新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.119 ゲンさんは最近の悪徳住宅リフォーム業者の報道をどう思われますか
投稿者 セキグチさん 男性45歳 自営業者 投稿日時 2005.7. 1 PM7:05
お久しぶりです。以前、Q&A NO.43で質問させていただきましたセキグチです。今回、また、ゲンさんのご意見をお伺いしたくメールを差し上げた次第です。
もう、すでにゲンさんはS社グループのリフォーム詐欺事件のことは、ご存知でしょうが、以前、住宅リフォームの営業もされていた経験から、今回のことはどう思われますか。
以前にも、申し上げました通り、私も小さいながら住宅リフォーム会社を経営しているのですが、やはり、新規のお客さんへの営業は、今回のこの事件の影響と思われますが、非常に厳しくなっています。
ホームページで「蛇蝎の如く」と表現されてましたが、その意味が良くわかります。正に、私も営業の最中、そういう目つきでお客さんから見られました。
私にとっては、そういう見方は過去にもあまりされた経験がなかったもので、正直、かなりショックなことでした。
ただ、単に断られるということは良くあることで、気にはならないのですが、今日などは「そんなうまいことを言っても騙されませんよ」と言われ、けんもほろろに追い返されました。
失礼な言い方で申し訳ありませんが、拡張員の方も同じような嫌われ方をされておられるように、ホームページから感じたのですが、そのような場合、どのように対処されておられるのでしょうか。また、どう考えたらいいのでしょうか。
正直、しばらく新規の営業は見合わせようかと思っています。今の、ゲンさんには全く関係ないことかも知れませんが、何かヒントでもあれば教えていただけないでしょうか。
回答者 ゲン
この事件の報道はここのところ毎日されとるな。報道を見る限りは、相当、えげつない営業をしとるようや。
あんたも、もう気付かれとるとは思うが、このグループは、ほとんどが素人営業のようや。プロの建築屋にこんな営業は出来んからな。
もっとも、住宅リフォームの営業に建築のプロが少ないというのは今に始まったことやないがな。それにしても、ここは酷い。
下手な業者に任すというのなら、僅かでも良心がありそうやが、どうも、工事の施工まで素人を集めてやらしとるようや。
これは、単に工事費を安く上げようということやない。ちょっとでも、建築の心得があればこんな工事は普通はせんもんや。
つまり、こういう素人まがいの施工会社の言いなりになる業者は、よほどの食い詰めやない限りおらんやろということや。
例え、おっても、その工事の依頼には文句を言うはずや。どんな工事会社でも建築の看板を出しとるからには、それなりのプライドがあるからな。
せやから、わざと素人を使う。素人なら何が何か分からんから、言われた通りに施工する。そういう、専門の工事をする派遣会社まで作っとるというから恐れ入る。
本当に、えげつないことを考えるもんや。昔から、悪徳業者や欠陥工事というのは良うあることやが、このケースは群を抜いてえげつなさすぎる。ここまで、無茶苦茶なのはワシも知らん。
普通、住宅リフォーム工事で詐欺罪というのは、立件が難しいとされとったし、刑事事件にすら問われることもほとんどなかったと思う。それが、立件されたというだけでも、この業界でめしを食うてたことのある人間としては、ただ驚く他はない。
しかし、一般は、これが特殊なケースやとは思わん。他の業者も似たことをしとると思うもんや。その意味では、あんたの置かれた状況には同情する。
今は、住宅リフォームの営業というだけで、どうしても胡散臭く白い眼で見られるやろからな。正直、やってられんという心境やろと思う。
ただ、あんたは拡張員も同じような嫌われ方をされとるように思われとるようやけど、それは、ちょっと違う。
