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NO.117  どうすれば気まずい思いをせずに雇用保険に加入出来ますか


投稿者 もりむさん 新聞販売店事務員 投稿日時 2005.6.24 PM 0:34


初めまして、私の職場が新聞販売店の事務という事もあって、サイトを拝見して参考にしております。

新聞販売店の午後勤務事務員(パート)として午後1時〜6時までの午後勤務をしています。午前中は別の事務員さんがいます。

今まで事務の仕事は親戚の自営業の手伝いしかなかったので最初は教えてもらいながら仕事を覚え、今では通常の業務はこなせるようになりました。

しかし、最近、自営業を営む親戚から新聞販売店が「雇用保険」に入っているかどうか聞かれました。

話によればパート・アルバイトに関わらず雇用保険は必ずはいらなければならないのだそうです。そこでネットで調べると、厚生労働省の『雇用保険の手続きはきちんとなされてますか』というページが見つかりました。

この中で<適用基準>にある
(1) 1年以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。
(2) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
条件にあてはまることがわかりました。

私は1時から6時までの就業になっていますが、チラシ折込作業や集金の計算などがあると7時近くまで働いていることがあります。

所長の方からも面接時には「すぐやめないで欲しい」就業時には「遅くまで居ないで欲しい。長く居ても6時半まで」と何度か言われました。

最近ハローワークで調べてもらったところ、やはり雇用保険に加入していなかった事がわかりまして相談しました。

自分が所長に「雇用保険に入れてください云々」をいうのは気が引けます。逆に「近々やめるのか」と思われ職場で気まずい思いをしたくないのと最悪の場合つけこまれて解雇されるのも困ります。

その旨をハローワークに伝えたところ、「そういうことであればハローワークでその職場を調べ、対象であればこちらから職場に連絡するようにしますので少し時間がかかりますが待ってください」との事でした。

これならば相談した人が特定されないので大丈夫と言われ、実際待っている状態です。私自身は今の職場が気に入っており辞める事はないのですが、将来のことを考えるとどうなるかわかりませんので雇用保険に入っておけば何かあった時大丈夫だろうと思っています。

最終的に自分が所長に言う場合、気まずい思いをせずに雇用保険に入れてくださいと伝えるにはどうすればいいか迷っています。

すぐ解決とは思いませんがよろしければアドバイスをお願いします。


回答者 ゲン


これは、事業主の義務やから、言う言わんに関わらず雇用保険には入っとかなあかんことなんやがな。

ハローワークに相談したと言うのなら、今のところ、その結果を待つのが一番ええのと違うかな。

今回は、法律的な対応ということやなしに、なるべく穏便に、その所長にあんたの気持ちが通じたらええという希望のようやから、そのことを中心にアドバイスしようと思う。

『最終的に自分が所長に言う場合、気まずい思いをせずに雇用保険に入れてくださいと伝えるにはどうすればいいか迷っています』ということなら、それほど難しいことやないと思う。

『自営業を営む親戚から新聞販売店が「雇用保険」に入っているかどうか聞かれました』と言うのを正直にそのまま、その所長に言うたらええのと違うかな。

その親戚の人の言葉として「何かで最近は不景気ということもあり、雇用保険も入ってない零細企業が多くて問題が多いらしいと聞かされたから、お前のところはどうなんだ」と心配されたとでも言えばええ。

その親戚の自営業者の人も、そういう意味合いで言うたことやと思うしな。ただ、あからさまに「新聞販売店が」とは言わん方がええやろ。

「その時、私は大丈夫よと答えたんですけど、大丈夫ですよね」とでも言えば言い方としてはカドは立たんと思う。雇用保険に入ってないのを知らんふりをするわけや。

その相手と揉めたぁない場合は、言いにくいこととか、言いにくい相手には湾曲な言い回しを考えることや。

一番ええのは、誰かが言うたから、あるいは本などに書いてあったからとかという具合に、いかにも自分の意見やないように装うことや。この場合、親戚の人のせいにすることがそうや。

断っとくが、言いにくいことを誰かのせいにするというても、すぐバレる人間のせいにしたらあかんで。嘘も良うない。その人間にも迷惑がかかるし、事がややこしくなるだけやからな。

この場合は、まさか、その販売店の所長が、あんたの親戚の自営業者さんに「いらんことを言うな」とも言えんやろうから、ええと思う。そう思える相手を選ぶことや。

当然やけど、所長もあんたに「辞めるつもりか」とも言えん。あんたの意見やないということになっとるからな。

それに、そう言うた時の所長のリアクションも良う見てたらええ。困るとは思うが、それでどうするか、その行動でその所長の人間性を判断することも出来る。

そして、それを言う時は、何気なくというタイミングを見計らうことや。改まった感じは避けといた方がええ。それと、なるべくなら、1対1の時を選ぶことや。

気のええ人間やったら「実はまだなんだ。どうしたらいいのかな」と言う場合もある。それが<
他の従業員のおる所では言えんということがある。面子にこだわるわけや。

喧嘩をするとか、相手を追い込む場合は、誰かがいとる時を狙うのもええけど、そうでなかったら、一応、相手の立場も考えた方がええ。

特に、こういう雇用保険に入ってない販売所というのは、単に経費の問題で知ってそうしとるというのやなしに、知らん場合がある。

つまり、そういう知識が欠落しとるのや。雇用保険に限らず、労災保険、社会保険は新聞屋には必要ないとさえ考えとる場合がある。

それは、悪意というよりも、その販売店の慣習、もっと言えば、その地域全体の業界常識のようなものかも知れんわけや。その地域の販売所一帯がそうやということも考えられるしな。

