新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1305 何とか穏便に契約を解除したいです


相談者 kaiさん  投稿日時 2014.11. 5 PM 11:52


はじめまして。

新聞の購読契約について困っていたところこちらのサイトを見つけまして、アドバイスが頂ければと思いメールしました。

すでに似たような質問がありましたら申し訳ありません。

私は現在大学生で、今日(11月5日)の夜にインターフォンがなり、宅配便か何かと勘違いしてドアを開けたところ新聞勧誘の人でした。

12月から2月はサービスでタダで、残りの3か月も1000円にするから、6か月間だけ契約してほしいといわれ、人柄も良さそうだったのもあり契約してしまいました。

その際にタダにしたことや安くしたことはどんなことがあっても誰にも言わないように言われ、お米と洗剤をもらいました。

もらった契約書には月々の購読料の欄は空欄で、3か月間はタダなどの記載は一切ありませんでした。

その人が帰った後、冷静になっていろいろ調べたところ、タダにするといって契約させて実は払わせるというトラブルが多いこと、いつでも契約解除できるというのは間違っていること、

(私の所に来た勧誘の人は辞めたければいつでも言えば辞められると言っていました。)を知って不安になったのと、たとえ安くなるのが本当だとしても就活などを控えて金銭的にも時間的にも精神的にも余裕がないことから、契約を解除したいと思っています。

新聞を売る側の人にとってはとてもひどいことをしようとしているのは重々承知なのですが、何とか穏便に契約を解除したいです。

このような形で相談をするのは初めてなので非常に読みにくい文章だと思いますが、よろしくお願い致します。


回答者 ゲン


『就活などを控えて金銭的にも時間的にも精神的にも余裕がないことから、契約を解除したいと思っています』ということなら、クーリング・オフをされたらええのやないかと思う。

クーリング・オフについては知っておられるかも知れんが、念のために簡単に説明しとく。

「特定商取引に関する法律」の第9条に、「訪問販売における契約の申込みの撤回等」というのがある。

これが俗称でクーリング・オフと呼ばれとるものや。ちなみに、クーリング・オフとは頭を冷やして考え直すという意味がある。

一定の期間内やったら、理由の有無を問わず、またその理由を知らせることもなく消費者側から一方的に契約の解除ができるという法律や。

あんたのようなケースは、たいていの人がその制度を利用される。

新聞契約の場合、契約書を受け取った日から8日間がその一定期間内ということになる。

あんたの場合は、11月5日に契約したということやから、11月12日までが、その期限ということになる。

これは、文書での通知やないとその効力がないと法律で決められている。

よくその新聞販売店に連絡することでクーリング・オフができると勘違いされる方がおられるが、それは違う。その場合、解約できたとしても、それは合意解除にしかならない。

事、クーリング・オフに関しては直接、文書での通知をする方が賢い。

具体的には内容証明郵便や配達証明付きハガキ、簡易書留ハガキを出すというのが一般的や。中には、電子内容証明郵便で出すというケースもある。

いずれも日本郵便(JP)でその手続きを取るようになっとるものばかりや。

この一定期間内の8日間というのは、この間に相手側の業者である新聞販売店に届くまでの期間ではなく、日本郵便(JP)に配達依頼をして手続きが完了した日が8日以内やったらええということや。

一番、確かなのは内容証明郵便や。これは、多くの法律家の先生方が、推奨していて、最も間違いがないとされとる。

通常郵便物の料金80円(定型25グラムまで)+ 内容証明料420円(手紙文1枚の場合 )+書留料420円+ 配達証明料300円=1220円 が必要になる。

配達証明つきのハガキの場合は、官製ハガキ50円+書留料350円+配達証明料420円=820円 が必要や。

これを、簡易書留郵便ハガキだけで済ませとる人もいとる。その場合は、官製ハガキ50円+書留料350円=400円 が必要となる。

但し、出す書式や内容、方法で料金が違う場合も考えられるから、詳しくは、最寄りの郵便局で確かめといてや。

それと、内容証明郵便と、配達証明つきのハガキは、その地域の配達局、つまり、集配している大きな郵便局やないと扱うてない場合があるから、それも気をつけなあかんで。

その辺の小さな郵便局では受け付けてくれんこともある。その点、簡易書留郵便なら、どこでも扱うてるはずや。

クーリング・オフの通知に、貰った『お米と洗剤』を「返還するので取りに来てほしい」と書いておけば、販売店の人間が取りに来るやろうから、それを渡せば終わる。

それらの詳しい説明については『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』というのがあるので、それをよく見て頂けたらと思う。

