているが、実際は系列の販売店に復帰している」という。
新聞検索したところ、確かに、指摘の窃盗事件は起きていた。
「○○新聞の店長と従業員の計4人を窃盗などの疑いで逮捕した。調べでは、店長等は共謀し、同区の別の新聞社の販売店から、折り込み広告300部(1万5000円相当)を盗んだ疑い」(新聞記事より一部抜粋)
同記事では、一晩だけの犯行となっている。しかし、裏が確実に取れた犯行のごく一部だけで逮捕するのは通常のことで、これだけしか犯行がないことを意味しない。情報提供者によれば、この組織的犯行は数ヶ月に及び、Bが犯行に加わらなかったのは、A経営者等がBを信用してなかったためだという。
しかし、Bは販売所の2階に住んでいたことから、盗んで来たチラシを発見し、犯行を知ったというのだ。
S新聞はその購読料金の安さから、同地区に新しく建った団地での購入者が増え、いわゆる3大紙にとっては脅威を感じるライバルになっていたという。
2005.04.29 販売員に人権はないのか!? “リストラ殺人未遂事件”の背後に新聞拡販競争の闇
●事件の真相を報じない新聞社
本紙は05年3月20日、「殺人未遂事件背後に、新聞拡販競争の闇」なるタイトル記事を掲載した。
情報提供者の立場や、関係資料などから、信ぴょう性が高いとは思っていたが、事が事であるため、慎重を期して、その時点では関係者が特定されないよう、最大限の配慮をせざるを得なかったが、今回の現地取材でその信ぴょう性に確信を持てたので、とりあえず、ある程度の事実公表と、事件の概要を報じておく。
殺人未遂事件が起きたのは、03年9月、大阪市内においてだった。早朝、Y新聞販売所所長が出勤しようとしたところ、販売所のすぐ近くで待ちかまえていた元販売員に、さしみ包丁で持って顔面などを10箇所以上刺された。所長はもちろん重傷を負った。
この殺人未遂事件、各社はリストラを逆恨みされたためと報じた。確かに、この報道、誤りではない。しかし、事件の本質を報じていないといわざるを得ない。
実はこの事件に先立つ03年1月、同区内のS新聞社の販売所に侵入し、チラシを盗んでいたとして、読売新聞販売所の店長など計4名が逮捕される事件が起きていた。
そして、捕まった店長等の販売所と、殺人未遂事件の現場近くの販売所のどちらのオーナーでもあったのが、殺されそうになった所長だったのだ。
殺人未遂事件で逮捕されたB氏は、販売所に自分のところでは扱わない大量の新聞折り込みチラシが放置されていたことなどから犯行に気づき、その所長に辞めるように進言していた。
ところが、所長は辞めない。そこで、やむなくB氏は警察に通報し、事件化した。その結果、その所長にリストラを名目に首切りされてしまった。
●ヤクザまで登場し口封じ
だが、この殺人未遂事件の動機はもっと複雑であるようだ。
A氏の内部告発により、事件化したとはいえ、逮捕容疑はたった1日、被害額は1万5000円相当に過ぎないとされていた。実際には半年近くの犯行に及ぶと見られるのにだ。
そのため、B氏は警察にも怒鳴り込んだようだ。
「ところが、B氏の前にはヤクザが出て来た。それも地元の相当上のクラスです。“黙っていろ!”と。相当、やられたようです。そこに持って来て、首切りです。
実はBさんは元ヤクザでした。でも、本当にいい人でした。仕事も真面目で、配達が遅れたことも一度もなかった。離婚していて、Bさんの方が2人の子供を引き取って育てていた。まだ2人とも小学生なのに、元ヤクザということで、新しい仕事も見つからない。首切りは死刑宣告みたいなもんだったと思います」(知人)
こうして、ついに自暴自棄となったのか犯行に及んだBさん。もちろん、その行為自体は責められて余りある。
一方、リストラ直後、B氏の知人が、“なぜ、正しいことをしたBさんがクビにされんといかんのや!”とY新聞大阪本社に抗議の電話を入れている。また、公判では元上司が証人として出廷し、リストラが、内部告発に対する嫌がらせだったことを証言もしている。
