新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1360 ゲンさんはインターホンを押した第一声はなんと言っていますか?
投稿者 SHさん 投稿日時 2016. 1.14 AM 9:08
おはようございます。
ゲンさんはインターホンを押した第一声はなんと言っていますか?
ドアホントークの教授をお願いしたいです。おねがいします。
回答者 ゲン
『ゲンさんはインターホンを押した第一声はなんと言っていますか?』という質問については当メルマガ『第377回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■続ゲンさんの新聞勧誘営業講座 その3 新聞勧誘の第一歩』 の中で言うた『新聞勧誘の第一歩 話を聞いて貰える確率を上げるために気をつけたいこと』が、その答えになるやろうと思う。
その部分を抜粋する。
2.ドアオープンのためにできること。許されること。
繰り返すが、新聞勧誘にとって最も難しく、重要なのは『ドアを開けさせて話を聞いて貰えるようにすること』や。
インターホン越しにセールストークを駆使して、落とせれば、それに越したことはないが、それだけに頼っていたんでは残念ながら、新聞勧誘は厳しい。
よほどのことでもない限り、新聞勧誘と聞くだけで「結構です」と言って「インターホン・キック」しようと決めている人が多いさかいな。
それには、直接顔を合わせて話を聞いてしまうと断りきれない、断る自信のない人が多いからや。
それもあり、成約率を高めるのは直接の面談に持ち込むしかないというのは、この業界に携わる者の常識になっている。直接会って勧誘できれば成約できる確率も上がると。
そのためには、どうしたら良いのか。その方法を説明する。
例え、相手の客から姿は見えずとも満面の笑みを浮かべ、明るくほがらかな声のトーンで話すように心がけるだけで、ドアを開けて貰える確率がかなり違ってくる。
その際、「こんにちは(今晩は)、○○さん、大変お忙しいところ、まことに申し訳ありません。○○新聞の者です。以前、お約束の物をお持ちしました」と、はっきり言う。
特に『こんにちは(今晩は)、○○さん』の部分は大きめの声で、『○○新聞の者です』というのは流す感じでもええ。
そして、最後の『以前、お約束の物をお持ちしました』の部分をはっきりと言う。
しっかりした挨拶があるだけで、「この人は礼儀正しいな」と思うて貰えるし、名前を呼ぶことで親近感を与えられるさかいな。
『お約束の物』というのは、何も本当に約束していなくても良い。一方的な約束でも構わない。
ワシは、例え「インターホン・キック」されたとしても、最後には必ず「分かりました。それでは今回は帰ります。しかし、次回寄せて頂く際には、○○さんの気に入る条件とサービスを考えて来ますので、その折りには話を聞いてやってください」と言うておく。
たいていの客は、こう言えば「帰って貰える」ものと考えるさかい、それに対して否を唱えるケースは少ない。というか、そんな勧誘員の最後の言葉など耳に入ってないのが、普通や。
しかし、こう言うておけば、『以前、お約束の物をお持ちしました』と言うても嘘にはならん。
客の方でも「そうやったかな」と考えやすい。そのタイミングを逃さず、勧誘トークに持ち込むわけや。
インターホンを押すと同時にノックをするというのも効果がある。そのノックも中央より、やや下方を叩く。
下の方を叩くと、近所か知り合いの子供でも来たのかなと勘違いしてドアを開ける場合がある。
客の勘違いを誘うのは汚いやないかという意見があるかも知れんが、ノックをするのに下の方を叩いたらあかんという決まりはないから、法的にはセーフや。
もっとも、ひんしゅくを買う可能性はあるけどな。
せやから、ドアオープン後は、間髪入れず勧誘トークに全力を傾けるようにすることや。
どさくさに紛れてと言うと語弊があるが、少々のことはごまかすのも手やと思う。
目的は、あくまでもドアを開けさせることにあり、その後は、きちんとした勧誘をすれば特段問題はないと考えるさかいな。
その客のためになりそうなことがあれば、迷わず知らせる。そういうのは、それと気をつけていれば結構、いろいろ見つかるもんや。
具体的には、その家の洗濯物が風に吹かれて地面に落ちているというケースなんかが、そうや。
