新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1188 ここ1年ほどの間に異常なほど解約が増えて困っています


投稿者 匿名希望さん 某新聞販売店従業員 投稿日時 2012.12. 3 PM 10:51


ゲンさん、ハカセさんに質問です。

僕の勤めている販売店では、ここ1年ほどの間に異常なほど解約が増えて困っています。

理由としては、「新聞はウソばかり書く」とか「正しい報道をしていない」というのが多いです。こんな理由は僕らではどうしようもありません。

うちは、お客を大事にするという社長の考えで揉めることなく解約に応じていますが、これでいいのでしょうか。

何かくい止めるいい方法はないのでしょうか。


回答者 ゲン


『ここ1年ほど異常なほど解約率が高い』ということやが、確かにあんたに示された数字を見ると多いな。その数字を公表すると、あんたの販売店が分かってまずいということのようやから、ここでは伏せるが。

解約を希望する人の理由としては、新聞を読まない、新聞代を払えない、勧誘員に騙された、集金人と揉めた、新聞の不配が多いというのが定番やった。

しかし、去年の東日本大震災後、もっと言えば福島第一原発事故以降、新聞は正しい報道をしていないという批判に晒されることが多くなった。

政府や電力会社に気を遣った報道しかしていないと。鵜呑みにしていると。

それが『「新聞はウソばかり書く」とか「正しい報道をしていない」』という苦情となって表れたのやないかと思う。

これについては、ワシも2011年4月22日発行のメルマガ『第150回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その1 原子力発電の廃止とその代替案について』 の中で、


原発事故の発生した当時から、事故そのものは大したことはない、すぐに収束すると政府や東電は言い続けてきたが、事態は日を追う毎に悪化していった。

その過小評価の発表の裏には、国民の原子力に対する無知につけ込み、実にええ加減な情報を流していたということがあった。


と言うていたが、実態は、まさにそのとおりやったというのは、今では殆どの人が知っている周知の事実や。

なぜ、そんなことをしたのか。

「パニックを抑えるため」と説明するのやろうが、実際のところは原発廃止、またはその機運が盛り上がっては困る電力会社と政府、およびその利権を有する原子力村の意向が働いたからやと思う。

それについては、そのメルマガの中で『正しい情報が知られるときが必ずくるはずや』と言うたとおり、当時の原発事故報道の大半はウソ、あるいは捏造された記事で占められていたというのが分かってきた。

新聞が、それに関わったかどうかまでは断言できんが、荷担していると見られても仕方のない報道が多かったのは確かやと思う。

今まで電力会社および原子力村関連企業から多額の広告費を得ているという客観的な事実があって、スポンサーに不利な報道はしにくいという状況もあるさかいな。

それがあるだけに、単に政府や電力会社の発表を信じただけという良い訳では一般購読者を納得させるには弱い。またそれで通る、通すのやったら、新聞に値打ちなどない。官報と一緒やさかいな。

加えて、政治資金規正法違反とやらで検察審査会による強制起訴をされた際、異常なまでの小沢氏叩きを展開したとも言える新聞報道にも原因の一端があったと考えとる。

小沢氏が有罪であるかのような報道一辺倒やった。ワシらのような素人が、ちょっと調べるだけで「そら、えん罪や」言える事件でありながらである。

結果は、ワシらの当初の予想通り、一審、二審とも無罪判決が出たが、新聞報道では未だに、その小沢氏に同情することもなければ擁護する報道もない。むろん、謝罪報道など皆無や。

それどころか、「無罪になっても無実ではない」という論調になっている。

普通、何らかの罪に問われ無罪が確定した後で、その個人を新聞がそれでも叩き続けるということは考えられんことで、むしろ同情的な報道になるもんやが、事、小沢氏に関しては、その常識は通用せんということが証明された。

何があろうと小沢氏を叩き続けるという執念、怨念すら感じる。そこまで小沢氏に恨みがあるのかと。

ワシらは事ある毎に、そんなアホなことを新聞はするべきやない、こんな事を続けとると歴史に汚点を残すと警告してきたが、それ以前に新聞の購読者が、新聞の姿勢、やり方にノーという判断を下したのやないかと思う。

この小沢氏叩きの報道も原発事故と時を同じくしている。そして、結果として僅か1年余りという短期間に100万部近い部数減になったという事実が残っている。

新聞が長期凋落傾向にあるのは確かやが、それでも公売部数で100万部減少するには数年を要していたことを考えれば異常に多い数字ということになる。

これをどう捉えるかやが、少なくとも原発報道や小沢氏報道が、大幅な部数減の大きな要因の一つになっているのは間違いないとワシらは見ている。

『「新聞はウソばかり書く」とか「正しい報道をしていない」』と言われ解約される口実になったのが何よりの証拠やと。

しかし、それで新聞社が直接、痛手を受けるということはない。その責任のしわ寄せは「押し紙」という形で新聞販売店に降りかかってくる。あるいは無理な顧客獲得を迫られる。

