新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1222 最近うまく契約が取れなくて困ってます


投稿者 Kさん  投稿日時 2013. 4.19 AM 10:23


こんにちは、僕はとある所で日本最大の新聞の拡張員をしています。

なかなか最近うまく契約が取れなくて困ってます。契約が取れても短い期間の契約しか取れません。どうやったら長い期間の契約が取れるでしょうか?

どうやったらうまく契約まで持っていけるでしょうか?

かくざいもあまり出しきれないというかお客さんが受けとってくれません?

契約が取れてもすぐキャンセルは来るし、消費者センターに電話されるし、すっごく困ってます。

どうにかいいアドバイスをください!!


回答者 ゲン


『契約が取れても短い期間の契約しか取れません。どうやったら長い期間の契約が取れるでしょうか?』というだけのことなら、それほど難しい問題やない。

『長い期間の契約』に絞って拡張すればええだけの話やと思う。

『契約が取れても短い期間の契約しか取れません』というのは、あんた自身の気持ちの持ち方に原因があるのと違うかな。そう思い込んでしまうと、そういう契約しか取れんようになるもんなんや。

あんたの営業は、それと意識していないのかも知れんが、「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」に近いやり方でやっておられるのやないかという気がする。

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」とは、最初に拒否すると思われるような要請をして、一度断らせるように仕向けた後、それよりも負担の軽い条件を示すことにより、受け入れてしまいやすくなるという心理を利用した手法や。

例えば「○○新聞を1年取ってくれませんか」「1年はとても無理です」「それでしたら、3ヶ月でも結構ですので」という具合やな。

この「1年はとても無理です」と言わせるのがポイントで、これを相手が言うことで「3ヶ月ならいいでしょう」という理屈につなげるわけや。後の要請が主たる目的ということなる。

これは、提示した要請を勧誘員が譲歩することにより、客も譲歩せなあかんのかなという気持ちにさせるという効果がある。

これを、心理学では「譲歩の返報性」という。相手が一歩譲ってくれたんやから、こっちも一歩譲らなあかんかなという心理にさせるわけや。

あんたは、おそらくご自身でも気づかないうちに、そのやり方が身についているのやないかと思う。知らず知らずのうちに、いざとなれば「短い契約なら承知してくれだろう」と思い込んでおられるのやないかと。

そういう思考になると、当然のことながら「短い契約」が多くなってしまうわな。

そのやり方とは反対に「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」というのがある。

直訳すると、「玄関ドアに足を挟み込み中に入る技術」という意味になる。古典的な営業手法の一つや。

玄関のドアに足を挟むと気の弱い住人はそのドアを閉めることができ辛くなり、仕方なく話くらい聞こうかとなる。そうなったところに営業をかけるというやり方や。

転じて、最初は小さな承諾から始まり、その積み重ねで最終的に目的の承諾を引き出すというやり方のことを、そう呼ぶようになった。

具体的には「一週間の試読でも」から始まり「せめて3ヶ月だけでも」となり最終的には「1年契約でお願いします」と、徐々にその要求を引き上げる手法のことを言う。

こちらの場合の最終目的は「1年契約でお願いします」ということになるから、比較的長い契約を獲得できるケースが増える。

長い期間の契約を取ることが目的なら、そのやり方に変えるのも手やと思う。

気持ちの持ち方を変えるというのは簡単な話やないが、それができん限り、自分で現状を変えるのは無理やと言うとく。

ただ、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」には強引さが必要になるし、それによりトラブルに発展する可能性もあるから、誰もができて成功するとは限らんがな。

あんたに合うか、どうかも分からんから、そういう方法もあるという程度に考えておいて欲しい。

いずれにしても気持ちの持ち方次第で違うてくるということだけは確かやと言える。長い契約が取れず、短い契約が多くなるのは、あんた自身が、そう仕向けとる可能性が高いと。

そういう人は、たいていの場合、自分で勝手に「1年契約より3ヶ月契約の方が契約して貰えやすい」と考えてしまう。

はっきり言うが、客にとって1年であろうと3ヶ月であろうと、契約すると決めた場合、その違いはあんたが考えているほど大きな問題やないわけや。持って行き方次第で、どうにでもなる。特に新聞を長く購読している人たちに、それが言える。

そうは言うても中には「短い契約なら」と拘る人がおられるのも確かや。しかし、その大半は、新聞を購読すること自体が嫌なのやが、その場で断ることができない、断ると怖いといった消極的な人たち、気の弱い人たちやと思う。

