新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1237 新聞購読申し込みの際の注意事項を徹底できないものなのでしょうか?


投稿者 yuki さん  投稿日時 2013. 7.29 PM 2:34


今回新聞購読解除でトラブルがあり、こちらのサイトで一杯勉強させて頂きました。契約解除の難しさを初めて体験して怖くなりました。

私は2年毎にY新聞とA新聞を購読していました。平成21〜23年7月迄、A新聞を購読し、契約終了時に『次の申し込みをお願いします。』と言われたのですが平成23〜25年はY新聞の契約があるので無理です。とお断りしましたが、『ではその後うちとお願いします。』と言われたけど先の話なので嫌です。と断りました。

別の日に又勧誘に来られ、その際も『2年も先の事は分からないし、もしかしたら新聞もう要らないって事になるかも知れないから、そんな先の申し込みしたくないし、要るならこちらから入れて下さい』と言ったら『そうですよね、確かにそうなんですが、取り合えず申し込みだけでもしておいて下さいよ』とひつこく言われ根負けしてサインしてしまいました。

その時に景品も頂いていないし、契約書にもサービスの記載、以前でしたら○○先渡し○○は購読開始時とか記載してありましたが、今回のには一切記載無しです。景品も頂いて無かったので購読開始前に解除を申し入れれば良いと安易に考えてました。(反省してます)

来月から開始の契約になっている為、先日、景品はどれが良いですか?って聞きに来たので『解約お願いします』って言ったら『解約は出来ません』と言われました。

では『3ヶ月だけ取るから3ヶ月後から解約お願いします』と言えば『勧誘者にお金払ってるから24ヶ月とってもらわな』って言われ『短くする事も出来んの?』には『はい』って言われました。

結局、その時は『主人に相談します』と言って帰ってもらったんですが、翌日来て『1年はとってもらわな』って話で、景品ももらって無いし3ヶ月がダメなら要らない! の押し問答で拗れてしまいました。

『契約!契約してる』と言われ私も精神的に参り夜も寝れない状態です。主人も脅迫的な態度に立腹し絶対取らないと言います。

その人と口論になり相手が『それでは契約解除ですね』って言ったので『お願いします』って話になったので解除出来たのかと思ってたら、翌日、この地区のエリアマネージャーって人が来て、又同じ話の繰り返しでした。

親戚の人も入り『解約にはペナルティがあるんやから、そのペナルティを言って』って言っても、マネージャーは言わないし、では、そのマネージャーの上司の名前と電話番号教えて、聞くから。と言っても教えてくれません。

よく聞くと本人がこの地区の代表だ。の事でした。その人はペナルティを提示する事もなく『二度と来ません』と言って帰って行ったのですが、代表がもう来ませんと言ってるのですが、解除になったのか? 解約違約金の話もその後ありません。

開始時に渡すと言った景品も選んで無いので、勿論頂く事も無いので解約を承諾した。って事なのか不気味で仕方ありません。今も眠れない日々が続いてます。

契約した時は私も働いていたんですが失業し、主人も給料が減り少しでも節約したいのと、実家の父が病気で急死、残る母はリウマチと癌を患い世話をしに行くので、ほとんど家に居る事が無くなり読まない新聞を取るのは勿体なくて。

ペナルティを負うのは仕方ないのですが、高圧的な態度に出て来る相手の態度には恐怖感を感じます。

今の時代何があるか分からないのに、何年も先の契約を取れる事、契約時に口頭で『○年先の契約ですが、止める時は今日から8日間以内に解約して下さい』とか言われたら、もう一度考えたのでは無いかと、それに勧誘の時『取り合えず申し込みしてて下さい』と言って契約させるのはダメだとかしたらトラブルは減るのでは無いでしょうか?

契約は契約! ただ勘違いしやすい言葉での勧誘は成り立たないって事になれば、高齢者や若い人、契約に無知な人へのトラブルが減るのでは無いかと思うのです。

最近契約書を書く時、お店の方が『何時何時迄に』『この場合、損害金が発生しますので』と説明した上で、説明を受けました。という欄にチェックを入れた上で契約書にサインってなっているのがほとんどなのに、新聞契約に関しては昔のまま、説明無しでも契約成立するのは時代に合って無いのではと疑問が残ります。

長々と書きましたが、新聞契約を軽く見てた私が馬鹿なんです。今後どんな物にもサインをする時は気をつける様にしたいです。

新聞購読申し込みの際は、こういう事に気を付けてサインをして下さいと、世間に向かって大々的に知らせる事が出来ないものなのでしょうかね?