だが、新聞各社はそうした事実をまったく報じなかった。被害を受けたS新聞社も同様だ。
「拡販に関しては、どの社も触れられたくないことがある。Bさんが告発したため、警察は動かざるを得なかったが、結局、拡販のこうしたトラブルは表沙汰になるのはマズイということで上同士で話し合い、事件に蓋をしたのでしょう。
そして、ジャマになったBさんを追放した。Bさんはチラシを盗んだ店長の追放を進言し、Y新聞はその条件を飲んだが、実際は別のY新聞の販売所に復帰していますしね」(事情通)
この人物は、S新聞も含めた他の複数の新聞社にも同様、事件の背景を伝えて記事化を要求したが、一切無視されたという。
このような事件があったそうで、なんともやりきれません。ゲンさんはこの事件をどう捉えているのか、ご意見いただけたらと思います。
回答者 ゲン
この事件のことは全く知らなんだ。最近でこそ、読者から頻繁に新聞関係絡みの事件を教えて貰うし、ワシもそういう事件があれば興味も持つようになったから、ある程度、知るようにはなった。
それも、このサイトを開設してほぼ1年の間やな。もっと、細かく言えば、サイトの『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.56 小1女児誘拐殺人事件について』のコメントを求められた今年になってからや。
このコラムでの事件の真偽は、正直、ワシには分からん。この筆者のように何かの証拠を握っとるというわけではないからな。
本来なら、わけの分からんことに関わって話すべきやないとは思うが、このサイトに数多く協力して貢献してくれとるあんたの願いを無視することも出来ん。
せやから、このコラムが事実と仮定して、ワシの意見を話すことにする。しかし、これは個人的な意見でしかないから、そのことも分かっといてほしい。
ワシは当事者ではないし、この筆者ほど事件にも関わってないから、逆に言えば公平な立場で話せる。無責任な面もあるかも知れんがな。
それに、新聞業界、それもこの事件の現場のような末端の販売店事情にもそれなりに詳しいと思うとるから、表に現れとる以上のこともある程度、読みとれる。
このコラムを見て、まず感じたのは、襲うた者も襲われた者もどっちもどっちやということや。新聞社に至っては、相変わらずの体質やなということになる。
しかし、どっちもどっちで片付けたんでは、あんたの答えにはならんと思うから、この事件の背景をワシなりに推測してみようと思う。
それにしても、この事件に表れた部分だけを読む限りは、不自然というか不合理な部分が多すぎるような気がしてならん。
まず、この事件の発端と目されとる窃盗から考えてみよう。
「○○新聞の店長と従業員の計4人を窃盗などの疑いで逮捕した。調べでは、店長等は共謀し、同区の別の新聞社の販売店から、折り込み広告300部(1万5000円相当)を盗んだ疑い」(新聞記事より一部抜粋)
この窃盗の理由は「ライバル関係にあるS新聞販売店に押し入り、チラシを盗んで信用失墜を図っていた」ということやが、これは、ワシには解せん。
一般的には、これで納得出来ることかも知れんが、ワシから見れば不自然極まりないことにしか思えん。
新聞記事通りの『折り込み広告300部(1万5000円相当)を盗んだ疑い』というのは、盗みに入ったのが4人やというのなら、どう考えても不自然すぎる。
その当日、かなりの量の折り込みチラシを盗んだと考えた方が自然や。せやからこそ、それを持ち帰った所を今回事件を起こしたB氏に見咎められたのやろと思う。その量の多さでな。
しかし、このB氏が警察に告発するというので、大急ぎでそれらを返すか相手のS紙の販売店に口裏合わせを頼んで、その程度の窃盗ということにしたのやないかと思う。
