新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1281 新聞販売店との契約上のトラブルについて
投稿者 Sさん 投稿日時 2014. 6.13 AM 10:47
今日は。
新聞契約解約に伴うトラブルが起きています。アドバイスをお願いします
経緯
1 平成25年10月2日。A新聞販売員が来て、26年6月1日から2年間の契約依頼があった。
・「辞めるかも知れないので、ギフト券も受け取らない」と告げる。
予め言ってもらったら、それでいいからサインをお願いします。(販売員)
・30年来の付き合いなので気軽にサインしてしまった。
2 26年1月から〜4月までの間
・「辞めることを決めて」約5回前後それを伝える。
担当がいないので後で連絡を入れるとの回答がほとんどであったが、一度だけ販売店から電話があり「いま解約すれば、商品券(24年契約分)は返してもらう。」(家内受)
・そこで後日私が、5月の契約完了までいれて下さい。その後は解除をお願いします。
この時点で、販売店は了承したはずである。
3 6月1日 新聞が入り始め〜今日も続いている。
4 6月3日
・販売店に「止めて欲しい話が違う」とお願いする。
担当がいないと取り合わず。3日間休んでいる。あすは来る。(他の販売員)
・明日4日、「来て欲しい」とお願いする。
明日担当が来たら、午前中に連絡入れ、伺います。(他の販売員)
・午前11時前まで待つが、連絡なし。外出から帰り15時頃。派出所に行き、事情を話す。
警察の仲介で4時半に私の家で話合うことに。
・結局来ない。16時ころポストを開けると(書面が入る。別紙)どうやら午前中出かけた間に来たようだ。
5 6月5日午前9時すぎ〜
・生活消費センターへ電話する。新聞公正取引委員会・A新聞もしもしコールの電話番号紹介。
・新聞公正取引委員会の方が、ギフトカードを受け取らなかったのは良かった。新聞はそのままにしておき、又連絡下さい。
・A新聞もしもしコールには、前後の経緯を話す。販売店へ伝える。とのこと。
その日、午後
・販売店から留守電が入る。後で掛けますとの伝言だが連絡がなく。(別紙書面が入る。)
7 6月7日午前 電話が入る。
先日の書面について(和解について考えたかとの内容)(販売員)
・法律相談窓口が済んでから、返事すると回答。
突然、販売員がキレて「和解条件は白紙に戻す」徹底的にやると、宣言。
6月11日
弁護士に相談。
「新聞購買契約書の控え、備考にVISA8000円」と記載してある。これは新聞購買契約ガイドライン違反。
購買の条件として高額な商品サービスしてはいけない? その点から、6月1日付けで契約解除となる。
6月12日
新聞公正取引委員会 G氏
契約書に記載自体が、契約不備として6月1日に遡り解除出来る。
6月12日
A新聞販売店は「あなたが<もしもし相談へ、<景品は受け取っていない・契約していないので受け取らない>」と強く抗議したので(6月5日午前9時すぎ〜)その時点で景品についての契約は解除となっている。
テープにも証拠として残っている。だが一方の新聞2年契約の方は生きているので、今からも続く。
私が、今後どのようにしたいのか? と聞くと、「和解案を提示してくれ」と言ってきた。
それでは1月だけ購買すると言うと、半年の購買を考えていたので、真ん中を取って「3ヶ月」と言ってきた。その条件を今現在保留にして今日がある。
1、抗議したことで景品の件が無効になることはあるのでしょうか?
そうだとしても6月4日までは有効なので、6月1日に遡れば、やはり契約は、ガイドライン違反・契約書不備・契約不履行で解約になるのではないですか?
教えてください。
2、販売店が解除を拒む時はどのようにすれば良いでしょうか?