回答者 ゲン


あんたの話を聞く限り、そのA新聞の販売店との間で完全な契約には至っていないものと考えられる。

契約とは、契約の条件がすべて満たされ、あるいは将来の約束事が明記された上で、双方が納得の上、確認して成立するものと決まっとるが、あんたの場合は、契約の条件が満たされているとは言い難い状況にある。

『その時に景品も頂いていない』というのが、その理由や。

景品付与のない契約やったという言い訳をすれば、それはそれで契約が成立していると考えられる可能性もあるが、『来月から開始の契約になっている為、先日、景品はどれが良いですか?』と、その販売店が確認してきた時点で、その言い訳もできんようになった。

その契約が条件付き契約で、しかも、その条件を決めてなかったと販売店自ら白状しとるのも同じやさかいな。

『契約書にもサービスの記載、以前でしたら○○先渡し○○は購読開始時とか記載してありましたが、今回のには一切記載無しです』ということも、あんたにとっては有利に働いていると考えられる。

これは契約時に条件を決めてなかったということを意味するさかいな。条件付きの契約で条件が決まっていない場合は「保留」となるのが一般的な社会通念であり、契約事の常識でもある。

普通は、保留した後で「契約になっていない」、「やはり契約を止める」と言ってひっくり返されるのを嫌うさかい、たいていの勧誘員は、強引にでも景品を渡すか、景品の種類と数量を決め受け取り時期を明記して約束にこぎつけるもんや。

それがあれば、契約が成立していたとされる可能性が高かった。

おそらく、そのA新聞の勧誘員は『取り合えず申し込みだけでもしておいて下さいよ』と言っていた手前、その場で条件を提示し、景品の受け渡し時期まで決めると断られてしまうと考え、そうしたのやろうと思う。

一般的には、『2年も先の事は分からないし、もしかしたら新聞もう要らないって事になるかも知れないから、そんな先の申し込みしたくないし、要るならこちらから入れて下さい』と言ったら『そうですよね、確かにそうなんですが、取り合えず申し込みだけでもしておいて下さいよ』といった契約時のやり取りや経緯は立証しにくいものやが、景品付与の条件に触れてなかったことで、それが証明されるものと考えられる。

客には、あくまでも「本契約にはなっていない」と思わせ安心させるために、そうしたことやと。

しかし、現実には、その販売店は『来月から開始の契約になっている』と言うてきた。契約は成立していると。

これは消費者契約法で禁じている「錯誤の契約」に該当する。消費者契約法の第4条1項の『不実告知』に規定されている、『事実とは異なることを告げて消費者を勧誘し、商品を販売する行為など』に抵触する可能性が高いさかい、その線での無効も主張できる。

『その人はペナルティを提示する事もなく『2度と来ません』と言って帰って行ったのですが、代表がもう来ませんと言ってるのですが、解除になったのか?』ということやが、それだけでは、その販売店が契約をあきらめたか、どうかまでは分からんな。

一般的な新聞販売店においての地区のエリアマネージャーというのは主任クラスか、それに準じる程度の立場の人間で、その上には店長もいるし、経営者もいる。その地区のエリアマネージャーに、すべての権限が与えられているケースの方が少ない。つまり決定権などないということやな。

そのエリアマネージャーが、先に来た販売店の人間とあんたとのやり取りを簡単にひっくり返したように、上司である店長、経営者が来れば同じように、エリアマネージャーの言質が反故にされるかも知れん。ありがちなことや。

最終的な決定権者は、その販売店の経営者やから、話をつけるのなら、その経営者とするのが一番や。あるいは全権を任されている店長のいずれかやな。

『そのマネージャーの上司の名前と電話番号教えて、聞くから。と言っても教えてくれません』ということやが、その販売店の住所と連絡先は分かっとると思うので、直接電話をして「社長をお願いします」、あるいは「店長をお願いします」と言えば取り次いでくれるはずや。それで直接確かめればええ。

ただ、あんたの場合は『来月から開始の契約』ということで、8月1日からの配達になっていると考えられるさかい、それまでは静観されたらええのやないかと思う。

あんたの言われるニュアンスからは、景品を渡さなかった事、『二度と来ません』と言って帰って行ったところからすると、その契約をあきらめた可能性が高いという気がする。あきらめるつもりがないのなら、そう簡単には引き下がらんはずやさかいな。

ただ、そこがタチの悪い販売店やった場合は、そんな話し合いなど無視して新聞を投函してくることも考えられるから安心はできんがな。そこまでする販売店は少ないとは思うが、ないとは言い切れん。実際、そういう事例も幾つかあるさかいな。

