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NO.1248 入退院を繰り返す場合の解約、休止と先付け契約について
投稿者 すーさん 投稿日時 2013. 9.29 AM 0:07
はじめまして。検索でこちらのサイトを知りました。
新聞の休止中の解約の可否と、その後の期間の先付け契約がどうなるかについて相談させて下さい。
状況は次のとおりです。
H24年1月より、独居の84歳の母(敷地は隣ですが別世帯です)が末期ガン治療のため、1ヶ月の入院+退院後2週間の在宅を繰り返しています。
入院中に配達された新聞は、私が新聞受けから抜いておき、退院後渡していましたが、量が半端ないため放置でした。
この生活が続くことが確実になった1年ほど前に、販売店へ休止の申し込みをし、それ以降配達はされていません。
その後先月に、在宅中の母へ販売店から「まだ再開は無理ですか?」との電話があったようです。
なお、購読契約書は保有しており、現行のH24.7〜26.6(17.3契約)までと、先付けのH26.7〜31.6(22.7契約)までの物です。これ以前も2年や3年毎の契約を繰り返していました。契約日は何れも購読開始の数年前となっています。
相談の1つ目は、このような場合に解約が可能かどうかです。
有期の継続的供給契約は正当事由がないと一方的な解約はできないことは承知していますが、入院のような場合は正当理由と扱われるのでしょうか。
相談の2つ目は、先付け契約については解約は可能でしょうか。また、違約金の額は現行契約とは異なるでしょうか。
違約金の支払がありうることは本人も了解していますが、その額については、供給がまだ始まっておらず、違約金の根拠となる額は既に供給中のものより損害額が低いとは考えられませんか。
また、契約期間の5年を全うできるかどうか微妙なため、違約金の額や短期契約へ変更への折衝材料にならないでしょうか。実情をお伺いできればと思います。
さらに3つ目として、解約しない場合ですが
1 先付けの契約期間はどうなるでしょうか。
休止すると、その分だけ現行の契約期間が後へ延びる扱いになることは、こちらのサイトや契約書の裏にもあり、致し方ないですが、現行の契約と先付けの契約が重複する期間が生じてしまいます。
同一販売店なので、先付けの方も後へ延びるとの認識で宜しいでしょうか。(同じ新聞を2部配達されるんじゃないかと心配しています。)
2 ずっと休止が続く場合、休止期間の上限はあるのでしょうか。その間に死亡した場合は、自動解約ですか。
相談の趣旨と外れますが、販売店に責任はなくゴリ押ししてまで解約はするつもりはないものの、年齢を知らないとはいえ、高齢者に5年契約をさせることや、数年も前に先付け契約をとるのはいかがなものかとは思います。
(販売店独自の契約書でなく、5年まで印刷された販売グループ様式の存在が奇妙)
ちなみに販売店への接触はまだですが、ゲンさんの回答を得てからと考えています。お手数ですがご回答いただければ幸いです。
回答者 ゲン
お母さんが『末期ガン治療』をされておられるとのこと、ご心中お察しする。
契約者側から一方的に契約解除ができるのは、「クーリング・オフでの解約」、「契約時の不法行為などによる契約解除」、「引っ越しにより当該の新聞販売店の営業外地域に移転する場合」、『契約者の死亡(但し、夫婦の一方が存命の場合は引き継がれる可能性が高い)』くらいしかないとされとる。
そちらの『H24年1月より、独居の84歳の母(敷地は隣ですが別世帯です)が末期ガン治療のため、1ヶ月の入院+退院後2週間の在宅を繰り返しています』というご事情はよく分かるが、『入院のような場合は正当理由と扱われるのでしょうか』となると、申し訳ないが、難しいと言わざるを得ない。
それは、いくら入院期間の方が長くても帰宅しているという事実から生活の基盤は現住所にあると思われるからや。病院内に居住を移すということでもない限り、そちらのケースは、やはり現在行われている『休止扱い』が妥当な線やろうと思う。
『その後先月に、在宅中の母へ販売店から「まだ再開は無理ですか?」との電話があったようです』とのことやが、その状況に変化がない以上、「まだ無理です」と答えるしかない。
その新聞販売店の人間もそう言われれば「そうですか」としか返答のしようがないと思う。
『新聞の休止中の解約の可否』というのが、法律的、あるいは新聞業界の取り決めなどで『解約が可能か』と問われると残念ながらノーや。そんな決まりはどこにもない。
