新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.133 理不尽な中途解約客について
投稿者 某新聞販売店従業員さん 投稿日時 2005.8. 3 PM 0:36
以前のことですが、お客さんから中途解約の申し出が電話でありました。
当然、契約期間が残っており…「契約期間が残っていますから、それまでは、ご購読していただきたいのですが」と、答えました。
お客:「新聞が読みにくいんじゃ!それに契約いうて、客に読めん新聞に金を払えというんか!!」
私: 「お言葉を返すようですが、契約して戴き、もう1年以上ご購読いただいています。あと1年もありませんし、このまま、何とかお願いできませんか?」
お客:「新聞入れても、金は払わん。明日から止めろ!!」
私: 「契約の解約には、規定がございます。今からお伺いしてお話させてください。」
この間に解約理由が店の不手際なのかを、お客に問いかけたが、答えてはもらえず…店の顧客情報(今は全部PC入力で一目でわかる)で、不配、集金トラブル、拡材の未届けが無い事を確認して、お客の家に向かいました。
私: 「○○新聞の○○です。お伺いさせていただきました。」
お客:「何しにきたんや、とにかく新聞はいれるな!もう、これで解決じゃろうが。」
私: 「いいえ、契約期間をお客様の事情で解約と言う事になれば、契約書の裏面に記載されているように、残りの期間に対しての違約金をいただかなくてはいけません。」
お客:「そんな契約書、なんの効力もないんじゃ!イネや!(帰れ)」
私: 「そういうわけにはいきません。契約していただいた時に、クーリング・オフのお話も、契約期間の確認も、サービス品の話も全てお話いたしました。お客様には、ご理解のお返事を頂いてから、契約書にサインもいただいております。小さな契約書ではありますが、効力はあります。応じていただけないですか?」
お客:「消費者センターに苦情をいうからの!後で詫びいれてきても、今度は損害賠償で訴えるから、その覚悟しとけ!」
私: 「わかりました。1週間したらもう一度お伺いさせて下さい。私共に落ち度がございましたら、訴えられても結構です。」
冷静にかつ、丁寧に応対したつもりだと、今でも思っていますが…元来、心配性なもので夜も眠ることは出来ませんでした。
3日後、消費者センターから問い合わせが入って、簡単な質問があり、事情を説明すると我々に問題のないことを分かっていただけました。
センター側は非常に好意的に受け取ってくださり、以降、他店や他系統紙でのトラブルも相談を受けることがあるようになりました。
1週間後、再度、訪問しましたが…そこでビックリする扱いを受けました。
私: 「○○新聞の○○です。」
(そこには、たくさんの親戚や、知人が集まっていました)
お客:「金払ったらええんやろ!クソ新聞屋が!!なんぼじゃ!」
私: 「○○○円頂きたいと思います。」これは、センターの方にも、話していました。センターの方が好意的に思ってくださったのは、この程度の解約金を提示したからだと思っています。良心的な店だと評価していただきました。
お客達は、数枚の1000円札で、鼻をかみ・破った上に、それを玄関前に投げ「金は金やろ!拾ってイネや!」とその場で、ひどい笑いものとしてさらされました。
写メで撮られ、色んな人に送っている様子。しかたなく「ありがとうございました」とだけ告げ、後にしようとすると、今度は灰皿が飛んできて、腕にあたってしまい、腫れてしまいました。
暴行罪にも、侮辱罪にも当たると思いますが・・・何も言わず車の中で悔しくて泣きながら帰りました。それでも、怒っちゃダメだし、正論を言っちゃだめだ・・・。一応仕事は出来たのだから・・・。そう自分に言い聞かせて帰りました。
近所には読者もいるし、揉め事が起こったことが噂になるのは、店や本社にはよくない事だと思いますので、言いたいことも言えず我慢するしかありませんでした。けがも命に係わるわけじゃ無いし。とにかく、その日は、浴びるほど酒を飲んで自分をごまかしました。
ゲンさんは、こんな経験ありますか。また、こんなとき、どうしたら良かったのでしょう。私には、外に方法は思いつきませんでした。
回答者 ゲン