そういう人たちから契約を取った場合、『契約が取れてもすぐキャンセルは来るし、消費者センターに電話されるし』ということになってしまうわけや。

もっとも、あんたのやり方に違法性がある場合は論外やで。そういうのはキャンセルされても消費者センターに通報されても仕方がない。自業自得や。

また、強引すぎるのも考えものや。営業は確かに押しの弱い人間ではあかんが、強引すぎるとトラブルになる確率が高くロクなことにはならん。

それを避けるには、そういう人たちから無理に契約は取らない、あるいはよく納得させてから契約させるしかないわけやが、それには経験と相手を見極める力が必要になる。

相手により、どこまで押せるか、どう持っていけば納得させられるかというのを会得するのは、口で言うほど簡単な話やないさかいな。

あんたが、どれくらいの経験を持っているのか分からんが、経験が浅いのであれば、契約の長短、またはキャンセルされようが、通報されようが、そんなことには構わず、がむしゃらに契約を取るという一点だけに絞って拡張されることを勧める。

数撃ちゃ当たる式でええと思う。

短い契約がヒットで、長い契約がホームランと仮定した場合、ヒットの延長がホームランという具合に考えるわけや。そう考えればホームランをわざわざヒットに格下げすることはないやろうし、ヒットを無理にホームランにしようとも考えんはずや。

目の前の客に合った契約を取るようにすればええ。要するに気持ちの中に、短い契約、長い契約という枠を自分で作らんことやな。

こういうアドバイスをすると、よく「結局は精神論か」と言われる方がおられるが、そういう人は、いつまで経っても「できる拡張員」、「できる営業員」にはなれんと言うとく。

新聞拡張のような対面営業においては、精神的な強さがものを言う仕事やと思う。

できると言われる営業員のすべては「絶対に契約が取れる」と強く信じている人たちばかりや。状況的に「契約を取るのが難しい」からといって気持ちが萎えとるようでは「できる営業員」には絶対になれん。

新聞の勧誘営業は難しくて当たり前という認識に立って、それでも自分は「できる」と信じられる人のみが成功する世界なんや。

難しい仕事は、当然のことながら成功する確率も低く、稼げる人も少ない。この業界に関して言えば、ええとこ1割程度しか、成功して稼げる営業員にはなれんやろうと思う。

その1割に入れるかどうかが、命運を別ける。その1割に入るためには、技術的なことを会得する以上に、少々の壁には負けんだけの強い精神力が備わっているか、どうかが重要になる。

昨今は昔に比べ、様々な事情により新聞離れが進んでいて、新聞の購読部数が減少傾向にあるから、尚更やと思う。

特に、ここ数年、少子高齢化による人口の減少、長引く不況、インターネットの著しい普及、新聞勧誘の評判の悪さ、拡材サービスの低下、新聞報道の信頼性の悪化、拡張員の減少といった事柄が急速に進んでいることが、その原因として挙げられている。

それらの幾つかについては、あんたも身に染みて感じておられるやろうとは思うが、せやからといって、『最近うまく契約が取れなくて困ってます』と嘆いてみても始まらんわな。

この仕事をするからには、如何なる理由があろうと契約を取るしか生き残る道はないわけや。泣き言が通用する世界やない。

『どうやったらうまく契約まで持っていけるでしょうか?』についても、先に言うたような心の持ち方で、ある程度はカバーできるとは思うが、あんたの勧誘方法が分からんから何とも言えん部分もある。

いくら気持ちの持ち方が良くても見当外れなことをやってたんでは、『うまく契約まで持って』いくのは難しい。確率の高い技術の裏付けがあってこその心の持ち方とも言えるさかいな。

何事においても心技体のいずれが欠けてもあかんということや。

『かくざいもあまり出しきれないというかお客さんが受けとってくれません?』というのも、どういったやり方をされておられるのかが分からん限り、適切なアドバイスをするのは難しいと思う。

『お客さんが受けとってくれません?』というのは『かくざいもあまり出しきれない』と言われておられるように拡材が少ないだけやなく、その客それぞれに、いろいろ原因と理由があるはずや。

拡張は、そのケース毎で対応を考えなあかん仕事やさかいな。一つのやり方では得られる結果も限られてくるということや。

物事が上手くいかない場合、よく「万策尽きた」と言うが、それは万策を講じた者のみが言えることであって、万策と言えるほど多くのやり方を知らなければ、また知っていても使わなければ、それは「無策」以外のなにものでもないと思う。

そんな状況で上手くいくはずなどないわな。

ワシは、策には限界がないと信じている。策は無限に考え出すことができると。そう考えられる一番の要素は、ピンチはチャンスにできるという信念からや。困った時こそが成功を得るチャンスやと。いろいろなアイデアを考え出せるキッカケやと。

そういう考え方になれるかかどうかは別にしても、まずは、現状の考え方を改められるところから始められるよう勧める。

これ以上は、あんたの具体的なやり方なり考え方なりが分からんとアドバイスは難しいので、次回質問がある場合は、そのあたりのところを詳しく教えて頂きたいと思う。


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