新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1212 クーリングオフしたのですが、その後の対応について


投稿者 匿名希望さん  投稿日時 2013.3.12 PM 9:05


はじめまして。よくある質問かと思いますがクーリングオフ後の対応についてご相談させてください。

先日の土曜日に、「ノルマがあと1件足りないんです。集金の人には私がお金を出しますんで、4月から3ヶ月間新聞を入れさせてください」と言われ契約に応じました。

帰宅した主人に「それってよくある詐欺の勧誘じゃないか?」と言われ、たしかに口約束だけで、「店には内緒にしてください」と言われたので無料とは書面には残っていません。

いろいろネットで調べたところ同じような被害にあってる方もいましたので月曜日にクーリングオフの文書を新聞店に送りました。(簡易書留ではがきです)

今日(火曜日)に届いたようで(郵便の追跡サービスで確認しました)日中、新聞店から電話がかかってきましたが、仕事の為出られませんでした。

今日、帰宅しドアを閉める瞬間に「奥さん、先日はどうも〜」という声が聞こえてきました。穏やかそうな声ではありましたが明らかに勧誘員の方です。

クーリングオフのハガキが届いた直後の訪問な上、どこかで帰ってくるのを見てたのかと思ったら怖くなってしまいバレバレだとは思いますが、しばらく動けず、玄関で息を潜め居留守を使いました。

ドアスコープで見てみましたがいなくなっており、インターホンを押すこともなく帰ったようです。(カーテンも閉めたので外の様子はわかりません)

何をしに来られたのでしょうか?

今のところ新聞店から2度目の電話もありません。

また明日も帰宅のタイミングで来るんじゃないかと、とても不安です。

もし来られた場合、どのように対応すればいいのでしょうか?

ご意見をいただければと思います。宜しくお願い致します。


回答者 ゲン


今回のケースでクーリング・オフをされたのは正解やったと思う。ご主人の言われるように、勧誘員が『集金の人には私がお金を出しますんで』、『店には内緒にしてください』と言うのは殆どの場合、騙されるケースが大やさかいな。

中には、本当にそうする場合もあるとは聞くが、それでもそういうのを真に受けて続けていると、いつかはトラブルを招くことになる。このQ&Aにも、その手の事案は腐るほどあるさかいな。

『クーリングオフのハガキが届いた直後の訪問』というのが、勧誘目的、もしくはクーリング・オフを翻意させるために訪れたのなら法律に触れる可能性が高い。

『特定商取引に関する法律』というのがある。

ちなみに、この法律の第9条にある『訪問販売における契約の申込みの撤回等』というのが、俗に『クーリング・オフ』と呼ばれとるものや。

その『特定商取引に関する法律』の第6条第3項に、


販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。


とある。

分かりやすく言うと、契約した客がクーリングオフを申し出ているのに、それを防ぐため、あるいは翻意させようとして訪問し、脅したり威圧したりして困らせるような行為の禁止ということやな。

これに違反すると、2年以下の懲役・300万以下の罰金に処せられるという罰則規定がある。

実際、2005年にこの法律を適用され逮捕された新聞販売店の従業員がおる。その時、新聞やテレビなどで実名報道された。業界では有名な事件や。

そのため法律に疎いと言われる新聞販売店の人間でもクーリング・オフ後の勧誘目的、または、クーリング・オフをした理由を問い質すために再訪することが違法になるというくらいは知っとるはずや。まあ、中にはそんなことすら知らん者もおるようやがな。

言うまでもないが、クーリング・オフというのは、その適用期間内なら、理由の有無を問わず、またその理由を知らせることもなく消費者側から一方的に契約の解除ができるという法律や。

あえて、その理由を言うとしたら単に「気が変わった」だけでええ。

「そこを何とか考え直してください」と翻意させ再勧誘をするような行為は、この法律で禁止されていて、その程度により、各警察署の判断でも違うが、違法性が高いとして逮捕するケースもあるということや。

但し、クーリング・オフ後の再訪が許されるケースが一つだけある。

あんたは、その勧誘員に『集金の人には私がお金を出しますんで、4月から3ヶ月間新聞を入れさせてください』と言われたとのことやが、その時、他にサービス品を受け取ってなかったのかな。

もし、そのサービス品を受け取っていた場合、販売店の人間がそれを引き取りに来たというのなら、これは正当な行為とみなされる。

ごく稀に、クーリング・オフをすれば貰ったサービス品など返さなくても良いと勘違いされている方がおられるが、それは違う。

その理由がクーリング・オフであれ、違法行為であれ、一方が契約解除を望めば、民法545条の「原状回復義務」の規定により、その契約の条件として貰った物はすべて相手方に返還する義務が生じる。

契約解除というのは、双方を契約以前の状態に戻すということやさかいな。両者に損得があってはならんと法律は言うてるわけや。

クーリング・オフや違法行為は、単に契約の解除ができる権利を有するだけで、それにより利益が得られるわけやないと。

せやから、その新聞店から電話がかかってきた場合、サービス品を貰っているのなら、その返還のための方法と受け渡しの日時を伝えて返したら、すべて終わる。

サービス品など何も受け取っていないのなら、その必要はないがな。

『もし来られた場合、どのように対応すればいいのでしょうか?』ということやが、その勧誘員が怖いのなら相手をせず、その場で、その販売店に電話をすることや。

貰っているサービス品を受け取りに来たと言うのなら、念のためドアチェーンをしたままで、その受け渡しをするなり、あんたの都合のええ日時、ご主人が在宅されておられる時にでも再訪するによう伝えたらええ。

そうすれぱ、その販売店から、その勧誘員に電話で指示がいくはずやから、すぐに引き上げるものと思う。

貰っているサービス品が何もないなら、「気が変わったからクーリング・オフした」とだけ伝え、その時に「もう二度と来ないで欲しい」と通告すればええ。

同じく『特定商取引に関する法律』の改正法の第3条ノ2第2項に「再勧誘の制限」というのがある。


販売事業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意志を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。


つまり、一度断った客には次から勧誘したらあかんということや。これは口頭でも構わんとされていて、「もう二度と来ないで欲しい」と通告することで、この法律が適用される。

この「再勧誘の制限」に違反すると、業者である新聞販売店は業務停止命令などの厳しい行政処分が下されるということになっとるから、その新聞販売店に電話して苦情を言うか、新聞社、および新聞公正取引協議会、または国民生活センターなどに通報すれば、それで終わるはずや。

クーリング・オフ後の再勧誘に関しては、ほぼすべての新聞社が販売店に、「そういうことはしないように」と厳しく通達しとるから、それが知れると、その新聞販売店はかなりきつく叱責され、不味い立場になるものと思う。

それでもラチがあかん場合は、最寄りの警察署、この場合は市民安全課(警察署によって呼び名は多少違う)あたりに通報することを勧める。なるべくならいきなり、刑事課に相談するのは避けた方がええと思う。

そうすれば、明らかな違法行為を犯し、それを無視しとると判断して警察署から、その販売店に何らかの事情聴取、注意があるはずや。

さすがに、そこまですれば何も言うてくることはないやろうと思う。もし、それでも困るようなことがあれば、遠慮なくまた相談されたらええ。


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