あるいは、警察は新聞社に配慮し、これを小さく扱おうとしたのかも知れん。警察も一応は証拠物件を押収せなあかんやろからな。裏取引という奴や。
もっとも、こういうことをワシが言うと、ええ加減なことを言うなと怒られるかも知れんがな。せやから、あんたも、ワシの独り言やということで聞いてくれたらええ。
それにしても、この4人は考えられる最悪の選択をした。単に、相手の販売店の信用を失墜させる方法は他にいくらでもあったはずや。
しかも、こんな危険なことをするまでもない。もっとも、そういうことは、大きな声では言えんがな。
その危険なことやが、その4人は何で敢えてそんなことをしたのやろ。相手の販売店の信用をなくしても、この4人に実質的な利益は望めんと思う。
盗んだ物が高価な物やったら、それを売り飛ばして金に出来るかも知れんが、折り込みチラシなんか一銭の値打ちもないもんや。
しかし、それでも、忍び込んで盗んどる。どんなアホでも、自分のしとることは分かる。立派な窃盗やし、犯罪行為や。現場を押さえられたら言い逃れは出来ん。
普通、いくらそこの店長に命令されたからと言うて、そういうことをする販売店の従業員はほとんどおらんはずや。やはり、このB氏のように反対する人間が圧倒的に多いと思う。
成功したらいくらか報酬を貰えるにしても、事が事だけに知れてるはずや。この盗み自体に利益があるわけやないからな。つまり、金にはならんということや。金にもならんし、危険も多い。割に会わんということも分かるはずや。
それでも、敢えて危険を犯してまで犯行に荷担しとる。こういうことが考えられるのは、ワシの知る限り一つのケースしかない。
この嫌がらせに近い窃盗をすることで、一番得をするのは、ここのオーナーでもある販売所の所長や。相手の信用を失墜させれば、チラシ業者である客の依頼が増えると考えられるからな。
販売所にとって、このチラシ広告代というのが馬鹿にならん。これなくして経営も成り立たたんと言うてもええほどや。その意味では、必死になる。
但し、それも経営者がという意味や。店長や従業員は給料さえ貰うてたら、店が儲かろうがどうしようが、盗みをするほど必死になることはない。それが、普通の新聞販売店の従業員の気持ちであり考えや。
それでも、そうする場合というのは、絶対的な上下関係がある場合だけやと思うて間違いない。ヤクザ組織のようなもんや。それが、ここの販売所にあったと考えた方が自然やと思う。
一部の販売所は拡張団が経営しとる所がある。全部やないが、昔ながらのやり方を踏襲しとる新聞拡張団は、その組織自体や考え方が、やくざ組織のそれと酷似しとる場合がある。
実際に、そういう拡張団経営の販売所の所長というのは、ヤクザと関係がある者が多い。
親分子分の世界や。親分に命令されたら、子分はどんなことでもする。そう考えれば、この窃盗もあり得ることやと考えられる。
言うまでもないが、拡張団の経営しとる販売店がすべてそうやということやない。そういう店でもまともに商売しとる店の方が圧倒的に多い。しかし、中には、このケースのような店もあると考えられるということや。
そして、当然のことながら、B氏もそれを知っとったはずや。ただ、B氏 自身も、元ヤクザやったということやから自分自身に自信もあったのやろ。
元ヤクザの思考というのは、元いた組の自分の地位で物事を考えやすいということがある。B氏はヤクザ組織の中では相当、上の人間やった可能性がある。少なくとも、ここの所長クラスは大したことはないと考えとったはずや。
ここの所長がこのB氏を雇い入れた経緯は知らんが、煙たい存在やったのは間違いないやろと思う。
『B氏が犯行に加わらなかったのは、A経営者等がB氏を信用してなかったためだという』というのがすべてを物語っとったと思う。従業員に盗みをやらせるほど強権を持つと思われる人間が遠慮しとったわけやからな。
