新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1216 新聞の購読を取り止めたいのですが


投稿者 Aさん  投稿日時 2013. 4. 5 PM 10:53


初めまして、関西在住のAと申します。

新聞の購読を取り止めることでトラブルがあり、解決方法を探しているところこちらのサイトに辿り着きました。

ご意見を頂きたく、メールさせていただきました。

先月、平成25年4月から平成29年までの購読の契約を知らせる葉書が届きました。だいぶ前に契約をしたらしいですが(契約した父は忘れていたと言っています)、現在のこちらの経済状況は変わり、新聞をとり続けられないことになっています。

なので、3月18日に『前と経済状況が変わった為、購買はしません』と相手方へ連絡をしました。しかし4月1日から新聞は配達されています。最初は、「支払いができないので新聞を投函しないでください」の張り紙を貼ったのですが、それを無視して毎日投函されています。

もう一度相手方に電話をすれば、担当者が訪問してきました。購買をする気はないと伝えると、『営業マンと配達者は雇用のされ方が違うので、わざわざ家を訪問して契約を頼みに来たその営業マンの給料分を払ってもらわなければ困る。最低1ヶ月(さらに半年と長くされました)は契約してほしい』と、言われました。

こちらも『契約したいから来て下さいと頼んだ訳ではなく、勝手にこちらへ来たのに、営業マンの給料を払う分の購買をしてと言われても意味が分かりません』と返しました。

話し合いの末、相手方は購買しない事を承諾して帰られました。しかし本日も新聞は届いています。

このような場合、どのような対処をしたらよいのでしょうか?

宜しくお願いします。


回答者 ゲン


『話し合いの末、相手方は購買しない事を承諾して帰られました』ということで、『しかし本日も新聞は届いています』ということなら、間違って配達された可能性がある。

その担当者が訪問して来た時間帯にもよるが、夜遅いと翌日の配達指示書にあんたの家を「配達不要」にするのが間に合わなかったということが考えられるさかいな。

もっとも、その話し合いの結果を反故(ほご)にしたという可能性もあるがな。

取り敢えず、翌日の朝の状態で判断されてから対応されたらええのやないかと思う。

翌日も新聞が配達されていた場合は、あんたとその担当者との話し合い、約束事は反故にされたと考えられる。2日も続いて配達指示書に「配達不要」と書き加えられないケースは普通あり得んさかいな。

翌日も新聞が配達されていた場合は販売店に電話して、その担当者を呼び出し「先日、私どもが購読しないことを、そちらは納得されて帰られたはずですが、どうして未だに新聞が配達されているのですか」と問い質してみられたらええ。

その際、なるべくその会話を録音できるようにしておくことを勧める。

あんたの言うとおり『話し合いの末、相手方は購買しない事を承諾』したのであれば、単なる間違いということになり問題はない。

しかし、『話し合いの末、相手方は購買しない事を承諾』した事実など知らないと反論された場合は、少し厄介なことになる。

言うた言わんの水掛論になりかねんさかい、話は振り出しに戻ってしまう。

話が振り出しに戻った場合、『前と経済状況が変わった為、購買はしません』というのは契約者の側の一方的な自己事由ということになり、無条件にはその契約の解除はできないと法律で決められている。

一般的には新聞の購読契約程度のものは、いつでも解約できると考えられがちやが、契約と名の付くものは、すべてが法律で保護されるし、規制も受けると知っていて頂きたい。簡単には解約できないと。

契約者側から無条件に解約を通告できるケースは、クーリング・オフ期間中である事か、もしくは、その新聞販売店が明らかな不法行為を行っている場合に限られる。

あんたの話からはクーリング・オフ期間は過ぎているので、それによる解約通知はできそうにない。

そもそもクーリング・オフ制度というのは、契約の解除が難しいがために導入された特別法や。クーリング・オフ期間中に解約の手続きをしなかったということは、裏を返せばその契約を認めたと法的には解釈されるということや。

後は、その販売店の不法行為ということになるが、あんたの話を聞く限りでは契約時において、それはなさそうや。

『契約したいから来て下さいと頼んだ訳ではなく、勝手にこちらへ来たのに』というのは、新聞勧誘の仕事自体がそうしたものやから、あんたにとっては迷惑な話でも法律的には違法とは言えん。

