新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1347 会社側になんて言えばいいでしょうか?


投稿者 Tさん  投稿日時 2015. 7.13 AM 0:23


拡材費の控除について質問させていただいたTです。

税務署に尋ねたところ、確定申告済みなので、控除はできないということでした。65万円の中に含まれているとのこと。

集金業務の報酬は、1件150円、月6万円ほどです。勧誘業務の報酬は、1件千円から4千円で、月4万円ほどで年にすると45万円になります。そのうち拡材費は約半分になります。両方で年収の総額は、110万円から120万円位です。

収入が報酬ではなく給与になっているのでサラリーマンと同じということみたいです。

給与明細で所得税、住民税が引かれています。労災の適用はあるようです。就業時間に決まりはなく、タイムカードもありません。

完全歩合制なので報酬として申告すればいいみたいですが、会社側に何て言えばいいでしょうか?

お知恵を貸してください。


回答者 ゲン


あんたの場合『年収の総額は、110万円から120万円位です』ということからすると、通常の計算やと、年収180万円以下では、その40パーセントが控除額になるのやが、何らかの理由でプラスアルファーが発生していて65万円の控除額になっているものと思われる。

つまり、あんたのケースやと、その差額の45万円から55万円に対して税金が課せられていることになる。通常は、その1割程度が税金として源泉徴収される。

あんたが問題にしている拡材費は、1年間の『勧誘業務の報酬』45万円の約半分、22万円から23万円の間ということになる。

明らかに請負業務と思われる仕事は、普通、一般の従業員のような給与所得者とは扱いが違うもんやが、『給与明細で所得税、住民税が引かれています。労災の適用はあるようです』ということからすると、あんたの言われるように『サラリーマンと同じ』扱いになっているものと考えてええやろうと思う。

請負業務は、通常、個人事業者という区分になるのやが、それやと労災は適用されんさかいな。

その意味では、その販売店は、あんたに対してかなり配慮しているものと考えられる。

ただ、職務形態が完全歩合制で『就業時間に決まりはなく、タイムカードもありません』というのは、一般的な従業員としての雇用契約では考えにくいがな。

また、その販売店も、そこまでの説明を税務署にはしておらず、単に『パート従業員』ということにして税金の申告をしているのやろうと思う。

そのため税務署側では、『完全歩合制なので報酬として申告すればいい』と言うたのやと考えられる。

前回の回答で『客に渡す拡材費は必要経費になるから、当然、総収入から控除して貰える』と言うたが、それは請負業務主体の個人事業者扱いやと考えていたために、そう回答したわけや。

『報酬として申告』すれば、拡材費『22万円から23万円』が経費として認められ控除の対象になる可能性があると考えてな。

個人事業者の場合は青色申告が可能で、その場合、青色申告特別控除の優遇処置で65万円までの基礎控除が受けられることになっている。

あんたが基礎控除として『65万円の中に含まれている』と言われているので、てっきりそうやとばかり考えていたが、どうも、そうではなさそうや。

あんたは、拡材費『22万円から23万円』を経費として申告したくて、『会社側に何て言えばいいでしょうか?』と質問されたのやとは思うが、その販売店の経営者の性格が分からんさかい、どう答えてええか難しい。

普通は、そうされるのは嫌がる。その販売店が、どうかは分からんが、一般的には拡材は販売店が負担することが多い。当然、経費に計上する。

そこに、あんたが同じように拡材費を経費として計上したら、どうなるか。

もちろん、そうするのは間違いではないが、そうされると販売店は自らの不正が発覚するのやないかと考える。厳密に言えば、二重経費の申告は脱税行為にもなりかねんことやさかいな。

ワシが前回、しきりに『何か胡散臭いものを感じる』と言うてたのは、そういうことを考えてのことや。普通、二重経費の申告をするような所は、他にもいろいろ税務署に知られたくないことをやっている可能性が高いしな。

また、あんたのやり方で、税金が還ってきた場合、他の者に与える影響というのもある。

それを嫌がる経営者なら、あんたを除外、つまり解雇する方向で事を進めるやろうと思う。

もちろん、それについての対抗手段はあるが、普通の人には労働争議に持ち込むのは負担が大きいさかい、たいていは泣き寝入りすることになる。

経営者が、そこまでしなくても、『勧誘業務の報酬の中には拡材費も含まれている』と主張することは十分考えられる。実質的に、そうなっているわけやさかいな。

もし、そうだとすると、あんたの言われる『1件千円から4千円』の勧誘報奨金の中に拡材費が含まれていた場合、1件あたりの勧誘報酬は実質『500円から2千円』ということになってしまう。

もっとも、一般的な販売店の従業員の勧誘報酬としては、この額でも特段少ないというほどでもないがな。

それに対して、あんたが納得できないのなら、税金の申告云々以前に、世間話のような感じで『通常、勧誘員が拡材を負担する場合は、その分の報酬金が上乗せされていると聞きましたが、私の場合も、そうして頂けませんか。そうして貰えると、もっと頑張れるので』と、その経営者に交渉してみてはどうかな。

『会社側に何て言えばいいでしょうか?』ということに対するアドバイスなら、それがベストやと思う。

その反応次第で、どうされるか考えられたらええ。

「分かった、上乗せしよう」と言うてくれるのなら、それで問題ないし、「いや、それはできん」と言われるのなら、解雇覚悟で税務署へ拡材費を経費として申告するのも手や。

ただ、税務署に拡材費を経費として申告して、それが経費として認められたとしても、返還される税金額は、それほど多くはないと思うよ。

もともと、あんたは低所得として控除を多めに受けているわけやさかいな。はっきりしたことは、実際に申告してからでないと何とも言えんし分からんが、単純に計算した場合、それで得られる税金の返還分は、せいぜい1万円から2万円程度のものやと思う。

もっとも、それを大きいと捉えるか、職をかけてまで争う意味がないと考えるのかは、あくまでもあんた次第や。それについて、ワシがどうこう言う問題でもないしな。

ただ、ひとつ言えることは、あんたへの報酬条件は、例え拡材費込みやとしても、この業界としては一般的なもので、特段多くもなければ少なくもないということや。

また、その販売店の経営者は、あんたを『パート従業員』扱いにして労災が適用されるようにしているということからして、それほど、あこぎな人間とは思えん。そこそこの配慮をしているものと考えられるというのが、ワシの見方や。

それらのことを熟考されて、どうされるか決められたらええと思う。


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