その場合、「奥さん、お宅の洗濯物が落ちてますよ」と、インターホン越しに知らせれば応答してドアを開けてくれる確率が高くなる。
開けてくれれば、相手には「親切な人」と思われるさかい、その後の勧誘が楽やわな。
ということや。
このトークを活かすポイントは幾つかある。
一つは、『例え、相手の客から姿は見えずとも満面の笑みを浮かべ、明るくほがらかな声のトーンで話すように心がける』こと。
新聞勧誘などの対面営業において最も重要なのが「笑顔を絶やすな」ということだとワシは考えとる。笑顔でいれば明るい雰囲気を醸し出すことができる。
人は感情の動物で、明るい雰囲気の人間と接すると安心する。逆に、しかめっ面や苦虫をかみつぶしたような暗い人間に対しては無意識のうちに困難を避けようとする本能が働いて拒否する行動を取るようになる。
よくインターホンに向かって「話だけでも聞いてください」と懇願するのだが、その殆どで相手にすらされないとボヤく新聞勧誘員がいる。
そういった場合、たいていはインターホンに向かって必死で話すことばかりに集中して、笑顔を作っている余裕などないケースが多い。それでは、「インターホン・キック」されるのも無理はない。
人は笑顔の状態で話すのと、そうでない状態で話すのとでは言葉の響き、伝わり方がまるで違うてくる。
当然やが、同じ内容の言葉を発していても笑顔で話せば明るく聞こえ、笑っていない場合は暗く響く。それが必死な声やったら、嫌悪感すら抱く人もおられる。
例え相手に顔が見えていない場合であっても笑顔で話すのと、そうでない状態で話すのとでは雲泥の差があると知っておいて欲しい。
笑顔による効果は他にも幾つかある。
人には笑顔を作るための表情筋が顔全体にある。笑顔により表情筋が活性化することで脳の血流が良くなり、脳細胞が活性化すると言われている。
つまり、常に笑顔を作っているだけで賢くなれる可能性が高いということやな。
また、笑顔になることによって脳内に心のバランスを整える働きをする「セロトニン」という物質が増え、脳はストレスに強くなり、リラックスしやすい状態を保ち、プラス思考になれると医学書にも書いてある。
さらに、笑うとリンパ球の一種であるNK(ナチュラルキラー細胞)が活発に活動し、身体に入ってきた異物やウィルス、および癌細胞を攻撃すると言われている。
笑顔を作り、笑うことで活性化した血流は、細胞を活性化する神経伝達物質「神経ペプチド」を身体の隅々まで運ぶ。
この「神経ペプチド」のおかげでパワーアップしたNK(ナチュラルキラー細胞)が、免疫力を高めてくれるというわけや。
笑顔を作るということは営業だけやなく、自身の健康と精神の安定のためにもええということや。
そんな専門的なことを知らずとも、明るい表情をしていれば自然に他人から好感を持って貰えるということは誰にでも分かると思う。
営業に、それを活かさな損やわな。どんな形であれ客と接する時には意識的に笑顔を作るようにすれば、相手から好感を持たれる可能性が高まり、それが営業にも好結果を生むと信じて貰いたい。
もっと言えば、笑顔は相手だけやなく、自分自身の気持ちも明るくし、前向きにしてくれる。気持ちが前向きになると、やる気が出るということにもつながる。
もう、ここまで聞けば笑顔を作らな損やということが良う分かったやろうと思う。
二つ目は『こんにちは(今晩は)』と第一声は必ず挨拶から入ること。
新聞勧誘は、午後から動くことが多いさかい、「こんにちは」、「今晩は」が基本になる。
挨拶をするのは、当たり前のことで小学生でも知っている一般常識やとワシは思うていたが、これを省いている勧誘員が多いと知り、愕然としたことがある。
挨拶をせんでも特に問題はないと考えとるのなら大間違いやと言うとく。最初の挨拶もロクに言えん人間に、まともな営業などできるわけがない。
常識以前に挨拶をすることで得られるメリットが多いという事実を知らなあかん。
まず、大きな声で挨拶すれば、言っている者自身の気分が高揚する。気持ちが良くなる。少なくとも挨拶を交わした者の意気が下がることなどないはずや。
新聞勧誘員にとって、気分が高揚するか、どうかというのは重要な意味を持つ。それにより、その日の仕事の出来、不出来が左右されると言うても過言やないさかいな。