確かに拡張員の一部には、強引な営業で客を困らせる者はおる。それの行きすぎた人間も逮捕されとる。その否定はせん。
しかし、ワシが違うと言うのは、ワシら拡張員が売っとるものは、詐欺まがいの商品とは違うということや。ワシらの商品の新聞は、大多数の人間の評価を得、認知されとるもんや。その歴史も古い。
ただ、その売り方に問題があるにすぎん。この悪徳リフォームのように、新聞という商品に欠陥があり、それを読むことで読者が何らかの被害に遭うということはないはずや。
むしろ、新聞を欠かさず読むことで得られる知識は貴重やと胸を張って言えるくらいやからな。
せやから、例え、客がそういう胡散臭い目つきをしていようと、ワシらには新聞自体がまがい物やないという拠り所のようなものが、その根底にはある。そこが、根本的に違う。
ワシもその違いを信じとるからこそ、その新聞の売り方にこだわっとるわけや。その売り方さえ間違わなんだら、新聞の勧誘員、拡張員というのは、真っ当な仕事やからな。少なくとも、人に後ろ指を指される謂われはない。
そうは言うても、新聞の契約でのトラブルも多い。このサイトのこのコーナーにも当然のように多いしな。
問題の大半は、売り込む側の勧誘員にある場合がほとんどやが、客側も契約の何たるかを知らずに安易に契約を結ぶ場合が、結構、目立つ。
ワシは、その都度、苦言を言うとるがな。ワシが、そう言うのは、こういう悪徳業者対策の一環でもあるわけや。
ワシは、あんたも知っての通り、建築業界におった人間やから、当然、こういう悪徳業者がおるのも良う知っとる。
そういうのに、引っかかった場合、新聞の購読契約程度のことで済まんのは、他の誰よりも熟知しとると思うてる。せやからこそ、契約の怖さを知って貰う上でも苦言を呈しとるわけや。
こういうことをワシの口から言うのも語弊があるかも知れんが、そういうものから比べたら新聞の購読契約くらい、たかが知れてると思う。取り返しがつかんような事態になることは、よほどでないとないやろからな。
それには、やはり金額的に大した負担とも思えんということもあるし、また、解決不可能なトラブルもほとんどないと考えるからや。少なくとも、ワシはそう思うてる。
マイナスの出来事をプラスに活かすということで言えば、この新聞購読トラブルに一度でも巻き込まれた人は、契約というものに対して、少なからず慎重になるはずや。
せやから、こういう、悪徳業者に騙されて契約するということも減るのやないかと思う。少なくとも、このサイトに契約のことで相談された方はそうやと信じたい。
『正直、しばらく新規の営業は見合わせようかと思っています』
と言うことやけど、あんたがそう思うのなら、そうしといた方がええかも知れん。営業は精神面の作用が大きい仕事や。気乗りのせん時の営業はええ結果も生まんやろしな。あんたに余裕が少しでもあるのならそうすればええ。
ただ、営業にもいろんな方法があるから、何も新規客にだけこだわる必要もないやろ。あんたも、その仕事を長く続けられとるのなら、固定客、常連客もいとると思うから、こういう時は、そういう客廻りをするのも一つの手やないやろか。
「こういう事件には気をつけて下さいよ」と言うても、今やったら比較的簡単に話せるし、興味を持つ人間も多いはずや。また、悪徳業者の撃退法なんかを教えるのもええかも知れん。そういう客を通じて、その手の相談に乗るというのも営業につながることもあるしな。
あんたは、この事件報道によるマイナス面ばかりに悩やんどられるようやけど、真面目な商売をしとる限りは、この報道も結果的にはプラスに作用するはずや。
悪徳業者には、その手口をこれからも大々的に公開され、暴かれるから辛いやろと思う。その分、プラスやと思えばええ。
気持ちの持ち方だけでも、そう思うとかな損や。何をするにしても、何か事が起きたらどうしようという姿勢では身が持たんで。何でも、ええことと悪いことは表裏やからな。
問題は、それをどう受け取り、どう考えるかで違うものになるというだけのことやと思う。