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NO.1256 山本太郎参院議員の行動について


投稿者 Tさん  投稿日時 2013.11. 6 AM 2:42


山本太郎参院議員が天皇陛下に手紙を渡した件が連日話題となっております。

この件について、ゲンさんとハカセの見解を教えて下さい。


回答者 ゲン


『ゲンさんとハカセの見解を教えて下さい』というのが個人的な感想、意見ということで良ければ話させて頂く。

まずワシからや。

山本太郎参院議員が「園遊会」の場で「天皇陛下に手紙を手渡した」行為自体は、思慮の足らん行為として責められても仕方ないし、ワシも一国民として何をすんねんという気になった。

「園遊会」というのは、各界で功績のあった人たちや活躍した人たちを招いて天皇陛下が、その功を労(ねぎら)うという形で行われているものや。

今年の秋の「園遊会」への招待客は、その家族も含め全部で約2140人が招かれたという。見ている限り、天皇陛下がお声をかけられているのは、その最前列の方たちだけのようやが、それにしても相当な数に上るはずや。

一部には、山本太郎参院議員のような一年生議員が最前列に並べるはずがないから、割り込んだのやないかという意見があるようやが、それは違うと思う。

招待客なら誰でも最前列に並べる可能性があるとのことや。最前列の場所は早いもの順やと。入場列に早く来て並べば最前列を確保することも可能なようや。

但し、宮内庁記者会があらかじめ選出した著名人については「特別枠」として 最前列を宮内庁が確保しているということやけどな。

テレビなどでは、その部分が放映されているから誰もが簡単に最前列には並ぶことができんと考えとるだけでな。

後ろから割り込むのは無理や。警備の人間に制止され、ヘタをすると、その場から連れ出されるということやさかいな。事を起こそうとするからには、その程度の予備知識はあったはずや。

山本太郎参院議員は、天皇陛下に手紙を渡す目的があったわけやから、早めに会場まで来て入場列に並ぶくらいのことはしたと思う。

なるべく天皇陛下を患わせるようなことをしたらあかんというのは、招かれた者の礼儀として心得るべきことやと思う。日本人であるなら、常識以前の問題や。

実際、すべての人が弁えていたということもあり、過去にこのようなケースは一度もなかったさかいな。

「園遊会」とは違うが、明治34年12月10日、田中正造衆議院議員が、現在の東京家庭裁判所前付近で帝国議会開院式から帰る途中の明治天皇に足尾鉱毒事件について直訴を行ったという記録があるくらいや。

この当時には「不敬罪」というのがあった。当時権力のトップにいた明治天皇への直訴やから、田中正造衆議院議員も、それをすれば無事に済まないということを承知で足尾鉱毒事件の被害者のために命がけで、そうしたものと思われる。

当時、翌日の新聞では田中正造衆議院議員の行為は英雄的な受け止められて方をしている。

今回、山本太郎参院議員が新聞やテレビでボロクソに叩かれているのとは大違いや。

確かに方法論としてはワシも山本太郎参院議員のやったことは間違っていると思う。愚行と言われても仕方ない。

しかし、山本太郎参院議員は、記者会見で「原発事故での子どもたちの被曝(ひばく)や事故収束作業員の劣悪な労働環境の現状を知ってほしかった」という事実を訴えるためにしたしたと言うてるように、私利私欲ではなく、弱者を救済したかったという気持ちは、氏の日頃の活動を見ていれば分かる。

ただ、田中正造衆議院議員のように辞任覚悟ということではなさそうやがな。ただの思いつきでしたとしか考えられん。

山本太郎参院議員についてはテレビ画面を通してでしか分からんので、その人なりについてコメントするのは難しいが、氏はよほど思慮の足らん人間か、それともよほど策に長けた人物か、そのいずれかやろうと思う。

少なくとも一般常識で諮(はか)れる人物ではなさそうや。

与野党の国会議員たちは辞任させるべきという意見が大勢を占めているようやが、本人が否定している限り、法律的にも制度的にもそれは無理やろうと思う。

山本太郎参院議員を批判する人たちは異口同音に、「天皇陛下を政治利用している」、「憲法違反だ」と言うてるが、果たしてそうやろうかという疑念もある。

「天皇陛下を政治利用している」と思いたい人の気持ちは分かるがな。

天皇陛下は政治的な影響力は持っておられないし、政治に関与されることはまずない。例え、首尾良く手紙を渡すことができたとしても、天皇陛下がそれにより何かを発言されることなどあり得ないことや。

天皇陛下に何かを進言しても政治的な影響は皆無に近い。その程度のことは誰にでも分かるはずや。天皇陛下を政治利用しようとしても無駄に終わると考えるのが自然やと。

もし、本当に天皇陛下を政治利用できると期待してやったというのならアホとしか言いようがない。

そうではなく、天皇陛下に確かな情報が届いていないと考え、単純にそれを知らせたかっただけやというのなら、分からんでもない。

何度も言うが、その方法は間違っていたがな。

「憲法違反だ」というのも、微妙なところやと思う。ワシの個人的な見解では憲法違反には当たらんと考えるがな。

天皇陛下に手紙を渡す行為自体は禁止されているわけではないさかいな。

日本国憲法第16条に請願法(せいがんほう)というのがあるので、その手続きに従えさえすれば、すべての国民が天皇陛下に手紙を出すことは可能や。許されている。

請願法とは、請願を行う権利・手続に関して規定する法律のことや。


日本国憲法 第十六条  および 請願法

日本国憲法 第十六条
 
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。


請願法(昭和二十二年三月十三日法律第十三号)