いろいろ細かな注意点もあるしな。

『12月から2月はサービスでタダで、残りの3か月も1000円にするから、6か月間だけ契約してほしいといわれ』というのはワシの知る限り、その殆どがええ加減なケースばかりや。

それで騙されたと言われて、このQ&Aに相談されて来られる人が後を絶たんさかいな。

『その際にタダにしたことや安くしたことはどんなことがあっても誰にも言わないように言われ』というのもありがちで、普通に考えて、おかしいわな。疚(やま)しい思いがあるからこそ、こんな言葉が出るわけや。

おそらく、その勧誘員は当該の新聞販売店から確認の電話が入ったら、上手く口裏を合わせてくれと言うてたはずや。

口止めをする理由は一つ。それは業界のルールでやったらあかんことやからや。そのことが発覚したら、その勧誘員は某かのペナルティを喰らうことになるさかいな。

ヘタをすると、その販売店への入店禁止、所属の拡張団、新聞営業会社から解雇されるということまであり得る。

つまり、公式には、その新聞販売店では『12月から2月はサービスでタダで、残りの3か月も1000円にする』というようなことは認めてないわけや。

契約は、契約書に書いてあることだけが法律で保護される。契約書に書かれてない事は「何もなかった」とされても法律的には文句が言えん。

それは新聞購読契約に限った話やない。世の中、すべての契約は、契約書に書かれている内容だけが守られると理解しておいた方がええ。

契約書にない事は実行されないと。口約束は、どこまでいっても口約束でしかないと。

信用して裏切られても仕方ないと納得できるのならともかく、そうでなければ信じるべきやない。

ワシの経験から言えば『3か月間はタダなどの記載は一切ありませんでした』とあるのはナシにされ、正規の新聞代を請求される確率は高いと思う。

そういったこともあり、あんたのように、まだ間に合いそうな人には、必ずクーリング・オフをするように勧めとる。

このクーリング・オフをするには利点がいくつかある。

一つには解約する理由を一切伝えなくても構わないという点や。ただ、気が変わった、考え直したと言うだけでええ。

そのため『新聞を売る側の人にとってはとてもひどいことをしようとしているのは重々承知なのですが、何とか穏便に契約を解除したいです』ということを気にされる必要はないわけや。

解約する理由を言う必要がないわけやから、その勧誘員が、あんたに何を言うたかは、その販売店には分からんさかいな。あんたが何も言わなければ、その勧誘員が罰せられることはない。

単に契約が一つ取り消されただけのことで済む。

それにクーリング・オフは、ありがちで、その文書を出された時点で、どうすることもできんから諦めるしかないというくらいは、この業界の人間なら誰でも承知していることでもあるしな。

それに、「何でクーリング・オフをするんや」と言って、あんたに怒鳴り込んだり、翻意させようとしたりすると法律に触れるということもある。

それをすると、「特定商取引に関する法律」の第6条、

『販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない』

というのに抵触する可能性があるさかいな。

つまり、クーリング・オフ後の再勧誘などの行為は犯罪になるから、それはできんということや。実際、度がすぎて警察に逮捕されたケースまであるさかいな。

新聞販売店の人間もその程度のことは知っとるはずやから、「クーリング・オフ」での解約の場合は、恨みがましいことなど何も言わずサービス品だけを受け取っておとなしく引き上げるのが普通や。それについても問題は殆ど起きていない。

クーリング・オフの他には、その販売店と話して「合意解除」するという方法もあるが、それやと、解約する理由を伝えんと納得せんやろうから、その勧誘員の話もせなあかんことになる。

どちらを選ばれるかは、あんた次第や。期限内まで、じっくり考えて結論を出されたらええ。


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