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NO.1368 新聞代金の未払いについて


投稿者 Kさん  投稿日時 2016. 2.23 AM 10:30


はじめまして。新聞に関する悩みがあり、ここにたどり着きました。

私の実家の話ですが、十年前から一度も新聞代金の請求がなく、支払っていません。

他の市に引っ越しをした直後、引っ越し前と同じT新聞がポストに入るようになったそうです。

契約した覚えはないが、そのまま取るつもりで、何度か配達員の方に集金にきてもらえるよう話したそうですが、一度も来なかったそうです。

両親は2人暮らしで、母は気になっていたようですが、父に「ほっとけ」と言われ、また、一度に請求されても払えないため、怖くてそのまま十年たってしまったようです。

先月、父が急死し、これを機に、私も一緒に販売店に行き、今後の支払いの手続をしようと思っています。

これまでの代金の請求もされると思いますが、2年分なら支払い出来ると思います。

ずるいようですが、母には、父が口座から支払っていると思っていたことにするようすすめていますが、ありのまま、正直に話した方がよいのでしょうか?

どのように話をしていったらよいか、教えていただけませんか?

お忙しいところ、すみませんが、よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『先月、父が急死し、これを機に、私も一緒に販売店に行き、今後の支払いの手続をしようと思っています』と言われておられるのを止めるつもりはない。

ただ、『十年前から一度も新聞代金の請求がなく』、また『何度か配達員の方に集金にきてもらえるよう話したそうですが、一度も来なかったそうです』というのは、その販売店の方で何か事情があるのやないかという気がする。

ひょっとすると、今になって新聞代金の未収が発覚すると困る人がいるのかも知れない。それとも単に、その販売店の集金人が横着なだけかも知れんがな。

あるいは最初から、その販売店の集金人名簿に、お父さん名前が記載されていなかったということも考えられる。

ルーズな販売店やと、集金人名簿と配達先名簿とは必ずしも一致しているとは限らんということがあるさかいな。その販売店の初歩的なミスによる集金人名簿への記載洩れということもゼロではない。

他にも何か理由があるかも知れん。

『他の市に引っ越しをした直後、引っ越し前と同じT新聞がポストに入るようになった』のは、以前の販売店が、契約者であるお父さんに継続する意志を確認した上で、引っ越し先の販売店に配達を依頼するのが普通やから、特に問題はない。

『契約した覚えはない』というのは例え移転による継続購読であっても契約書は必要で、その状況が10年続いているということからして、その間、一度も再契約に来ていないようやから、普通では考えられんことや。

唯一、『自動継続契約』扱いであれば、そういうケースもないこともないが、昔と違って現在、転居契約者を『自動継続契約』にするような販売店は殆どないと思う。

『自動継続契約』扱いになっている客は、その販売店にとって古くからの長期購読者に限られるというのが普通やさかいな。

それらのことから考えられるのは、やはり転居時の初歩的ミスが原因で配達名簿にだけ名前が記載されていて集金人名簿にはなかったということやろうと思う。

それにしても、お父さんが『何度か配達員の方に集金にきてもらえるよう話した』と言われているにも関わらず、ほっといたというのは解せんがな。

いずれにせよ、あんたとお母さんは、このままでは気持ちが悪いから、過去の清算をし、はっきりさせたいという、お気持ちなのやろうと思う。

ただ、そうすることで、その販売店内で揉め事が起きる可能性がある。誰が、そのミスをしたのかという犯人捜しやな。

もちろん、そんなことは、あんたとお母さんには関係のない話やがな。しかし、その販売店次第では、そちらにも、とばっちりが及ぶ恐れがある。

一般的に、そういう状況であれば販売店が、その非を認めて、「それでは今までの新聞代は結構ですので、これから新たに契約を結んで支払ってください」ということになるケース多い。

もちろん、そうなった責任は、その新聞販売店の誰かが被ることになるやろうが、それは仕方ない。客である、あんた方に責任転嫁はできんさかいな。

個人的な見解で言えば、亡くなられたお父さんが言われていたように『ほっとけ』というのが正解やと思う。ワシなら、集金に来るまで、ほっとく。

当たり前やが、集金に来てくれと言うてるのに集金に来ん方が悪いわけやさかいな。その新聞代を払う必要がないとは言わんが、請求されないのに支払うことはない。

そうは言っても、今のまま、その状況が続くというのも気持ちの良いもんやないやろうから、はっきりさせたいのであれば、そうされたらええ。止めるつもりはない。

『2年分なら支払い出来ると思います』ということやが、法律的にもそれで良いとされとる。

民法第173条1項に『生産者・卸売または小売商人の売掛代金債権等の消滅時効は2年』と規定されとるのが、それや。

つまり、商品の売掛金である新聞代は例え10年分あろうと、2年分しか請求できんということや。2年以上経過したものは、すべて消滅時効にかかる。せやから、あんた方が『2年分なら支払う』と言えば、それで済む。

『ずるいようですが、母には、父が口座から支払っていると思っていたことにするようすすめています』というなことは言う必要はないと思う。

『ありのまま、正直に話した方がよいのでしょうか?』というのも特に言う必要はないが、敢えてそれを言うのなら「いくら集金に来てくれと言うても来ないから、こっちから来た」と本当のことを言えばええ。

なるべく作った話とかウソはつかん方がええ。作った話やウソは必ずほころびが出るさかいな。

それも、あんたが言うのなら、それなりに言えるやろうが、言わされるお母さんは、そうはいかん。ウソをつけば、たいていの人は引け目を感じるさかい、有利な交渉事も上手くいかんということにもなるしな。

そして、「私たちはこれからもT新聞を引き続き購読したいと思っていますが、どうしたら良いですか?」と、相手にボールを投げかけることや。

こちらから先に、こうしますてなことは言わん方が賢い。

そう言えば、たいていの新聞販売店なら先ほど言うたように「それでは今までの新聞代は結構ですので、これから新たに契約を結んで支払ってください」ということで落ち着くやろうと思う。

もし万が一、「それなら10年分全部払ってくれ」と言うような販売店なら、民法第173条1項『生産者・卸売または小売商人の売掛代金債権等の消滅時効は2年』の規定を持ち出し、「悪いですが私どもとしては法律どおりのお支払いしかできません」と言えばええ。

まあ、どんなに分からず屋の販売店でも、それで手を打つしかないと納得するはずや。

結論として、請求されるまで待つというのでもええし、はっきりさせたいのなら、まず相手にボールを投げ、その反応次第で最悪「2年分の新聞代の支払い」に応じるのでも構わない。

いずれを選ばられるかは、あんた方次第や。良う考えて決められたらええ。


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