新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1226 セールス登録についての相談です


投稿者 Wさん  投稿日時 2013. 5.24 PM 0:56 


はじめまして、毎回更新されるのを楽しみに拝見させていただいてます。

セールスの登録解除についての相談です。

紹介で現在の拡張団で働くことになったのですが、どうしても旗が合わないのでやめることにしました。

ここで問題が発生しました。

団長より紹介者にお金の貸し付けがあるのでやめられない!! とのことでした。

登録する際に、紹介者がお金を受け取るのは知っていましたが、(紹介者も同じ時期に登録した)借があるとやめれないのも嫌なので、私はお金は借りませんでした。

結果として私の分も紹介者がお金を借りている。

新聞セールスインフォメーションセンターは新聞社のセールスセンターに問い合わせてください。との返答。

新聞社のセールスセンターは事務処理だけなので対応できない。団長と話してくれ。との返答。(団長とは現在まで数回話しています)

労働基準局、委託業務なので対応できないかも。できる限りの事は協力します。との返答。

弁護士無料相談、口頭だけの話なので内容証明で事実を残したほうがいい。その後の反応次第。と、いうような状態です。

内容証明だと事が大きくなりそうで・・・・

なぜ私が紹介者の借でやめられないか理解できない。紹介者と一緒に来て私だけ抜けるのは話が通らない(団長)と、言うが、これも理解できない。

次の団にも行けないし本当に困っています。こんな経験初めてなので心が折れそうです。

乱文で申し訳ありません。よきアドバイスお願いします。


回答者 ゲン


『団長より紹介者にお金の貸し付けがあるのでやめられない!!』ということやが、法的にそんな理屈は通用しない。他人の借金で縛られる謂われもないから、辞めようと思えばいつでも辞められる。

『登録する際に、紹介者がお金を受け取る』、『結果として私の分も紹介者がお金を借りている』というのも、あんたが保証人にでもなっていない限り何の関係もない話やさかいな。「預かり知らんこと」で通る。

問題は、フルコミの委託業務ということで、その拡張団とあんたが交わした『業務委託契約書』の契約事項が、どうなのかという点やと思う。

業務委託の契約期間が決められていれば、それに従う必要があるし、決められていなけば、どちらか一方の意志だけで『業務委託契約』を解除することができる。

ただ、あんたの話を聞く限り、現状で『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録をその拡張団の団長が解除するとは考えにくいから、『次の団にも行けないし本当に困っています』という状況は当分続くのやないかと思われる。

その状況を改善しようにも『新聞セールスインフォメーションセンターは新聞社のセールスセンターに問い合わせてください。との返答』、『新聞社のセールスセンターは事務処理だけなので対応できない。団長と話してくれ。との返答』と逃げを打っているようではどうしようもない。アテにできんわな。

その団長とも『団長とは現在まで5回ほど話しています』ということで何の進展もないようやから、何度話し合いを重ねても、このままでは好転することはないやろうと思う。

『労働基準局、委託業務なので対応できないかも。できる限りの事は協力します。との返答』というのも良くて「その拡張団を辞めることができる」程度や。

『弁護士無料相談、口頭だけの話なので内容証明で事実を残したほうがいい。その後の反応次第。と、いうような状態です』というのも、「辞めること」に重点を置いたアドバイスのはずや。

何度も言うが「辞めること」自体は、『業務委託の契約期間に定めがなければ』法的には何も問題はない。堂々と辞めることができる。

『内容証明で事実を残したほうがいい』というのは、そのための方法や。どうしても辞めたいのであれば、そうするのも手やが、例えそうしたとしても現時点では『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録の解除には至らんのやないかと思う。

労働基準局、および弁護士にも、『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録の解除を強要するのは難しいやろうから、あんたの望むような結果にはなりそうもない。

『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録の解除云々は、正式に辞めた後の問題やさかいな。現時点で法的処置などは執れん。

『なぜ私が紹介者の借でやめられないか理解できない。紹介者と一緒に来て私だけ抜けるのは話が通らない(団長)と、言うが、これも理解できない』という、あんたの気持ちはよく分かる。理不尽やと思われるのも無理はない。

事の善し悪しは別にして、なぜ、その団長が『紹介者にお金の貸し付けがあるのでやめられない!!』ということに拘るのかについて少し説明しとく。

この業界は昔から、拡張員を紹介、斡旋すると「紹介料」が、その団から紹介者に支払う仕組みがある。そのとき、おそらく紹介者は、あんたがその拡張団で長く働くというようなことを約束しとるか、匂わせていたはずや。

当たり前やが、「すぐ辞めるかも知れない」と言うてたんでは、紹介料なんかは貰えんしな。また、自身の借金もできんようになるおそれが生じるさかい、あんたが如何に有能で長期間働くつもりでいるかという点を懸命にアピールしていたものと思われる。

その団長は、その紹介者の言葉を信用して望むだけの金を用意したという思いがあるから、あんたに辞めて貰っては困ると考える。言えば、あんたはその団長にとっては「借金のカタ」のような存在なわけや。

そして、そのことを、あんたは承知して入団したはずやと、その団長は考えとるものと思う。この業界の常識として。

ところが、あんたは、そんなことになっているとは知らんから『なぜ私が紹介者の借でやめられないか理解できない』と疑問に思うわけや。

もちろん、あんたの考えの方が正しいし、その団長の言い分の方が、法律や世間一般の常識に照らしてもおかしいのやが、この業界は、それが普通に通用する世界なんや。業界の常識で言えば、それほどおかしなことでもないとなる。

しかし、法律や世間一般の常識に照らせば通用しない。辞めるという者を、そんな理由で縛り付けることなど法律が許さんから、辞めること自体は問題ない。

問題は、その後の『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録の解除ということになる。

あんたが懸念されているように社員契約として労働契約を結んでおられるのなら、労働基準局も動きやすいが、フルコミの委託業務契約だと、外形上は個人事業者ということになり、拡張団との間では事業者同士の取引になっているさかい、労働基準法の適用ができんようになる。

つまり、労働基準局で扱える事案やないということになるわけや。もっとも、外形的な事とは違い、拡張員は拡張団に時間を拘束され、実質的には社員契約の拡張員と同じく労働を強制されていると見なす可能性があるから、管轄の労働基準局の判断次第では踏み込んだ対応をしてくれるかも知れんがな。

『できる限りの事は協力します。との返答』があったというのは、その意味があってのことやろうと思う。

順序として、まずその拡張団を正式に辞めてから、『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録の解除を要請するしかない。

『新聞セールスインフォメーションセンター』では表向きは、登録元の拡張団での在籍確認が取れなければ「新聞セールス」とは認められないということになっとるから、辞めれば、その拡張団でのセールスの登録は解除せなあかんはずや。

まあ、当たり前のことやわな。しかし、実際には、その拡張団を辞めたにもかかわらず、セールス登録の解除がなされないままという状態が続いているケースが多いと聞く。

なぜ、そんなことをするのか。

確かな筋からの情報では、セールス登録をしていれば、その分、新聞社からの助成金が、その拡張団に支払われる仕組みになっとるからやということや。それがあるから、紹介者に紹介料を払い、金を貸し付けることができるのやと。

そのために、本人の希望を無視してセールスの登録をしたままということのようや。

もちろん、それは登録違反になり、不正行為ということになるから、『新聞セールスインフォメーションセンター』および『新聞社のセールスセンター』に、その事実を訴えれば、セールスの登録を解除せなあかんはずやが、実際には遅々として進まんケースが多いという。

どうも、その手のことには『新聞セールスインフォメーションセンター』および『新聞社のセールスセンター』では、あまり関わり合いになりたくはないと考えとるようや。それについては、あんたも分かっておられるとは思うがな。

では、どうすればええのか。

今のところ、『新聞セールスインフォメーションセンター』および『新聞社のセールスセンター』に対して根気よく、「辞めたのでセールスの登録を外してください」と言い続けることくらいしかなさそうや。

普通は、それを繰り返せば、『新聞セールスインフォメーションセンター』および『新聞社のセールスセンター』から、その拡張団に話が行くはずやから、面倒を嫌う拡張団ならセールスの登録を解除するものと思う。

とはいえ、その拡張団次第では必ずそうなるという保証はできんがな。無視し続けるということも考えられるし、セールスの登録が解除されるとしても時間がかかることも予想される。

それでは、あんたは『次の団にも行けないし本当に困っています』という状況のままになってしまう。

その場合は、どうすればええのか。

一番ええのは、その拡張団としっかり話をつけることや。今まで、『団長とは現在まで数回話しています』ということで決裂しとると思われるが、それは、あんたが「辞める」一辺倒の話をしとるからやと思う。

あんたにとっては不本意であっても、その団長にも、それなりの言い分があるということを考慮した上で、猶予期間を決めて辞めるという方向で話し合ったら、どうかと考える。

「後、○ヶ月は、お世話になりますので、それを過ぎれば辞めさせて頂きます。また、そのとき、セールスの登録を解除してください」と交渉してみることやな。それであれば、その団長も応じるのやないかと思う。

その期間は、その団長と取り決め、お互いが納得して決まれば文書化して貰うことや。

どのみち、その団長がセールスの登録を解除することを拒めば、例え登録が解除されるにしても相当長い期間かかる可能性がある。それまでは、あんたも他の団に行くに行けんということになる。それなら、円満退社に持っていく方が賢いのやないかと思う。

それにあんたも『登録する際に、紹介者がお金を受け取るのは知っていました』ということからすると、あんたがすぐに辞めれば、その紹介者の立場が悪くなり、その拡張団と揉めることも予想できたはずや。

今回の問題は、紹介者に、その団への入団を依頼、または頼ったことにあると言える。何事もそうやが、仲介者が介在すれば、その人間の立場とか顔を立てるということも考えなあかんのが世の中や。その仲介者がいたからこそ、その拡張団に入団できたとも言えるわけやさかいな。

そういう状況では、嫌になったから辞めるとは言いにくいのが普通や。そうならんためには、次からは紹介者を頼らず自分で職場を探して決めることやな。

結論として、その団長と話し合って円満退社の道を選ぶか、『どうしても旗が合わない』ので辞めたいというのであれば、まずは辞めることやな。

その後に『新聞セールスインフォメーションセンター』へのセールス登録の解除を働きかけられることにして。

今のところ、あんたにとってのベストな選択肢は、その二つくらいやと思う。

他には、「その拡張団で働き続ける」、「拡張員の仕事自体を辞める」という選択もあるが、それは考えておられないようやから、ここでは省く。

いずれを選ばれるかは、あんた次第や。良う考えて決められたらええ。


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