新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1298 ある新聞社(系列の販売店)が別の新聞社(系列の販売店)と一度交わした契約を解約することはできるのでしょうか?


投稿者 Nさん  投稿日時 2014.10. 1 PM10:45


初めてメールします。

まずは現状の説明をさせていただきます。

僕は今年の4月で20歳になった大学生で、実家を離れ一人暮らしをしています。

今年の5月に、就職活動のためにとA新聞を10月から2年間購読するという契約をしました。

なので、6月にY新聞のセールスマンが来た時には、A新聞と契約しているため一度断りました。

しかし、そこでそのセールスマンが、「自分がA新聞の販売店に話をしてA新聞の配達をやめさせる(A新聞との契約を解約させる)から、10月から3ヶ月間Y新聞を取らないか」と言われました。

6月時点では、各新聞の良し悪しもよく知らず、新聞ならどれでも良いと思っていた事もあったので、契約期間が短いなら後から止めるのも延長するのも融通が効く、A新聞との解約を向こうがしてくれるという理由でY新聞と契約しました。

その後、A新聞の慰安婦に関する誤報などを知り個人的に解約できて良かったと思っていました。

ところが、今月になったらAとY両方の新聞が届いてきました。

急いでY新聞の販売店に連絡したところ、自宅にY新聞の配達員? の人がやってきました。

その人によると、6月にやってきたセールスマンが連絡を忘れていたためA新聞も届いてしまった。

今からでも自分がA新聞の販売店に言って解約させることができる。

僕が自分自身で解約すればさらに確実である(慰安婦問題が理由ならばクーリングオフができる)と言われました。

A新聞との契約をどうするかは保留にしています。

そこで質問なのですが

・本当に上記の理由でA新聞の解約(クーリングオフ)が可能なのでしょうか?

・そもそもある新聞社が別の新聞社と一度した契約を解約することはできるのでしょうか?

僕としては、多少違約金を払っても良いのでA新聞を解約したいと思っています。

ちなみにA新聞から送られてきた洗剤は一度も使わずに残してあります

まだまだ未熟者で、メールに至らぬ所もあると思いますが、よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『本当に上記の理由でA新聞の解約(クーリングオフ)が可能なのでしょうか?』ということやが、Y新聞のセールスマンがそうするのは正当な方法では無理や。できるわけがない。

Y新聞のセールスマンが、『自分がA新聞の販売店に話をしてA新聞の配達をやめさせる(A新聞との契約を解約させる)』ということができるのなら、何のために日頃から凌ぎを削って拡張競争に明け暮れとるのかということになる。

もし、それができるとしたら、Y新聞の販売店がA新聞の販売店に脅しをかけて従わせるくらいやが、それも無理や。

万が一、『脅しをかけて従わせる』てなことが発覚したら大問題になるし、よしんばそうしたとしてもA新聞の販売店がY新聞の販売店の命令や指示などに従うわけがない。

例えが、ええかどうかは分からんが、暴力団の大組織が、敵対する大組織の暴力団に圧力をかけて従わせるから安心しろというのと同じようなものや。

それが無理やというくらいは分かるわな。そんなことをすれば血の雨が降る大喧嘩になるだけや。お互いにとって何の益もない。暴力団関係者かて、そんなアホなことは絶対に言わん。

Y新聞の販売店とA新聞の販売店の関係も、それと似たようなものやと考えれば分かりやすいと思う。

したがって、『10月から3ヶ月間Y新聞を取らないか」と言われました』というのは言うた時点で大ウソやったことになる。

『そもそもある新聞社(系列の新聞販売店)が別の新聞社(系列の新聞販売店)と一度した契約を解約することはできるのでしょうか?』というのも「ない」とはっきり断言する。

そう言えば、あんたから契約を取れると考えたのやろうな。また、以前にもそうして契約を取ったことがあるのやろうと思う。

その場の契約さえ取れればウソを平気でつくような人間も、残念ながらこの業界にはいとる。そのY新聞の勧誘員のようにな。

『慰安婦問題が理由ならばクーリングオフができる』というのも絶対にない。これも大ウソや。

そもそも『クーリング・オフ』というのは新聞購読契約の場合、契約日から8日間以内に文書で通知しなければならないと法律で定められているから、それ以外の如何なる理由があろうと『クーリング・オフ』の対象にはならん。

『6月にやってきたセールスマンが連絡を忘れていたためA新聞も届いてしまった』というのは、ワシからしたら当然の結果で、その勧誘員が忘れていたからというのとは違う。

最初から、その気がなかっただけのことや。その勧誘員も、A新聞の販売店にそんなことを言うても相手にされんのは先刻承知やさかい、その気などさらさらなかったはずや。確信犯やな。

そういう場合、いよいよということになれば、『そんなこと言ってない』で済ますケースが大半や。そんな事案なら、過去にいくらでもある。

今回は、たまたま『A新聞の慰安婦に関する誤報』があったことで、その拡張員の言うように、そのA新聞の販売店に『自分自身で解約』を申し入れれば受け容れて貰える可能性があるということで、そんな逃げ口上を使っているだけの話でな。

その拡張員が勧誘した6月には、まだそんな問題は発覚していなかったわけやから、その事件がなければ、あんたはそのY新聞の拡張員に騙されたままだったことになる。

あんたが、その事件を知ってA新聞を解約したいというのなら、A新聞の販売店にそう言われたらええ。今なら、それほど揉めることもなく解約に応じて貰える可能性が高いやろうとは思う。絶対とは言えんが。

ただ、あんたが契約したA新聞の販売店は何も悪いことをしているわけやないということだけは知っておいて欲しい。

その意味で『僕としては、多少違約金を払っても良いのでA新聞を解約したいと思っています』と言われておられるのやとしたら、あんたは誠実な人やと思う。

もっとも、そうなるかどうかは、、そのA新聞の販売店と販売店との交渉次第やが、『A新聞の慰安婦に関する誤報』を理由にすれば、今やとあっさり解約が認められるかも知れん。何とも言えんがな。

今回のケースは、そのY新聞の販売店の勧誘員が悪質やったということを分かって貰いたい。

あんたの場合、Y新聞の契約に対しても消費者契約法第4条に規定されている「不実の告知」を理由に解約することは可能やと思う。

どうされるかは、あんた次第やがな。良う考えて決められたらええ。

良う考えた結果、まだ何か分からんことがあれば遠慮なく質問されたらええ。いつでも答えるさかい。


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