8月1日に新聞の投函がなければ、その契約はあきらめたものと考えてええ。配達されたら、その販売店はタチが悪いと考え、それなりの対応をせなあかんとは思うがな。

そうなった場合の対処は、いくらでもあるさかい、また相談して来られたらええ。どうなろうと、あんたの側の優位性が揺らぐことは考えにくいさかい、揉めても負けることはないはずや。

『精神的に参り夜も寝れない状態です』、また『実家の父が病気で急死、残る母はリウマチと癌を患い世話』ということで、ご心中を察して余りあるし、大変やと思うが、事、この件に関しては、ワシらもついとるので安心されたらええ。

ご主人も『脅迫的な態度に立腹し絶対取らないと言います』と強い気持ちを持っておられるようやから、心強いのやないかと思う。こういった問題に対抗するには、その強い意志を持つことが肝心やさかいな。

『今の時代何があるか分からないのに、何年も先の契約を取れる事』というのは、ワシも問題が多いと常々思うとるが、法律上は特に問題がないとされとる以上、簡単にはなくならんやろうな。

契約時に口頭で『○年先の契約ですが、止める時は今日から8日間以内に解約して下さい』というのは、クーリング・オフで契約日から8日間以内と決められていて、それについては、たいていの契約書の裏面に「クーリング・オフのお知らせ」というのがあるはずや。
法律上は、それを以て、その告知をしたとされる。

『○年先の契約ですが、止める時』の場合、クーリング・オフの規定は適用されない。

それらが事前に分かれば『もう一度考えたのでは無いか』というのは正論やが、残念ながら、それらに関しては、現状の法律を変えるしか方法はないやろうと思う。後は、その販売店の善意にすがるしかない。

勧誘員は自身の成績を上げることがすべてという考えが強いため、契約者への配慮が足らんケースがあるのは否定せん。今回の場合も、契約を断られたくない一心で、そうしたのやろうしな。

『勧誘の時、「取り合えず申し込みしてて下さい」と言って契約させるのはダメだとかしたらトラブルは減るのでは無いでしょうか?』というのは、先に言うた「消費者契約法」、および「特定商取引に関する法律」では、すでに禁止行為になっとる。それと証明されれば、その契約は無効になる公算が大きい。

もっとも、これらの法律については新聞販売店も一般の人も知らんケースが多いがな。しかし、法律は知らんからというて考慮されることはない。知らん者が悪いとされる。例え周知徹底されていなくとも関係がないと。

『勘違いしやすい言葉での勧誘は成り立たないって事になれば、高齢者や若い人、契約に無知な人へのトラブルが減るのでは無いかと思うのです』というのは、言われるとおりやと思う。

『最近契約書を書く時、お店の方が『何時何時迄に』『この場合、損害金が発生しますので』と説明した上で、説明を受けました。という欄にチェックを入れた上で契約書にサインってなっているのがほとんどなのに、新聞契約に関しては昔のまま、説明無しでも契約成立するのは時代に合って無いのではと疑問が残ります』というのも正論や。

『新聞購読申し込みの際は、こういう事に気を付けてサインをして下さいと、世間に向かって大々的に知らせる事が出来ないものなのでしょうかね?』というのも、そうするべきやと思う。

本来なら、こういうことは新聞社あたりが率先して、そのように指導せなあかんことやが、残念ながら、それはできていないし、これからも期待できんやろうと思う。

それは、新聞社は購読して貰うためのアピールはしても、自らの部数減をわざわざ招くことをするはずがないからや。

表向きは購読者のため、消費者のためというお題目を並べとるが、営利企業である以上、利益を何よりも優先するさかいな。収益がマイナスになるような不利な情報を、あえて流す必要はないと考えれば、そうなる。

新聞社に限らず、本音と建て前が異なる企業は多い。売り上げにつながると踏めば、そうするやろうが、売り上げが減少すると判断すれば、敢えて何も言わないでおこうとなるのは珍しいことやない。それが法律に触れないとなれば尚更やと思う。企業心理というやつかな。

ただ、新聞の場合は、口幅ったいが、ワシらのようなサイトがある。あんたが困ってそうされたように、その気になれば誰でも相談できるし、その情報を得ることができる。

ワシも一応、新聞業界で飯を食っとる業界人やさかい、それを新聞の良心の一部として受け取って貰えれば嬉しいがな。せめてもの救いになれば、それでええと思う。


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