回答者 ゲン
『抗議したことで景品の件が無効になることはあるのでしょうか?』ということやが、『景品の件が無効』になれば、契約そのものが無効になる。
景品サービスは、その契約を成立させるための条件として提示されたものや。当たり前やが、契約は提示された条件を双方が納得して履行されん限り成立することはない。
つまり、景品サービスを断るということは契約そのものを断ることと同じ意味になるわけや。そんなことは初歩的な契約のイロハ、常識なんやがな。
そんなことも知らず『A新聞販売店は「あなたが<もしもし相談へ、<景品は受け取っていない・契約していないので受け取らない>」と強く抗議したので(6月5日午前9時すぎ〜)その時点で景品についての契約は解除となっている』と、本当にその販売員が言ったのなら頭がおかしいとしか言いようがない。
新聞の購読契約に『景品についての契約』などというものはない。景品はあくまでも本契約の付帯条件にすぎん。
契約は、提示された条件をお互いが納得した上で交わすものや。一方がその条件を拒否し、他方がその条件を遂行しなかった時点で契約は成立していないものと見なされる。
つまり、あんたが『景品は受け取っていない・契約していないので受け取らない』と言って、その販売店が提示した景品を渡さなかったという事実で、その契約は成立していないことになるわけや。
なぜなら、その時点で、その新聞販売店は契約を遂行するための条件を履行していないのやさかいな。それを法律用語で契約不履行と言う。
『新聞公正取引委員会の方が、ギフトカードを受け取らなかったのは良かった』というのは、そういう意味からやと考えれば納得できると思う。
『テープにも証拠として残っている』というのがその販売店の切り札のように言うとるようやが、それは逆や。
あんたが『景品は受け取っていない・契約していないので受け取らない』と言ったことも当然、そのテープに録音されとるはずやから、その証拠とやらのテープも、あんたの有利に働くのは間違いないと断言する。
通常、この業界では契約時には必ず景品を契約者に渡すものと相場が決まっている。景品を受け取ったことで、契約が成立しているという既成事実を作るためにな。
普通に考えたら分かるが、新聞購読契約には景品サービスが付きもので、客はそれが貰えるから契約するという側面がある。今までのあんたがそうであったようにな。
それを『景品についての契約は解除となっている』が『一方の新聞2年契約の方は生きている』と言える神経を疑う。
契約者であるあんたを甘く見てそんなことを言っているのか、よほどその販売員とやらが無知なのか、そのいずれかやと思う。話にならん。
唯一、その販売店に利があるとすれば、あんたが『景品を貰わなくても契約します』と言うた時くらいなものやが、そんなことを言われるはずはないわな。
『いま解約すれば、商品券(24年契約分)は返してもらう』と、その販売店の人間が言うたとのことやが、どういう意味なんやろうか。
『24年契約分』は、すでに終わっているはずやないのかな。現在は『26年6月1日から2年間の契約依頼があった』ということで、6月1日から新聞を投函しているはずやしな。
終わった契約分の商品券を返せと言うてるのやとしたら、ふざけるなと言うしかない。そんなアホな話に付き合う必要はないし、どこに出ても通用せん与太話や。そう言うて一蹴したらええ。アホかと。
『辞めるかも知れないので、ギフト券も受け取らない』と言い、『予め言ってもらったら、それでいいからサインをお願いします』と販売員が言うたというのは、ありがちなことや。
契約者は、当然のように止めたい時に、「やはり止める」という意思を伝えれば契約にはならないと考える。
昔なら、『30年来の付き合いなので気軽にサインしてしまった』ということと、その契約の条件としての景品を受け取っていれば、その時点で契約が成立していたとするケースが多かった。
たいていの場合、契約者と勧誘員との会話のやりとりが当事者同士にしか分からず、結果として「言うた、言わん」の水掛け論になることが多く、その場合の判定は、契約書にサインをしたことと、その条件としての景品を受け取っているという事実で、契約者側が不利になることが多かった。
過去、このQ&Aにも、その手の相談が数多くある。
しかし、今はそうではないケースの方が多い。契約者の主張と販売店側の主張に食い違いが生じた場合、契約者の主張の方が認められるケースが増えている。
2009年12月1日に、『特定商取引に関する法律』の改正法が施行された。その中に、『不実の告知の禁止』というのがある。
虚偽の説明や事実と異なる話をもとに勧誘営業をすればすべて違反になるというものや。
これなんかも当事者同士にしか分からんということで、今までは、うやむやにされがちやったが、この法律の施行により、新聞業界は契約者の主張の方を信じる傾向が強くなった。
それには、業界関係者なら、あんたの言われる『予め言ってもらったら(その時に解約しますので)それでいいからサインをお願いします』というようなケースが日常的に行われていることをよく知っているからでもある。
