新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1174 契約日の不掲載について
投稿者 C.Nさん 投稿日時 2012.10. 5 PM 2:57
簡単な質問で申し訳ありません。
新聞契約書の控えがあるのですが、その時の日付がありません。
よくわかりませんが、その時に日付は入れないで、と言われたように思います。
この書類は契約書として有効なんでしょうか?
回答者 ゲン
『この書類は契約書として有効なんでしょうか?』ということやが、それはあんた次第で違うてくる。
あんたが、その契約は無効やと言えば、無効になる可能性が高い。
あんたから契約を貰った勧誘員は、依頼先の新聞販売店には必ず日付を記入して提出しているはずや。せやないと販売店は契約書として受け付けんさかいな。報酬も発生せん。
そうなると、新聞販売店の持っている契約書には契約日の記載があり、あんたの契約書には契約日の記載がないということになる。
その時点で、契約の大原則である「双方同じ契約書を持つ」ということに反する。
また契約日の記載がないということは「クーリング・オフ」の告知を行っていないと解されるから、通常の8日間という制限を受けないで「クーリング・オフ」ができるとも解すことができる。
あんたが望めば「契約書の双方不一致」で、その契約を解除することができ、「クーリング・オフ」をしようと思えばできるということや。
しかし、あんたにその気がなければ、それはそれで契約が成立する。
どんなに契約書に不備があろうと、当事者同士が、それで良しと認めれば契約は成立するし、揉め事にもならんさかいな。
『あんた次第で違うてくる』と、ワシが言うたのは、そういうことや。
但し、期日の制約はある。
それは、その契約による新聞の配達が開始されるまでに、解約するのなら、その主張をすることや。契約日の記載がなくても新聞の配達開始日くらいは書いとるはずや。
新聞が配達された直後の1ヶ月くらいまでの間は微妙なところやが、1ヶ月が経過し、一度でも新聞代の集金に応じてしまえば、あんたはその契約を認めたものと判断され、その契約書に記載されているとおりにその契約を遂行する義務を負うことになる。
つまり、新聞が配達されて、その代金を支払った後から契約書の日付がないという理由で、その契約書の不備を主張しても遅いということやな。
「クーリング・オフ」の場合は、新聞が配達されてから少なくとも8日間以内に文書による解約通知を出す必要がある。
普通に考えて、その勧誘員にとってはリスクしかないようなことやのに、なぜ『その時に日付は入れないで』と言うたのか。
一つには、あんたがその契約を無効にするとは考えていないということがある。良く言えば、その勧誘員は、あんたを信用しとるということやな。
二つめは、その勧誘員は、あんたの契約をストックしといて違う日に販売店に提出するつもりやということがある。
勧誘員は坊主(契約ゼロ)というのを極端に嫌う。その日、その勧誘員にとって他で十分な契約が上がっていれば、別の日の契約としてストックしておこうと考える者もおるということや。
いずれも、あんたがその契約を無効やと言い出さんという確信があるためにできることや。
ただ、昔は、契約日の日付を書かないことで、「クーリング・オフ」を阻止する目的というのもあったが、それは今ではあまり通用せんから、そのケースは少ないと考えてええやろうと思う。
そんなことをすれば、契約者であるあんたを怒られることにしかならんさかいな。
そうなれば「クーリング・オフ」云々の話やなく、『契約書の双方不一致』だけでも十分無効になるから意味がない。また消費者契約法の「不実の告知」にも該当するから、そんな契約を解除するのは造作ないしな。
過去、このQ&Aで散々それについて言うてきたということもあるのか、ここ数年、そういうケースはめっきりと減ってきとる。
あんたの場合は、おそらく一つめと二つめの理由から、その勧誘員がそうしたのやないかと思う。
あんたの話からは、特にその契約を解約したいという意志は感じられん。
ただ、あんたがその契約を解約したいのなら、契約時に貰った拡材(景品)を返せば、まだ新聞が配達されていない状態なら解約できる可能性があると言うとく。
もっとも、あんたの場合は『その時に日付は入れないで、と言われ』ということで、それを知っていて応じた、黙認したとも受け取れるさかい微妙なところやがな。揉めるとすれば、それで揉める可能性がある。
それでも、契約の大原則である「双方同じ契約書を持つ」というのは民法で規定されとる法律やから、揉めても最終的には解約できるやろうと思う。
あんたが『この書類は契約書として有効なんでしょうか?』と質問された真意は良う分からんが、日付のない契約が有効か無効かは、あんたの判断一つやと言うことや。
ただ、解約したい場合は、実際の契約日程度のことは調べれば分かるので、実際の契約日の8日間以内にJP(日本郵便)の窓口で クーリング・オフの手続きされることを勧める。
その方法はサイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』 にあるので、そのつもりなら参考にしてくれたらええ。
何事においてもそうやが、真実に基づいた主張をされることや。真実は何よりも強いさかいな。相手はその真実の前には腰が引けるし、あんたはその真実故に強く出られる。
単に参考程度として質問されたのなら、そういうことやから、新聞購読契約程度のことで契約日の記載がないというのは、契約者の意向次第でどうにでもなるさかい、それほど大きな問題やないと言うとく。
ただ、それ以外の契約では取り返しのつかん事になるケースも十分考えられるので注意されといた方がええやろうな。
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