新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1288 どの新聞を購読するか迷っています


投稿者 Uさん  投稿日時 2014. 7.18 PM 8:34


ゲンさん、ハカセさんこんばんは。

お二人に相談にのっていただきたいことがあってメールしました。

自分はこれからどの新聞を購読しようかと迷っています。

現在購読しているのは地元紙であるK新聞ですが、郷土愛のない自分にとっては地元贔屓が強い気がしてややうんざりしてきました。

9月いっぱいで契約が切れるのを機に今度は全国紙を読もうと思い、時々駅の売店やコンビニで色んな新聞を買ってみて読んでいます。

今のところはS新聞かM新聞をとろうかなと思っているのですが、まだ決めかねています。

本当は複数の新聞を購読できればいいのですが、経済的な理由で1紙だけにしたいです。

自分は無知無教養で低所得低学歴、社会的地位もない(おそらく死ぬまで社会の底辺の存在だと思います)人間ですが、そういった人間にはどんな新聞が適しているでしょうか?

芸能やスポーツには興味が無いのでどの新聞もそのページは読み飛ばしています。

右寄りあるいは左寄りと言われる新聞を読んでみても記事に賛同できるときもあればできないときもあります。

(自分の考えにぴったりな新聞などないとは分かっていますが…)

自分が読む新聞も自分で決められないのは情けない話かもしれませんが、アドバイスをよろしくお願いします。


回答者 ゲン


『自分は無知無教養で低所得低学歴、社会的地位もない(おそらく死ぬまで社会の底辺の存在だと思います)人間ですが、そういった人間にはどんな新聞が適しているでしょうか?』と言われていることやが、そんな新聞は存在しない。

そもそも、あんたはご自身で『無知無教養』と言われているが、どの新聞を購読しようかと悩んでおられること自体、十分に教養の豊かな人やと思う。また知識欲のある方やと。

もっとも、謙遜されて、そんなことを言うておられるのかも知れんがな。

その謙遜の言葉に反発するつもりはないが、『低所得低学歴、社会的地位もない』ということを卑下する必要はさらさらないと言うとく。

人の値打ちは、そんなもので決まるもんやない。それで人生が決まることがあるとしたら、それはあんた自身に問題があると思う。

『低所得低学歴、社会的地位もない』から何もできないと考えればそうなる。人は自らの生き方、可能性をそうやって抑えている限り、そこから抜け出すことも今以上になることもできない。

その逆、『低所得低学歴、社会的地位もない』からこそ、のし上がるんやと思えば、そうなるもんなんや。人は思いの強さで変わる。要はそう信じることができるかできないかの違いがあるだけやと思う。

『低所得低学歴、社会的地位もない』ところからのし上がってきた歴史的人物、偉人は挙げればキリがないほど多い。

つい最近では、松下幸之助氏(現、パナソニック創業者)と早川徳次氏(現、シャープ創業者)は小学校中退やし、田中角栄氏(元内閣総理大臣)と本田宗一郎氏(現、ホンダ技研創業者)は小学校しか出ていないという。他にも、そういった人物を探せばいくらでもいるはずや。

彼らの伝記、自伝を読む限り共通しているのは、そのすべての人が、その学歴に対してコンプレックスを持つどころか、むしろそのことをバネにして立身出世を果たしているという点や。

特に田中角栄氏(元内閣総理大臣)などは、東大卒が当たり前のような政界にあって、二田高等小学校(現在の柏崎市立二田小学校)卒業を最終学歴として積極的にアピールすることで頂点にまで上り詰めた人やさかいな。

もっとも、その晩年はいろいろ問題を起こして名を汚したという一面は否めないが、それでも歴史に名を残した偉大な人物であることには違いない。

事ほどさように、人は自身の思い一つでどうにでも変われるわけや。変われないのは、その人が、そう思い込んで自らに限界を作っているからに外ならないからやと思う。

それに、例え『高所得高学歴、社会的地位が高い』人物になれたとしても、それだけでその人が幸せになるとは限らんさかいな。

何の変哲もない、つまらないと思える生き方が実は最高の人生やったりするわけや。人は失って初めて、それに気づく。それでは遅いんやがな。経験者は語るや。

今、あんたに守るべきものがあるのなら、それを大事にして貰いたいと思う。

何か説教臭くなったが、あんたを責めて言うてるのないことだけは分かって欲しい。単に『低所得低学歴、社会的地位もない』ということなど気にしなくても良いと言いたかっただけやさかいな。人の生き方や値打ちは、そんなものでは決まらないと。