この件は新聞の誤報、捏造とは種類の違うものかも知れんが、それらと同じく、新聞社の報道故に現場の人間が泣かされる典型的な事案であり、構図やと思う。

ついでに言えば、テレビの民法各局も新聞社の意向が働いたためか、ほぼ同様の放送を繰り返していた。原発事故は大したことはないと。小沢は「政治とカネ」に汚い政治家だと。

その結果、新聞同様、テレビ離れという事態も起きている。まあ、テレビの場合は他にも地デジ化によるBS放送やケーブルテレビに流れていったということもあるやろうが、それらの事も凋落している理由の一端になっているのは確かやと思う。

国民はバカではない。新聞やテレビ報道の讒言に惑わされる人間ばかりではない。きちんとその背景を調べる人も多い。その結果、「新聞はウソばかり書く」とか「正しい報道をしていない」と指摘されることになるわけや。

その姿勢が改まらん限り、新聞やテレビの凋落は加速度的に進むやろうと思う。

そして、『僕の勤めている販売店では、ここ1年ほど異常なほど解約が増えています』という状況が今後も継続していく可能性が高い。

ただ、それで済ませたんでは、あんたの『何かくい止めるいい方法はないのでしょうか』という相談の回答にはならんので、今からその方法を教える。

『うちは、お客を大事にするという社長の考えで揉めることなく解約に応じています』というのは経営者の考え方で販売店の姿勢やろうから、それはそれで仕方ない。

少なくとも、あんたの店自体が悪いとは思われんやろうから、後日を期すことができる。

問題は、あんた自身が、今後「新聞はウソばかり書く」とか「正しい報道をしていない」という苦情を聞いた時やが、こういった販売店レベルで解決できんような苦情を受けた場合、ストレートに客の意向を受け止めるのはまずい。反論もせん方がええ。

そういった場合、「新聞はウソばかり書く」とか「正しい報道をしていない」という理由を、まず聞き出し、同調することから始めることや。苦情があれば、すべて吐き出させることに徹して、ただ聞き続ける。

その上で「本当に原発事故の報道には私らも怒って新聞社に抗議しているんですよ」、あるいは「無実になった人を責めるのは私も悪いと思います。分かりました。販売店からの苦情ということで本社に文句を言っておきますので、しばらく私に免じてお待ちください」
などと言って、なるべくその場を躱すことや。

人というのは、何か気に入らないことがあって苦情を言うた際、相手が親身になって聞いてくれていると思えば、それだけで気が済む場合が多い。

自分に同調する人間に向かって怒る者は、そうはおらんさかいな。それが解約するという気持ちを思い止まらせることにつながる。

しかし、それでもどうしても納得せん客も中にはいとるかも知れん。その場合は、解約に応じる前に、契約期間が残っているのなら「取り敢えず配達休止にさせて貰いますので」と言うのも方法や。

休止扱いなら「解約」とは違うから、新聞社への対面を保つことができる。数字上も部数減にはならん。加えて、購読者には冷静になって貰うための冷却期間を設けることができる。

実際、原発報道などは去年と今とでは、かなり変わってきているさかい、その方法はそれなりに効果があると思う。

しばらく時間をおいて、そういう状況になれば、その記事を見せて、ウソでも「○○さんの抗議を本社に伝えたところ分かって貰えました。その甲斐があってか、最近の報道は変わってきていると思いますので、堪忍してやってください」と言えば、また購読を再開して貰えることもある。

小沢氏の場合は、新聞社との確執に根深いものがあるから、何とも言えんが、新聞本社の偉いさんの中にはワシらのサイトを見ている人もおられるので、「それではまずいな」ということで、その報道内容が変わる可能性も「なきにしもあらず」やと思う。

つまり、何事も時が経てば好転することもあるということや。物事を先延ばしするというのは、あまりええ方法とは言えんケースが多いもんやが、事、苦情処理においては、この冷却期間を設けるというのは結構効果的な場合が多い。

もちろん、根本的な解決にはならんかも知れんが、新聞販売店の立場として新聞記事の編集内容にまで口出しできん以上、その場を躱すしかないと思う。

ベストではないが、よりベターな選択をするしかないと。現在の立場で、できることをするしかないと。

いずれにしても、いつの時代も新聞社の尻ぬぐいは現場の者がするしかないのやけどな。新聞社の連中は顧客の顔は見えんが、顧客にはワシらの顔しか見えんわけやさかいな。必然的に文句や苦情を言われるのは現場の者ということになる。

それを理不尽やと嘆いても仕方ないということや。そういう世界で生きている限りはな。


白塚博士の有料メルマガ長編小説選集
月額 210円 登録当月無料 毎週土曜日発行 初回発行日 2012.12. 1

ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム