新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1234 無読に対してはどんなトークをしますか?
投稿者 idblack さん 投稿日時 2013. 7. 9 AM 5:47
はじめまして!
拡張員をしてます。例えば無読に対してはどんなトークをしますか?
回答者 ゲン
一口に無読者と言うても、いろいろなケースがあるので、それぞれでかける言葉、トークが違うてくる。便宜的に箇条書きにして説明する。
1.完全なる無読者。
これは比較的若い世代に多いが、まったく新聞を読む気がないという人たちや。もっと言えば、新聞どころか本さえ読むことがほとんどない人たちやと言うてもええ。
そんな彼らが新聞を読まない理由は至ってシンプルで、「字が多すぎて読む気にならない」、「読んでも面白くない」ということに尽きる。そうなった理由というのは、おそらく、その彼らたちですら分からんやろうと思う。
子供の頃からテレビやゲームで育った彼らには、新聞を読むことや読書の習慣がないわけや。今はマンガ本すら読まない子供たちも多いということやから、その傾向はもっと進むと予想される。
そういう若い人たちは、ツイッターやフェイスブック、ラインといった比較的短い文章には馴染めるが、長い文章を見ると拒絶反応を起こすのやろうな。
これは生理的な問題やから、理屈で説得してもどうにもならん。かける言葉がないというのが正直なところや。
はっきり言うて、読まない、読めないという人間に新聞を講読させようというのは、ニンジンやピーマンの嫌いな者に、それを買って食えと言うてるのと同じことやと思う。
そういう人は、おそらくタダでやるからと言うても食わんはずや。それでも無理にでも食わせようと思えば、それを食うことで、それなりの好条件、褒美を示して与えるしかない。
それなら食う人間もおるかも知れん。
しかし、それやとニンジンやピーマンを売っている者は商売にはならんわな。ちゃんとした対価を支払って買ってほしいとその売り手、もしくは生産者は願う。
中には、調理次第で食べさせられることができると考える人もいとるようやが、多くの人は嫌いなものに対して拒絶反応を示すのが普通やから、手間暇かけて作っても、結局は食べない、無駄に終わるケースが多い。
無難なのは、そういう人たちは「ほっとく」ということやが、それやと、あんたの質問の答えになりそうもないので、たまにワシがその人たちに使うてるトークを紹介する。
新聞を読まない人にも、新聞が必要やと思わせられる方法はある。
その彼らでも、テレビは必ず見るはずや。そして、そのためには番組表が必要になる。
実は、通常の新聞の購読者でも、テレビの番組表だけ見て終わりというケースが結構多い。
テレビの番組表が欲しいのなら、週間や月刊のテレビ番組雑誌を買えばええやないかという意見があるかも知れんが、そのテレビ番組雑誌は発行の都合上、1週間、1ヶ月以上前の番組の予定しか載っていない。
ところが、テレビの番組というのは、前日に急遽変更になることが、ままある。それで、見たかった番組を見損なったというケースが結構起きる。
新聞には前日に決定した変更は、ほとんど載る。それを強調して勧誘するわけや。
「新聞のテレビ欄でしたら見損なったり、録画予約の失敗をせずとも済みますよ」と。
そう言えば、子供のとき、学校から帰ると真っ先に新聞のテレビ欄を見ていたことを思い出す人もおる。
新聞を売り込むために、テレビ欄を見るように勧めるというのも変な話には違いないが、そのとっかかり、第一歩ということなら、それもアリやないかと思う。
読まないのなら、必ず見るであろうものを探して、それを強調するわけや。ただ、テレビ番組くらいで納得する人は少ないがな。
その意味で言えば、新聞には若い人たちが興味を惹きそうなものがあまりにも少ない。
何とかそういうものを考えて載せて欲しいと思う。残念ながら、今のところテレビ欄以外には見当たらん。それを今ここで言うても詮ないがな。
2.ネット依存の無読者。
この手の人たちは、先に挙げた「完全無読者」とは違う。新聞の情報は欲している場合が多いし、比較的新聞記事もニュースもよく見る。
それだけに最も厄介で、ワシが昔から「ほっとけ」と言うてた相手がこの人たちなわけや。
ただ、その人たちへの対策が皆無かと言うと、そうでもない。やり方はある。
物事は見る角度、方向で、まったく違った捉え方ができる。
勧誘員は、売り込む側、自分の立場ばかり考えとるようではあかん。その相手であるネット依存の無読者を理解する必要がある。
そのためには、その立場に身を置いて考えることや。そうすれば、分かることも多い。
その目で見れば、「タダで、インターネット上の新聞記事やニュースを見ることのできる環境にあるのに、なんで金を払うてまで新聞を購読せなあかんねん」という言い分が当然のことのように思えてくる。
ネット上には、あらゆる新聞社の主な記事が掲載されている。そのほとんどを無料で見ることができる。
当たり前やが、誰しもその価値を認めんものに金を払いたいとは思わんというのは正論やと思う。
裏を返せば、その価値を認めさせることができれば、翻意(ほんい)する可能性があるということや。
その価値とは何か。
それは過去の新聞記事にあるのやないかと思う。
ネット上の記事は、その新聞社、またはその記事次第でも若干違うが、1週間から数週間でネット上から消滅する。
しかし、新聞紙は置いておく限りはいつまでも残る。それが、彼らへのセールスポイントになる。
ネット愛好家は、自身の興味のある記事は保存しとるケースが多いが、それ以外のものになると、それはあまりしない。
普通、全国紙の新聞の情報量は、朝刊の場合、単純計算で400字詰め原稿用紙に換算して約500枚程度ある。B6版の書籍にして300ページ分ほどになる計算や。