新聞勧誘は公に認められている仕事やさかいな。従って、それについては不法行為とは言えんということや。そう勘違いされる方は多いがな。

不法行為がない場合の自己事由による解約希望には、通常、解約違約金などのペナルティを支払う必要があるとされている。これに関しては新聞購読契約に限らず、世の中の大半の契約事についても言えることや。

その解約違約金については両者の話し合いで決めるしかないが、『営業マンと配達者は雇用のされ方が違うので、わざわざ家を訪問して契約を頼みに来たその営業マンの給料分を払ってもらわなければ困る』という請求は度が過ぎた法外なものやと言える。

それに関しては、あんたの言われるとおり『営業マンの給料を払う分の購買をしてと言われても意味が分かりません』と突っぱねたのは正解やと思う。

まあ、その担当者とやらが言う『営業マンの給料』とは拡張報酬のことで1万円前後の意味やと思うがな。それなら、5年契約に対しての解約違約金顎であれば、それほど高いとは言えん。

ただ、普通『営業マンの給料を払え』と言われれば、大半の人が数十万円の金額を想像するさかい、とんでもない話ということにはなるがな。そうであるなら、その担当者の言い方が悪いとなる。

その担当者の言う解約違約金が『拡張報酬のことで1万円前後の意味』であれば、それを支払い、その上で『平成25年4月から平成29年までの購読の契約』時に貰ったサービス品を返せば済むさかい、自己事由による解約希望であれば、それほど悪い条件やないとは思う。

ちなみに、『平成25年4月から平成29年までの購読の契約』時に貰ったサービス品に関しては、解約するのであれば、如何なる事情があろうと返却する必要があるとされている。例え、その契約が販売店側の不法行為によるものであっても例外やない。

民法545条に『原状回復義務』というのがあり、契約解除が成立した場合、双方が契約以前の状態に戻す事と法律で定められとるからや。

よく勘違いされることに、貰ったサービス品を返還することが解約違約金に含まれると思われているというのがあるが、それは違う。

解約違約金とは、契約時に貰ったサービス品を返した上で、本来、その契約により、その販売店が得られたであろう利益の一部を補填するという意味合いのものや。

あんたにとって『現在のこちらの経済状況は変わり、新聞をとり続けられないことになっています』というのは無理からぬ話かも知れないが、その販売店にとっては『それは、そちらの都合で、だからといって当方が損をする理由にはならない』ということになるわけや。

契約というのは商行為で、お互い納得して結ばれた以上、簡単にそれを翻すことは法律上できんと理解して頂きたい。

結論として、その担当者との話し合いの末、あんたが購買しない事を承諾して帰ったということであれば、その契約が解除されたものと考えてええ。

その話し合いの内容がどんなものかは分からんが、話し合いによる契約解除が成立したのであれば法律的な問題は二の次になる。その話し合いで決まったことが、すべてに優先するさかいな。

但し、その確認はちゃんとしとくことや。そのために冒頭で言うたように、その会話を録音しておいて言うた言わんの水掛け論に持っていかれんようにすることや。

その契約解除が成立していれば、貰ったサービス品を返せば問題なく終わる。

ただ、先にも言うたように、その担当者から『話し合いの末、相手方は購買しない事を承諾』が取れない場合の解約は、後で説明したように厄介なことになる可能性が高い。というか、本来、自己事由での解約希望としてはペナルティを要するのが普通なんやけどな。

あんたは自分の立場で、新聞代が払えなくなったのだから解約できるのは当然やと思われておられるのかも知れんが、その契約を得ることで生計を立てている新聞販売店にとっては、何の落ち度もないのに解約されるのは死活問題になるということを分かって頂きたいと思う。

相手の立場に立てば、また違った見方になると。

それが分かって頂けるのなら『最低1ヶ月(さらに半年と長くされました)は契約してほしい』という再契約を結ぶことで5年契約を短縮できるのなら、落としどころとしては悪くないと考えるさかい、一考されてもええのやないかと思う。

もっとも、どうされるかは、あんたの判断に委ねるしかないがな。

ワシはあくまでも『このような場合、どのような対処をしたらよいのでしょうか?』という、あんたの相談について業界の情報と事情を伝え、アドバイスしとるだけの話やさかいな。

それに対してどうされるかの判断は、あんた次第ということになるということや。


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