無理にでも大きな声で挨拶をするように心がければ、表情は自然と明るくなり、口調もしっかりしたものになってくる。
嫌なことがあって落ち込んでいても、大きな声で挨拶をしているうちに気分が晴れてくることも多い。
挨拶を続けていけば、気分も良くなり性格も明るくなると精神科の医師も言っている。医学的に証明されていると。挨拶にはネガティブな気持ちを吹き飛ばす力があると。
実際、落ち込んだ雰囲気の顔をして大きな声で挨拶をしている人間はおらんしな。
そして、何より一番の利点は笑顔になれるということや。新聞勧誘において笑顔になるというのは最も重要なことやと繰り返し言うとるが、その笑顔を挨拶一つで得られるというのやから、こんな便利なことはない。
人は挨拶を交わす際、無意識のうちに笑顔を作る習性がある。挨拶をしている人の顔の殆どが笑顔になっているはずや。不機嫌な顔で挨拶する者は、あまりおらんしな。
禅の世界に「心身一如」というのがある。これは「心と身体は一つ」という意味で、心と身体は密接につながっているという教えでもある。
人間誰でも気が滅入って落ち込むことがある。そんな時は、まずは表面、上っ面だけでもええから元気そうに振る舞うことや。
その方法は、それほど難しくない。挨拶言葉を言うだけでええ。
無理にでも人に対して挨拶をするように心がけていれば不思議と元気になっていくもんなんや。
挨拶をすることで笑顔が増え、気持ちも上向いてくるわけや。
また、挨拶をすることで相手からの印象が良くなり、人間関係も良くなるとワシは信じている。
挨拶をされた人が、その相手に対して悪く思うことは、まずない。なぜなら、挨拶を交わしてくるということは、相手がその人を認めている証でもあるさかいな。
人は他人から認められると嬉しいもんや。その気持ちが好意に変わる場合も多い。
例え、新聞を売り込む目的であったと知っていても挨拶されたことで気分を害する人が少ないのは、そうした心理的な要因があるからや。
逆に言えば、挨拶もなしに、いきなり勧誘を始めれば、「無礼な人間」というレッテルを貼って話を聞く気にすらならんということになる。
挨拶をきっかけに会話が始まる。これは人間の社会では普通にあることや。新聞勧誘は、その延長と考えればええ。
そして、挨拶をするのは難しいことやない。その気さえあれば、今すぐから誰にでも始められる。
それに挨拶は癖さえつけてしまえば、それと意識せんでも自然にできるという利点もあるしな。
三つ目は、なるべく客を名前で呼ぶこと。
新聞勧誘では、挨拶の後は、必ず相手の名前で呼びかけることを心がけなあかん。
『こんにちは(今晩は)、○○さん』と。
これも挨拶と似たようなところがあって、人は名前で呼ばれると呼んだ相手に親しみを感じ、認められたような気分になる。
勧誘員にとっても相手の客の名前を連呼することで、初めての人であっても昔からの知り合いのように感じてしまう場合が多い。
つまり、それだけでお互いの距離が一気に縮まるわけや。それを利用せん手はないわな。
そのためには客の名前を知らなあかんが、それはそれほど難しくはない。
まず表札を見る。表札に名前がなければ、新聞販売店にある住宅詳細地図を見れば、それに書いてある。
それもなければ、団地などの場合、入り口に名前を掲示した看板があるさかい、それで確認することができる。まあ、一般の一戸建て住宅で表札がない家は、まずないがな。
マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、たまに表札を張り出してないケースもあるが、その場合でも一階の郵便入れに書いていることが多い。
それにもない場合は、直接、そこの住人に訊くしかないが、そういう人は誰かの訪問、特に勧誘員の訪問を嫌がって表札を出していないケースが多いからターゲットにするには難しいかも知れんがな。
表札に名前が出ていた場合、その名前が一般的なものやったら、それほど問題ないが、珍しい名前、読みにくい名前の場合は、よく確かめてから声をかけることや。
名前を呼ぶのはええが、間違った名前で呼ぶと気を悪くする人もいて、却って逆効果になる場合もあるさかい気をつけなあかんで。
例えば、これはワシが実際に経験したことやが、「御手洗」、「下水流」という表札を掲げていた家があった。