更にB氏の抗議にも、このA経営者は耳を貸さず、B氏を抑えるために、ヤクザを使うたと言う。それも地元の相当上のクラスらしい。それでないと、このB氏を抑えることが出来なんだのやろと思う。
ここで、何があったか分からんが想像はつく。加えて首切りとなり、我慢の限界を超え犯行となったということのようや。
任侠映画辺りに良うある話や。はっきり言うてこういうことをすると負けや。どんな正義があろうとあかん。映画なら、その場面でエンディンクとなるから格好ええで済むかも知れんが、現実の世界はそうはいかん。
力で解決出来ることは何もない。最後の犯行以外は、すべてB氏に利のあったことが、これで消える。消えるどころか、悪者にされても何も言えんことになる。
このB氏は、なまじ自分に自信があるからこうなる。ワシら拡張員の中にも、元ヤクザで真面目に仕事をしとる者もおる。
しかし、何かの弾みで昔のヤクザやった時の顔が覗く。ワシは、そういう時、決まって「ヤクザに戻りたいんか」と聞く。答えは「戻りたぁない」や。
「それなら、何があっても辛抱せい」とワシは言う。そいつはヤクザが嫌で辞めた。しかし、持ってる思考というのはそう簡単に変えられんようや。
元ヤクザということは、それを辞めたと思うてても何か事があると、それに気持ちが戻ることがある。どこかで、人に舐められたぁないという、しょうもない面子みたいなもんにこだわるわけや。
結局、それは気持ちが弱いということの証にしかならん。ワシはそう言うて、そいつに諭すように言うたことがある。
起きてしもうたことを後からとやかく言うても、結果論でしかないが、こんな場合は我慢してやられっぱなしになっとる方がええ。
強い者が弱い者のふりをするというのは、恥でもなんでもない。むしろ、本物の男やと言うてもええ。格好ええことや。傍目にどう映ろうともな。この辺のところは武道家のあんたには良う分かることやと思う。
やられたことを警察に訴えるなり、裁判を起こすなり反撃する方法はいくらでもある。ヤクザに脅されたというのなら、それも出る所へ出て訴えたらええ。それが、賢い人間の対応や。
そうすれば、この件ではB氏は正義の摘発者ということになり、不当なリストラをされた被害者になるから世間の同情も引ける。
その後の交渉や闘いも有利になる。結果的に、この経営者に与える打撃は襲うてケガをさせるより効果はあったやろと思う。
小学生の子供二人を抱えとるということなら、そうするべきやった。もっとも、このB氏もその行動は悔やんどるかも知れんがな。
しかし、現実に包丁を持って襲うたということで、この殺人未遂事件の報道では新聞各社はリストラを逆恨みされたためと報じるということになる。それで、正義の声もただの遠吠えになったわけや。
せやけど、このB氏にも救いがある。法律的な報いは仕方ないが、少なくても心情的なことは、このコラムの筆者がこの事件を取り上げたことで、その内幕が少なからず世に知られたからな。
そして、それを見たあんたが、このサイトに意見を求めて来た。当然、このサイトの読者にもこのことは知られる。
このことの裏事情をこの筆者に情報提供した人物は、S新聞も含めた他の複数の新聞社にも同様、事件の背景を伝えて記事化を要求したが、一切無視されたということや。
これは、今に始まったことやない。特に拡販に関した事件は新聞記事にはまずなりにくい。なったとしても視点はこの事件のようにぼやかされてしまう。
新聞社を正義の報道機関と見るか、一企業として見るかで違う。新聞社に限らず、日本の企業はまず、その組織ありで考える。その組織にマイナスの要因は避けるようにするというのは、普通にあることや。
それの善悪を当の新聞社と論じても、その土俵すらなかったというのが現実やった。ワシがここで過去形で言うのには、現在は、それなりの変化があり、わけがあるからや。もうすでに、変化し始めとると言うてもええやろと思う。