『おそらく死ぬまで社会の底辺の存在だと思います』というのは、殆どの人がそうやと思う。ワシもハカセも、そのうちの一人や。一般大衆の大半がそうや。そうでなければ、この世の中は成立しない。

底辺の人間がいて一部の指導者がいるから、この人間の世は上手くいっているのであって、底辺の人間ばかりでもトップの人間ばかりでも社会は成り立たない。

それぞれがそれぞれに大事な役割を担って生きていると考えるがな。人に害を為す者以外、この世の中に不必要な人間など存在しないと。

あんたの言う意味が、一般大衆というのであれば、一般的にはY新聞がそれに該当すると思われている。

Y新聞は一般大衆向きということにコンセプトをおいて作られている新聞や。目的は広く大衆に支持され部数を伸ばすということや。

これは、ある意味、大成功を収めた。かつてのライバル紙やったA新聞を部数で凌駕し、日本一、いや今や世界一の発行部数を誇る大新聞になったさかいな。

しかし、そういうコンセプトは当然ながら独創性に欠ける。どうしても八方美人的な要素を伴うからや。当たり障りのないのが、一般大衆向けとも言えるから仕方ないがな。

当然、内容も中立という立場の論調が増える。それで良しとするか、中身が薄いと受け取るかは読者次第ということになる。

『自分はこれからどの新聞を購読しようかと迷っています』というのは、相談を受けた以上、勝手にしろとは言わんが、最終的には自分で決めて貰うしかないと思う。

ワシが、あんたにはこの新聞が合うとるから購読しろとは言えん。ただ、判断材料の一つとしての個人的な意見で良ければ話すがな。

それにはまず、新聞の善し悪しや内容を知る前に、あんたが新聞を購読しようとする目的や理由を自問することの方が先やろうと思う。

何のために新聞が必要かということを考えれば、購読する新聞も自ずと決まってくるはずや。

もっとも、あんたはすでに『今のところはS新聞かM新聞をとろうかなと思っているのですが、まだ決めかねています』ということで絞っておられるから、その意味で言えばアドバイスするのは、それほど難しくはなさそうや。

ワシは、かつてS新聞の勧誘をしたことがあるから、ある程度のことは分かる。

S新聞は全国紙で一番、斬新的なアイデアを出す新聞やと思うとる。例えば、紙面にカラーを取り入れたのも、ここが最初や。

ワシら関西人の気質に一番近いのがこの新聞やないかと思う。当然、関西での人気も高く売りやすい新聞やった。

他の地域の人は意外に思われるかも知れんが関西ではS新聞がシェアトップの新聞なんや。他の地域ではもう一つというのは否めんがな。

M新聞の場合は、正直言うてワシには、あまりええ印象がない。2008年8月1日発行の当メルマガ『第8回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■MDN醜聞の波紋』 で、M新聞の不祥事について触れたことがあったから、よけいそう思うのかも知れんがな。

当時、ネットで散々叩かれ、大きな社会問題にもなった。それ以降、部数もかなり落ち込んだ。

ただ、その苦い経験から、二度とそんなことはしないようにと多くのM新聞関係者の方が頑張っておられるのも事実や。

例えて言えば、不良製品を出して世の中に迷惑をかけたと考えた企業が、二度とそんなことのないように頑張って、良質なものに変えて売り出しているといったところかな。

ここにもマイナスの要素が必ずしもマイナスにはならんという教訓がある。マスナスがあったからこそ、プラスに転嫁する術を考え出せたわけやさかいな。

現在のM新聞もそれと同じで、その頃のM新聞とは明らかに違ってきている。もちろん、ええ方にや。

失敗があったからダメだと思うか、失敗があったからこそ次はない、大丈夫だと信じられるか、その見方の違いで評価は大きく分かれると思う。

いずれの新聞を選択されるかは、あんた次第や。ただ、何事においても十全のものはない。人が関わって作っているものである限り、どこかしか欠点はあるもんや。それは分かって頂きたい。


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