から新聞勧誘・拡張問題なんでもＱ＆Ａ
NO.1377 もしゲンさんが私の立場ならどうされますか？
投稿者 １９７２さん 投稿日時 2016. 4.20 AM 4.48
たびたびメールしてすみません、さて先日いただいたゲンさんの御返事、示唆に富んだお言葉かみしめるように読ませていただきましたが。
私の言葉足らずのせいでゲンさんに誤解を受けてるようでしたので再度メールさせていただきました。
というのも叔父と姪のことなんですが、私が彼らを避けるのはこれは私自身のせいなのですが、やはり今の現状はいい年して契約社員という体たらく、私の弟などは４０過ぎてまだ一度も働いたことありません。
当然のごとくその辺をつかれたらもう返答のしようもなく窮地におちいってしまいます。
そして姪はもう小学生、いろんなことが分かり始めるころです。子供はストレートに聞いてくるもの。「もしおじさんは何の仕事してるの？」なんて聞かれたらもうみじめきわまるでしょう。
まぁすべて自業自得なんですが、もしゲンさんが私の立場ならどうされますか？
私もゲンさんのように誰に憚ることない立派な人間になりたいのですが、それは能力的に厳しいですし。
自分でも人とコミュニケーションをとらないとまずいとは思うも、会社でもほぼ誰とも話さずに黙々と仕事をしています。
さて私の家族は家のかたづけをしながらも幸い元気にやってるようでした。
両親には疲れをとるためにホテル代は私が負担するので福岡に一時身を寄せるようすすめましたが、家が気になると固辞されました。
連休には帰宅して少しなりと手伝いができればと思っています。たびたびくだらない相談で申し訳ありません。
追伸：私の住む福岡は平和そのもので今日は再開発ビルのオープンでにぎわいを呈していました。
わずか１００キロ足らず離れた場所が被災地とはまったく現実味がわきません、やはり人間自分がその立場にならないとわからないものですね。
回答者 ゲン
あんた、叔父さんと姪御さんを避けておられる理由が『いい年して契約社員という体たらく』、『私の弟などは４０過ぎてまだ一度も働いたことありません』ということなら、そんなことは気にする必要はないと言うとく。
『契約社員という体たらく』という考えは、今の時代にはそぐわないと思う。
厚生労働省が２０１５年１２月に発表した「就業形態調査」によると、民間事業者に勤める労働者のうち非正規社員の占める割合が４割の大台を超えたとのことや。
２０１４年の総務省の調査でも、正社員として働く機会が見つからず、非正規社員として仕方なく働く者（不本意非正規）の割合は、非正規全体の１８．１％に達していると報告されている。
また「初就職者」の４割が非正規社員との統計もあり、その比率は年々増加の一途を辿っている。今やネットなどで職探しをしようものなら、求人広告の大半が人材派遣会社のもので占められているというさかいな。
つまり、現代の社会において、契約社員である非正規社員など、どこにでもいる就業形態なわけや。せやのに『契約社員という体たらく』などと考える方がおかしいわな。
特にあんたの場合は、役所で長年勤めておられるということは、それだけ必要とされとるわけやから、何ら卑下する必要はないと考えるがな。
『そして姪はもう小学生、いろんなことが分かり始めるころです。子供はストレートに聞いてくるもの。「もしおじさんは何の仕事してるの？」なんて聞かれたら』、その時は「おじさんは役所で仕事している」と言えばええ。それが事実やさかいな。姪御さんも、そう聞けば納得するはずや。
それを『もうみじめきわまるでしょう』と考えるのは、あんたの取り越し苦労、考えすぎや。おそらく、叔父さんと姪御さんは、あんたが考えておられるほど、あんたの仕事には、それほど関心はないと思うがな。
『私の弟などは４０過ぎてまだ一度も働いたことありません』というのは、確かに問題ではあるが、それは、あんたの家族にとってであって、叔父さんや姪御さんには関係のない話やと思う。
万が一、その姪御さんに、そのことを聞かれたとしても『大人には、子供の君が分からないことが、いろいろあるんだよ』とでも言っておけば良い。
または、その相手をしたくないのなら、「子供が、そんなことを聞く必要はない」ときつめに言えば良い。それとも、そんな質問は無視するかやな。
『もしゲンさんが私の立場ならどうされますか？』ということやが、ワシなら、ありのままを堂々と話す。
ワシは、長年、新聞拡張員をしている。お世辞にも人から褒められるような仕事やない。胡散臭く思われ、毛嫌いされることも多い仕事や。