当然やけど、ネット上の新聞記事にそのすべてが載っていることはないから、ネットではその保存は難しく、そうしとる人間も少ない。
しかし、新聞を購読していれば、捨てん限り、その新聞の情報は残る。あるいは、記事の切り取りで残すか、スキャナーなどでパソコンのデータとして取り込むことも可能や。
そうしておけば、そのデータが必要になったときに結構役立つ。
ただ、そうするには、そのもとになる新聞がなかったらあかん。そう言うて、その必要性をアピールするわけや。
どんな人でも、必ず必要なものがある。
「インターネット上の新聞記事やニュースを見る」というだけで敬遠するのやなく、その話に合わせて、その人の必要なものを聞き出せれば、口説き落とせる方法は自然に見つかると思う。
3.経済的な理由で無読者なったケース。
最近の傾向として、こういう人たちが多い。サイトのQ&Aにも「経済的に苦しくなったから新聞を解約したい」という相談が、確実に増えてきとるさかいな。
長引く不況ということもあり、始末するのなら、まず新聞代からというのが、定番のようになっとるからやと思う。
実際、それで解約となった無読者に再度、その新聞を勧誘するというのは結構、難しい。その相手は生活がかかっとるわけやから、簡単なことやない。
特に今は、勧誘の「正常化の流れ」とやらで、多くの新聞販売店が景品の拡材サービスができん、せんようになったから、よけいや。
以前はあった新聞のお得感というのが、すっかり陰を潜めたさかいな。
こういう人たちには、やはり、そのお得感というのをアピールすることが一番手っ取り早い。
それは分かっていても、勧誘時のサービスに金がかけられんようになった現況で、どうすればええのかということになる。
そのための方策として、『第84回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2010年からの新聞営業講座……その2 拡材について』の中に「金をかけずに済む拡材サービス方法のあれこれ」というのがあるので、その参考になるはずや。
また、『第94回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2010年からの新聞営業講座……その4 工夫は拡材に勝る』 の中の「工夫することで、拡材以上の効果的なサービスができる方法」というのが役に立つのやないかと思う。
4.勧誘のトラブルにより無読者になったケース。
これも結構多く根の深い問題でもある。
たいていは、勧誘員に騙されたとか、販売店の対応が悪いといった類の理由が大半やが、これに関して言えば、持って行き方次第では上手くいく場合がある。
そういう客に当たった場合、基本的には何があっても、まず平身低頭に謝罪することや。その上で、そのトラブルの内容をとことん聞く。
そのとき、その客は怒り出すかも知れんが、それは仕方ないと覚悟して割り切る。それについては一切の反論はしない。悪いのは、すべてこちらだとして謝る。
そうして苦情をすべて吐き出せてやれば、たいていの人は満足して、すっきりとした気持ちになる場合が多い。
それが気分を害した当事者やというのなら難しいかも知れんが、同じ販売店の勧誘員という場合は、その客も少し言い過ぎたかなとなりやすい。
そこで初めて、その真摯な姿勢に好感を持つこともある。そこを上手く衝(つ)くようにするわけや。
その際、よく使う手に「販売店の経営者が替わりました」というのがある。
実際に替わっていなくても、その購読者が直接、その販売店の経営者と面識がなければ、「私との契約では、けっしてそのようなことはありませんので安心してください」というトークが活きる場合がある。
あるいは、「以前の経営者は死にました」というのもある。
ウソをついていることになるが、その契約者の意向を正確に販売店に伝え、二度とそういうことがないように持っていければ、その程度のウソは許されると思う。
ただ、この手は、その客について一回きりしか使えんがな。
また、あまり頻発に使うて評判の悪い販売店の場合は、その勧誘自体も噂になっている場合が多く、却って逆効果になる場合があるから注意する必要がある。
5.新聞の記事そのものが嫌で無読になったというケース。
これも相当難しい。普通では、なかなか反論も否定もできんくらいの正当な論拠を持っている場合が多いから、よけいや。加えて、そういう人は思い込みが強いから、生半可(なまはんか)な説得ではどうにもならんやろうと思う。
ただ確率は悪いかも知れんが、持って行き方次第では落とせる可能性もある。
競合他紙であれば、「それはとんでもない話ですね」と同調すればええし、勧誘している新聞なら、「そのことについては、お客様の意見は私の方で必ず本社に伝えて厳重に抗議しますので、もう一度、お考え直し願えませんか」というトークで勧誘することもできる。
6.たまたま、どこからも新聞の勧誘が来なくて無読になっているケース。
こういう人たちに最も多いのは、引っ越して勧誘員が来ないまま時が過ぎたというやつや。
この人たちは新聞が必要ということでもなければ、特に拒否しているわけでもない。どっちでもええわけや。
無読者全体の中からすれば、そういう人に当たるケースはまれや。そういう人に当たればラッキーになる場合も多い。ごく僅かであっても、そのチャンスを逃すべきやないわな。
相手が無読者というだけであきらめんかったら、そういうケースに遭遇することもあるということや。
以上やが、一口に無読者と言うても、いろいろなケースがあるというのが分かって貰えたのやないかと思う。当然のことながら、それぞれでトークも違えば、接し方も違うてくる。要は臨機応変に使い分ける必要があるということやな。
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