この業界に長くおれば、常識はずれの横暴な客に出くわすこともある。当然、ワシもその例に漏れず、その手の客も結構いとった。
せやけど、あんたほど、ひどいめに遭うたことはない。もっとも、ワシら、拡張員に言うのと、あんたら販売店の従業員に対して言うのとでは、客も態度を変えるのかも知れんけどな。
それにしても、あんたのとった態度はえらい。良う我慢したと思う。どんなに、人間のできた者でも真似のできることやない。
ワシも理屈では、こういう場合は我慢するのが、ベストやとは分かっとるが、実際、そういう場面に遭遇したら、どういう態度に出るか自分でも自信がない。
こういう段階になれば、人間の尊厳にまで関わることやからな。この場合、あんたの言う傷害罪、侮辱罪で告訴するのも当然やと思う。それをあんたは、店のことを第一に考え思い止まった。本当に頭が下がる。
その場で怒りを爆発させるのは簡単や。もっとも、その相手も端から、それが狙いやったのやろと思う。その僅かな、金を惜しんでのことか、あんたを怒らせることで、逆に追い込み、店からも某かの金でも取ろうと思うてのことかも知れんがな。
これは、ヤクザの良うやる初歩的な手口や。自分一人では自信もないから、衆を頼むというのもそうなることを予想してのことやし、札を鼻でかむというのも、どこかの低俗なヤクザの入れ知恵やった可能性すらある。
最後に、灰皿を投げつけたのも、あんたがその誘いに乗らんかったから、当てが外れ悔し紛れのことやったのやろという気がする。
あんたは、確かに、その場は、みじめな思いをされたやろうけど、人間としての戦いには大勝利したとワシは思うとる。実際の勝負もあんたの勝ちや。
その人間は、自分の思いを消費者センターに苦情という形で言うたのに、その消費者センターから、おそらくは、たしなめられたはずで、当てが外れたというのも、その一因かも知れんけどな。
客という立場で勘違いする人間が、世の中には多い。しかし、消費者センターという所は、苦情を言うて来る人間すべての意向を取り上げるとは限らん。
言い分を聞いた上で、相手も確かめ、適切にアドバイスするのが普通や。消費者センターも、当然やが、苦情を言うて来る人間にも、えげつないのがおるというのも良う知っとるから、話をそのまま信じることはない。
今回のように、双方の言い分を聞いた上で、アドバイスする。そのアドバイスも、法律が中心になるから、違法行為がなければ、その苦情を取り上げるようなこともせん。特に、今回のようなケースやと、ほとんどが門前払いになる。
一方的な契約解除は、相当の事由がないと絶対にできん。双方の話し合いが不可欠となる。それが、世の中の常識、通例なんやが、哀しいかな、それの分からん人間がおるのもまた事実や。
今回の、この客が正にこれやな。かわいそうやけど、こういう人間は、おそらく死ぬまで救われんやろと思う。
特に今回、あんたにしたことを何とも思うてないようやと、こういう人間は、当然のように似たようなことを他でも繰り返す。
その相手が、あんたのように我慢する人間ばかりやとは限らん。人間が一番怒る原因は、他人に馬鹿にされたときや。それが、刃傷沙汰になることなんか世の中には何ぼでもある。珍しいことやない。
つまり、この人間は、常にそういう危険と隣り合わせに生きとるということになる。いつかはえらいめに遭う。実際にそういう人間を何人も見てきたからな。
因果応報という使い古された言葉やが、これは、人の世には必ずあるもんやと心しとかなあかん。自分のした行いは、いつか必ず何かの形で報いとして返ってくる。ええことも悪いこともな。
それにしても、この客は何でいきなり解約やなんて言い出して、そんな真似までしたんやろかな。
販売店や配達のクレームやないということなら、考えられるのは一つしかない。他の新聞と契約したか、取るつもりになったということやろと思う。
理由は、知り合いにその新聞店の人間がおるのか、単に拡材に釣られただけなのかも知れんがな。いずれにしても、しょうもない人間やと言うしかない。
しかし、何でも物は考えようで、そのおかげで、消費者センターからでさえ一目おかれるようになったし、あんたの忍耐力も実践できたから、自信もついたやろ。
世の中、悪いことが、必ずしも悪い結果にはならんということや。そう思うたら、少しは気も晴れるやのやないかな。