せやから「どうしたらいいのかな」と水を向けられたら「ハローワークへ相談されたらどうです。簡単なようですよ」とでも言うといたらええ。

ここで、その所長の様子を見ていて、あんたの言うことを無視するようやったら、それ以上は何も言わん方がええ。今のところはな。

ただ、無視を決め込む人間は、例え、ハローワークからの連絡や提言でも知らん顔をすることも考えられる。

そういう人間には、穏便な言い回しは、おそらく役に立たたんやろと思う。その後は、あんた次第やけど、不安を抱えたまま仕事を続けたくはないということなら、いくらでも方法はあるから、また、その時に別に相談してくれたらええ。

法律的なことも含めて、そういう経営者を追い込むことは簡単やからな。せやけど、それには、あんたの覚悟もある程度必要や。最悪、辞めてもええくらいのな。

あんたは、今のところそうやないということやから、今回は、そういう次善の方法についてのアドバイスは止めとく。知ってれば、話の中でついそういうことが、口をついて出るということもあるしな。今は、それは得策とも思えん。

もっとも、こういうことをインターネットで調べるくらいの人やから、そのくらいは知っとられるかも知れんけどな。

ただ、ワシの感触としては、その所長は上手く話せば分かるような気がするがな。

『所長の方からも面接時には「すぐやめないで欲しい」就業時には「遅くまで居ないで欲しい。長く居ても6時半まで」と何度か言われました』

ということやから、あんたのことを考えとるか、労働規則のことはある程度知っとるとも受け取られる。それなら、簡単ななぞかけで分かるはずや。

いずれにしても、それで、好転せんようやったら、また、相談してくれたらええ。


補足


ここで、注意して貰いたいことが一つある。ハローワークに相談するか、もしくは、ワシのアドバイス通りに言うた方がええと思うても、なるべくなら、両方、同時期にせん方が無難やと思う。

ある読者の方から、その所長がハローワークからと相談者の両方から、ほぼ同じ時期に同じような話を聞かされると、疑惑を持たれるのではないかという指摘をして頂いた。その相談者が、ハローワークに働きかけているのではないかと。

そう受け取られれば、せっかくの穏便策が裏目に出んとも限らん。そこで、念のため、ハローワークに、こちらからも問い合わせてみた。

ハローワークでは、この種類の問題については事業所、この場合は販売店に従業員の雇用保険が未加入であることは、調べればすぐ分かるから、まず、その連絡をする。

その際、場合によっては雇用している人の就業時間関係を提出して貰い調べた後に、雇用保険に入るよう指導する形になるのが一般的やと言う。

せやから、そこの従業員が、経営者には何も言う必要はないということや。

つまり、この問題は、この相談者がすでにハローワークに相談していることで、解決済みということになる。この場合、販売店の所長に一切、何も言わないというのがベストということや。

そして、その趣旨のことを、ハローワークの人も相談者に言ってるようやった。相談欄に「これならば相談した人が特定されないので大丈夫と言われ、実際待っている状態です」とあるのがそれや。

おそらく、ハローワークの人が、相談者に直接、経営者に対して何も話す必要がないと言わんかったから、当サイトに相談して来たんやと思う。

うかつにも、相談メールにそれがあったのを、見過ごしていたようや。この相談者には、早速、そのことを連絡して、注意するように言うた。

それにしても冷や汗をかいた。常に、相手の立場を考えるということをモットーにしとるはずが、いつの間にか、アドバイスする立場だけで、そうしていたようや。

一番大切なことを忘れかけていた。これを読む読者が、どう捉えるかと言うことをな。そういう意味で、今回、このことを指摘して頂いた方には本当に感謝したいと思う。

また、これからも、読者の方々に、疑問の生じるようなことがあったら遠慮なく教えて貰いたいと思う。当たり前やが、ワシのアドバイスが常にベストということはないからな。


追記

投稿者 もりむさん 新聞販売店事務員 投稿日時 2005.12.16 PM 7:17


今晩はもりむです。いつもサイトを拝見しております。
以前雇用保険についてご相談致しましたが、今月に入り無事雇用保険に加入できた事をお伝えしたくメール致しました。

新聞販売店に勤務する方に何かの参考になれば良いかなと思い、詳しい経緯をお話いたします。

10月半ば何の予告も無く(電話もありませんでした)労働局の職員2名が来店しました。

職員からは調査により労災・雇用保険に入らなければならない事・その対象になる方(この場合勤務時間なので集金の方は除く)このまま入らない場合督促状が来る事・雇用保険はまとめて払えば若干安くなる事などを話されていました。

ちなみに10月は労災・雇用保険加入強化月間だったので即座に来られたようです。

職員からもらった書類に記入しましたので、雇用保険に入った事は薄々感じてたのですが、所長から改めて直接雇用保険に加入したと言われて無かった事と給料から保険料が引かれてなかったので心配になり、今月に入って直接職安で確認した所、今年4月から12月までまとめて保険料を払っていた事がわかりました。

これで雇用保険については一安心しました。
ハカセ・ゲンさんには丁寧にお答えくださってありがとうございました。
また回答をサイトにUPした時はどの新聞店からか、わからないようご配慮してくださり感謝しております。

新聞について何かありましたらご協力致しますので気軽にお声をかけてください。


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