それでも、ワシは、この仕事に誇りを持っている。そのために長年続けられているわけやしな。
ワシの友人にテツという「ちり紙交換員」から古紙回収会社の社長になった男がいとるが、この男も自分の仕事に誇りを持っていた。
一般的に「新聞拡張員」や「ちり紙交換員」と言えば、社会の底辺、最下層に属する仕事やと思われがちやが、それはあくまでも、その世界を知らない他人から見た評価で、誇りを持って仕事をしている者は、何をしていても堂々としていられる。
恥ずべきものなど何もないわけやさかいな。
『恥ずかしい』という思いは、その人個人の抱く感情で、他人から見れば、それほどでもないことの方が多いもんなんや。
例えば、ボロボロの服を着たホームレスと遭遇した場合、軽蔑した視線を向ける人がいるかも知れんが、それは一瞬だけで、いつまでも関心を持って「何でこの人は、こんな生活をしているのだろう」と考えるながら、そのホームレスを見続ける人は極端に少ないはずや。
たいてい人は、自分には関係ないということで通りすぎる。そして、数分後には、その存在すら忘れている。そんなものや。つまり、人は他人のことには、それほど興味を示さんということや。
本人が『恥ずかしい』と思えば『恥ずかしい』し、そんなことはないと考えれば、そんなことはない。気持ちの持ち方次第で置かれた状況は変わる。そう考えて欲しい。
現在、叔父さんと姪御さんは、自分たちのことで一杯一杯になっていて、あんたたち兄弟のことを詮索する余裕なんかないやろうと思うがな。
これから過酷な避難生活が始まるさかい、その不安の方が、あんたが思い描く危惧に比べたら比較にならんほど大きいと思うよ。
小学生の女の子にとって、今回の自身がもたらした影響がどれだけ心細いものか。そのことを分かってあげるのが先やないかな。
『私もゲンさんのように誰に憚ることない立派な人間になりたいのですが、それは能力的に厳しいですし』というのは、大きな誤解がある。
ワシは『誰に憚ることない立派な人間』と思うたことなど一度もない。ワシは叩けば埃しか出んような男や。
若い頃は、喧嘩など日常茶飯事のようにやっていて、警察の世話になったことも数多くあった。自慢やないが、地元の警察署で覚えているだけでも悠に１０枚以上の「始末書」も書かされとるくらいやしな。
お世辞にも、人から立派やなんて言われたことなど皆無やった男や。
このサイトでは、Ｑ＆Ａの回答者という立場で偉そうな能書きを垂れとるから、そう誤解されておられるだけやろうと思う。
実際のワシは、あんたが考えておられるような人間やない。どこにでもいる初老のただの頑固なオヤジや。しかも脛に疵の多い人間や。間違っても賞賛に値するような男やない。
くれぐれも勘違いされないように言うとく。せやないと、ワシ自身の気が重いさかいな。
ただ、あんたよりかは長く人生を生きてきとるから、その点での経験則が多いということで、それなりにあんたにとって得られるものがあるために、そう考えて頂けているのかも知れんがな。
『自分でも人とコミュニケーションをとらないとまずいとは思うも、会社でもほぼ誰とも話さずに黙々と仕事をしています』というのが、特段問題なくきているのなら、特にそれを変える必要はないと思う。
一番、肝心なのは、如何にあんた自身がストレスを感じなくて仕事ができるかや。人に迷惑をかけない範囲であれば、自身のペースを貫かれたらええ。
最も最悪なのは無理をすることや。無理はあかん。無理してええことなんか何もないさかいな。
最後に、ご家族のためにできることをしてあげて欲しいと言うとく。そして、できる範囲で構わんから、被災された方々のためにも力を貸して頂きたい。
九州の役所であれば、被災地の情報も入りやすいと思うし、被災現場へもこれから向かわれると思うので、どんなことでも良いので、その時に得られた情報を教えて頂きたいと思う。
ワシとハカセで、その情報を活かし、広く伝えていきたいと考えとるので。
白塚博士の有料メルマガ長編小説選集
月額 ２１６円 登録当月無料 毎週土曜日発行 初回発行日 2012.12. 1
ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもＱ＆Ａ選集 電子書籍版パート１
2011.4.28 販売開始 販売価格３５０円
書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもＱ＆Ａ選集』好評販売中
ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から