ワシは、建築会社の営業をしていた頃から、人名辞典を常に携帯していたし、勉強もしていたから、「御手洗」は「みたらい」、「下水流」が「しもずる」と知っていたが、知らない人にとっては呼びにくい名前やと思う。
知らずに「おてあらい」、「げすいりゅう」などとストレートに呼んでしもうたら終いや。失礼、ここに極まるということになる。
それを避けるには、ワシのように人名辞典を持ち歩くか、今の時代なら携帯電話でネットの人名辞書サイトにアクセスして調べればええ。
ただ、名前には「東」のように、「ひがし」と読むのか「あずま」と呼べば良いのか分からんケースがある。
こればかりは人名辞典やネットの辞書で調べても、どうにもならん。両方の呼び方が表示されとるだけやさかいな。
こういう場合は、その家は後回しにして隣近所で、それとなく訊くというのも手や。あるいは、その近くの商店で尋ねるという方法もある。
最初に名前を呼ぶ場合は、間違いは致命的やというくらいに考えて十分調べてから呼びかけることや。
中には、間違われることに慣れた人もいて寛大な態度で接してくれることもあるが、それを期待するべきやない。
四つ目は、ご用聞き的な物言いは避けることや。
「○○新聞を取って貰えませんか」、「○○新聞を購読するつもりはありませんか」といった具合に、いきなりインターホンに向かって訊く者がいとるが、それは止めておいた方がええ。
客の答えを待つような声かけをすれば、返ってくる言葉は「ノー」以外にはないからや。
「○○新聞を取って貰えませんか」と言われれば、「嫌です」。「○○新聞を購読するつもりはありませんか」なら「ありません」という返事がしやすいさかいな。
「どこの新聞を読んでおられるのでしょうか」というのも、まずい。「言いたくありません」とニベもない返答をされるのがオチや。
そう言われると次の言葉に窮するやろうと思う。
新聞勧誘の場合、大半の人は、それと知ると、どうして断ろうかと考えるケースが多い。そんな時、断りやすい声かけ、質問をすれば、まさに渡りに船ということになるわな。
また、勧誘員の方も、そんな聞き方をした手前、「そこを何とか」というのも言いにくいし、言ったところで取り合っては貰えない。
新聞勧誘員に、ご用聞き営業は向かない。そう心しとく必要がある。
それなら、どう言えば良いのか。
「○○新聞を取って貰えませんか」と言うのなら、「○○新聞を取ってください」。「○○新聞を購読するつもりはありませんか」なら、「○○新聞を購読してください」と、ストレートに言う方が、まだマシや。
これなら、即座に「嫌です」という返事を返しにくい。たいていは、「どうして?」という質問系の言葉が返ってくる。
これに対しては、「○○新聞を取ると得をしますよ」と言って次のトークが繰り出せる。
勧誘トークは常に次の言葉を出しやすい状況に持っていかなあかん。そうすれば相手に考える余裕を与えず客を自分のペースに嵌めることができる。
勧誘員のご用聞き調のトークは、すぐに終わってしまうので頂けんが、客からの質問は、いくらでも話を膨らませていけるさかい歓迎できるというところやな。
五つ目は、クッション言葉は省かないこと。
クッション言葉というのは、相手に何かを頼んだり願い事をしたりする場合、補助的に使う言葉のことや。
ビジネス上、特に営業をする上において知っておいて損のない言葉やと思う。上手く使いこなせることができれば、相手に好印象を与えることができ、役に立つはずや。
クッション言葉には「恐れ入りますが」、「失礼ですが」、「早速ですが」、「もし、よろしければ 」、「お忙しいとは思いますが」、「ご面倒をおかけいたしますが」といった具合に、いろいろある。
『こんにちは(今晩は)、○○さん、大変お忙しいところ、まことに申し訳ありませんが』と用件の前にクッション言葉を添えると、相手に対して謙(へりくだ)った気持ちを伝えることができ、与える印象が格段に上がるさかい、言われた方も無下に断ることができにくくなる。
ちょっとしたことやが、そのちょっとしたことが勧誘営業では大きな差となって表れてくるのやと知っておくことや。
インターホンを押した後の第一声は、こんなところかな。
後は根気よく回ることやな。笑顔を忘れずにな。
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