新聞の配達休止は、再開を条件にお互いが納得の上で約束して取り決めたものやさかい、配達可能な状態になれば休止を解除する必要がある。それが一般常識やとも思う。
上記の契約者側から一方的に契約解除ができる条件以外での解約は、すべてその新聞販売店との話し合いによる合意に基づくものと法律で決められている。
つまり、その販売店との話し合い次第では解約できるということやな。
新聞販売店にもいろいろあって、顧客の事情を汲んで解約に応じる所もあれば、契約書を盾に頑(かたくな)に解約を拒む店もある。その販売店経営者の姿勢、考え方次第で大きく違う。
顧客の事情を汲んで解約に応じる販売店なら問題ないが、そうでなければ難しい交渉になることを覚悟せなあかんと言うとく。
『相談の1つ目は、このような場合に解約が可能かどうかです』というのは、正直なところ、その販売店に打診してみな分からんと答えるしかない。
『同一販売店なので、先付けの方も後へ延びるとの認識で宜しいでしょうか』というのは、
『現行のH24.7〜26.6(17.3契約)まで』については、当然休止期間が、その先に延びることになる。
『先付けのH26.7〜31.6(22.7契約)まで』についても自動的に延びるというのが一般的や。『同じ新聞を2部配達されるんじゃないかと心配しています』というのは、その心配はせんでもええと思う。ワシらの知る限り、そんな真似をした販売店は皆無やさかいな。
『相談の2つ目は、先付け契約については解約は可能でしょうか』というのも、そちらのケースでは、その販売店との話し合い次第ということになる。
『また、違約金の額は現行契約とは異なるでしょうか』というのは、そもそも新聞業界において違約金の額の取り決め自体が存在しない。
これについても、その販売店経営者の姿勢、考え方次第で大きく違うてくるとしか言えん。それぞれの販売店で解約違約金の額が違うと。ゼロもあれば、かなり高額な請求もある。
ワシらにしても、その違約金を提示されて初めて「それは高い」、あるいは「それくらいが妥当」と言える。明らかに高いという場合は、その状況により交渉のアドバイスをすることはできるが、まだ違約金の提示がない状態では何とも答えようがない。
『2 ずっと休止が続く場合、休止期間の上限はあるのでしょうか』というのは、休止した状態に変化がなければ、そのままやから上限の期限というものはない。もちろん、そんなものは法律上も業界の取り決めにもない。
『その間に死亡した場合は、自動解約ですか』というのは契約者側からの一方的な解約通告の条件に合致するから、当然そうなる。
『但し、夫婦の一方が存命の場合は引き継がれる可能性が高い』という可能性がある。お母さんのご主人、つまりお父さんがご存命なら、その契約が続行される可能性があるということや。
これは民法第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)があるからとされとる。
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責に任ずる。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
というものや。当サイトの法律顧問、今村英治先生によると新聞代金の支払いは日常の家事に関する債務に該当する可能性が高いというご判断やから、ワシらもそれに従う。
但し、新聞購読費について、日常の家事に関する債務になるということには異論はないが、その判例がないので確定的やないから、あくまでも参考意見の域は出ないと言われておられるがな。
それ以外の契約者の死亡はすべて契約が解除されるものと考えられる。
法律家の中には、新聞の購読契約を負の遺産の債務として、遺産相続人が引き継ぐべきという意見もあるようやが、これについても確定的な判例は存在しない。
民法第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)の場合は、日常的にその夫婦が新聞を購読していたということで支払い義務が続行するというのは理解できるが、所帯を別にしている親族が、その契約に縛られる義務はないと考える。
新聞の購読契約が負の遺産の債務というのも納得し難い。新聞購読契約というのは、あくまでも当該の新聞販売店と契約者のみに適用されるものやさかいな。第三者には関係がないというのがワシらの考えや。