第一条 請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。

第二条 請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。

第三条 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
   
請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。

第四条 請願書が誤つて前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。

第五条 この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。

第六条  何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

附 則

この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。


山本太郎参院議員のケースは、『第三条 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない』ということに対して違反しているものと考えられる。

これを憲法違反という捉え方かも知れんが、天皇陛下に対する請願書の提出自体は禁止されていないわけやから、単に勘違いしただけとも考えられる。

上記の手続きさえ踏めば、山本太郎参院議員が天皇陛下に請願書として手紙を出すことは可能やった。まず、それを先にするべきやったと考える。

方法が間違っていたと言うたのは、その点や。そうしていれば、第六条に『何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない』とあるわけやさかい、こうして叩かれることもなかったはずや。おそらく問題にすらならなかったやろうと思う。

山本太郎参院議員は、「園遊会で手紙を渡すことが禁じられているとは聞いていない」とのことやが、本当に何も知らずにしたということも考えられる。

日本国憲法第16条に請願法というものがあることも知らなかったと。知っていれば先にそうしていたはずやさかいな。

園遊会のルールでは特に天皇陛下に話しかけてはいけないとか手紙を渡してはいけない、とは決まっておらず、「写真撮影はご遠慮ください」、という注意があったのみということであれば、具体的な罪にも問いにくい。

「国会議員なんやから憲法の条文くらい知っておけ」というのは正論やが、憲法や法律の知らん議員は、それこそナンボでもおる。

今まで、憲法とか法律に縁のなかったタレント議員であれば、そういう者がおっても不思議やない。ごく一部の人を除いて、たいていはそんなものやと思う。

これが政党に所属しているというのなら別やが、山本太郎参院議員のように無所属で、周りに議員としての立ち振る舞いや行動を注意指導をする者も少なかったようやさかい、議員になってまだ3ヶ月程度ということもあり、そういう無分別さも理解できんこともない。

ただ、何も知らなかったということを理由にするようでは参院議員としての資質を問われても仕方ないがな。知らんかったで済ませられる問題やないと思う。ワシが『よほど思慮の足らん人間』と言う所以がそこにある。

そうやなく、すべてを計算尽くの上で、そうしたというのなら逆に『策に長けた人物』ということになるがな。

国会の答弁や委員会において政党に所属していない無所属の議員には発言権すら与えられないのが普通やという。本人は国民のため、有権者のためという思いがあっても結果として、その声を活かすことができないと考えて、ああいった行動を起こしたのかも知れん。

これがベテラン議員なら、いくらでも方法を思いつくかも知れんが、新米議員でブレーンにも恵まれていない状態のようやさかい、どうして良いのか分からず焦りだけが募っていったのやろうと推測する。

何とかしなければと考えた結果が、「園遊会」で天皇陛下に手紙を渡すことやった。天皇陛下に手紙を渡しても効果はあまり期待できないが、それをすれば必ずマスコミが取り上げるはずだと考えた。

事実、そのとおりになって大騒ぎしている。その意味では天皇陛下ではなくマスコミを政治利用したと言えなくもない。叩かれるのを承知で、敢えてそう考えて行動したのなら、相当にしたたかな人物であり、策士だとも言えるということや。

その時になって『原発事故での子どもたちの被曝(ひばく)や事故収束作業員の劣悪な労働環境の現状を知ってほしかった』と言えば、その事が話題になるはずだと考えて。

しかし、事はそれよりも、自身の行為の是非のみが問われている。何のためにそうしたのかということが殆ど問題にされていない。その点は氏の誤算やったやろうと思う。

ただ、そのいずれの見方が正しいのかと問われると、ワシには前者の何も知らずに突っ走ってしまったのやないかと考えるがな。あまり深く考えて行動してなかったのやないかと。

山本太郎参院議員は、今回のことについては謝罪して反省しとるようやから、二度と同じようなことさえしなければ、それで良しでええのやないかと思う。

ワシの個人的な意見というのなら、そうや。


回答者 ハカセ


私も、ゲンさんの言うように、とんでもないことをしたという思いはありますが、結果として手紙も侍従長止まりで陛下の手には渡っていないとのことですから、あまり騒ぎすぎるのもどうかと思いますね。

本日の報道に、


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131107-00000000-jij-pol より引用


皇室行事の出席自粛要請へ=山本議員処分で参院


 自民党は6日、秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員(無所属)の処分について、山崎正昭参院議長が厳重注意した上で、園遊会など皇室行事への出席自粛を要請する案を各党に提示する方針を固めた。同党幹部が明らかにした。

 与野党は、7日の参院議院運営委員会理事会で山本氏への処分を協議する。各党が自民党の提案を了承すれば、同日中にも山崎氏が山本氏に伝達。8日の参院本会議で山崎氏が報告し、議事録に記録として残す。こうした処分は参院の規則になく、異例の対応だ。

 一方、問題となった山本氏の行動は国会外で行われたため、同氏への懲罰動議の提出は見送られる。 


とあるように、結局はそれで収束するのではないでしょうか。

大山鳴動、鼠一匹といったところでしょうか。大騒ぎして終わりだと。

ただ、山本氏には猛省して頂きたいと思います。目的のためには手段を選ばないというやり方では人の賛同や共感は絶対に得られませんからね。

脱原発のために声を上げるという事に対しては私も脱原発論者ですから同じ思いですが、過激な行動は慎んで貰いたいですね。

そうでないと、一部の原発推進論者の人から、脱原発論者は危険思想の持ち主だという穿った見方をされかねませんからね。

節度と常識を弁え、理詰めで堂々とした言論で脱原発を唱え、小泉元総理の言われるように国民運動にまで発展させる必要があります。

その方法については、ゲンさんとも相談して、今後メルマガ誌上で今まで同様、話し続けていきたいと思っています。


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