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NO.1340 たかがアルバイトに300万円近くの送金って有り得るのでしょうか…


投稿者 Yさん  投稿日時 2015. 5.30 PM 1:35


こんにちは。突然のメール失礼します。

先月、販売店の所長に「積立金が(5年契約)5月末に入るからな〜」と言われて本日、ゆうちょ銀行のATMにて通帳記入をしたところ300万円近くが送金されていました。

送金主?は「M販売店財形会」と言うところからでした。

たかがアルバイトに300万円近くの送金って有り得るのでしょうか…

所長に聞けば早いのでしょうが支払いなどで、すでに20万円使ってしまって…

送金ミスだ!返してくれ! と言われたらなぁと思い連絡できません。


回答者 ゲン


『積立金が(5年契約)5月末に入るからな〜』というのが、その販売店が加入している財形貯蓄(勤労者財産形成貯蓄制度)が満期になったのであれば『300万円近くの送金』は十分考えられる。

財形貯蓄(勤労者財産形成貯蓄制度)とは、勤労者財産形成促進法に基づき、勤労者の貯蓄や持家取得の促進を目的として、勤労者が事業主の協力を得て賃金から一定の金額を天引きして行う貯蓄のことや。

ただ5年で『300万円近くの送金』がある場合というのは、あんたが、その販売店に5年勤めていて、尚かつ毎月5万円前後が財形貯蓄として天引きされていることが条件になる。

あんたは『たかがアルバイト』と言われるが、アルバイトであっても従業員として『毎月5万円前後の積立金が財形貯蓄として天引き』されることを了承していたのなら問題はない。その金は、あんた自身のものや。

ただ、それであれば、あんたにも身に覚えがあるはずやから、こんな相談をしてくることもないと思うのやけどな。

あんたの収入が、どの程度やったのかは知らんが、毎月5万円以上も天引きされていた場合、アルバイトをされておられるということからすると毎月の収入は、かなり少なかったのやないかと思う。そのあたりのところはどうなのやろうか。

万が一、あんたに一切見覚えがなく、『300万円近くの送金』があったのなら、『送金ミスだ!返してくれ!』と言われる可能性は高い。その場合は、その要求に応じるしかない。

民法第703条に「不当利益返還請求権」というのがある。

「不当利益返還請求権」とは、正当な理由なく他人の損失によって財産的利益を得た者に対し、自己の損失を限度として、その利得返還を請求できる権利のことや。

相手方に明らかな手違いがあろうと、あんたに落ち度がなかろうと、本来得られるはずのない利益を得ていれば、すべて「不当利益」ということになる。

法律は、その返還要求をする権利があると認めとるわけや。

『送金ミスだ!返してくれ! と言われたらなぁと思い連絡できません』というのは、その金を返したくないと考えておられるのかも知れんが、それは止めておかれた方がええ。

あんたは『すでに20万円使ってしまって』と言われているから、それが送金ミスによる振り込みだったとしても、それと承知していながら使い込み、黙っていたという事実で詐欺罪が適用される場合がある。

実際に、そういったケースで警察に逮捕されている人は数多くいとるしな。もちろん、新聞記事やテレビニュースになっているケースもある。

ただ、あんたの場合は『販売店の所長に「積立金が(5年契約)5月末に入るからな〜」と言われて』ということがあるから、それを信じてしまったと抗弁できるさかい詐欺罪については微妙なところやがな。

もっとも、その場合は、詐欺罪より遺失物横領罪が適用されるかも知れんがな。

いずれにしても、そのまま黙っていて、あんたの金でないということが発覚した場合(必ず発覚するとは思う)、何らかの罪に問われることになるさかい、『所長に聞けば早い』 とあんたが言われておられるように、早めにそうして確認しとくことや。悪いことは言わん。

それで本当に、あんた自身がかけた財形貯蓄が満期になって貰えた金なら堂々と安心して使えるし、万が一、そうではなかった場合でも早めに言うことで「自分の金だと思った」と主張できる。勘違いしていたと。

その上で、すでに使ってしまった金は、送金先と話し合って分割払いにするなりして返金方法の相談をされたらええ。相手も自分たちのミスがある以上、それを嫌とも言えんやろうしな。

事が発覚する前に、あんたから、それを言い出せば、悪意がまったくないと判断され、罪に問われる可能性は低く、返還金に利息がつくこともないさかいな。

ワシからのアドバイスは以上やが、後は、あんたがどうされるかの判断をするしかない。


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