これについては、あんたが遺産相続人の場合、その契約の継続を拒否することは可能やと思う。その販売店が、それを不服とするのなら裁判所に訴え出て勝訴するしかない。
それについての勝ち負けは裁判やから何とも言えんが、現在の社会情勢から判断すると、新聞販売店の言い分が認められる可能性は低いと思う。
もっとも、今のところその裁判を提起した販売店はないがな。そして、このQ&Aに同様の相談をされた方、すべてで販売店がその契約の継続をあきらめとる。
せやからと言うて、その販売店があきらめるという保証はできんが、「母の契約は私には関係がありません」と通告すれば、その裁判を起こすしかないということに変わりはない。
新聞販売店の多くは、契約者との揉め事を裁判にはしたがらんさかい、その可能性は限りなく低いと思う。
『高齢者に5年契約をさせることや、数年も前に先付け契約をとるのはいかがなものかとは思います』というのは、ワシらも同意見や。
これは契約者の立場というより、新聞販売店の立場で考えてもリスクの大きいことやと言える。
高齢者の方は死亡率が高い。その方と長期の契約をするというのは「契約中に死亡されることもあり得る」と考えるのが普通や。死亡されたら、先にも言うたように契約が消滅する可能性が高くなるさかいな。
そのリスクを承知の上で高齢者の方と契約する必要がある。
契約を解除する際には、如何なる理由があろうと契約時に貰った景品、サービスの類は返還する義務があると考えられる。(民法545条原状回復義務)
但し、この契約者の死亡の場合は「死ぬまで契約を全うした」と考えられるさかい、その貰った景品、サービスの類の返還をする義務は消滅するものと思われる。
実際問題として、遺族が契約時に何を貰ったかなど分からないというのが普通やし、その契約で何の恩恵も受けていない遺族に、その返還をしろといのも変な話やさかいな。
契約者より新聞販売店の方にリスクが大きいということもあり、長期の契約は避けるべきやとワシらは長年に渡りずっと言い続けてきた。
『販売店独自の契約書でなく、5年まで印刷された販売グループ様式の存在が奇妙』というのは、その販売店グループとして5年先までの「先付け契約」を取れという意味やろうと思うが、これは奇妙と言うより、アホとしか言いようがない。
高齢者の方は死亡のリスクに加え、そちらのお母さんのように入退院を繰り返して購読の続行が事実上不可能になるということも考えに入れてなあかん。
長期の購読になればなるほど景品やサービスの類の負担も大きくなるわけで、契約者の死亡時にその返還も期待できんとなればリスクも、その分増大するさかいな。その程度のことも分からんのかと言いたい。
この長期契約による損得勘定だけで言えば、圧倒的に新聞販売店の方が分が悪いと思う。
ただ、契約者として負担に思われる気持ちは分からんではない。契約の続行ができん以上、解約してすっきりさせたいという思いもよく分かる。
それ故、『解約が可能かどうか』と質問されておられるのやろうと思う。できることなら解約したいと。
その場合は先に言うたように、その販売店に対して解約したいという意思を伝えて、相手の出方を見るしかないと思う。その結果次第でアドバイスさせて頂くが。
ただ、個人的な見解で言えば、今のまま「休止扱い」を続けるのでええと思う。今のところ精神的な部分以外での負担は何もないことでもあるしな。
今のまま解約しようと思えば、解約違約金の発生を覚悟する必要がある。揉めた場合、煩わしい交渉も覚悟せなあかんことになる。
ワシらはいくらでもアドバイスするが、実際に交渉をするのは、あんたとお母さんやさかい、その負担も考えられた方がええのやないかと思う。
『在宅中の母へ販売店から「まだ再開は無理ですか?」との電話があった』ということで、お母さんが精神的に負担に思われるのなら、あんたの方から、その販売店に「母は病弱のため精神が参っていますので、今後そのような電話は私の方にしてください」、あるいは「母が購読できるようになれば私から連絡しますので、母には電話しないでください」と釘を刺しておけばええ。
あんたの話を聞く限り、常識のある新聞販売店のようやから、そう言えば何も言わず、お母さんへの電話は止めるはずや。
それ以上の動きは何もないはずやから、何かあれば、また相談されたらええ。
もちろん、これは、あくまでもワシ個人の見解やさかい、どうされるかは、そちらで考えて頂くしかないがな。
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