今までは報道機関と言えば、新聞、テレビ、ラジオにほぼ限定されてた。しかも、それらはすべて密接なつながりがあるから、その報道も画一的やった。
その報道の正誤に関わらず、一般はそれを鵜呑みにして来た。報道はすべてが真実ということを疑わんかったわけや。
しかし、インターネットの登場でその様相に変化が表れ始めた。この筆者のサイトもそうやし、当サイトにも言えることやが、各人個々のサイトでそういう事件を扱うようになった。
新聞社がいくら臭い物にふたをしても、インターネットの世界ではそれがいとも簡単に開けられる。しかも、それが確実に増え、その質も確実に向上しとる。
この筆者のサイトがその最たるもんやと思う。もちろん、当サイトにしてもそう馬鹿にしたもんやない。日々、結構な数の訪問者があり、感想や意見のメールも多いからな。
現在、インターネットは携帯電話からでも閲覧可能になっとる。つまり、パソコンの操作に関係なく手軽に見られる環境になりつつあるということや。
今年中に、インターネット人口は8500万人に達するという試算がある。これは、既存の報道関係を利用しとる人口と匹敵、もしくは凌駕する。
そして、その質も遜色ないものが現れ、それが人気を博すようになれば、報道のあり方自体も変わらざるを得んと思う。
その現れとしてつい最近、当サイトの『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&ANO.108 近所で販売店員が逮捕されました』の巻末でも紹介したが、A紙のWEBサイトでこの事件の報道をしとったということがある。
事件自体は、強引な勧誘の末、新聞販売店員が逮捕されたというものや。今までは、そういう記事が載ることはほとんどなかった。しかも、この販売店員はそのA紙の販売店の従業員や。
これは、素直にそのA紙の真摯な姿勢を評価するべきやろうけど、見方を変えれば、いつまでも「臭い物にふた」式の考え方は通用せんようになったと、新聞社が自ら認めたということやないやろかと思う。
この筆者のように、その事件の裏側まで鋭く切り込みそれを掲載するサイトがある。そして、そのサイトの存在を知り、その情報提供者が現れる。
また、その事実をあんたのような人が、このサイトにも知らせてくれ、意見を求めるという具合に広がっとる。
近い将来、そういうネットワークのようなものが確実に出来ると思う。そうなれば、このA紙のように、自らの襟を正す報道が増える。そうせなあかんようになるということや。
サイトへのメールで、新聞業界の舞台裏を暴露するようなことをして、新聞の勧誘を生業としとるワシらが不利にならんのかという質問がたまに来る。
ワシは、自信を持って「それはならん」と答えとる。確かに、えげつない勧誘をする人間もいとるけど、真面目に営業しとる者もおる。今は、むしろこの方が圧倒的に多い。
えげつない勧誘というのは極一部や。しかし、その極一部が目立つから、全体の評判が地に堕ちることになる。それをなくすには、その実態があることを伝え、その対処法を教えることやとワシは判断した。
一時的な見方をすれば新聞離れにつながるかも知れん。それでも、真面目な営業に徹する人間が増え、それが目立つようになれば世間の考えも自然に変わると思う。
そうすれば、結果的に営業はしやすくなる。と言うても、契約件数が増えるということやない。営業はそんなに甘いもんやないさかいな。
それでも、少なくとも、えげつない拡張員という眼で見られることが減るはずや。そう信じとる。
臭い物にふたをするだけやと、臭いはそこに籠もって余計に臭くなる。ふたを開ければ、その臭いも分散するが、浄化ということにもつながるはずや。それは、新聞社自身も含めてな。
もう、そういう時代に歴史が突入しとると考えといた方がええのと違うかな。何でもそうやが、時代の流れに逆行しようとするものは滅びるしかないと思う。
そう考えれば、あんたのやりきれん思いも少しは救われるのと違うやろか。