新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1274 業界全体がシフトを変える時が来ているといえないでしょうか?
投稿者 Tさん 投稿日時 2014. 4. 8 AM 8:11
長年新聞屋をやっていると、当然のことながら新聞関係外のことを頼まれたりするのもままあることです。
それを快く引き受けるか否かはスタッフそれぞれの度量ですが、これからは新聞販売店として、「できることはなんでもやりますよ」と言い切る時代が来たと思います。
「たたき」は新聞やにとってとても大事な仕事です。でもそれだけに依存し続ける限り、私たちに未来はないと思います。
まずは「たたき」で紙を増やし易い土壌を作る。その一環としての「シニアサポート」であり「マラソンドリル」であれば、この業界にも光が見えてくる気がします。
古紙回収サービスをはじめ、街角清掃サービスや登下校児童見守り隊等探せばいろいろありそうですね。
そういった方向に業界全体がシフトを変える時が来ているといえないでしょうか?
回答者 ゲン
『これからは新聞販売店として、「できることはなんでもやりますよ」と言い切る時代が来たと思います』というのは、本当はもっと早い段階で業界トップの人たちが、そのことに気づくべきやったと思う。
新聞の強みは地域に根差したところにあるさかい、本来はその地域の人のためになるものやないとあかんのやが、残念ながら今までは、その気持ちの欠けた者が客を客とは思わず、トラブルを引き起こすケースが絶えんかった。
宅配制度により、同じ新聞の販売店は地域に1店舗しかないということで、独占状態にあったことが奢りを生み、そうさせたのやろうと思う。
これからは、それではあかんと考えを改めて、顧客のための新聞販売店になろうと心がけん限り生き残ることすら難しい時代になったと言える。
『その一環としての「シニアサポート」であり「マラソンドリル」であれば、この業界にも光が見えてくる気がします』というのは、
当メルマガの『第301回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞復活への試み……その1 マラソンドリルとシニアサポートについて』 および、『第302回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■拡張の群像 その13 主婦拡張員、キョウコの憂鬱』を見られた上での意見やと思う。
『シニアサポート』とは、『おばあちゃんから仕事のお手伝いの依頼があれば、「はい喜んで」と飛んで行く』というコンセプトのもと、電球交換から始めるサービスを徹底させることを指したものや。
要するに高齢者に特化したサービスをすることやな。
『マラソンドリル』には、『新聞で子供の学力を上げよう』と呼びかけることで、子供のいる人たちを取り込もうという狙いがある。
具体的には新聞紙面に、学校や学習塾でありがちな国語や算数、社会、理科の問題ドリルと同じようなものを載せて勉強させる仕組みにしようと言うものや。
昔から「勉強するなら新聞を読め」とは、ワシらの子供の頃からよく言われていたことで、それはある意味正しいと思う。
世界的に見ても新聞を読んでいる子供ほど学力が高いという確かなデータがあるさかいな。
現在、子供を学習塾に通わせている家庭は多い。昔ほどではなくなったとはいえ、今以て有名私立中学、有名高校、有名大学に入学させたいと願う親も少なくないさかいな。
文部科学省が平成20年8月に発表した「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」によると、平成19年11月の調査で、小学1年生から中学3年までの生徒のうち学校外での何らかの学習活動(学習塾、家庭教師、通信添削、ならいごと)の実施状況は、小中学校全体を通じて、各学年とも概ね80%前後という結果になっている。
そのうち学習塾など複数の校外学習をしている子供は、半数の40%に上る。
同じく文部科学省の「子どもの学習費調査」による年間の学習塾費の支出は公立の小学校が13.6万円、私立の小学校が30.5万円、公立の中学校が24.9万円、私立の中学校が24.6万円、公立の高等学校が24.2万円、私立の高等学校が33.3万円となっている。
けっして安い費用ではないが、費用の問題で家計を圧迫すると答えた保護者は皆無やという。
つまり、子供の学力向上のためには少々の出費は惜しまない親が多いということやな。
これが勧誘トークのポイントになる。
そんな保護者で新聞を取っていない場合、「子供の勉強ためには、新聞が必要です」と説いて理解させることができれば月4千円前後、年間5万円弱程度の出費なら安いと考える人もおられるはずや。
そのトークとして、「新聞を読むことで確実に、お子さんの成績が良くなりますよ」、「他のお子さんとの差別化ができますよ」、「新聞は、あらゆる教科の勉強の役に立ちますよ」、「新聞の切り抜き(スクラップ)記事を作ることで洞察力、および観察力が格段に向上しますよ」、「新聞記事を読むだけで文章力がつき、読解力が格段に良くなりますよ」、「教科書に新聞が教材として採用されています」などを挙げた。
それぞれのトークの項目について詳しく解説をしているが、あんたはそれを読まれとるはずやから、ここでの説明は省かせて頂く。
『古紙回収サービスをはじめ、街角清掃サービスや登下校児童見守り隊等探せばいろいろありそうですね』というのも、『第86回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■社会に貢献できる新聞の営業法について』 で話したことがある。
「独居高齢契約者への見守りサービス」、「子供たちの通学路での不審者への監視」、「頼りにされる存在になる」、「ちょっとした気遣いが差を生む」といったことについての情報が、ふんだんに盛り込んでいるので見て頂ければと思う。
『そういった方向に業界全体がシフトを変える時が来ているといえないでしょうか?』というのは、そのとおりで、ワシはサイトを開設した当初の10年前からずっとそれを言い続けてきた。
拡材のみの勧誘や強引な営業手法には未来はないと。ようやくワシが言うてきたことが現実になりつつあるということかな。
現在、この業界は全般的に難しい状況にはなっているが、いち早く、昔からの勧誘手法から脱却し、客とのコミニュケーションを取ることに成功した新聞販売店が規模を縮小するどころか拡大している。
先の『シニアサポート』や『マラソンドリル』の考え方を取り入れとる販売店が、その典型やと思う。その確かな成功例があるさかいな。
どんな商売でもそうやが、顧客の気持ちを掴み、ニーズに答えることのできる企業が業績を伸ばしているということやな。
そういう意味で新聞業界も、やっと他の企業並みになりつつあるというのがワシの偽らざる気持ちや。
若干、遅きに失した感は否めんが、あんたら新聞販売店の人たちを含めた業界関係者のこれからの頑張り次第では、まだまだ新聞には未来と希望があると確信しとる。
あんたのような意見が寄せられてきたことで僅かながらでも、新聞の復活が望めるという気になった。すべては、これからやと。
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