『「新聞購買契約書の控え、備考にVISA8000円」と記載してある。これは新聞購買契約ガイドライン違反』というのは、そのとおりや。
新聞購買契約ガイドラインについては、『第286回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読契約ガイドライン決定……今後のQ&Aでの影響について』 で詳しく話しているので、それを見て頂ければ分かると思う。
ただ、『購買の条件として高額な商品サービスしてはいけない?』というのは、そのとおりやが、『その点から契約解除となる』というのは少し違う。
新聞購買契約ガイドラインは、長期契約をめぐる高齢者からの苦情が目立つとして国民生活センターから改善要望が寄せられたことを踏まえ、策定したものとされている。
解約に応じるべき場合と、丁寧に話し合って解決すべき場合に分け、具体的な事例を列挙しているもので契約解除に触れている項目はない。
この新聞購買契約ガイドラインに沿えば『公正競争規約の上限を超える景品を提供していた場合は、解約に当たって景品の返還を求めてはならない』ということになる。
『公正競争規約の上限を超える景品』とは、景品表示法のことで新聞購読契約の場合、俗に「6・8ルール」と呼ばれているものが、それになる。
景品の最高額を取引価格の8%又は6ヶ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲と決められているというものや。
分かりやすく言えば、新聞購読契約の景品付与の上限額は6ヶ月以上の契約の場合2000円を超えると景品表示法違反になるということやな。
それからすると、『新聞購買契約書の控え、備考にVISA8000円』という景品の記載はガイドライン違反になる。
ただし、その違反行為で契約解除になるとは言及されていない。解約時に、そのサービス分の返還を求めてはならないと決められているだけや。
もっとも、そのガイドラインを策定した新聞協会と新聞公正取引協議会にとっては、あからさまな違反行為を許すことはできんやろうから、通告すれば、その販売店は新聞社、新聞公正取引協議会の両方から、叱責、および厳重注意されるものと思う。
そして、結果的に、その契約についても解除するよう指導されるはずや。
『突然、販売員がキレて「和解条件は白紙に戻す」徹底的にやると、宣言』したということやが、今の時代、そんなやり方は通用しない。やっても無駄や。
まあ、その場の言葉のやり取り、売り言葉に買い言葉的な感覚で激高して、ついそう口走ったのやろうがな。
昔なら、新聞の契約事については、新聞販売店に一定の裁量権のようなものがあったさかい、その新聞販売店次第で争えるというケースもあった。
しかし、今はそんなことをすれば、その販売店が、新聞社や新聞公正取引協議会に目をつけられ不利になるだけや。争いにすらならんやろうと思う。
『新聞公正取引委員会 G氏』の弁としとて『契約書に記載自体が、契約不備として6月1日に遡り解除出来る』と言うとのことやが、本当にそんなことを言うたのやろうか。
ワシには、ちょっと信じ難いがな。
あんたの言われる『新聞公正取引委員会』とは『新聞公正取引協議会』のことやないのかな。それなら分かる。
『新聞公正取引委員会』という組織は存在せんさかいな。
『公正取引委員会』ならあるが、公正取引委員会は、独占禁止法を扱う国の行政機関で内閣府の外局という位置づけの機関で、契約の解除については管轄外やさかい、そんなことを言うとは考えられん。
対して『新聞公正取引協議会』とは新聞社、および新聞販売業者で組織されたもので、言えば新聞業界の代表のようなものや。
その役目は主に、新聞勧誘や契約事の違反処理やさかい、『契約書に記載自体が、契約不備として6月1日に遡り解除出来る』と言われたというのなら分かる。
そして、その『新聞公正取引協議会』のG氏がそう言うたのなら、再度電話して、その販売店が無法なことを言うてると通告したらええ。
『それでは1月だけ購買すると言うと、半年の購買を考えていたので、真ん中を取って「3ヶ月」と言ってきた。その条件を今現在保留にして今日がある』ということやが、話し合いをすること自体は反対はせん。自由にされたらええ。
ただ、何度も言うが、あんたのケースは契約そのものが成立していないさかい、あんたの方から折れる必要は何もないと思う。
それでも新聞を投函し続けるのなら、その都度、『新聞公正取引協議会』のG氏や『もしもし相談』に苦情として申し入れられたらええ。それで事は収まるはずや。
『販売店が解除を拒む時はどのようにすれば良いでしょうか?』ということやが、まずそこまで言い張ることはないとは思うが、それでもそう言うのなら、「新聞を入れ続けても代金は支払わない」と通告すればええ。
その販売店が、どうしてもあんたから新聞代を回収しようとすれば、新聞代未払いによる損害賠償訴訟を起こすしかないが、万が一、そうなった場合でも、あんたが負ける要素は殆どないと思う。
もっとも、未だかつて、新聞販売店が購読客相手に裁判を起こした例はないがな。
以上やが、何かあれば、再度相談されたらええ。
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