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NO.1262 新聞配達の仕事を辞めたいのですが


投稿者 Kさん  投稿日時 2014. 1. 3 PM 4:25


新聞配達の仕事を始めました。母子家庭で住み込みで働ける仕事は限られてるため、激務だと言うことも理解して田舎から息子と出てきました。

この仕事を初めて2週間たらず。配達で使うバイク練習は一度先輩がついて練習しただけで、次の日からは一人で練習、その次の日には通勤にも使えと強要。

まだ公道も走ったことないし、ブレーキなど教えてもらってない状態で早くバイク乗れるようになれなど強要。

配達に関しても一日半、先輩が一緒について来ただけで次の日からは一人で配ってください。さすがに、これはムリだと訴えても住み込みで出てきてとか言われる始末。

辞めたいのですが、住み込みで引っ越し費用も出してもらってるから辞められない状態です。

こういう状態で辞める場合、引っ越し費用と住み込みしてるアパートの費用などは返さないとならないですか?


回答者 ゲン


『辞める場合、引っ越し費用と住み込みしてるアパートの費用などは返さないとならないですか?』というのは、すぐに返済する必要はない。

労働基準法で労働者が辞める場合には、金銭的な理由による束縛や拘束は一切受けないことになっている。辞めることに関しては自由や。辞めてから返済すれば問題はない。

ただ、その雇用契約がどうなっているかにより、どの程度の返済義務があるかどうかが違うてくるがな。

あんたが、その新聞販売店から「借金」という形で『引っ越し費用』と『アパートの費用』を借りて借用書にサインさせられているのなら法的には返済の義務が生じるものと考えられる。その場合は、アパートの借り主は、あんたになっているはずや。

そうではなく求人募集公告の採用条件に『引っ越し費用』は販売店持ちで『寮完備、住み込み可』となっている場合は、特に『引っ越し費用と住み込みしてるアパートの費用』の返済に応じなくても良い場合がある。

その場合は、アパートの借り主は、その新聞販売店の店主名義になっているものと思う。

分かりやすく言えば、あんたが、その販売店の好意にすがって金を借りて、自分で引っ越し業者を手配し、アパートを借りたのなら借金したということになり返済の義務が生じるが、新聞販売店で引っ越し業者を手配し、『引っ越し費用』は販売店持ちで『寮完備』という約束で住み込みしただけという場合は、多少その販売店とは揉めるやろうが法的には返済義務がないとされるケースが多い。

この業界で最も多いのは前者の「借金」をして『引っ越し費用』と『アパートの費用』を借りたというケースやさかい、それについてのアドバイスをする。

あんたに返済できる目処や当てがあるのなら、こういう相談はされてなかったやろうから、すぐには返済できないものとして考える。

まず次に住む場所と引っ越し費用を確保した上で、そのアパートを借りた時の契約内容にもよるが、権利金の返還があるのなら、その金を返し、後の支払いは話し合いで返済方法に合意するというのが一般的や。

ただ、その場合、あんたとその新聞販売店だけの交渉では難しいやろうと思う。その新聞販売店が、あんたを信用すれば別やが、それまでに面識のなかった相手を信用するというのは考えにくいさかいな。

たいていは、そのまま逃げられると考える。

法律的には借金で身柄を拘束されることはないが、その新聞販売店にすれば「後で支払う」という口約束を信じるわけにはいかんという気持ちになり、「辞めるのなら、引っ越し費用とアパートの費用を返してくれ」と言うはずや。

あんたにしても、そう言われれば、どうしようもなくなるものと思う。

そうなる可能性が高いから、誰か信頼のできる身内か第三者に交渉の場に同席して貰うことや。ただ、その場合は「保証人」になって貰えるような人でないとあかんやろうと思う。

最終的に借金の残金を後払いするとなった場合、その新聞販売店は、その人には保証人になってくれと言うやろうからな。

そういう人がいない場合は、「法テラス(日本司法支援センター)」 というのがある。

ここは、主に経済力のない人が頼ることが多く、民事法律扶助業務として資力の乏しい国民に対して、弁護士や司法書士に支払う裁判代理費用や書類作成費用などの立て替えを行う法律機関や。

あんたのようなケースに最も向いていると思う。その新聞販売店も「法テラス(日本司法支援センター)」が介入してきたということになれば無茶なことも言えんさかい、比較的スムーズに話し合いが進められるはずや。

まずは相談されることを勧める。

今までは『辞めたい』ということで、そのアドバイスをしたが「続ける」という選択肢はないのやろうか。

『配達で使うバイク練習は一度先輩がついて練習しただけで、次の日からは一人で練習、その次の日には通勤にも使えと強要』、『まだ公道も走ったことないしブレーキなど教えてもらってない状態で早くバイク乗れるようになれなど強要』というのは、あんたにとっては無茶な話に感じたやろうと思う。

『配達に関しても一日半、先輩が一緒について来ただけで次の日からは一人で配ってください』というのも信じられないという気持ちになったやろう。

ワシも、それはあまりにも不親切やと考える。人に働いて貰うのなら、それなりの指導と環境を整えることが使用者側の責務やと考えるさかいな。

ただ、この業界の人間は自分も同じような扱いを受けてやってきたという思いがある。そして、それをこなしてきた者は、自分にできたのやから、他の者にもできると考える。

業界では、「アンチョコ」と呼ばれる「順路帳」を理解するのは常識と考え、それを見さえすれば誰でもすぐに配達できるという思いもある。できない方が、おかしいと。

あんたにとっては、それが無理と感じられたのやとは思うが、それにしても『この仕事を初めて2週間たらず』ということは、その2週間は何とかやってきたことになる。

しかも、この業界で最も過酷な年末年始の配達も経験されている。それを無難にこなされたのなら、続けることも可能やないのやないかと考えるがな。

どんな仕事でも最初はきついものや。しかし、慣れれば大したことやないと思えるようになる。実際、あんたと同じようにして新聞配達を続けておられる人はいくらでもいるさかいな。

ましてやあんたは『激務だと言うことも理解して』ということで、相当な覚悟を持って始めようと考えられたはずや。

ただ、それは、あんたが考えることで、ワシなんかが無責任に勧められることでもないがな。続けるか辞められるかは、あんた次第や。

結論として、どうしても辞められたいのなら、その話し合いの場には第三者に立ち会って貰うことや。もしくは「法テラス(日本司法支援センター)」などの法律機関を利用されることを勧める。

ワシからのアドバイスは、そんなところや。また分からんことがあったら、いつでも相談されたらええ。


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